伊豆大島の草地〜低木林の環境に、どんどん進出する「サルトリイバラ」
葉っぱは、草餅を包むのに使われたりしますが…
ツルは、色々なものに絡みつき、木々に這い上って光を奪い
動物が絡んだらなかなか抜けられない「天然の罠」みたいな形状になることが多い植物です。
今年の夏のツアーでは、このサルトリイバラのツル実験が、大人にも子どもにも人気でした。
ことの始まりは7月26日のツアーです。
私が元気に伸びたツルを見て「モノに当たると巻き始めるらしい」と話したところ、お客様が裏砂漠へ向かう途中で小枝をつかませて、実験がはじまりました。
この時は、1時間後には少し巻いていて、みんなで盛り上がりました。
翌日(7月27日)、これとは別の長めの小枝に、軽く一巻きして放置したところ、当日は全く変化がありませんでした。
が、4日後の7月31日には、何処かから新たに2本のツルが伸びてきて、3カ所でぐるぐる巻いていたので驚きました!
この時からツアーの行きにツルの先っぽに小枝を抱えさせ、帰りに観察し、また次のツアーで観察する日々が始まりました。
長い小枝をからませたら、帰りには落ちてしまっていたり
妙にバランスよく、良い感じになったり
なかなかダイナミックな合作になったり(?)
その中でも安定して経過観察できた2本の小枝がありました。
短い小枝、と長い小枝です。
8月10日の短い方の小枝。ツルはしっかり巻いて小枝をつかんでいました!!
この後どんな変化をするのか楽しみにしていましたが、毎回ほとんど変化なく、18日後の昨日(8月28日)はこの状態でした。
8月10日の、長い小枝の状態はこちら。
これも歩くたびに観察しましたが変化なく、18日後の状態はこちら。
ツルの巻き具合は変化がないけど、小枝が折れてしまったようです。
ツルはどうやら、しっかり安定するまで巻くと、満足して成長を止めるみたいですね。
だいたい4回転すると満足して、巻くのをやめる感じがするのですが、どうなのでしょう?
一方、巻きつく相手が見つからないと、宙を漂ったり(これ以後の写真は全て昨日のものです)
ススキを折り曲げただけでは満足せず(?)自分で自分に絡まったり
これもきっと、互いに絡み合い始めることでしょう。
冬には葉を落とすサルトリイバラ。
すでに枯れているツルもありました。
なんだろう? 巻きつく相手が、いなくなっちゃったのかな??
観察の結果、「しっかり巻くと満足して(?)巻くのを止める」ことはわかったけれど「宙を漂うツルはいつ成長を止めるのか?」や「ツルが枯れ始めるのはなぜか?」など、わからないことがいっぱいです。
どの生き物も、不思議なことだらけです😊
(かな)