浜名史学

歴史や現実を鋭く見抜く眼力を養うためのブログ。読書をすすめ、時にまったくローカルな話題も入る摩訶不思議なブログ。

橋下のでたらめ

2012-11-22 08:13:08 | 日記
 橋下大阪市長が、口から出任せを話していると昨日記した。その根拠をあるブログが記しているので紹介する。

http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-1079.html
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東京都知事を庶民の味方に変えよう!!

2012-11-21 16:53:01 | 日記
 日本経済に多大な損害を与えた石原慎太郎が、首相になりたくて都知事をやめた。東京都民いとってみればグッドチャンスだ。ここで都知事を庶民の味方に変えよう!!

 もちろん庶民の味方といったら、弁護士の宇都宮健児氏である。

 宇都宮さんを支援する「人にやさしい東京をつくる会」が誕生した。アドレスは下記。

http://utsunomiyakenji.com/

 そこの右上の空欄にアドレスを入れ、メールマガジンを入手しよう。
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アメリカでさえ、年収は増えている

2012-11-21 16:46:21 | 日記
CNNがアメリカの「1%の富裕層、2010年の所得は5%増の37万ドル」という記事を流した。

 ニューヨーク(CNNMoney) 米内国歳入庁(IRS)がこのほど発表した統計によると、米国の上位1%の富裕層の2010年の調整後総所得は37万ドル(約3030万円)となり、前年の35万2000ドルから約5%増加した。

平均年収は112万ドルで、前年の98万ドルに比べて約14%増えた。上位1%に入るのは135万世帯で、所得額で米国全体の約19%を占め、所得税は全体の約37%を負担している。

1%の富裕層は、昨年秋にウォール街占拠を呼びかけて全米に広がった反格差デモでやり玉に挙げられ、今年の米大統領選挙でも争点となった。

富裕層の資産形成は投資の占める部分が大きく、株式市場の動向に左右される。株価が上昇していた2007年の調整後総所得は42万6000ドルを超えていた。

富裕層はそれ以外の層に比べて所得の伸びが大きいことも、論議の的になった。米民間シンクタンクの経済政策研究所のまとめによると、富裕層の所得は1979年から2007年にかけて24%伸びたのに対し、低所得層では11%、中間層は19%の伸びにとどまっている。

http://www.cnn.co.jp/usa/35024706.html

 しかしだ、アメリカ国民の平均年収は112万ドル、前年より14%増えているという。

 日本の平均年収、ずっと減り続けている。巨大財政赤字で苦しむアメリカでさえ、年収は伸びているのに。

 日本の景気が良くならないのは、国内需要が弱いからだ。国民の収入が減り続け、また若い人たちの収入が少ないから、国内需要は高まらないのである。
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「維新」は肯定すべきなのか

2012-11-21 12:26:40 | 日記
 「維新」については以前に記した。私は明治維新を含めて、「維新」ということばに肯定的なイメージを持っていない。「維新」ということばに、「変革」がつくことによって、はじめて「維新」は躍動的なプラスイメージになる。戦後歴史学は、井上清、遠山茂樹、そして原口清、さらに宮地正人らによって、「維新変革」を豊かに描いてきた。

 最近は「維新」ということばが、新聞や雑誌などで毎日のように出てきている。しかしその「維新」の代表者となった石原慎太郎の言説をみると、きわめてファナティックで、世界やアジアの情勢を無視した、ひとりよがりの非現実的な内容に満ちている。そういう人間を都知事としてきた東京都民を、私はどうかと思う。

 石原は、すでに各所で言われているように、核武装論者である。国際的に核不拡散体制が存在し、核兵器が拡散しないようにという努力はされているが、イスラエルをはじめその体制に入らない核武装国家がふえている。しかしこの体制の中心的な目的は、日本とドイツには核武装をさせないというものである。もし日本が核武装を行おうとすれば、国際的な孤立を招くことは必至である。アメリカこそ、日本の核武装を阻止するように動くだろう。

 日本の自衛隊は、今や米軍との一体化を気兼ねなく推し進めている。そうした防衛省=自衛隊がアメリカがいやがることをするわけがない。そもそも日本の核武装はまったく現実的ではないのである。

 しかし石原がそういうことを話せば話すほど、マスメディアは注目し、報道を重ねる。

 「日本維新の会」は石原だけではなく、橋下も同様だ。独りよがりの、マスメディアが飛びつきそうな過激な発言を行って注目を浴び続ける。

 したがって、彼らの発言は、基本的に脈絡はない。あるいはしっかりと考えた上での政策ではもちろんない。メディアの注目を浴びそうなことを、次々と発し続けるのである。それでないと化けの皮がはがれてしまう。

 さらに批判されたからって、別に動じるわけではない。批判されたら変えればいい。

 彼らに対しては、「無視」がいちばんいいのではないか。これは小熊英二の指摘でもある。「無視」されて騒がれなくなったら、そのとき彼らは引いていく。今度は他で活躍することだろう。
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ガザへの攻撃

2012-11-20 20:41:56 | 日記
 イスラエルという国家がどうしてできたかを今更説明する気はない。だが、又もやイスラエルの選挙を前にして、パレスチナ人への攻撃を開始するとは。

 ユダヤ人がキリスト教世界で迫害弾圧されてきた歴史を背負わされたことは周知の事実だ。しかし、イスラエルという国家が誕生して以来、世界各地のユダヤ人がイスラエル付近に来る前から住んでいたパレスチナ人(イスラム教徒)に対する迫害、虐殺については本当に怒りを覚える。

 イスラエル国家が行っていることは、ナチスドイツがユダヤ人に行ったことと同じことをしているといってもよいだろう。「目には目を」という言葉が『旧約聖書』にあるようだが、ユダヤ人虐殺にまったく無関係のパレスチナ人にそういう「復讐」じみたことを行うのはどうかと思う。もちろんドイツ人にも復讐はすべきではないが。

 今回の攻撃で、パレスチナでは115人が殺されたという。その名前は、以下の記事にある。

http://www.imemc.org/article/64607

 また攻撃されているパレスチナからの報告もある。

http://0000000000.net/p-navi/info/column/201211200731.htm


http://www.aljazeera.com/indepth/spotlight/gazacrisis/

 私たちの声をオバマ大統領に送る運動も行われている。アメリカは、イスラエルの暴挙をいつも支えてきている。

http://salsa.democracyinaction.org/o/641/p/dia/action/public/?action_KEY=11938
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職場のうつ病

2012-11-20 11:33:50 | 日記
 『POSSE』について、先日記したが、この雑誌は若い人は是非読むべきだ。14号は、就活をしている学生は読んでおいた方がよい。

 残念ながら日本は終身雇用制の中で(といっても、すべての勤労者が終身雇用制のなかにあったわけではなく、非正規雇用で生きていた人びとはたくさんいた)、国家的な社会保障制度はきわめて遅れていた。

 終身雇用制が崩壊する一方で、新自由主義という「自己責任」を連呼する野蛮な資本主義が日本全体を席巻する中で(自公政権が推進し、民主党はそれにブレーキをかけると思ったところ、野田政権も自公政権と同じような政策を推進するようになった)、多くの人びとが生活困難者へと変わっていった。

 若い人の給与はあがらず、自動車をはじめとした国内需要は伸びないまま、安売りの店が各所に誕生した。しかし、薄利多売で、ほんとうに「多売」ならばいいのだが、競争の中で従業員の人件費を十分に確保できないために、多くの従業員は非正規となり、少数の正社員は過酷な労働へと駆り立てられている。

 『POSSE』14号掲載の職場うつ病についての座談会は、「大手衣料量販店・X」のもと労働者によるものである。「大手衣料量販店・X」とは、おそらくユニクロであろう。徹底的なマニュアル通りの行動をたたき込み、会社になじめない人びとは最初の6ヶ月で去っていく。6ヶ月間で、つかえる人間かどうかを判断するようだ。そして振り落とされまいと頑張っている労働者の中に、うつ病が生まれる。

 しかしこういう会社は、ユニクロだけではない。多くの会社は、少数の過酷な労働を強いられる正社員と、給料の安い多数の非正規労働者を「効果的に」つかっている。

 どちらも地獄である。新自由主義路線は、このあり方を正当化する。

 だとするならば、若い世代は「自衛」するべきである。あるいは、こういう地獄を攻撃していく必要がある。もちろんそれは容易なことではない。だが、それをめざさない限り、「健康で文化的な生活」は望み得ない。

 「自衛」の為の手段として、この『POSSE』はとても有益である。

 
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マスコミは謝罪すべきでは・・

2012-11-19 13:05:59 | 日記
 小沢一郎という政治家は、好きではない。しかし現時点においては、まともな政策を掲げる政党の党首である。

 小沢は、先の総選挙の際、民主党勝利に大きく貢献した。しかし、権力は、マスコミ(マスコミも重要な権力の一員である)を動員して、小沢を犯罪者に仕立てるためにありとあらゆる手段をつかって責め立てた。しかし小沢の事件は、当初から、今までも、あるいは自民党の議員も同じようなことをしていて、何も起訴されていなかった事案であった。小沢を政界から放逐することを目的としたきわめて政治的な動きであった。

 下記の記事にあるように、小沢は「無罪が確定」した。とするなら、毎日毎日、小沢を犯罪者とすべく書き殴っていた新聞やテレビ、雑誌は謝罪すべきではなかろうか。このまったく起訴されるべきではなかった事案により、小沢はグレー(良くない政治家)に仕立てられたのだ。

 マスメディアは、謝罪すべきである。



陸山会事件、小沢代表の無罪確定 指定弁護士上告せず

2012年11月19日 12時46分

 資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐり、政治資金規正法違反罪に問われた元民主党代表で「国民の生活が第一」代表の小沢一郎被告(70)を一審に続き無罪とした東京高裁判決について、検察官役の指定弁護士3人は19日、「上告の理由が見いだせなかった」として上告を断念し、上訴権を放棄した。小沢代表の無罪が確定した。

 東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見した主任格の大室俊三弁護士は「憲法違反や判例違反はなかった」と理由を説明。方針が決まった以上「被告の地位にとどめる期間を延ばすのは妥当ではない」と述べた。上告期限は26日だった。

(共同)
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知らなかった

2012-11-19 12:35:38 | 日記
 『POSSE』という雑誌がある。この雑誌の存在は知っていたが、インターネットでバックナンバーを数冊取り寄せ、年間購読を申し込んだ。

 今日、そのバックナンバーの3冊が届いた。まず読んだのが14号。そこに瀧本哲史、國分功一郎を相手にした対談が載せられていた。

 ボクは、この二人を全く知らなかった。『世界』などボクが購読している雑誌などには出てこない若い学者である。その対談の中身がよかったので、この二人の著書を読んでみようと、まず浜松市立図書館にアクセスしたのだが、彼らの著作はいずれも「長蛇の列」。10人以上の人がついているのだ。値段を調べたら、そんなに高い本ではない。これくらいなら買えよ、と思い、結局hontoに注文。昨日2冊注文したばかりなのに・・・

 しかし、これほどの人が「読みたい」(買わずに・・・)としているということは、この二人は良く知られていると言うことになる。しかしボクは知らなかった。

 瀧本はいう。「法は強い人の味方でもなく、正しい人の味方でもなく、不正義な人の味方でもなく、知っている人の味方なんです。知っていて、その権利を行使する人のためのものであって、知らない人は損をするようになっているわけです」

 その通り。これはボクが常日頃叫んでいたことだ。「知は力なり!」と。

 また「善意に基づいて世の中が良くなっていくことはあまり期待できません」も、その通りである。続いての「運動する人は、もっと、ある種「狡猾」になるぐらいの方が成果を出す」もその通りで、ボクも最近『クーリエ・ジャポン』11月号を読んで、いろいろ考えるところがある。

 瀧本の指摘はべつに新しいものではないが、國分の指摘は、新鮮であった。「楽しむことには訓練が必要であり、教育は楽しむ能力を訓練することだ」は重要である。近所にパチンコ屋があるが、平日でもたくさんの車がとまっているし、近所の奥さんから家族がパチンコに行ってばかりで困っているという話も聞く。しかしそのたびに思うことは、その人には「余暇」の時間をつぶす他の方法が見つからないのだ。そういう人間をつくらないことが大切だと、ボクも思っていた。

 それから「芸術作品にしても食事にしても、素晴らしいものというのは、情報量が多い」という指摘には、なるほど!!と思う。

 今日はこの『POSSE』14号を読んで、新鮮な知識を得ることが出来た。しかしこの雑誌は「新世代のための雇用問題総合誌」をうたっている。本来ならば、大学生とか若い人たちが読むべき雑誌である。
 
 1冊1000円である。良い雑誌だし、皆さんの今後に役立つ記事が豊富だ。読んでみて欲しい。

http://www.npoposse.jp/
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侮辱

2012-11-18 20:41:41 | 日記
 今日の『中日新聞』(『東京新聞』)の社説は、考えさせられます。読んでください。

 「私たちを侮辱するな」という題です。


 見出しの「侮辱」とは極めて強い言葉です。ひどい扱いを受けた者の発する言葉です。政治にせよ、原発にせよ、私たち国民は、侮辱されてはいないか。


 手元に一通の手紙があります。学校で国語を担当されていた元先生からです。この夏、東京であった脱原発の市民集会に出かけた時のことが記されていました。


 こんな内容です。


 …何人もの演説の中、一番心に響いたのは作家の大江健三郎さんが述べた「私たちは侮辱の中に生きている」という言葉でした。

◆大江さんのスピーチ


 その言葉は、大江さんも紹介していたそうですが、福井生まれの昭和の作家、中野重治の短編小説にある文句です。中野はプロレタリア文学で知られ、大戦前の思想統制では自身も激しい国家弾圧に遭っています。


 その短編小説は、昭和三(一九二八)年、全日本無産者芸術連盟(略称ナップ)の機関誌に掲載された「春さきの風」。検挙された同志家族をモデルにしています。


 思想をとがめられた検束で父とともに母と赤ん坊も警察署に連行される。その赤ちゃんの具合が悪くなる。ろくな手当ても受けられずに亡くなってしまう。母親はもちろん医師を頼みましたが、無視された。理由のない平手打ちを受けるばかり。


 小説はそれらの動きを、きびきびとした文体で描き、最後は母親が留置場の夫に手紙を書く場面で締めくくられます。


 母親は砂を巻く春風の音の中、死んだ赤ん坊はケシ粒のように小さいと思う。そしてこう書く。


 「わたしらは侮辱のなかに生きています。」(「中野重治全集第一巻」筑摩書房より)


 中野重治が実体験として記した侮辱という言葉、また大江さんが原発に反対する集会で引いた侮辱という言葉、その意味は、もうお分かりでしょう。

◆デモクラシーの軽視


 権力が民衆を、国家が国民を、ほとんど人間扱いしていないのではないかという表現にちがいありません。


 つまり倫理違反なのです。


 先日、東京電力は、原発事故時のテレビ会議記録を新たに公開した。二回目の公開です。


 その中に自家用車のバッテリーを集めるというやりとりがありました。原子炉の圧力が上昇し、蒸気逃がし弁を動かすためバッテリーをつないで電源を確保しようというのです。しかも足りなくて買うお金にも困る。


 備えも何もなかったわけですから、社員らの苦労も分かります。しかし、これを知った福島の被災者らはどう思ったでしょう。


 東電も国も、その程度の取り組みと真剣さしかなかったのか。住民の守り方とはそのぐらいのものだったのか。言い換えれば、それは侮辱に等しいでしょう。


 侮辱は継続しています。しかもデモクラシー、民主主義の軽視という形で。


 原発で言えば、大飯の再稼働はろくな検証もなく、電気が足りなくなりそうだという理由だけで決まりました。国民の安全がかかわる問題なのに、これほど非民主的な決定は前例がないでしょう。


 沖縄へのオスプレイ配備も、米兵事件に対するその場しのぎの対応も侮辱にほかなりません。国家が人間を軽視しているのです。


 原発から離れれば、一票の格差を放置してきた国会とは、デモクラシーの不在も同然です。立法府だけではなく、最高裁が「違憲状態」と判示しつつ、違憲であると踏み込めなかったことは、憲法の番人としての責務を果たしえたか。疑問は残ります。


 今の政治には、ほとほとあきれたと多くの人が口にします。それはおそらくはデモクラシーの軽視に起因していることで、国民は自分の権利の蹂躙(じゅうりん)を痛々しく感じているのです。政治に侮辱されていると言ってもいいでしょう。


 その状況を変えるには、何より変えようという意思を各人がもつことです。デモや集会はその表れの一つであり、選挙こそはその重要な手段です。

◆戦うべき相手はだれ


 冒頭の国語の先生の手紙は今、自分の抱える恐ろしさをこんなふうに表していました。


 …(中野重治の)戦前と違って現代は戦うべき相手の姿が明確に浮かび上がらない分、かえって恐ろしさを感じます…。


 戦うべき相手は広範で、しかも悪賢く、しっぽすらつかませないかもしれません。政財官などにまたがる、もやもやとした霧のようなものかもしれない。


 しかし、こう思ってその相手を見つけようではありませんか。一体だれが私を侮辱しているのか、と。私たち自身の中にそれは忍び込んでいないか、と。投票の前に見つけようではありませんか。
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歴史に学ばないということ

2012-11-18 09:40:19 | 日記
 総選挙が始まる。今日の新聞に、全国の立候補者の名前が載せられていた。候補の中に社民党公認がほとんどいない。「東京」の比例区でも、ひとりも立候補していない。反原発、TPP反対、消費税反対などを主張する政策としてはもっとも純粋な政党なのに、立候補者がいない。考えてみれば、小選挙区制が導入されるとき、小選挙区制では当選がおぼつかなくなることをわかっていて社民党(当時日本社会党)は、導入に賛成した。「自滅」である。当時の日本社会党も、マスメディアに扇動された「政治改革」という波に呑まれたのだ。

 小選挙区制は二大政党制をつくりだす、日本では二大政党制が必要なのだというかけ声が一斉に、政界やマスメディアからだされ、「政治改革」という名の下に小選挙区制が導入された。しかし戦前、日本でも小選挙区制が導入された時期があった。しかし、それが日本の政治風土にはあわないということから、小選挙区制は導入されずに来ていたのだ。

 今日の『中日新聞』の書評欄に、『昭和戦前期の政党政治』(筒井清忠、ちくま新書)の紹介があった。私は未読ではあるが、「“内輪の政争に明け暮れ、実行力・決断力なく没落していく既成政党と一挙的問題解決を呼号し、もてはやされる『維新』勢力”という図式が作られやすいという意味で、歴史は繰り返す」が引用されていた。1930年代、その『維新』勢力が、無謀な戦争へと歩んでいく戦時体制構築の露払いを行ったという歴史的な過去を思うとき、今回の総選挙に不安を覚える。

 その不安は、以下の事実によって増幅される。

 「日本維新の会」と「太陽の党」が合体し、石原慎太郎が代表となったという記事もあった。石原は、最後のチャンスとして、内閣総理大臣の座を射止めようとしているのだろう。日本企業に莫大な損失を招いた「尖閣」を引き金にした日中の不毛の対立を引き起こした張本人である。もし彼が首相になったら、東アジアは外向的に対立が渦巻く危機的状況になり、また日本の輸出入のトップを占める中国との貿易関係も吹っ飛び日本経済も危機的状況になるであろう。

 永遠の隣国である中国や韓国などとの間に「領土問題」などがあっても、すぐに解決することは無理であるから、とにかく話し合いで信頼関係を築き(信頼関係をつくりだすのは長い時間が必要だが、信頼をなくすのは一瞬でできる)、双方が譲歩しながら平和共存関係にもっていくこと、これしか解決策はない。

 失礼ながら、高齢の石原に2010年代の国政をまかせるわけにはいかないのだ。

 歴史に学ぶという姿勢が求められる。

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【本】高田昌幸『真実 新聞が警察に跪いた日』(柏書房)

2012-11-17 19:58:05 | 日記
 全国各地の警察が税金を裏金として蓄積し、私的なことにもつかっていたことが暴露されてからもう何年も経過する。北海道新聞もまた、北海道警察の裏金作りについて精力的に取材し、厳しく道警に突きつけた。その内容は、『追及・北海道警「裏金」疑惑』 (講談社文庫)で読むことができる。ただしもう刊行されていないので、古本で購入するしかない。

 高田昌幸さんは、その北海道新聞の記者。道警追及の中心にいた人だ。

 しかし、その連載記事が数々の賞をとり、一段落した後から、道警の「報復」が始まった。その動きの中で、北海道新聞社が、道警に跪いてしまうという信じられないことが起きた。

 この本を読んで、一度権力に跪いてしまった北海道新聞は信用できないと思ってしまう。おそらく北海道新聞は、権力がいやがる調査報道は絶対にしないだろうと思うと、北海道新聞はジャーナリズムとしては死んだも同然だと判断するしかない。

 高田さんは、その動きを、関わった人物の実名をあげ、それぞれがどういう行動をとり、どういうことを言ったのかを詳細に明らかにしながら“真実”を明らかにしていく。

 しかし組織の力は凄まじいものだ。一人ひとりの組織に属する人間はそれぞれ良い人もいれば悪い人もいるのだが、その総体としての組織は、そうした違いをなくして、組織としての論理でもって倫理も正義もかなぐり捨てて生き抜こうとする。そうした組織のおぞましさが描かれる。

 刊行は今年3月。今年6月だったか、私と寸又峡に遊んだもとジャーナリストが、この本に実名で登場していた。驚いた。

 ジャーナリスト志望の者は、読むべき本である。
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新聞

2012-11-17 13:35:23 | 日記
 新聞を読んで腹を立てる人がいる。腹を立てても仕方がない。なぜなら新聞やテレビは、権力の走狗なのだから。既得権益をがっちり握っている勢力の中に、しっかりと組み込まれているのだ。

 したがって、相対的にどの新聞がよいのかを判断していくしかない。そうなると、もう『東京新聞』しかない。もちろん、地方には『琉球新報』や『沖縄タイムス』などをはじめ、気骨のある新聞社もあるにはある。

 『朝日新聞』には、私はもう10年ほどまえに愛想を尽かしている。まだ『朝日』を購読している人がいるが、もう『朝日』に購読料を払って支えるべきではない。彼らの社論は、『読売』、『日経』などと同じで、ただ一部の記事や文化欄にリベラルな読者が喜びそうなものを載せて、何とかリベラルな読者を引き留めようとしているのだ。それに騙されてはならない。

 今、もと北海道新聞の高田昌幸氏が書いた『真実 新聞が警察に跪いた日』(柏書房)を読んでいるが、まさに新聞の多くは、権力に跪いているのだ。

 
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火付け強盗の輩

2012-11-17 09:09:47 | 日記
 「日本維新の会」などという政治団体への注目度が高いようだ。現在のマスメディアは、まったく理性的ではない。テレビメディアなどで注目される「時流」に乗る「事件」を追いかけて、その「事件」をとりあげさらに「時流」を増幅させる。人びとの情報入手先はテレビや新聞なので、そこで騒いでいる「事件」が自然に頭の中に入っていく。しかし「事件」は一時の動きなので、人びとがそれに飽きてきたらいつのまにかメディアも取り上げなくなる。まさに泡のようなものである。

 さて、明治維新については最近スケールの大きい歴史書が発刊された。宮地正人氏の『幕末維新変革史』(岩波書店、上・下)である。一冊3200円。購入すべきかどうか迷い、とりあえず図書館から借りてみた。読み始めて、これは買って読まなければならないと思った(だからすぐに返却した)。現在の研究の到達点をみごとにとりいれた名著である。

 さて、「日本維新の会」の人びとは、「明治維新」あるいは戦争前夜に叫ばれた「昭和維新」ということを、どれほど調べているのだろうか。ただ幕藩体制が倒され、新しい政治体制が生まれたという現象だけを見て、幕藩体制を倒す側であった「志士」たちにみずからを重ね合わせてみているのだろう。

 だが「志士」は、テロリストであった。昨日書いたようにまた彼らは「殺人者」でもあった。幕藩体制支配を不安定化させるために、幕末の「志士」たちは、火付け強盗を働くなど、江戸を混乱に陥れようと策動していた(特に薩摩藩はひどかった)。彼ら「志士」たちの行状を探ってみるが良い。たとえば藩からもらった留学費用を遊郭で費消してしまったり(これは長州藩。長州藩=山口県は安倍自民党総裁の出身地)、外国人の館を襲撃したり、あるいは金儲けのために詐欺めいたことをしたり、とにかくふつうの人間がしないようなこと(=犯罪)を犯していたのである。そういう輩がきちんとした政治体制をつくれるわけがない。

 徳川慶喜が大政奉還した後、全国の支配者であった徳川家は静岡を中心とした藩に下向してきた。静岡県内には、現在の静岡市や沼津市を中心に旧幕臣が入り込んできた。だが、新しい政治体制をつくりあげるなかで、どうしても中核となる人材が必要となった。テロリストだけでは、きちんとした政治体制なんかできるわけはないのである。

 そこで、テロリストたちは、旧幕臣を官僚機構のなかに取り込んでいった。静岡県内に下向してきた旧幕臣は、少しずつ東京へと移転していった。

 その事実は、樋口雄彦氏の研究書に詳細に描き込まれている。『箱館戦争と榎本武揚』(吉川弘文館)、『第16代徳川家達』(祥伝社新書)、『旧幕臣の明治維新』(吉川弘文館)など。

 表で騒いでいる者たちに、きちんとした政治なんかできるわけがないのだ。「維新」ということばは、「改革」を叫ぶ者たちに「愛用」されることがある。「昭和維新」がそれである。何をどう改革するのか、それを問わないで、「維新」ということばに情緒的に動かされることがないようにしたい。
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【本】堀川惠子『死刑の基準 「永山裁判」が遺したもの』(日本評論社)

2012-11-16 20:17:29 | 日記
 今日、車で沼津へ。その後弁護士の知人と共に駿河療養所に行った。その内容は書けないが、途中富士山が大きく見え、とてもきれいであった。遠州から見える富士山は大きくないので、大井川辺りからみえる富士山は、なかなか感動的である。

 沼津へ行く途中、県立中央図書館へ寄った。駿河療養所関係の資料を複写するためであり、またもう一つは『焚書』という本を借りるためであった。なぜその本を読みたくなったかを記すが、少し長くなる。堀川の本の中に永山裁判の無期懲役の判決を下した控訴審の担当裁判官の櫛渕理のことが記されていた。なかなか好人物の裁判官だったようで、「三島由紀夫事件」で裁判長をつとめ、「永山裁判」では右陪席をつとめた。彼は永山にこう尋ねたそうだ。

 「強力な帝政国家時代に、ボロボロの服を着て民主主義を叫んで、迫害に屈せずに中国を歩き回った人間が書いた『焚書』という本がある。読んだことがありますか」?李贅という人の著書です」

 永山は「これから読んでみます」と答えた。

 櫛渕は、後年こう語った(『文藝春秋』(1972年7月号))。

 「どうも日本人は異常なことをやる人に、拍手喝采する傾向が見えるようですなあ。ぼくはこれが日本人の大きな欠点だと思うんですよ。異常なことに情緒的に肩入れするのは悪い癖ですよ。(中略)明治維新のときもそうです。志士と称する法律的には殺人犯が革命をした結果、『勝てば官軍』でいっさいが許されてしまった。もしその考えを推し進めていくと、人間対人間が文字通り血みどろな闘争をする時代へ戻ってしまう。人間が長い間、築いてきた文化はどこへ行ったといいたいですね。近代的な法治国家において、クーデターは許されません」

 今の時代への警句となっている。ボクはよく明治維新を遂行したのはテロリストだと話していたはずだ。最近「維新の会」を名乗る集団が出現し、マスメディアや人びとが注目しているが、「維新」の担い手は、櫛渕が言うとおりである。理性的な眼で、しっかりと見つめるべきで、「悪い癖」が出ないようにしなければならない。

 こういう櫛渕が推薦する『焚書』を読んでみたいと思ったのだ。

 さて堀川の本の紹介を忘れている。この本は誤植が多いが、とても良い本である。ボクは一気に読んでしまった。最近、死刑判決が多く出されるようになり、厳罰化の動きが急である。ボクはそうした「時流」についていくのではなく、永山事件を知ることによりそうした「時流」が理性的なことであるかを考えてもらいたいと思うのだ。

 永山則夫の事件を、私たちは裁けるのか、という問いである。この本を読んで考えて欲しい。
 

 
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年末総選挙

2012-11-15 10:06:06 | 日記
 まず日本経済新聞の記事。日本国内からだけみると、石原前都知事なんかが跳ね上がっているだけだと思われるが、しかし多くの国々は日本国内の動きを「懸念」している。 


日本の右傾化、アジア情勢不安定化を懸念 欧米メディア
2012/11/15 1:51

 欧米主要メディアは14日、民主党の野田佳彦首相が衆院解散を表明したことを一斉に伝えた。自民党が政権に返り咲く見通しのほか、日本の右傾化や東アジア情勢が不安定になることに懸念を示す論調が目立った。

 「カミカゼ選挙」。英誌エコノミストは電子版にこんな見出しの記事を掲載した。選挙制度改革などと引き換えに民主党の敗色が濃厚な選挙に首相が打って出た背景を「自分が正しいと考えることを実行するために党を火中に投げ込む覚悟を示した」などと解説。日本維新の会など「第三極」が台頭する前に選挙に入るほうが得策との「政治的な計算」も指摘した。

 民主党内でも異論の多い環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉入りを野田首相が画策したことにも触れた。首相がTPP参加を軸に民主・自民両党の議員による新たな勢力の結集を目指すとの見方も紹介している。

 英フィナンシャル・タイムズ(電子版)は、第1党になる公算が大きい自民党の安倍晋三総裁は「ナショナリストとして名高い政治家」と指摘、選挙後に日本が右傾化を強める可能性に懸念を示した。安倍氏がデフレを終わらせるため日銀による大胆な政策の必要性を主張していることも挙げ「選挙は外交、経済面で日本の方向転換を決定づけるかもしれない」との見方を示した。

 米ワシントン・ポスト(電子版)は中国指導部の交代と12月の韓国の大統領選と併せ「地域の不透明感が一段と増す」と指摘した。民主党政権が消費増税などで多くの公約に背いたことを紹介し「自民党との差異化に失敗した」「自民党総裁と同じく野田首相は対中タカ派」などと論評した

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO48439100V11C12A1FF1000/

 「太陽の党」、「日本維新の会」などのいわゆる「第3極」のように、多くの大衆のストレスや不満に乗じて、威勢のいいことを放言する政治勢力が選挙で大きく進出することはきわめて危険である。

 今選挙で勝利させなければならないのは、自民党・公明党のように日本の政治をダメにしてきた政党や、みずからのマニフェストを公然と踏みにじった民主党ではなく、まさにリベラルな政党である。それについては、下記でお読みいただきたい。


http://igajin.blog.so-net.ne.jp/2012-11-14

 脱原発、東日本の復興、消費税反対、アメリカ隷従反対・・などが、求められる政策でなければならない。
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