今日は、嶋田、柳場、私の3人で、南部の“平床”という海岸へツアーの下見に行ってきました。
ゴールデンウィーク前半に、ツアー3回目のお客様に、海岸リクエストを受けているからです。
ここを選んだ理由は、森から草地、海へと植物が移り変わる様子が楽しめるから。
車を降りると、すぐに森がはじまります。
森の中では、ちょっと暗め場所に生える植物“ウラシマソウ”が、もう花を咲かせていました。
この花の形を気味悪がる方も多いのですが、私はこの花を見ると“森の春”を感じます(^.^)
太い倒木が横たわる雰囲気に誘われて、沢に降りてみました。
いい感じの森だ~!(ワクワク)
こういう景色を見ると、木登り好きの柳場は我慢できないようで…「この枝、誰かがつかまると危ないよね。折れやすいから。」と言って木に登って枯れ枝をバキバキ落としはじめました。(心配しなくても倒木を登っていく人って、あまりいないと思うのですけど・笑)
沢の両脇には、昔ここで何が起こっていたのかを、想像させる景色がいっぱいです。
「これは溶岩流だよね~。」
「いつごろ流れたんだろう?もうずいぶん隙間に土ができている。」
溶岩の亀裂に入った土からは、森の植物、オオシマカンスゲが垂れ下がっています。
「滝みたいだね。」
「ほんとだ、緑の滝だ~!」
濃い緑の森は、だんだん低木まじりの草地へ移り変わっていきます。
海岸に出ました!
土石流か何かが流れ込み、それを波が削ったと思われる景色が目の前に開けています。
海に浮かぶ利島も見えて爽快!(^^)!
海岸線には、目を奪われるような素敵な風景が連なっています。
この、壁面の色使いをご覧ください。
黒、白、グレー、茶色、エンジ、緑…。
(写真には、あまりハッキリ写りませんでしたけど(^_^;))
そしてこの状態、皆さんはどう読み解きますか?
私たちは協議の結果…「まず溶岩がドロドロ海に流れ込んで土台を作り、それから土石流が地面を覆って、その上に火山灰が降り積もって、そこに海水がかかって塩の結晶を作ったんじゃないの?」というところに落ち着きました。
「この白いのは、塩だよね。」
「あ、しょっぱい!塩だ塩だ!」
「おいしい~!」
「この穴、縄文人が住むのに良さそうだな~。」柳場が壁に開いた穴を調査中。
「けっこう広くて住み心地良さそうだよ。香奈さん入って中から写真撮ったら?」
「そ、そう?」
「あ、ホントだ。じゅうぶん暮らせる~!」
中からの眺めも、なかなかでした!(^^)!
2人からは次々に「なんだこれ?」という声があがります。「これ、どうやってできたの?」と思うと同時に、「なんて素敵なデザインなんだろう!」とビックリするものが、どんどん見つかりました。
たとえば…
妙に込み入った赤と黒のまだら模様。
きれいな横筋
???何で?
あ、これってもしや、波で石がグルグル回転して穴ができ始めているのでは?
ちまたではこれを「ポットホール」と呼びます。
まだ子供のポットホール?
「これ、いつも帽子に見えるんだよね。」
「でっかい帽子だね~!」
裏へ回ると、この“大きな帽子”は、海岸の丸い石の上に乗っているのがわかります。
「これは、台風か何かで海の石が転がってきたところに火山灰が降って、その上を土石流が流れてきたのかね?」「でもなんでここだけ、周りから離れているんだろう?」←解決せず(^_^;)
「あ、壁から水が出ている!」
火山灰が酸化して鉄さび状態になると、水が滲みにくくなると以前教えてもらいました。
くぼみには、こんなに水が溜まっていました。
大島の地下には、こんなふうに水がたまっている場所が何か所もあるのでしょうね。
広い穴もあるし、真水もあるし、私が縄文人だったらここに住むかも!
「あ、こんなに大きい木が残ってる。この状態で何の木かわかるのかね~?」
「この木がなくなると、上にあるような穴があくわけね。」
…とまあこんな感じで、結局2時間近く平床でウロウロしていました。
「なんだこれ~?」の連続で、とてもとても楽しかったです。
以前ここに来た時も「?」だらけでしたけれど、その時は全然解決できない「?」ばかりでした。
それが今では、3人でいろいろ議論しながら大昔の情景を、思い浮かべることができます。
ちょっと地形の読み取り方を教えてもらっただけで、こんなにワクワク感が違うんですね。
火口の周りでも森でも海でも“大迫力の火山の活動”を感じられる大島。
「大島って、本当に面白いよね!」
3人でそんなことを語り合った、ツアー下見でした。
(カナ)