今日は、「地域資源の保全活用を考えるワークショップ」でした
今年度に全体計画がきまり、
今度は個別のサイトに対してどのように対応していくか、ということを、
行政だけで決めるのではなく、
住民など様々な人の意見を広く聞いて反映させるためのワークショップ、という事でした。
冒頭に、伊豆大島はジオパークであると同時に国立公園でもあり、
国立公園の保護と利用にも深くかかわる、ということで、
環境省のMさんからお話がありました。
実は一昨日は、ジオ研企画「国立公園とジオパーク」というお題でお話をうかがってました。
・国立公園とは
国立公園とは「日本を代表する傑出した自然の風景地」を選定したものであり、
「風景」が第一の選定基準となっている事、
「保護」と「利用」の両輪であること、
近年の傾向は、いかに利用を進めていくか、という議論・取り組みがなされていること
アメリカのナショナルパークは国が一元管理しているが、
日本は持ち主がモザイク状になっている、それだけに難しいこともあるが、みんなで進めていけるメリットもある、ということ
などなど。
・なぜ大島が国立公園なのか?
・なぜ「富士箱根伊豆国立公園」なのか?
なるほど!!!今回なぜに答えて頂いて、とってもすっきりしました。
Mさん、ありがとうございました!
そして質疑応答では、
・「基本は自然のままに保護する」と聞いたが、その「自然」とはどういう状態をいうのか?
(例えば大島の山のほとんどは元々人の手の入った二次林だが「自然」とはどの段階の事を言うのか、など)
・「自然=手を入れない」では景観・人間の利用は維持できない、その場合はどうするのか?
などの点が議論となりました。
それをうけて、今回のバージョンでは、わかりやすく新たにまとめてきてくださいました。
国立「公園」も、ジオ「パーク」も、公園であって、単なる保護地域ではない。
自然を楽しんでもらうために提供するもの、だそうで、
人を入れずに守っていくための特別な保護すべき場所は、
「
自然環境保全地域」という枠組みで管理されているそうです。
ということで、基本姿勢が
「活用してこその国立公園」ということを、今回初めてしっかりと理解できました。
そして本題のワークショップ。
3か所の性格の異なるサイトが題材となりました。
まずジオパークとしてのそれらの場所の魅力について、Uさんから。
貴重な写真を色々見せてもらえて、美しい!&とても興味深かったです。
1、地層大切断面
↑できた当時の写真。道淵にすぐ地層!
ちなみに今だいぶ奥まっている訳は、草刈りの際削ったからではなく、
定期的に崩落があって、そのたび削って均しているためだそうです。
新島の宮塚山が噴火した時の地層について全身で熱弁するNさん!
ここ!と指さしてるところを取りそびれました。近いうち現地で教えてもらいたいです。
2、C6溶岩流先端(31年前、元町手前で止まった溶岩流)
スコリア丘ができてるのが見えますね。
元町に流れてきた溶岩流は見にくいですが、写真左側です。
これが2年ほど前の写真。
現在の写真を撮り忘れてしまいましたが、
同じ場所とは思えないくらい、一気に植生が回復していて、溶岩が見えないほどでした。
3、最後は石のそり橋
上に木も生えてますし
なんとも危ういバランスを保っている状態です。
これらの3つについて、
①そこの「何が」すごいの? 私の勧める見どころ
②問題点
③どうしたらいいか?
を話し合いました。
盛り上がりました!
ざっくり言うと、
地層大切断面は、
景観も学びの場としても素晴らしいが安全面での懸念もあるので気を付けたうえで、
見学観察できる場づくり、トイレ設置、
年代が分かっている地層に「マンモスがいた時代」「ここで人類大島上陸!」等表記したり、と
よりリアルに地球の歴史を感じ学べる場にしていく
C6溶岩流は、
すでに景観としてのインパクトはないが、ストーリーを知れば面白く学び多い場所なので
そのストーリーをいかに伝えるか、
一部溶岩を露出させたり、過去の写真を看板にする、山頂口・火口などで火山をリアルに感じてから来るとイマジネーションが湧くのでルートを工夫する
そこから元町の集落が見渡せるといい!
など、様々なアイディアが出ました。
石のそり橋は、価値はあるがもう崩れるのも時間の問題で危ないので、
一般人は立ち入り禁止にしたらいいくらい、
そして自然の成り行きに任せるのがよい、という意見でおおむね一致。
地元の有志で定期的な定点観測をしては、等の提案が出ました。
崩れる瞬間に出会えたら感無量、なんて声も!
それぞれ場所が違えば、最善と思われる対応も違いますね。
今回はみんなの考え方感じ方は概ね一致していてましたが、
例えば裏砂漠など、今日話さなかったところで
おそらく意見の分かれるであろう場所は、いくつもあります。
人と人が顔を突き合わせてオープンに想いを出し合い、丁寧に結論を出していける
こういう場をもっともちたいと感じました。
最後には、既存のサイトだけでなく、新しいサイトの発掘もしよう!
という意見が出て終わりました。
今あるものについても、これからのことについても、
こうして作り上げるところから参加させてもらえることに、ワクワクします!
柔軟に、真摯に、魅力を発掘・伝えていきたいです☆彡(あい)