浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

三方原合戦

2011-09-09 21:56:20 | 日記
 7日から毎週一回の歴史講座「遠州地方と日本の近代」の講師をつとめている。発表のあと、参加者の方から本多隆成氏の『定本徳川家康』(吉川弘文館)の三方原合戦の記述について感想を求められた。

 元亀二年の三方原合戦、信玄は青崩峠から南下してきた、というのが通説であったが、本多氏は駿河から海岸線を通り、袋井、見付、合代島、さらに天竜川を渡って三方原へという説をとっている。これは柴裕之氏の新説ということだが、私はこの説を知らなかった。柴氏の説は、2006、2007年の『武田氏研究』に掲載されているらしい。

 本多氏は常日頃史料にもとづく手堅い研究をされているから、本多氏が柴説をとるというのなら、柴説を補強するような史料でも見つけたのかもしれない。

 というわけで『定本徳川家康』を図書館から借りてきた。

 学説は変化する。もちろんいい加減な根拠で変化するのではない。なぜそう考えるに至ったかをじっくりと読み、考えるべきだ。

 三方原合戦のところだけ読んでみようと思う。

 
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搭乗率保証と責任

2011-09-09 09:10:12 | 日記
 絶対に「赤字」だ、静岡に空港など必要ない、などという多くの反対を無視して開港された静岡空港。その空港建設をしゃにむに推し進めたのは、前の県知事石川嘉延。日本航空に路線を開設させたいが為に、搭乗率が低かったら県はカネを払う旨の約束をした。その問題が現在の川勝知事に持ち越された。川勝知事は、日本航空が静岡から撤退したことから払わないなどと強がったが、ここにきて裁判所の和解により支払うことになるだろう。
 
 私は、この支払いは当然だと思う。しかしこの責任は、石川前知事が負うべきである。

 日本の社会は、責任追及がなされない。下方に向かっては責任追及はあるが、上に向かっては行われない。

 静岡空港の強引な開設に際して、静岡県は利用者の数を大幅に水増しして建設を強行した。それがあまりに過大な数であることは十分に知られていた。虚構の数字を前面にだして石川県政は建設したのだ。赤字になるのも、利用者数が想定よりはるかに下であることもおそらく知っていたことだろう。

 今度の搭乗率保証の問題は、石川前知事が起こしたことだ。しかし石川前知事は、今は「関係ありません」などと言うのだろう。残念ながら、行政もそれを認めた議員も、こういう失政について誰も責任を負わない。

 これは「静岡新聞」の記事。

日航搭乗率保証訴訟、和解勧告 知事、来週にも判断(9/ 9 08:01)

 日本航空が静岡―福岡線(2010年3月末に撤退)の搭乗率保証に基づく運航支援金約1億5300万円の支払いを県に求めた訴訟で、川勝平太知事は8日、東京地裁からの和解勧告について記者会見し「理屈が通っていれば、(勧告を)受け入れる」と述べた。
 会見で知事は「まずは裁判所の判断を尊重したい」と強調。日航との訴訟は「長く争うべき筋のものではないと考えていた。和をもって貴しとなすは基本姿勢」とも述べて、和解に前向きな姿勢を示した。代理人の弁護士とともに和解金1億4984万627円の算定根拠などを精査し、来週にも判断する。
 勧告の和解金額が、日航の請求額と大きく変わらなかった点については、「金額が問題ではない。正義が貫かれているかどうかだ」として、金額の多寡よりも算定根拠の正当性を重視すべきとの認識を示した。
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