窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

燮会オンラインが始まりました-第47回燮(やわらぎ)会

2021年04月23日 | 交渉アナリスト関係


 4月22日、初めての完全オンラインによる燮会が開催されました。燮会は交渉アナリスト1級会員のための交渉勉強会です。場所を選ばず参加できることもあり、8名の新規1級会員の皆さんを含む、大変大勢の方にご参加いただくことができました。1級会員は全国にいらっしゃるので、場所に制約されないというのはオンラインの大きなメリットと言えます。

 さて、いつものように第一部は交渉理論研究。第12回は「行動意思決定論」。過去数回は、期待効用理論、アレやエルスバーグのパラドックス、プロスペクト理論、ベイズの定理などやや難しい理論を取り上げましたが、今回は一息つき、2級テキストでも学習した「認知バイアス」のお話しです。人間が持つ様々なバイアスと、それによって犯すエラーについては、M.ベイザーマンとD.ムーアの『行動意思決定論-バイアスの罠』が詳しいですが、今回は”Negotiation Analysis”より、以下の5つを取り上げました。

1.アンカー効果-第一印象
2.現状維持バイアス-過去に固執する
3.サンクコスト(埋没費用)-損失を取り戻そうとする
4.確証バイアス-見たいものだけを見る
5.フレーミングー間違った問題を解決する

 人の直感はしばしば合理性を逸脱し、誤りを犯します。それを認識した上で、より良い意思決定を行うためにはどうすればよいか?先のD.ムーアは、客観的な合理性が不十分な状態で意思決定を下してしまうという欠陥を是正するための方法を『行動意思決定論-バイアスの罠』の中で6つ挙げています。

1.決定分析ツールの使用
2.専門知識の習得
3.判断バイアスの補正(ディバイアシング)
4.類比的推論(ある物事の特徴ともう一方の物事の特徴の類似性に注目して推論する方法のこと)
5.外部者の視点(客観的視点)に立つ(第三者の視点を借りることも有効)
6.他者のバイアスを理解する





 続いて第二部ですが、今回は燮会加藤幹事と谷口幹事が担当されました。大勢の1級会員が集まった貴重な機会でもあり、テーマは「『交渉の継続的な学習方法について』みんなで考えましょう!」。参加者の簡単な自己紹介の後、ZOOMのブレイクアウトルーム機能を使って、1級取得後どんな継続的学習をしているか?、お勧めの図書は何か?などを忌憚なく話し合いました。

 グループセッション終了後、各グループで出た話を全体で共有したのですが、

1.カードゲーム(ボーナンザ)をやっている(※)
2.知識と身近な体験のフィードバックループ
3.準備と予測(ディシジョン・ツリー)の活用
4.マインドセットに注目する
5.Win-Winを意識する

など、皆さん1級を取得された後も様々な形で交渉学を生活の中に織り込んでいらっしゃることが分かりました。実際、交渉学の扱う範囲は非常に広く、交渉テーブルに着いている時の相互作用だけが交渉ではありません。広い意味では、交渉と無関係という方はいらっしゃらないのではないかと思います。恐らく皆さん、まだまだ聞きたいことがおありだったと思いますので、今後もこのような機会があると良いと思いました。

※実は、4年前の第32回燮会は「ボーナンザ」大会を開催しました。

 最後に、今回参加された皆さんから挙げられた推薦図書を一部抜粋してご紹介させていただきます。



















過去の燮会レポートはこちらをご覧ください

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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