浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

竹久夢二

2014-04-26 23:35:52 | 読書
 袖井林二郎『夢二 異国への旅』(ミネルヴァ書房)を読み終えた。ひろたまさき氏から夢二晩年の台湾旅行を記した「台湾の夢二ー最後の旅」という論文を送っていただいたのだが、その論文にこの本のことが記されていた。そこで古本で700円ということだったので購入したのである。実際は3000円である。届いた本は新刊本のようであった。

 ボクは夢二の絵が好きで、若い頃岡山で米騒動史研究会があったとき、タクシーをとばして「夢二郷土美術館」に行ったこともある。

http://yumeji-art-museum.com/

 夢二との出会いは、高校生の頃だったか、デパートで行われた展覧会をみたことだと記憶している。夢二の絵に描かれた女性たちの物憂げなやるせない姿が、ボクのこころに強い印象をもたらしたのだ。そのときに購入した絵はがき、そして岡山の「夢二郷土美術館」で購入した絵はがきの一部は今も持っている。


 さて夢二は、アメリカ西海岸、そしてヨーロッパへと旅に出る。夢二はある種の人格破綻者、カネがあればどんどんつかってしまい、いつもカネがない。しかし周りの人々に支えられながら、この大きな旅行を経験する。そして途轍もない女性好きである。

 だがだからといって、この旅行が夢二の絵にどういうプラスがあったのかはわからない。あまり描いていないからだ。すでに名声を得ていた夢二、どちらかというと落ち目になったあとに洋行したので、その成果が現れていないように思える。

 この本、旅行中に描いた絵が紹介され、また文筆家としても名高い夢二の文が、そこそこに引用されていて、なかなか読ませる本である。

 悲哀のためには青い絵の具、歓喜のためには黄色、信仰のためには緑色、純潔のためには白、愛のためには赤い絵の具を・・・

 希望を表す色はない、という。夢二には希望はなかったのか。

 またドイツで日本画について記したものも紹介されている。

 西洋画に於ては、光の中に物を見る。・・・日本画に於ては、心の中に物を見る。・・・・利休は「庭に花あれば、茶室に花を挿さず」と教える。全宇宙の中に唯一を求め、唯一の中に森羅万象を大観する手だてである。またこれは重複を避くる一の審美眼である・・・・

 ボクは夢二の絵を見てはいても、夢二の文や、夢二について書かれた伝記めいたものも読んだことはなかった。

 この本を読んで、いよいよ夢二が好きになった。

 東京にも、弥生美術館・夢二美術館がある。短時間だけど一度行ったことがある。そのとき一緒に行った人は、今頃どうしているのだろうか。

http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/

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2014-04-26 17:12:24 | 日記
 午前3時頃から、ボクの体のあちこちから汗が噴き出した。ボクは目を覚まし、これではボクの体から水分がなくなってしまうのではないかと思い、枕元にあった水筒にはいったお茶やペットボトルの水を次々と飲み干していった。

 そうこうしているうちにうっすらと明るくなってきた。「白暁」。鳥のさえずりも聞こえてきて、ボクののどの痛みもなんとなく和らいできたような気がした。そうして周りの家々からも、日常の始まりのざわめきが聞こえてきた。

 ボクはしかしまだ覚醒はしていなかった。睡眠不足のような、意識がぼやっとしているような、そんな状態のなかにいた。

 そしてまた眠ったのだろう。目が覚めたのは9時頃だった。階下に降り、パンを食べる。しかし、その間も体のどこからか、じんわりと汗が出続ける。まだ病は消えていない。食べ終わり、ペットボトルをもって布団に潜り込む。また汗が出始める。ボクはタオルで顔や首を拭う。着ていたパジャマは汗を吸っているようだ。すぐに着替える。

 11時頃、ボクは着替えて庭に立つ。水遣り。

 ポストをみたら、『法と民主主義』が届いていた。憲法九条と特定秘密保護法が特集だ。しばらくして郵便が届いた。『芸術新潮』。

 そしてそれらをもって布団の中で眺めていたら、今度は宅急便。書籍が送られてきた。赤上さんからの本。赤上さんは田中正造の研究者である。分厚い本を、ボクのようなものにまで送ってくれた。感謝である。しかし分厚いので、寝たままでは読めない。

 昼食。おにぎり。そのあと、締め切りが近づいているA4一枚の文を書いて送った。「濁流と土嚢」とした。土嚢を積まないと大変なことになるかもしれない、という、政治状況に関するものだ。

 再び布団のなか。気がついたら16時。もう汗はでない。

 風邪はいつなおるのだろうか。
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