リストの「愛の夢」を聴きながら、書いている。
時事問題ばかり追っていて、そして夕方になると畑で農作業を行う。農作業は、自然との交感だから、そして自然は豊穣だから精神も豊穣である。
だが時事問題だけでは、精神は豊穣さを失いかねない。時事問題は、要するに悪事しかないからだ。その悪事とは支配層が国民から巻き上げた税をみんなで分捕っているということだ。そういう悪事ばかりみていると、精神も貧相になる。
『夕暮れに夜明けの歌を』を読んでいると、ロシア文学、著者の友人や教授陣などの描写から、自然に精神が落ちつき、精神がゆとりを持ち始めていることに気づく。
交遊があったひとりひとりの人間が持つ豊穣さ、ロシア文学の豊穣さ・・・
この本は、そうしたものが人間にとってとても必要なものなのだということを気付かせてくれる。
人間は、豊穣さのなかで、ゆったりと生きていくべきなのかもしれない。
ことばのちから、そしてことばのリズム。それは音楽にも通じる。
人間も、ちからとリズムが必要だ。