浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

【本】松田青子『持続可能な魂の利用』(中央公論新社)

2021-01-16 20:51:38 | 

 日本がこんなにも感情の面でも、知性の面でも、あらゆる面で劣化していることを書きつづけてきた。 COVID-19対策でも、すべきことをせず(無為無策)、しなくてもよいこと、したら大変なことになることをしたこと(GO TO トラベルなどの愚策)、その原因は、「おじさん」たちが政治を切り回していることにある。

  COVID-19対策で、科学に裏づけられた効果的施策をしているのは、台湾、ニュージーランドである。いずれもトップは女性である。

 だから私は、社会民主党から「おじさん」たちが立憲民主党に移ることに賛成したし、福島みずほさんら女性たちが集まって新たな女性の政党をつくれば未来は拓かれると思い、そうしたことを発信してきた。

 もう「おじさん」には、あらゆるところから退場してもらったほうがよい。「おじさん」は生活的自立ができないくせに、偉そうだ。女性から生まれてきたにも拘わらず、それを忘れ、女性を下に見、女性が活発に正当な意見を主張したりするとたちまち不愉快になり、女性の賃金が低くても「当たり前」だと思い、それでいて女性に面倒を見てもらいたいと思う勝手なやつらだ。

 「おじさん」は地位や名誉が好きで、勤務先で上昇しようと行動し、そのためには上司にへつらい、自分が上昇すると部下には横柄になる。タテ関係が好きで、定年で地域においても「~長」が好きで、「~長」の肩書きを求める。

 この本は、そうした「おじさん」をやっつける話である。「少女」や女性が、現実の男性優位の、いまだ家父長制が残存している日本社会で生きること自体がなかなか厳しいのである。

 この本には、「おじさん」によって女性たちがどのように生きづらくさせられているかが具体的に記されている。意識ある「おじさん」たちは読むべきである。

 私も客観的には「おじさん」のひとりではあるが、一般的な「おじさん」がもつ価値観を持ってはいない。だが本書で示されていることのいくつかは該当することに気付いた。

 小説であってそうでもなく、著者である松田さんの力強い主張に同感しながら一気に読み進めた。

 政治を牛耳っている「おじさん」たちは実際何を考えているか分からない。松田さんが言うように、日本が「縮小国」になるように、つまり日本を「畳んでしまう」ように、あらゆる政策が展開されているという仮想の話は、事実なのかも知れない。少子化も無策の結果ではなく、それをめざしているのかもしれない。

 コロナ禍の中、感染者が次々に亡くなっても、感染者が増えて、その人たちが COVID-19から解放されてもなお痛苦な後遺症を抱えていかざるを得なくなっても、政府の「おじさん」や官僚の「おじさん」たちは意に介さない。

 知性や感情が劣化した「おじさん」たちを退場させなければならない。

 私は、賢明な女性たちが切り回す社会にしないと、日本は、世界は、地球は、取り返しがつかない状態になってしまうのではないかと思う。

 女性たちよ、「革命がはじまりました」(233頁)という声にうごき出そう。

 その前に、この本を読もう。

 

 

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後遺症

2021-01-16 08:02:30 | コロナ

  COVID-19の後遺症についても、このブログで何度もかいてきた。日本だけではなく、後遺症は世界各地でみられ、その報道を紹介してきた。

 昨日は『東京新聞』がこの問題を大きく取り上げている。一日遅れで届くので、読んだのは今朝である。倦怠感、味覚・嗅覚の喪失、脱毛、息切れ・・・様々な症状が報告されている。

 だからこそ、 COVID-19に感染しないことがもっとも重要なのである。政府も、こういう事態を認識して、国民に COVID-19に感染させないためにはどうしたらよいか、を考えるべきなのである。

 しかし自民党・公明党政権は、税金を支持者やお友だちにプレゼントすることばかりやってきた。彼らはこうした感染症対策はまったくの素人であるし、今まで危機管理と言えば軍事的な問題だけであったので、そしてその軍事問題も言うまでもなく利権がはりつていたために、自民党・公明党にとっては政党の本質と異和感のないものであった。

  COVID-19は、従来の利権政治とはまったく異質な対策をたてる必要があるのだが、その対策に利権が貼り付いているなら自民党も公明党も張り切るのだろうが、利権はくっついていない。だから彼らは何もしない。

 明確に、自民党、公明党では、危機管理はできないことが示された。

 だとするならば、自民党・公明党政権を倒さなければならないのだが、しかし残念ながら、一般庶民も利権構造に組み込まれている。

 地方議員も、痴呆議員といわれるくらい、地方自治や財政問題など地方行政がまったくわかっていない者たちが議員となっている。彼らがすることは選挙地盤に利益誘導することだ。

 以前、地域の道路問題で市役所に行ったことがあるが、そういう問題は地元の議員さんに言ってくれといわれたことがある。行政も痴呆議員とタイアップしているのだ。議員を通して利益誘導する、それが行政のすべきことであり、そのおこぼれを地域住民がうけているのだ。

 また会社でも官庁でも、正論や正義、道義が通ることはなく、ごますりや付け届け、飲み会への参加・・・・・・・それぞれの場の有力者を含む私的グループが幅をきかせている。そのグループの一員になれば、利権のおこぼれにあずかる。

 上から下まで、利権にまみれている日本。利権に関わらないと放置される日本。 COVID-19は利権とつながらず、その後遺症対策は利権と離れている。

 かくて日本国民は苦しみの中に生きていく、生きていかざるを得ない。

 明治の自由民権運動家たちは、「啓蒙」に力を注いだ。新聞で啓蒙し、しかしそれが新聞紙条例などで抑えられると集会を開き演説した。しかし集会条例で抑えられると、演歌(演説の歌である)をうたい、運動会を開き、藩閥政治を批判した。

 日本はもう一度近代をつくりなおさなければならないようだ。

 まず、権力を振るい、官僚を制圧し、利権を特定の者につなげることのみに悦びを見出す特異な首相、あの冷酷なスカを政界から追放しなければならない。彼は知性もなければ字も読めない。そういう人物に権力を渡すととんでもないことがおきる。それが実証されつつある。

 

 

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