まず目についたのは奥島孝輔氏の訃報である。彼は経済法の教授であったと思うが、教えを受けいたことはない。経済法では、私は宮坂富之助氏の講義を受けた。宮坂氏の講義はシャープであった。調べてみたらもう鬼籍に入られていた。
奥島氏の唯一の功績は、学内の革マル派と闘い、彼らを文学部自治会、文連、大学祭実行委員会から放逐したことだ。彼ら革マル派は、自治会などを掌握して年間多額のカネを入手し活動費につかっていた。私も在学中、彼ら革マル派の暴力には心の底から怒りを持っていた。彼らは反スターリン主義を掲げていたが、彼らこそもっとも組織の温存を至上価値とするスターリニストであると思っていた。彼らは文学部校舎を暴力支配していた。スターリン時代のソ連とまったく同じであった。
革マル派の暴挙は、樋田毅さんの『彼は早稲田で死んだ』に詳しいが、あの時代、キャンパスで彼らの暴行を目撃しなかった者はいないだろう。
また革マル派は、国鉄の労働組合のひとつ、いわゆる動労を牛耳っていた。国鉄民営化という方針が示されたときには、その政策にのって、民営化を推し進める国鉄当局と癒着し、率先して民営化の旗振りを行い、動労という組織の温存を図った。しかしJR当局に見捨てられ、JR社内での革マル系労働組合の凋落は大きいようだ。
学生時代、いろいろな党派がうごめいていたが、革マル派はとにかく許せない、というのが私の未だに消えない感情である。
二面には、「憲法軽視続く 自公政権」という記事。アベ、スガ、キシダの政権により、日本は大きく変えられた。憲法の原則が大きく踏みにじられ、アメリカへの隷属度が高まった。キシダのもとで、自衛隊は米軍の下請け部隊として、アメリカのために死ぬことを求められている。そうした憲法破壊の政策を支えたのが、創価学会党である公明党だ。公明党は国政だけではなく、地方自治体でも首長を支える姿勢を貫いている。日蓮の「王仏冥合」を実践していると考えているのだろうが、それにより利益を得ているのだろう。アベ以降の自民党政権が何をしようとも、しっかりとくっついていく。創価学会は、宗教組織というより利権組織と言ってもよいのかもしれない。
三面には、「米大学 計1500人超逮捕」という記事。イスラエルによるGaza侵攻、虐殺をみて、それに心が傷まない者はいないだろう。ナチスドイツによるユダヤ人虐殺を想起させるほどのイスラエルの蛮行だと思う。アメリカの学生たちがそれに抗議するのは正しい。イスラエル国家が行う蛮行、それは建国当初から行われてきたが、それに抗議することとユダヤ人差別とはレベルの違う問題である。欧米国家がそれをごっちゃにするのは、彼らがユダヤ人差別を率先して行ってきたからに他ならない。
日本でも世界でも、心を騒がせる事件が多発している。人類には、地球を統括する資格がないことを示しているのではないか。かつて恐竜が地球上を席捲していた、その恐竜が絶滅した。それと同じようなことが起きるのかもしれないと思う。