コンペティション会場の裏には、サポート企業によるブースが設けられており、蒸留酒を中心とした様々なお酒を試飲することができます。その内のいくつかをご紹介したいと思います。
まずは、「ウッドフォードリザーブ」。価格35ドル以上のスーパープレミアムというジャンルに属するバーボンです。コーン72%、ライ麦18%、モルト10%という、他のバーボンに比べてライ麦の比率が高く、昔ながらの木桶での醗酵、バーボンで唯一3回蒸留を行うなどの特徴があります。いかにもバーボンといったクセはさほどではないものの、チョコレートのようなニュアンスがあり、上品で飲みやすく、非常に美味しかったです。
因みに、近年バーボンを含むアメリカン・ウィスキーの市場は急成長しており、2004年に50億ドル弱だったものが2014年には100億ドルに達するだろうということです。そんな中、ウッドフォードリザーブも10年で出荷量が5倍以上伸びたそうです。
また、ケンタッキーダービーといえば、カクテルの「ミント・ジュレップ」が頭に浮かびますが、ウッドフォードリザーブもダービーのオフィシャルバーボンに認定されているそうです。なお、3月31日までのキャンペーン期間中、ボトルについているネックリーフを5枚集めて応募すると、上の写真のようなケンタッキーダービー特別ボトルがもらえるということです。
「アーリータイムズ・ブラインドアーチャー」(上写真中央)。アーリータイムズをベースに青リンゴとシナモンの風味を付加した、フレーバード・ウィスキーです。最近、「ジャックダニエル・テネシーハニー」(上写真左)などフレーバーウィスキーの人気が高まっているらしいのですが、個人的にはあまりにも甘すぎました。恐らくシロップなども付加されているのではないでしょうか?
なお、「ブラインドアーチャー」とは「目隠しをした射手」のことで、ウィリアム・テルが目隠しをして息子の頭の上に載せたリンゴを射たという伝説に由来するそうです。
「タリスカー・ポートリー」(上写真右端)。昨年、「タリスカー・ストーム」(上写真左から二番目)をご紹介しました。「タリスカー・ポートリー」は、荒々しいことで知られる、スカイ島のウィスキー、「タリスカー」の原酒をポートワインの樽で熟成させたもので、タリスカーらしい塩っぽさとスモーキーさを残しつつ、ポートワイン由来の干しブドウのような甘みと香りをもつウィスキーに仕上がっています。
なお、名前のポートリーはスカイ島最大の港町の名前に由来しており、19世紀にこの港町はポルトガルとのポートワイン貿易で大いに栄えていたそうです。ラベルはゲール語で「PORT RUIGHE」と表記されています。
「ナインリーヴズ」。滋賀県に蒸留所があり、原料に沖縄産のサトウキビを使った純国産のラム酒です。試飲したのは、写真中央の「ナインリーヴズ クリア」。香りが良いといわれる、ポットスチルのヘッド部分のスピリッツをできるだけ多く集めて作られたそうです。アルコール度数は50度、黒糖由来の甘い香り、まろやかながらもキレがある、まさにクリアなお酒です。なお、ナインリーヴズは昨年行われた「ラムフェストパリ2014」において、国産ラム酒として初のイノベーション部門・銀賞を受賞したそうです。
ジャカール・ブリュット・モザイク・白。過度の甘みや酸味がない、香り高く洗練された優雅なシャンパンだったと思います。各国の航空会社で、ビジネスクラスの機内ワインとしても採用されているそうです。
<おわり>
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした