グローバルネイチャークラブのガイド日記

グローバルネイチャークラブ(旧グローバルスポーツクラブ)のガイド仲間が観察した伊豆大島の自然の情報を中心にお届けします。

発見が4倍

2016年02月29日 | ツアー
昨日と今日、友人の紹介の女性4名を案内しました。

ジム仲間での旅行とのことで、最初からとても楽しそうでした。

縄模様の溶岩では「こんなの見たことないわ~!」と皆で岩を眺め…


縄の階段を、嬉しそうに全員で上り…


春の兆しを観察しながら山を登りました。


登山中の壁が、上下で色が違う理由をお話したところ、お客様は「ジオパークだわ!」と一言。

この風景の前で「ジオパーク」の言葉を聞いたのは初めてだったので、すっかり嬉しくなりました(^▽^)

そして、とにかく新発見の連続でした。
4名のお客様がそれぞれ発見するので“発見”も4倍になりました!

たとえば、もう何100回も通った火口展望所でも…


視線の先にライオンの顔(だったと思います)を発見!

今まで見慣れた風景に、急にライオンが現れたのでビックリしました(^_^;

そして火口に恐竜(だったと思います←ひどい記憶力)を発見。


今までこの景色の中に恐竜がいるなんて、考えたこともありませんでした。


この景色を見下ろした時には…

「雲海に見えるわ!」と喜ぶ声が聞かれました。

下山の時は「立派なオブジェだわ」とイタドリの枝の造形を眺め…


「こんな感触初めて!」とフカフカの火山灰を楽しみました。

たくさん笑って1日目が終了しました。

…で、2日目の今日です。
今日はツヤツヤの森を歩いた後…


“椿祭り”の会場でもある大島公園へ、早咲きの桜と椿を見に行きました。

桜、満開でした!

椿も、様々な花が楽しめました!


皆さんが一つ一つの花を丁寧に観察してされるので、
私も久しぶりにゆっくり椿の花を鑑賞しました。

かわい~い。

公園では園内ガイドがついてくれただけでなく…


バスの運転手さんも「ここからなら桜と椿が両方綺麗に撮れる」という秘蔵スポットを、お客様に教えてくれました。

心遣いに感謝です!

ツアー最後は地層大切断面に立ち寄りました。
大島の噴火の歴史がギュッと詰まったシマシマの地層。

ここで数1000年前の出来事を説明していたら、お客様が「まるで(数1000年前を)見てきたかのように語っているみたいだけれど、実際に見えているんだものね」と一言。

2日間ずっと「同感!」がいっぱいで、とても楽しかったです。

ありがとうございました。

(カナ)
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3つの溶岩流をまたにかけ…

2016年02月28日 | 火山・ジオパーク
昨日、ガイド講習講師で来島された元日本ジオパーク委員会事務局・渡辺真人さんと数人で島を歩きました。

本当は渡辺さんには私のツアーに同行していただく予定だったのですが、
ツアーに参加される方の体調不良で急遽勉強会に切り替わりました。

急な呼びかけでも集まる事のできた数人で、未だ黒々とした30年前の溶岩流を目指しました。

皆がそれぞれ「不思議」をみつけ、集まって考えました。

たとえば…
「周囲のハチジョウイタドリは既にタネを飛ばしているのに、割れた岩からはえている物はタネが残っているのはなぜか?」

(他のイタドリもこの傾向がありました)

「この石の中身の様子が違うのは何故か?」


「こうやって火口の方から弧を描いて飛んだんだね」という発見に…

「そうかも!」と景色を眺め…


溶岩クッキーと本物の中身が「そっくり」であることを誰かが発見!


私は、この“たてがみのあるカバ”に見える岩(?)に、心奪われました(^_^)


お昼は「黒々とした溶岩」の前で…

「生っぽいよね」「今にも動き出しそうだよね」と感想を述べ合いながら、幸せな気分でオニギリを食べました。

ところで30年前、新しい火口が連なって開いた“割れ目噴火”は、三原山の麓から3本の溶岩を流しました。

地質調査総合センターの「伊豆大島火山地質図」には、その時の溶岩流が「1986Lb」の文字入りで、ピンク色で描かれています。(伊豆大島火山地質図の全体図はこちらhttps://gbank.gsj.jp/volcano/Act_Vol/izuoshima/map/volcmap10.html

私たちは、3本の中で一番短い真ん中の溶岩流の左側でランチを食ベていたのですが…

食後にガイド仲間の中林さんの提案で、一番左側の溶岩流に登ることになりました。

ゴツゴツ、ガラガラの溶岩の上は、ほどほどに草が生えています。
伊豆大島に一番多いタイプの溶岩です。

高さがあるので、残り2本の溶岩流を一望できます。


この後「溶岩に触りたい」という渡辺さんの希望で、再び真ん中の“最も短い溶岩流”へ。

全ての噴火が終わってから、一番最後に流れ出たこの溶岩は、やや粘りのあるタイプ。
植物は溶岩流周辺に生えているだけで、黒さが目立ちます。

続いて3本目(図の一番右側)の溶岩流に登りました。

1500mも吹き上がったとされる溶岩が、様々な形に降り積もって溶岩流の上に乗っている場所です。

どんな風景かというと…

人間と同じサイズの岩がニョキニョキ(笑)


この、彫刻が立ち並んだような風景は、他の溶岩流では見られません。


そして、ここではカタツムリの巻き方が100%左巻だということが話題となりました。

なぜ、この溶岩流の上だけヒダリマキなのか?
みんなであれこれ、理由を考えました。

噴火後30年の時を経て、3本の溶岩流はそれぞれの個性がよりハッキリしてきたようです。
なんだかちょっと、人間みたいですね。

さて、この後は森を歩いて、また謎ときに挑み…


島の北東部の泉津地区で、溶岩流を自然の防波堤として利用している港を観察。


神社や町並みを歩き、最後に縄文時代の遺跡に立ち寄りました。

ここは、すぐ下が海で「これでは海が荒れたら住めないし、住み心地が悪すぎる」ということが話題となりました。

昔の海岸線がもう少し沖だったとしても、水が滴る穴の中は確かにあまり快適ではなかったのではないかと…。

穴の中からの風景です。

“住居としての快適さ”を穴の中から真剣に考えてみたら…
「もしやここは別荘、または作業小屋で、本宅は別にあったのでは?」と思えてきました。

ただ「溶岩の洞窟があって縄文時代の遺跡が出る」だけでなく、当時の縄文人の暮らしや気持ちを想像してみると、数倍面白いなぁ~と思いました。

本当に楽しい勉強会でした。
渡辺さん、皆さん、お疲れ様でした&ありがとうございました!

そして夜の講習は…
とてもわかりやすくて面白く「地球に興味を持った」「他のジオパークに行きたくなった」という感想が続出の講習となりました。

こちらは後日、少し時間ができたときに、報告したいと思います!

(カナ)




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メジロ

2016年02月27日 | 
今朝の畑で珍しくメジロたちが地上に降りて食べ物を探していました。



ナズナになにか虫でもいるんでしょうか?(アブラムシならいそう・・・)
花をついばんでいるようにも見えました。
奥の子は顔にツバキの花粉が着いてますね。





近くにはツバキもサクラも咲いていたのに数羽がこうして地面にいました。
メジロは滅多に地上に降りないので新鮮な光景です。


引いた画像で見るとこんなです。

ここに4羽います。
すっかり緑に溶け込んでますね。

                                          がんま
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第8回ジオガイド講習「産業の歴史と現状2」

2016年02月26日 | 火山・ジオパーク
2月23日(火)表題の講習会が行われ、43名が参加しました。

この日は、農業と漁業の講演でした。

伊豆大島の農業
講師は中島農園の中嶋仁司氏。

中嶋さんは結婚後、約25年“ブバルディア”という花を作っていたそうです。
(ブバルディアは年に3~4回とれるという優位性をもつそうです)

中嶋さんは、病気その他の色々な経過を経て、50歳過ぎにブバルディアよりも手がかからない千両や野菜、フリージア等を作り始め、75歳を過ぎたころから“千両”を、本格的に作り始めたとのこと。

赤や黄色の実が、正月用の“目出たいもの”として広く利用される千両。
その利用は江戸時代までさかのぼるそうです。

中嶋さんは「千両は大島の元々の自生種ではないが、島の温暖な気候、弱酸性の火山灰土壌が適している。火山灰は水はけは良いが肥沃さに欠けるため、腐食に富んだ土作りが必要。月一回落葉を集め5000坪の農地に敷き詰めている」と語られていました。(写真は1年3カ月前のもの)

こうして、肥料を与えたり年に14回消毒をしたりしながら1年かけて育てた千両300ケースは、たった10分間で売れてしまうのだそうです。(ビックリ!)

何故千両を作るのかというと「千両は水揚げが良く日持ちするので、離島のハンディがあっても日本全国の市場に出荷することが可能」だからなのだそう。
大島の農業は、ただ物を作るだけでなく、離島というハンディを乗り越えて販路を広げていかなければならないのですね…。

中嶋さんは「一つのものを作ると深まる。集中すると良いものができる。3年前から“大島千両研究会”をつくり、7~8名のメンバーで年数回、会をもって交流している」そう。

生き生きとしたお元気なお姿からは、仕事に対する“誇り”が感じられ、とても素敵でした。


伊豆大島の漁業 
講師は伊豆大島漁業協同組合代表理事組合長 川西光興氏。
川西氏は、消防本部を定年退職してから漁業に従事した方。

伊豆大島の漁業の様々な現状を、バランス良くしっかり教えてくれました。

お話によると…
「平成15年に元町以外の5地区の漁協が合併し『伊豆大島漁協』となった。
現在1050人の組合員がいる。(正会員は125人で、残りは準会員)
農業と違い、公海の物をとるので漁業権がいる。5年毎に更新し、それが組合におりる。

30隻が大きな1本釣り漁船、60隻がテングサなどで稼働している。

(写真は今日の岡田港)

大島の漁は、鮮魚、貝、海藻がある。
鮮魚は波浮でとれた物は島外へ。岡田のものは島内消費に回る。
売り上げは年間2億円。伊豆諸島全体では40億円。
今年北部は磯焼けでテングサがとれず、さらに売り上げが低下している。
テングサは水温が低いほど翌年の生育が良い。八丈島は昔取れていたが今は全くとれない。

キンメは水深450~500mにいる深海魚だが、減っている(神津島のキンメは10億の売り上げ)
逆にメダイは増えている。
カツオがここ2~3年回ってこない。(巻き網による乱獲が原因と言われている)

行政の力で魚礁を島のあちこちに置き、波浮の沖に定置網を置いている。

定置網には条件がある…それは後ろに高い山があること。(この理由を聞き漏らし、質問したかったのですが時間切れでした(^_^;)

定置網の漁期は4~9月。
30kg以下のマグロは捕らないことになっている。」

漁業に従事する方から、これほどしっかり仕事内容を聞いたのは初めてだったので、とても面白かったです。

神津、八丈、小笠原は、内地から漁業者を受け入れ後継者を育てて漁業人口が増やしているが、大島では後継者が育っていないそうで「後継者歓迎します」とのことでした。

ところで、伊豆大島漁協では、女性部も頑張っています。
「鯖は以前、海に捨てていたが、女性部を立ち上げ鯖を加工し、学校給食や都食堂、岡田売店などで販売している」そうで…


お店の前には、今日も美味しそうなメニューが並んでいました。


「魚離れを防ぐため学校に出向き、こどもたちに魚の裁き方を教えたりもしている」とのことで、先日も八王子の学校で八丈島の漁師のお母さんたちと出前授業を行った」とのこと。

…こういう話を聞くと、大島がますます好きになります。
「様々な仕事の様々な人がいて、みんな頑張っている」と思ったら、島を誇りに思う気持ちが生まれますよね。

「”知る”は“好きになる”の始まりだなぁ~」と、ますます感じた講習でした。

(カナ)


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第7回ジオガイド講習「伊豆大島の海」

2016年02月25日 | 火山・ジオパーク
2月16日に行われた、表題のジオガイド講習の報告です。
この日の講習参加者は50名。

1人目の講師は、都立大島海洋国際高校校長・千葉勝吾先生。

島で通称“海国”と呼ばれる学校は、全寮制で生徒数230名(うち島出身者20名)。
高校生はパンフレットの表紙に載っている白い船“大島丸”に乗って、サイパンまで航海にいくそうです。

理科の先生でもある千葉先生のお話は、海の構造や機能、海流、海底地形、海水温、漁業、海洋調査など、「海の基本」という内容でした。

個人的に印象に残ったのは「東京都が管轄する排他的経済水域は日本の約45%。国土面積を優に超える」という部分です。

伊豆諸島から小笠原、南鳥島や沖ノ鳥島までを含む東京都の海の範囲って、こんなに広いのですね!「東京都って海持ちなんだ~!」…と、改めて認識しました。

そして、伊豆大島の南20kmにある海底の活火山“大室出し”

ここを海洋国際高校で調査研究できないかと模索中だそうです。

千葉先生はジオパークを、とても応援してくれています。
昨年は“大島丸”を使っての“島1周ジオツアー”も計画してくれていました。

残念ながら、企画の2回とも海が大荒れで実現できなかったのですが…

手作りの資料を見せていただいたら、魅力的な景色ばかりでした!

今年の夏は、天候に恵まれて実現できますように。
…と言いながら、予定されているかどうかは未確認でした!(^_^;(^_^;

2人目の講師は、大島ダイビング連絡協議会の小川修作氏。

南部でダイビングショップを営んでいる小川さんは、他の南部のショップと一緒に“ジオダイブ”を提唱しています。

この日の講習でも、マグマが冷えてできる“柱状節理”と呼ばれる柱のような岩に「ロッククライミング中~」という楽しい画像を紹介してくれました。

水中の綺麗な柱状節理がエントリーする場所から比較的近くにある、南部のサービスらしい取り組みです!

以下のページでジオダイブの様子が紹介されています。
伊豆大島の水中ジオに興味のある方はご覧ください。
https://oceana.ne.jp/from_ocean/53359

さて、今回は講習報告はこれぐらいにして…
海つながりのお知らせです。

2年前から行われている、伊豆諸島の人と自然をつなぐ取り組み「第3回伊豆諸島くるまざフォーラム」が3月7日に開催されます。

スケジュールは以下の通り。
10:00 「伊豆諸島海域における鯨類とイルカ類」
      森 恭一先生(帝京大学水産学教授 )
11:20 「伊豆諸島における自然と暮らしと神々」
      土屋 久先生(共立女子大講師)
13:30 「観まもり・残し・伝える」モニタリングの提案  
      長谷川雅美先生(東邦大学生物地理学教授)
14:40 モニタリング参加への検討
16:00 フリーディスカッション「伊豆諸島くるまざフォーラムのこれからPert2」
16:40 ワークショップ「くるまざフォーラムの運営手法をデザイン!」
17:40 全体会・まとめ
18;30 終了

今後、具体的に何をして伊豆諸島がつながっていくかを皆で考え、活動開始となる予定です。

まだ人数に余裕があるようですので、関心のある方はchiqnogakukou@gmail.comまでお問い合わせください。

申し込み締め切りは2月29日までです~。

(カナ)
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タヒバリですが・・・

2016年02月24日 | 

むちゃくちゃ磯にいて食べ物を探していました。
月曜日の撮影です。





これではまるでイソヒバリですね(笑)





お立ち台にて。
この子は1羽でいて時々寂しげに鳴いていました。
この冬はタヒバリ少ないです。

                                     がんま
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『大島ならではの宝物』現地観察会3日目

2016年02月23日 | 火山・ジオパーク
2月8日(日) に行われた、現地観察会3日目の報告です。

この日は、筑波大学の上條隆志先生(生態学・森林工学)、首都大学東京の 谷口央先生(歴史考古学)に同行していただきました。

9:00~11:00 波浮港地区 (島の南部) 参加者20名
波浮港で園芸店を営む金子さんの私設資料館(金子勇博古館)で、大島の昔の写真を見学してから町歩きに出発。

(写真は園芸店前の駐車場で、人がそろうのを待っているところです)

所々に置かれた歌碑の前で立ち止まり、皆で歌を読み上げました。

波浮港には、明治から昭和の半ば頃まで多くの文人が訪れて歌を詠み、その時の歌が歌碑として残されているのです。

「大島の雲はよきかな~」

いいですね~。
歌が詠まれたときの情景が目に浮かびました。

その後、大谷石で作られた塀のある風景を歩いて、今はミュージアムとして解放されている民家にたち寄りました。

大島の他の地区は、地元の溶岩で作られた石垣がほとんど。
栃木県宇都宮市の大谷周辺で採掘される石材『大谷石』を使っていることは、それだけこの地区が羽振りが良かったことの証でもあるようです。

この地区でタイヤキ屋さんを営む参加者の店の前で足を止め、しばし雑談。


空き地の前ではこの地区生まれの参加者が「昔ここは風呂屋だった」と教えてくれました。

「波浮は、とても栄えていたので風呂屋が3軒あった、使用人がいっぱい働いていた」等々…直接見ていた人の話は実感がこもっていて、当時の情景が思い浮かび面白かったです。

波浮港を歩いた後は、筆島の磯にも寄って海岸植物を観察しました。

地面を這う檜の仲間“オオシマハイネズ”に触りながら「地を這うのは多くが海岸植物だが、高山と海岸には弱い共通性がある。神津島では標高500mにオオシマハイネズがはえている」という話を聞きました。

12:00~14:30 三原山地区(島の中央)参加者17名
ここでは森~草地~溶岩と移り変わるコースを、上條先生の解説で歩きました。
上條先生は学生時代からずっと、伊豆諸島の植物をテーマに研究を重ねて来られた方です。

「自然の動きを見るのは大変だが、大島ではそれが見られる。土も生き物も全てが消えたところということを覚えておいてほしい」と上條先生。

ハチジョウイヌツゲが優先する森での解説では…

「三宅島も大島も一般的にいうと回復が早い。玄武岩はリンが多いので植生回復には良い。ハチジョウイヌツゲは山の上の雲雨林のような多湿な環境が好き。孤立峰の上にイヌツゲが多い。風が強くて湿潤な環境。200年で20cmの土壌層があり火山灰層が40~50cm。土はミミズや葉っぱなど生き物が作った」とのこと。

この他、たくさん新情報を教えてもらいました。
「小さくて葉の厚いイヌツゲは丈夫。アオキは葉も薄いし守られていないとダメなので、回りに森ができていないと生きられない」
「スダジイ(伊豆大島では標高の低い所に巨木の森を作る木)は、湿度が好きではない」
「イヌツゲはスダジイより成長が遅い」等々…。

森がススキ野原に変化するあたりで、学生さんが『伊豆大島の土壌と植物』を調べた時の写真を見せてもらいました。


ここはおよそ30年前の噴火で一度焼かれているので、土壌層がわずかなようです。


ここで「何故ハチジョウイタドリは、溶岩の上に2年5カ月で芽生えられたのか?」を聞いてみました。

上條先生の回答は…
「溶岩に足りないのは窒素。安定しているので植物は取り込めない。ススキは根を水平に長く伸ばし、イタドリは垂直に長く伸ばす。雨には硝酸がふくまれており、わずかな硝酸を取り込んで生きているのではないか?葉が落ちれば分解が始まる」←納得!(^_^)

説明は続きます。
「植物は光と水を争う競争ばかりしているが、これだけ環境が厳しいと助け合う。ナースプラントという言葉も有る。オオバヤシャブシはヤシャブシに比べ、暖温帯に適応している。噴火直後にも“火山ガスに強い微生物”が存在する。ススキ、イタドリ、ヤシャブシは3つどもえでトップの座にある。ススキは火山ガスに強い。1年生草本は火山は苦手。1年で花をつけなければならないので。火山は多年生草本か木が先。花をつけずに成長し、力を蓄えられる」

「なるほど~!」がいっぱいで、とても面白かったです。
そして…

伊豆大島の“火山地質図”と“植生図”の対比。

じっくり見比べたら、色々なことがわかりそうです。

さて、3日間で学んだことはとりあえず3回シリーズで備忘録をかねてまとめてみました。

しかし、全然足りません…。
聞き取れていないことや、メモできなかったこともたくさんあります。

あとは今回学んだことを皆でさらに充実させて、わかりやすい形に整理して、島の中で共有したり、島外から来た人達に『伊豆大島ジオ物語』を楽しんでもらえるようにしていかなければ…。

活動すればするほど「やりたいこと」が増えるジオパーク。

伊豆大島の皆様、物語作りへの協力を、どうぞよろしくお願いいたします。

(カナ)


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観察続行中

2016年02月22日 | 
暫く行っていなかった“鬼女の里”へ行って来ました
入り口から直ぐに『あ!春だ!』
   
大島の代表的山の木オオバヤシャブシです

   
たくさんの雄花を付けていました

   
雄花に小さな雌花そして 葉も顔を出していました

   
周りも  少し黄色っぽい物がみんなヤシャブシです
まだまだ寒いのに花いっぱいといった感じですが何を思って花が咲くのでしょうか?陽が長くなったからでしょうか?

   
いつもの入り口のキジョランの種 まだ、種も飛ばずに残っています

   
その辺この辺見ても何にもない 目印の紐の所にも誰もいないし、蛹化した子もいないし、脱皮した殻も残っていません  紐は外し片付けておきます
なぜでしょう?

   
ミノムシ見っけ!

   
秋に見つけた脱皮した跡 ほらね残っているのよね

   
怪しい穴有りました

   
あ!居ました 小さい子 卵から孵って程ない子ですね

   
草は穴が多いいのに(幼虫が食べた痕)その後はさっぱり見かけない 
何処へ行ったの 

今日は曇り空。もっと晴れた暖かな日にはアサギマダラが来るのではないかと思っています(小さい幼虫が居たので)そのほかにもう少し大きい幼虫が見られましたが、卵や蛹化したものは見つけられませんでした。勿論アサギマダラも見つけられませんでした。
まだまだ通うぞ!続く(しま)
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光輝くツアー

2016年02月21日 | ツアー
今日は、三浦半島から遊びにいらしたお客様と、森~裏砂漠を歩いて来ました。

少し風が強かったけれど、快晴!
森の木漏れ日が美しく、スポットライトのように草木を照らしていました。


小さなコケも胞子嚢を伸ばし…


オオバヤシャブシも新しい葉を伸ばす準備をしていました!

春のサインを見つけて歩くのが楽しい季節になりました~。

今日は視界が良くて、青い海に浮かぶ房総半島と三浦半島が見渡せました。

写真にもうっすら写っているのですが…わかるでしょうか?(^_^;

「この景色、スゴイ!」とお客様。

そうそう、自分たちの暮らしている場所を、海の向こうに眺めるのって嬉しいですよね。
(私も対岸から伊豆大島を眺める度に、何となく胸がキュンとなります)

お客様は、ゴツゴツ溶岩地帯で「あそこに人の顔がある」と教えてくれました。

指さされた方向を良~く見ると…

2人も!(笑)


折り返し地点の裏砂漠に到達。

ビュービュー吹き付ける風も、寝転がるとさほど強く感じません。

寝転んでいるうちに、雲に隠れていた富士山も、姿を現しました!

風で雪が舞い上がっているようで、山の稜線の形がくずれています。
いつもこの景色を見る度に思うのですが…これ、現地はいったいどんな状況なのでしょう?

さて、大島らしい「風」を体験した後は、再び木漏れ日の森へ。

ここでは「木の根はどこに伸びているのだろう?」ということが話題になりました。

確かにこんな風景を見ると不思議な気持ちになります。

根っこはどこへ?
…ちょっとマジックショーを見ている気分?(笑)

「表面からは見えなくても、岩の亀裂を割っているかもしれませんね」ということで…

“根が溶岩の亀裂を広げている現場”や…


“根が薄い溶岩を突き抜けている現場”を確認して歩きました。


お客様が、タイワンリスにかじられた木の幹が赤く盛り上がっているのを発見。

まるで人間の、手術後のミミズ腫れのようで、ちょっと驚きました。
リスの噛み痕って、こんなふうになりましたっけ??(こんどちゃんと観察しなければ(^_^;)

森歩きの最後は、太陽の光がハチジョウイヌツゲの白い幹を照らし、ユラユラと揺らめく景色を楽しみました。

『光り輝く風景』がいっぱいの、3時間ツアーでした~。

(カナ)
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ツグミ

2016年02月20日 | 
この冬、ツグミを確認してから3ヶ月ちょっと過ぎました。
先月から数が増え始め、地上で食べ物を探す姿が頻繁に見られるようになりました。
今朝の牧場付近の個体です。


車の外にいた私をあまり気にせず落ち着いた様子でした。
距離は5~6メートルくらいでしょうか。





羽の色合いのコントラストがはっきりしているのでオスだと思います。


しばらくして地面に降りました。



こちらは後姿。
じっとしていたらどこにいるのかわかりません。
なかなかの保護色です。

                                      がんま
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