日本がこんなにも感情の面でも、知性の面でも、あらゆる面で劣化していることを書きつづけてきた。 COVID-19対策でも、すべきことをせず(無為無策)、しなくてもよいこと、したら大変なことになることをしたこと(GO TO トラベルなどの愚策)、その原因は、「おじさん」たちが政治を切り回していることにある。
COVID-19対策で、科学に裏づけられた効果的施策をしているのは、台湾、ニュージーランドである。いずれもトップは女性である。
だから私は、社会民主党から「おじさん」たちが立憲民主党に移ることに賛成したし、福島みずほさんら女性たちが集まって新たな女性の政党をつくれば未来は拓かれると思い、そうしたことを発信してきた。
もう「おじさん」には、あらゆるところから退場してもらったほうがよい。「おじさん」は生活的自立ができないくせに、偉そうだ。女性から生まれてきたにも拘わらず、それを忘れ、女性を下に見、女性が活発に正当な意見を主張したりするとたちまち不愉快になり、女性の賃金が低くても「当たり前」だと思い、それでいて女性に面倒を見てもらいたいと思う勝手なやつらだ。
「おじさん」は地位や名誉が好きで、勤務先で上昇しようと行動し、そのためには上司にへつらい、自分が上昇すると部下には横柄になる。タテ関係が好きで、定年で地域においても「~長」が好きで、「~長」の肩書きを求める。
この本は、そうした「おじさん」をやっつける話である。「少女」や女性が、現実の男性優位の、いまだ家父長制が残存している日本社会で生きること自体がなかなか厳しいのである。
この本には、「おじさん」によって女性たちがどのように生きづらくさせられているかが具体的に記されている。意識ある「おじさん」たちは読むべきである。
私も客観的には「おじさん」のひとりではあるが、一般的な「おじさん」がもつ価値観を持ってはいない。だが本書で示されていることのいくつかは該当することに気付いた。
小説であってそうでもなく、著者である松田さんの力強い主張に同感しながら一気に読み進めた。
政治を牛耳っている「おじさん」たちは実際何を考えているか分からない。松田さんが言うように、日本が「縮小国」になるように、つまり日本を「畳んでしまう」ように、あらゆる政策が展開されているという仮想の話は、事実なのかも知れない。少子化も無策の結果ではなく、それをめざしているのかもしれない。
コロナ禍の中、感染者が次々に亡くなっても、感染者が増えて、その人たちが COVID-19から解放されてもなお痛苦な後遺症を抱えていかざるを得なくなっても、政府の「おじさん」や官僚の「おじさん」たちは意に介さない。
知性や感情が劣化した「おじさん」たちを退場させなければならない。
私は、賢明な女性たちが切り回す社会にしないと、日本は、世界は、地球は、取り返しがつかない状態になってしまうのではないかと思う。
女性たちよ、「革命がはじまりました」(233頁)という声にうごき出そう。
その前に、この本を読もう。