『中日新聞』第四面で、浜矩子氏が「労組待望論の時代」を書いている。
OECD諸国、雇用は伸びているのに、賃金は上がらない。低賃金がつくりだすデフレの打開策として、OECDが労働組合の交渉力を打ち出したというのである。クリントン政権下の財務長官を務めたローレンス・サマーズも、「労働組合が再起を果たすべきだと力説」しているという。
日本でも労働組合はあるのかないのか、まったく姿が見えない。闘う労働組合の生き残りと、フリーターなど自由労働者が一時的に寄る(ということは問題が解決すると組合から離れていく者が多いということである)組合だけが、時にその動きを示す。労働組合といわれる連合は、もはや労働組合とは言えず、労働者を会社と一体となって統制する組織と化している。「御用組合」である。労組の幹部を誰にするかは、会社の人事の一環となっている。連合は、労働者のための組織となっていないが故に、誰も期待してないし、そこの会社で働くためには入らなければならないので入っているという状態だ。労働組合は、会社の労務管理にとって必要な組織とされている。
総評が解体して連合が誕生した頃は、旧総評系の労組には連合に入っていても自主的な動きがみられた。しかし今は「御用組合」としての連合に取り込まれ、自主的な動きを封じているようだ。
しかしそういう状況ではあっても、労働組合は必要である。言うまでもないことだが、会社と組合はその価値観が異なる。今は、会社と労働組合の価値観が一緒になっているために、労働組合の活動は、おそらく面白いものではないだろう。会社員として働くときの価値観や他者との交際、しかし労働組合員として動くときの価値観と行動、複数の価値観を体験する中で人間は成長するのだ。
労働組合法の第2条、「「労働組合」とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。」にあるように、労働組合は労働条件の維持改善、経済的地位の向上を図るためにある。
労働組合はそうした行為を行わなければ、経済的地位は向上しないのである。しかし、現代日本の労組の組織率はあまりに低い。連合系の労組が労働者のためになっていないから、よけいに労組への信頼をなくしているのである。
一元的な価値観に呑まれた労働者が、労働現場で低賃金や過重労働で苦労している。
浜氏は、「日本こそ労組の復権が待望されるべき」だと記している。同感である。労働組合は、人間を成長させるはずだ。
OECD諸国、雇用は伸びているのに、賃金は上がらない。低賃金がつくりだすデフレの打開策として、OECDが労働組合の交渉力を打ち出したというのである。クリントン政権下の財務長官を務めたローレンス・サマーズも、「労働組合が再起を果たすべきだと力説」しているという。
日本でも労働組合はあるのかないのか、まったく姿が見えない。闘う労働組合の生き残りと、フリーターなど自由労働者が一時的に寄る(ということは問題が解決すると組合から離れていく者が多いということである)組合だけが、時にその動きを示す。労働組合といわれる連合は、もはや労働組合とは言えず、労働者を会社と一体となって統制する組織と化している。「御用組合」である。労組の幹部を誰にするかは、会社の人事の一環となっている。連合は、労働者のための組織となっていないが故に、誰も期待してないし、そこの会社で働くためには入らなければならないので入っているという状態だ。労働組合は、会社の労務管理にとって必要な組織とされている。
総評が解体して連合が誕生した頃は、旧総評系の労組には連合に入っていても自主的な動きがみられた。しかし今は「御用組合」としての連合に取り込まれ、自主的な動きを封じているようだ。
しかしそういう状況ではあっても、労働組合は必要である。言うまでもないことだが、会社と組合はその価値観が異なる。今は、会社と労働組合の価値観が一緒になっているために、労働組合の活動は、おそらく面白いものではないだろう。会社員として働くときの価値観や他者との交際、しかし労働組合員として動くときの価値観と行動、複数の価値観を体験する中で人間は成長するのだ。
労働組合法の第2条、「「労働組合」とは、労働者が主体となつて自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう。」にあるように、労働組合は労働条件の維持改善、経済的地位の向上を図るためにある。
労働組合はそうした行為を行わなければ、経済的地位は向上しないのである。しかし、現代日本の労組の組織率はあまりに低い。連合系の労組が労働者のためになっていないから、よけいに労組への信頼をなくしているのである。
一元的な価値観に呑まれた労働者が、労働現場で低賃金や過重労働で苦労している。
浜氏は、「日本こそ労組の復権が待望されるべき」だと記している。同感である。労働組合は、人間を成長させるはずだ。