今夏、多くの本を捨てた。残っている、いや一応読もうと思って捨てずに置いておいたものを少しずつ読んでいるのだが、やはり書評でよいと書かれていた本は、私にとって良い本ではない、という思いが強い。
書評で紹介された本には、出版されたその時期のことが書かれていることが多い。つまり古典というカテゴリーにはなっていないし、ひょっとしたらそのまま消えてしまう可能性が高い。
今夏私が捨てたのは、そういうものが多い。
今日読み終えた、といっても途中からは読み飛ばしたという感じではあるが、これもこのまま捨てることになる。
赤坂真理の『愛と暴力の戦後とその後』(講談社現代新書)がそれである。まとまりのない内容で、あるテーマについて書かれていたら、いつのまにかまったく異なることが書かれ、そしてまた戻ってくるという、なかなかの芸当を見せている。
あまり深く考えていないようで、おそらくここに記されていた内容はすぐに消えてしまうだろう。
この本も、書評を読んで買ったものだ。2014年発刊。それから約10年が経過するが、現時点での価値はあまりない。
書評で紹介されていた本はすぐに買ってはいけない、ということだ。