窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

【筆跡診断】企業内セミナーにてお話しさせていただきました。

2020年09月29日 | 筆跡心理関係


 9月29日、株式会社マコトインベストメンツ様の社内セミナーにて、筆跡診断入門についてお話しさせていただきました。セミナーはオフィスでの座談会的な雰囲気にZOOMを併用しての形式で行われました。

【内容】
Ⅰ.筆跡診断とは
Ⅱ.筆跡診断入門
Ⅲ.筆跡診断の実際
Ⅳ.手書きの効用

 前回のオンラインセミナーでの経験を踏まえ、今回は皆さんにやっていただく体験ワークに重点を置きました。オフィスでは実物を見ながら直に質疑ができる環境でしたので、教室形式の時より踏み込んだ判断の仕方等をお話しできたかと思います。



 「筆跡を変えることで性格は変えられるのか?」これは普段から最も多く頂くご質問ですが、今回はその他にも「直したくなるほど自分の字が嫌に思えることがあるのは何故なのか?」、「人の字を見て嫌だなと感じるというのにはどのような意味があるのか?」など、手書き文字そのものに対して深い関心を寄せられたご質問が多かったように思います。また、筆跡診断と性格テストとの融合など今後の研究に対する示唆もいただき、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。楽しんでいただけましたら、嬉しく思います。



 以下、受講された方からのご感想をご紹介させていただきます。

「本日は貴重なお話をして頂きありがとうございました。このようなお話をお聞きするのは初めてでしたので、非常に新鮮でした。人の文字を見て人は何となく書いた人を想像したりするので、それが体系的に書いた文字の部分部分に注目することで紐解けているのは驚きました。勉強になりました。デザイン思考などでは人をすごく観察して洞察するように筆跡診断は人の書いた文字をすごく観察して洞察するように思えて何かしら共通点も感じました。今後も宜しくお願いします」

「筆跡診断についてお教えくださり、ありがとうございました。初めて伺う内容ばかりで、大変興味深いお話しでした。特に具体的な例をお見せいただいたことはよかったです。また、漢字の特徴について実践的に学んだ後、実際に診断する体験もでき、短時間でたくさんの学びがありました。もっと知りたいと思いました!」

「本日はありがとうございました。入門編という事でしたが、非常に興味が湧きました。今後の業務の中で活用出来ると感じました。機会があれば今後もお聞かせ頂ければ幸いです。完全な習得は難しいと思いますが、色々ご相談できればと思います。ありがとうございました」

「とても面白く、興味深く拝聴しました。占いのように、ちょっとした『楽しめるもの』面だけでなく自分自身を見つめ直したり、現状を把握するカウンセリング要素があると実践を通して学び深い分野であると思いました。例も沢山あり、90分とてもあっという間でした。ありがとうございました」

「本日は貴重な講座をありがとうございます。大変興味深いもので,先生のお話もわかりやすく,90分があっという間でした。もっと詳しく知りたいと思いましたので,個人的に調べてみようと思います。本当にありがとうございました」

「昔、工場技術者の面接官をしていた時期があった。理工系の学生で、採用の合否は、理学、工学の何を勉強してきたかでなく、入社して仕事がチームワークで出来る人かを主に面談を通して判断していた。その時、今回受講した筆跡診断の知識があれば、もう少し角度を変えて面談が出来たかなと思った次第。今後入社面談等の機会あれば筆跡診断をもう少し勉強して、参考にしていきたいと思った」

「この度は貴重な体験ありがとうございました。筆跡診断が時には、直接会った印象よりも元の姿を浮き彫りにするのは聞いていて凄いなと思いました。筆跡自体に長年の癖が付いていてその部分がより本質に近いのかなと考えました。筆跡診断と筆跡診断が別物だということも初めて聞いたことでした。またの機会があれば、もっと深堀部分も聞ければ幸いです。」

 お招きいただきありがとうございました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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筆跡診断オンラインセミナーを開催しました

2020年07月27日 | 筆跡心理関係


 7月22日、ZOOMを活用した初めての「筆跡診断入門セミナー」を開催しました。オンラインということで、今回は北海道から福岡県(ほか、埼玉県、東京都、三重県、兵庫県など)まで、普段なかなかお会いするのが難しい、僕から見て遠くの皆さんに多数ご参加いただくことができました。本当にありがとうございました。

 新型コロナの影響で物理的に集まってのセミナー開催が難しくなってしまいましたが、この点はオンライン・ミーティングが一般化したことの良い点ですね。

●筆跡診断(Graphology)とは
●筆跡診断入門(体験ワーク)
●筆跡診断の科学

 さて、今回も上記のような3部構成で行いました。入門セミナーの内容は毎回ほぼ同じですが、セミナーでのフィードバックやその後得られた知見などを基に、少しずつ改編が加えられています。



 初めに、「筆跡診断(Graphology)」とは何かについて。これについては、当ブログでも診断事例を含めてご紹介していますので、詳しくはそちらをご覧ください。初めての皆さんに、筆跡診断とはどのようなもので、具体的にどのように診断し活用しているのかについてお話しさせていただきました。よく聞かれるのですが、皆さんがよく耳にする「筆跡鑑定」とはベースの方法論は共通するものの、全く別のものです。



 皆さんに一通り筆跡診断について理解していただいた後、第二部は「体験ワーク」。まず、筆跡診断の中で最も基本かつ最も重要な14の筆跡特徴について、実際に皆さんの書いた字を自己診断していただきました。つづいて、覚えた筆跡特徴を基に、実際の筆跡から書き手の職業を当てる、「職業あてクイズ」。この基本的な筆跡特徴を駆使するだけでもかなり推測ができるということを体験していただきました。この体験ワークはやはり実際に集まってのセミナーの方が皆さんの熱を感じられて良いですね。本当はグループセッションも行いたかったのですが、僕のスキル不足と回線トラブルにより今回はできませんでした。



 第三部は「筆跡診断の科学」。皆さんから受ける筆跡診断に対する疑問の中で最も多い、以下の三点についてできるだけ科学的根拠を基にお話しさせていただきました。

●筆跡診断って占いじゃないの?
●筆跡を変えれば性格は変えられるの?
●今の時代、「手書き」する意味あるの?

 一言で言うと、筆跡とはボディランゲージの一種であるとお考えいただければ良いと思います。



 最後に、おまけとして先日棋聖のタイトルを獲得した藤井聡太さんの「偽サイン」について。単純にサインそのものの出来ばかりでなく、その筆跡からどのようなことが読み取れるのかについてお話しさせていただきました。

 初めての開催で不慣れな点も多々ありましたが、オンラインの方が活発かつ率直な質問が出るのではないかとという気がしましたし、集合形式とはまた違った良さがあると感じました。何より距離的制約を超えられるというのが魅力ですね。機会があればまた開催したいと思います。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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第9回筆跡アドバイザーマスターズ研究会に参加しました

2019年11月04日 | 筆跡心理関係


  11月2日、日本筆跡心理学協会の「第9回筆跡アドバイザーマスターズ研究会」に参加してきました。全国からマスター資格を持つ皆さんが集い、日ごろの活動から得られた知見や疑問点を共有できる、1年に1回の貴重な機会です。

【過去のマスターズ研究会】
2018年11月3日:第8回筆跡アドバイザーマスターズ研究会
2017年11月4日:第7回筆跡アドバイザーマスターズ研究会
2012年11月3日:第5回筆跡アドバイザーマスターズ研究会

 今年も北は北海道から西は岡山と大勢のマスターが東京・品川に集まりました。一人一人、バッググラウンドが全く異なりますし、筆跡診断経験も新たにマスターとなられた方から、既に数千人を診断されている大ベテランの方まで実に様々です。また、筆跡診断をどのように活かされているかも実に多様ですので、毎年初めの自己紹介を伺うだけでも感心しきり。早くも「今日来てよかったな」と思わされました。

  一つ印象に残ったお話を挙げれば、最近短期間のうちに500名もの筆跡診断をすることになったというマスターの方がいらっしゃいました。筆跡診断は一人診断するだけでもかなり時間をかけますので、500名ともなるとどれほど大変なことか、本当に頭が下がります。その方がおっしゃっていたのは、「診断をするというよりは、文字をきっかけとした対話を通じて、500名の方から人生を学ばせていただくことの連続だった」というものでした。筆跡診断は診断だけでも自分を知るきっかけとなりますが、そこに対話が加わることで何倍にも豊かになるのだと感じました。僕もそういう機会を増やしていきたいと思います。



  さて、第一部はマスターによる事例発表。今年は何と僕が担当でしたので、「私のマスター活動について」と題し、日ごろ講演会等で初めて筆跡診断に触れる方にどのようなことをお伝えしているのか、実際に使用しているスライドを交えながらお話しさせていただきました。

Ⅰ.筆跡心理学(Graphology)とは
1.筆跡心理学とは
2.筆跡診断活用事例
3.台湾人の診断事例
4.筆跡診断の実際

Ⅱ.筆跡診断入門
5.自分の筆跡特徴を知ろう
6.筆跡から職業を当てよう

Ⅲ.筆跡心理の科学
7.筆跡心理学の実証研究について
8.筆跡で性格は変えられるか?
9.「手書き」の効用

  お集まりの皆さんがプロの方ばかりですので、診断の詳細については釈迦に説法ではあるのですが、筆跡診断に興味を持っていただくため、どのような意図を以てお話しさせていただいているかを中心にお話ししました。また「筆跡心理の科学」の部分では、新たにヘブライ大学の論文から得られた知見を追加しました。筆跡診断は占いと心理学を両極とすれば、その中間に位置するものだと捉えています。つまり、そのどちらにも寄ることができる柔軟さを持っているのですが、一方でそれがために曖昧な印象、ともすれば胡散臭さを伴ってしまうというのも事実だと思います。したがって、マスターとしては占いとどこが違い、科学としての限界(境界)は現時点でどこにあるのかを弁えておく必要があるのではないかと思っています。その意味で、いつもよりは後半部を少し厚めにお話しさせていただきました。



  第二部は、グループに分かれて日頃の知見や疑問を共有しました。一つ例を挙げれば、手書きをすること自体が少なくなった昨今、スマホ世代の筆跡傾向にある共通した特徴の見られる報告が複数ありました。これは今後の検証を待たなければなりませんが、「手書きをしない」ということが人にどのような影響を与えるのか、非常に興味深いところです。また、基本的な筆跡特徴からの解釈の展開は語彙と同じだようだと思いました。言葉も語源からある基本となる意味があり、そこから派生して様々な意味を持つようになります。だとすると、やはり言葉と同じく、その派生的解釈はある程度その国の文化を反映したものになるかもしれないということは頭に入れておく必要がありそうです。



  全国各地からそれぞれの経験が持ち寄られ、共有できるというのは実に興味深く貴重な機会です。自分では思いもよらなかった視点も、お会いして直接話を伺ってこそ分かるものがありますし、実際に字を書いてみて意見交換できる点も良いですね。皆様ありがとうございました、今から来年が楽しみです!

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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横浜山手ロータリークラブでお話しさせていただきました

2018年12月19日 | 筆跡心理関係


  12月19日、横浜港が一望できるホテルモントレ横浜にて、横浜山手ロータリークラブ12月例会が行われ、そちらで「筆跡心理」についてお話しさせていただきました。

  これまでの講演と重なる部分も多いのですが、今回は以下の内容でお話しさせていただきました。

Ⅰ.筆跡心理学とは
1.筆跡心理学とは
2.筆跡診断活用事例
3.台湾人の診断事例
4.筆跡診断の実際

Ⅱ.筆跡による自己分析
5.自分の筆跡特徴を知ろう
6.筆跡から見る職業適性

Ⅲ.筆跡心理の科学
7.筆跡心理学の実証研究について
8.筆跡で性格は変えられるか?
9.「手書き」の効用

  30分という短い時間の中でやや駆け足になってしまいましたが、皆様には実際に文字を書いていただきながら、筆跡診断の入口を体験していただきました。また、今回は人生の多くを手書きで過ごしてこられた皆さんが中心でしたので、科学的に見て「手書き」にはどのような効果があるのかについても触れさせていただきました。皆様のお会社などで少しでもお役に立つことがあれば幸いです。

貴重なお話しの場を頂き、感謝申し上げます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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第8回筆跡アドバイザーマスターズ研究会に参加しました

2018年11月05日 | 筆跡心理関係


  11月3日、日本筆跡心理学協会の「第8回筆跡アドバイザーマスターズ研究会」に参加してきました。昨年の再開以降、年に1度の筆跡アドバイザーマスターによる勉強会です。全国各地からマスターが集い、それぞれどのように筆跡診断を活用し、また普及のためにどのような工夫をされているのかが共有できる大変貴重な機会であり、ずっと楽しみにしていました。

  初めに、同協会会長の根本先生より近況のお話がありました。一つの興味深い事例として、黒板に板書する時の音と筆跡との関係について、地方の高校生から問い合わせがあったということです。これについて確かな研究結果があるわけではありませんが、そうした素朴な疑問についても関連の有無にかかわらずまず受けてみることが大事。それによって自分にとっても新しい視点が加わることがあるというお話でした。

  続いて筆跡・印影鑑定人の柳谷さんからは、筆跡鑑定(このブログに掲載されている「筆跡診断」とは異なります)の現場についてのお話がありました。筆跡診断以上に、鑑定は人の人生を左右してしまう可能性があり、責任の重い仕事だと思いました。



  マスターによる事例発表。一人目は静岡県から笹川俱充さん。静岡県で筆跡アドバイザーはまだ少なく、普及のためご活躍されています。キャリアカウンセラーとしてのお立場から、藤枝市の労働衛生講習会でお話しされた事例としては、「一日一筆のメンタルヘルス」ということで、「書く」=「今に集中すること」と捉え、過去にとらわれたり未来に恐怖したりするのではなく、今を生きる一助として筆跡を捉えられている視点が勉強になりました。職場で問題を起こしがちだったある女性の字を診たところ、大学ノートの罫線3行ぐらいの字を書いている。これを1行に収めて書くようにアドバイスしたところ、練習の結果周囲が見られるようになり、職場内の人間関係が改善したというフィードバックが得られたというお話は、「書く」という行為が及ぼす影響を示す興味深いものでした。

  筆跡診断に関心を持ってもらう入口としては、歴史上の偉人の筆跡を取り上げ、皆さんに誰の筆跡かを考えてもらったり、代表的な「口」という字で心理的側面の一端に触れていただくなどの工夫をされているそうです。また、採用支援では経験上「ハネ」を重視されているそうですが、これは僕自身の経験とも合致していました。



  二人目は、大阪府から本山裕子さん。ご自身だけでなく、今年発足した近畿で活躍されているマスターの集まりで共有された事例も併せてお話しいただきました。特に印象に残ったのは、笹川さんと同様、筆跡が及ぼす心身への影響についてです。家庭環境の影響で子供の頃から自殺願望を持っていたという、ある女性。その字を診たところ、まさに押しつぶされそうな、心の悲鳴が聞こえてきそうな字だったそうです。そこで、文字を変えるアドバイスをした結果、それを実践したご本人の努力もあって、自殺を思いとどまったばかりでなく、気持ちが明るくなり、今では自家農園での収穫祭を主催するまでに行動が変容したとのこと。その他にも、書道家でもある本山さんは、書を通じた企業へのアドバイスなどを通じて、看板の文字を変えることでお店の客層を変化させたり、メニューの書き方によって客単価が変化したりという経験をされています。そう考えると、筆跡心理はもっと真面目に研究されてしかるべきなのではないかという気がします。



  事例発表の後は、グループディスカッションで様々な情報共有、意見交換が行われました。個人的には、この日のお話を伺い、人の字を診る以前に自分の筆跡をなおざりにしていて良いのだろうかという気がしてきました。文字の癖を変える練習は個人差があるものの、皆さんの体験談をうかがうと概ね3ヵ月要するようです。海外で行われている「グラフォセラピー」も3ヵ月の継続と言われていますので、恐らく妥当な目安になるかと思います。



  今回も大変勉強になり、半日の時間があっという間に過ぎてしまいました。また来年も楽しみにしております!(来年は事例発表者なので、頑張ります)

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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第7回筆跡アドバイザーマスターズ研究会に参加しました

2017年11月09日 | 筆跡心理関係


  11月4日、日本筆跡心理学協会の「第7回筆跡アドバイザーマスターズ研究会」に参加してきました。しばらく中断していたようですが、僕自身としては2012年以来、実に5年ぶりの参加となります。前回参加した時は、まだマスターになってから日も浅い時期。どちらかといえば疑問は診断技術にかかわる部分が主でした。しかし、あれから5年の歳月と経験の蓄積を経て、自分の中にもアドバイザーとしての課題が蓄積していました。そういうこともあり、今回は実に深く学びの多い会になりました。

  恐らく、参加された他のマスターの方も同様の思いでいらした方はいたのではないかと思います。とかくこういう会は、地方の方は「行きたいけれども行けない」ということが多いと思うのですが、何と北は北海道から西は兵庫県まで、全国12都道府県より19名のマスター(女性12名、男性7名)が集いました。

  住んでいる場所も、それぞれ持たれているバックグラウンドも異なるマスターの皆さんですから、一通り自己紹介をしただけで実に学ぶことが多く、メモ用紙がメモでびっしりになってしまいました。人事、書道、カウンセリング、占い、心理学、実に様々な分野が筆跡心理学に結びついていること、そしてそれぞれが融合し、独自の形となって機能していること。そうしたことに触れるだけで、目から鱗の落ちる思いでした。

  グループディスカッションでは、日ごろ診断で生じていた様々な疑問について、遠慮なくぶつけさせていただきました。同じマスターの方々から様々な切り口でのアドバイスをいただけたこと、同じような疑問を抱えられいらっしゃった方が多くおられたことも励みになりました。



  事例発表会。一人目は、テレビ等でも活躍していらっしゃる石崎美花葉様。以前、「立教大学でお話させていただきました」で述べた通り、筆跡診断について語る時、「筆跡を変えることによって、本当に性格は変わるのか?」という疑問は、皆さんの高い関心事であるようです。石崎さんのお話には、何通履歴書を送っても門前払いされ再就職に悩んでいたが、筆跡を変えたことにより送った履歴書の3分の1から返信が来るようになり、複数の内定をもらうことができたという50代の方の事例、文字にコンプレックスを持っていたが字体と楽しむことにフォーカスすることによって自分に自信が持てるようになったという60代女性の事例など、字を変えることによって起きた様々な具体例が紹介されていました。印象的だったのは、奥様に先立たれた男性が奥様の筆跡診断をしてもらうことによって、以来その筆跡を見ることで奥様が傍にいるように感じることができるようになったというお話です。

  二人目は、大熊えりこ様。彼女は会社の人事で採用や人材育成などに筆跡診断を活用していらっしゃいます。僕も経験がありますが、筆跡診断は量が増えてくると膨大な時間と心的負担がかかります。正直字を見るのも嫌になるくらいです。そんな中で大熊さんの診断量には本当に頭が下がります。印象的だったのは、観相学よりも筆跡診断の方が役立つという声が多かったということ、もちろんそれは個々の事情とその時のコンテクストによって異なるものであり、絶対的に筆跡心理学が優れているというわけではないでしょうが。いずれにせよ、今では筆跡診断に対する社内の認知も向上し、性格分析を様々な方面に活用されているそうです。会社組織における筆跡心理学の可能性について、大いに参考になるお話でした。



  また次回皆さんにお会いするまで、僕もさらに研鑽を積みたいと思います。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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立教大学でお話させていただきました

2017年07月05日 | 筆跡心理関係


  更新が遅くなりましたが、去る6月16日、立教大学現代心理学部「対人関係の心理」講座のゲスト・スピーカーとして、筆跡心理学のお話をさせていただきました。一部変更を加えた箇所もありますが、内容としては3月にWBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)でお話させていただいたものとほぼ同じですので、そちらを参考にしていただければと思います。

  約160名ほどの学生さんを前にお話しさせていただくのは、本業の方では珍しいことではないのですが、筆跡のお話では初めてです。僕はイラストレーターが少々大げさなところがあり、そのせいか持っているマイクが時々口から遠ざかってしまい、一部の学生さんから「声が聞き取りにくかった」とのご指摘をいただきました。ピンマイクにすれば良かったですね、今後の反省とさせていただきます。



  さて講義終了後、学生の皆さんに提出していただいたレポートを拝見しました。今回は僕が診断をしたわけではなく、あくまで講義に対するレポートですが、一度にこれだけ沢山のフィードバックをいただける機会は滅多になく、大変貴重な経験となりました。日頃から筆跡診断は経験とフィードバックの蓄積が非常に重要だと思っていますので、本当に有難いことです。

  レポートを拝読して、学生の皆さんの学問に向かう真摯な姿勢には素直に感心しました。診断結果を鵜呑みにして一喜一憂するのではなく、それを自分なりに多面的に解釈しようと試みる姿勢。疑問や批判的に考察を試みる姿勢。とりわけ、診断結果から過去の体験なども交えつつ、自分の性格を深く掘り下げて考察している学生さんが非常に多かったのは、僕にとって大変嬉しいことでした。何故なら筆跡診断の価値は、診断結果そのものより、そこから解釈を逞しくしてより深い自己理解、他者理解に繋げていくことにこそあると思っているからです。



  ここで皆さんから頂いたご意見やご質問の一つ一つにお答えすることはできませんが、主だったものから講義でお話しし切れなかった内容について、いくつか補足したいと思います。

1.筆跡特徴について

  今回は、皆さんに筆跡診断とはどのようなものかを感じていただくための入門編でしたので、70数種ある筆跡特徴の内わずか14個しかご紹介できませんでしたが、実際の診断では、字そのものの特徴の他、字の大きさ、字間、字の傾き、書き出しの位置、行のうねりや上昇・下降、余白、筆圧などの要素も考慮します。

2.人は多面性を持っている生き物ではないのか?

  これは全くその通りです。最も注意しなければならないのは、個々の筆跡特徴を取り上げて「あなたは~な人だ」というように、その人を一面的に断じることです。書き手の文字に現れる個々の筆跡特徴は、少なくとも他の特徴と合わせて総合的に判断し、個々の特徴が書き手の中でどの程度の強さを占めているのかを推測しなければなりません。また、その文字を書いた時のコンテクストが分かるのであれば、それも考慮した方が良いでしょう。例えば「表情分析」でも「怒り」と「熟考」は同じ表情筋が動きます。それを「怒り」と捉えるか、「熟考」と捉えるかは、その表情が現れた時のコンテクストを考慮しなければなりません。これと同じことが筆跡診断にも言えます。そもそも、個々の筆跡特徴を表した文言も、あくまで代表的な傾向を述べているにすぎません。逆に言うと、そうしたことから個々の筆跡特徴とパーソナリティを関連付けようとした従来の研究は、軒並み「有意性が見られない」という結論になったのだと思います。

  また、今回のようなわずか数文字ではなかなか現れにくいですが、実際には相反する特徴がどちらも現れるというのは珍しいことではありません(例えば「接筆開型」と「接筆閉型」が混在するというように)。こういう場合、現れる頻度からどちらが優勢かを判断します。

  さらに言うと、外向的傾向と内向的傾向の特徴が混在することもしばしばです。こういう場合も現出する頻度や筆跡特徴を包括的に判断した結果から、どちらが外面の傾向でどちらが内面の傾向かなどを想像します。そうした面が、筆跡診断はバーナム効果を狙ったコールド・リーディングに過ぎないという批判が根強くあるところの一因なのかもしれません。



3.筆跡特徴の判断は主観的なものではないのか?

  今回は特に筆跡診断に初めて触れた皆さんが、自分で書いた筆跡傾向の判断を自分で行ったので、やむを得ない部分はありました。あくまで筆跡診断に触れていただくということが主旨だったとご理解いただきたいと思います。実を言うと、拝見したレポートの筆跡が、講義の時に書いた数文字とは違う、あるいは取るべき程の特徴でないという方も結構いらっしゃいました。しかし、これは上記のような制約がある以上、起こり得ることです。

  ただ、実際の場面でも、筆跡診断は診断者の主観であることに変わりはなく、診断する上で非常に気を遣う部分です。例えば、大抵の人は自分の文字を基準に考えるでしょうから、自分の文字より大きな字を書く人を「大字型」だと判断するでしょうし、小さければ「小字型」だと判断してしまうでしょう。しかし、他の人から見たら自分が「大字型」だと考える文字が「小字型」と判断されるかもしれません。こうした主観を修正していくためには、筆跡診断の経験とフィードバックの積み重ねが必要です。また、知っている人を診断する、対面で診断を行うような場合には、その人に対する印象などから来る先入観をいかに排除するかも重要な課題となります。

  また、筆跡特徴も相対的なものです。例えば「我慢強い」といった時、それはどの程度のことを言うのか?世の中には拷問にも耐えられるほど我慢強い人もいれば、毎朝6時に起きるというだけで「自分は我慢強い」と思っている人もいるかもしれません。筆跡特徴はその性格傾向が強く出ているかどうかは分かりますが、その程度までを測ることはできないのです。そういう意味では、この点は筆跡診断の限界の一つです。それを補うために、自分の診断結果を自分を良く知る身近な人に見てもらい、フィードバックを得るというのも一つの方法でしょう。

4.筆跡で性格を変えられるのか?

  「幸福だから笑うのではない、笑うから幸福なのだ」というフランスの哲学者アランの有名な言葉がありますが、自己暗示としての効果の他に、例えば字を大きくゆったりと書くと気持ちが落ち着くというような、その時の感情に働きかける効果はあるでしょう。それを長く継続して続けることにより、例えば激しやすい性格だったのが丸くなったとか言う効果は期待できるかもしれません。だからといって、例えば経済的に成功した人に多く見られる筆跡特徴を真似したから経済的に成功すると考えるのは飛躍のし過ぎだと僕は思っています。少し例が古いですが、王選手やイチロー選手の打法を真似たからといって誰もが王選手やイチロー選手になれるわけではないのと同じです。

  実は160名を前にお話させていただいた僕ですが、本来人前に出るのも話すのも大の苦手で、筆跡には今でも内向的な性格が強く出ています。人前で話せるようになったのは、社会人になってからの訓練と経験によるもので、未だに本質的な部分は変わっていないと思っています。しかし、人前で話せるようになった自分も偽らざる自分なのです。このように、先天的な性格が変わっていなくても人は違った行動をとることが十分可能であるとすれば、筆跡が行動変容に影響を及ぼし、やがてはそれが性格の一部を形成する可能性も排除できません。

  しかし、手書きをする機会が激減している昨今、自分を変えられるほど一定量の文字を継続的かつ期待する筆跡特徴で書き続けることは、意外と大変なのではないでしょうか?日記を書くというのも方法かもしれません。いずれにせよ、僕自身このテーマについて、より多くの実体験に出会ってみたいと思っています。

  最後に。筆跡だけでなく、視覚障害の方が使う点字にも点跡と言って書き手の癖があるという事を初めて教えていただきました。これはアメリカで発行された筆跡心理学の本で読んだことですが、事故か何かで手を失い、口やつま先で字を書くことを覚えた何千人もの人たちを調査した結果、最後には手が使えていた頃と同じ、その人固有の筆跡で字を書くようになったそうです。つまり、どのような字を書くかを決めているのは脳であり、手や口やつま先ではないということです。なお、右利きか左利きかについても、筆跡診断では考慮しません。

 長くなりましたが、結びにこのような機会を下さった先生と、忌憚ないフィードバックを下さった学生の皆様に心より御礼申し上げます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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【診断事例47】その確実さで頼られるタイプ

2017年04月21日 | 筆跡心理関係


上の画像は、クリックすると拡大します。女性・会社員をされている方です。

【この方の人物像】

  非常に常識的で生真面目な方。規範やルールを逸脱するようなことはまずなく、自分に求められている任務を実直かつ正確に遂行しようとします。詰めも手堅いので、その点での周囲の信頼は厚いでしょう。一方、真面目と意欲が高じて融通に欠けてしまうところがあります。自分がこうと思ったことは容易には曲げない意思の強さがあり、時に一途に突っ走ってしまうこともあります。それはやや心配性な内面の裏返しなのかもしれません。ただこうした堅実で確実な性格は、特に目上の人から信頼されることでしょう。

【診断の感想】

筆跡鑑定ありがとうございました。
ほんと、よく当たってると思います。
字からわかるってすごいですね。
昔はよく星座占いとか支柱占いとか好きで見てましたが生年月日でもよく同じような事が出ていました。
ほんと、ありがとうございました。

【診断後記】

  今回4日に渡ってご紹介した事例は、同じ職場の皆さんでした。普段接している皆さんでも、診断結果を共有することにより、今まで以上にお互いの理解が深まったのではないかと思います。また、各々見た目は全く違った筆跡をしていながら、その中にある共通項で繋がっていることに気づかれたようでした。それが職場のアイデンティティとして意識されるようになれば、チームとしての独自スタイルを構築し、日々の仕事に活かせるのではないかと思います。

  筆跡診断にはこのような役立て方もあるのだな、と診断した僕自身にとっても良い気づきとなりました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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【診断事例46】真面目で堅実な、縁の下の力持ちタイプ

2017年04月20日 | 筆跡心理関係


上の画像は、クリックすると拡大します。20代・男性・会社員をされている方です。

【この方の人物像】

  非常に真面目で堅実なタイプ。自分の主張や考えを外に表現するよりも、与えられた環境、決められたルールの中で役割を理解し、それを確実に遂行していくことに向いています。時々おっちょこちょいなこともありますが、基本的には物事をきちんとやり遂げないと気が済まない性分。ただし、見えない所では意外と不精な面もあるでしょう。

  控え目な性格なので、人が集まるような場所でも表に出ていくことはまずありません。できるだけ隅の方で目立たないようにしています。頑張って自分を前に出すような場合でも、気が付くと元通り引っ込んでしまっているでしょう。

【診断の感想】

・・・思い当たる節が多々あります。
筆跡鑑定のすごさにびっくりしました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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【診断事例45】環境適応力が高く、情に厚い方

2017年04月19日 | 筆跡心理関係


上の画像は、クリックすると拡大します。40代・男性・会社員をされている方です。

【この方の人物像】

  非常に柔軟性に富んだタイプ。環境に適応する能力が高く、状況をよく見て柔軟に対応できる能力を備えています。また、新しい考えを受け入れることにも柔軟です。単独で動くよりは仲間と協調してチームで動く方を指向し、情に厚いタイプ。仕事のスタイルとしては、基本的に融通型とはいっても、手堅く物事を進める方です。時には詰めの甘さを露呈することもありますが、それは普段が手堅い分かえって目立ってしまうのかもしれません。

柔軟性に富んでいるので、大事でない時には結構いい加減だったりもするのですが、ここと言う時には曖昧に済ませることをむしろ嫌います。ただ、協調性を優先するあまり、自分の考えを抑えてしまう傾向もあるでしょう。

【診断の感想】

なるほど‥ 年を取り、世間を知って来た現在はその通りかもしれません。
若い時は尖っており、自己中でしたけど! まぁ、己の力の限界にも気づき、協調性とカッコイイ言葉で言われると恥ずかしいですが、周りを巻き込まないとどうしようもない事にも気づいた!と、言うことでしょうか?
本当に自分でも判っている事ですが、関係ない(必要性の無い)時には手を抜きますね‥ 当っております! 言葉を変えれば「メリハリ」と都合の良い言葉はありますが。
この診断をある意味支えにして頑張って行きます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

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