窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

魅力的な夏酒がずらり-京のおばんざい 真理福(銀座)

2019年08月31日 | ワイン・日本酒・ビール


  いつもお世話になっている、京都を愛してやまないブランド・コンサルタントの山本秀行先生よりご紹介いただいた、銀座6丁目にある京都のおばんざいのお店、「真理福」へ行ってきました。「おばんざい」自体、元は京都の一般家庭のお惣菜を意味する言葉なので、おばんざいのお店ですね。女将さんは祇園の京舞井上流ご出身の方です。

  この日(8月28日)は既に食事を済ませた後でしたので、お店お任せの夏に合うお酒が中心でした。冒頭の写真は、九条ネギのおひたし。



  右から、枝豆、自家製らっきょ、自家製坦々、鱧の卵です。



  お酒は冷凍した竹筒に注いで出てきます。このため、注いだ直後の1杯目よりもしばらく置いた2杯目の方が、お酒が冷えています。



  順々に行きましょう。初めは、佐賀県の「天吹 純米大吟醸 バナナ酵母 生」。名前の通り、バナナ酵母を使った珍しい日本酒です。口元に杯を近づけると、バナナの香りが漂ってきます。その香りと日本酒の甘みが合わさると、トロピカルフルーツのようなまろやかな味わいがします。



  続いて秋田県の「山本 ドキドキ 純米吟醸」。先ほどとは一転して、爽やかな酸味の切れのある夏向きのお酒です。この酸味は、リンゴ酸を多く生み出す酵母に由来するらしい。アルコール度数が14度と低く、すいすいと呑めてしまいます。



  同じ山本の「サンシャインイエロー 山廃 純米吟醸」。こちらも爽やかな乳酸系の味わい、夏の冷酒に合うお酒です。



  奈良県の「花巴 完熟 山廃純米 無濾過生原酒」。今度はアルコール度数が21度もあり、力強いお酒。しかし、飲んだ後はすっきりとキレがあり、後に引きずりません。



  こちらも秋田県の「吟醸原酒 かち割りまんさく」。その名の通り、氷で割っていただきました。アルコール度数が19度と高め、辛口の原酒は、氷で割っても水っぽくなることなく、美味しく呑めます。かき氷屋さんの暖簾を思わせるラベルが夏らしいですよね。



  山形県の「栄光冨士 SURVIVAL 純米大吟醸無濾過生原酒」。山形県の幻の酒米「玉苗」使用した限定酒だそうです。フルーティで味わい深く、飲み疲れしません。ラベルも横浜DeNAベイスターズがイベント試合“Star Night”で着用するユニフォームのようです。



  最後は、宮城県の「日高見 天竺 純米吟醸 愛山 瓶囲い 一回火入れ」。こちらも幻の酒米と言われる「愛山」を使用しています。会話が弾み、もう少し飲みたいということで頼んだお酒は、まろやかで甘みがありつつも爽やか。

  お酒は飲む順番で良い起承転結になるかどうかが、全体としてこの日呑んで良かったかどうかのカギになると個人的には思っています。その意味では、本当に美味しいだけでなく、美味しく呑める順番で勧めていただけたと感謝しています。


真理福(まりふく)


東京都中央区銀座6丁目8-6



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夏の終わりを静かな葉山で-和樂(かずら)

2019年08月30日 | 食べ歩きデータベース


  前日に葉山牛を食べたからというわけではないのですが、短かった今年の夏の終わりに葉山の隠れ家的中華レストラン「和樂(かずら)」へ行ってきました。時間までの間、御用邸そばの一色海岸でしばし夕暮れと打ち寄せる荒波を眺めていました。



  この日は近くの森山神社でお祭りがあったため、お囃子の音で賑わっていましたが、それがなければ全くの静寂に包まれていたであろう閑静な住宅街の中にお店はありました。芸能人も訪れる有名なお店ですが、お二人で切り盛りされていることもあり、予約しないと難しそうです。



  古民家を改造したお店は、和風と中国南方を折衷したような、むしろフィリピンやインドネシアを思わせるようなエキゾチックな雰囲気を醸しています。



  料理は一皿一皿が結構大きく、見事な魚料理や肉料理もあったのですが、訪れたのが二人ではあれもこれも食べ切れるものではなく、今回は紹興酒を傾けつつオーソドックスなメニューにしました。



  ポピュラーなメニューとはいえ、やはり評判だけあって一品一品美味しかったです。



  酢豚は甘めのあんにカラッと揚げた大きめの豚。



  麻婆豆腐も辛さを抑えたマイルドなつくり。適度に山椒が効いています。



  驚くほど大きな肉団子。直径にして6~7㎝はあるでしょうか。半分に割っても大きすぎるくらいです。その分、肉のうまみが存分に味わえます。



  最後は、これも大きな海老の入ったあっさり味の炒飯で締めました。

和樂(かずら)



神奈川県三浦郡葉山町一色1974



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はしご肉-ダ・ブッチャーズ/わがんせ(本厚木)

2019年08月29日 | 食べ歩きデータベース


  8月23日、とある会の集まりで本厚木にある肉バル、ダ・ブッチャーズへ行ってきました。こちらは、広々としたニューヨークを思わせる店内で、ドライ熟成肉とワインが楽しめます。冒頭の写真は、前菜盛り合わせに、生ハムとモルタデッラ。



  大きな、食べ応えのあるシーザーサラダ。



  メインはナッティで旨味たっぷりの熟成牛ランプに熟成四元豚ロース。さらには、厚切りの自家製ベーコンとソーセージ。コストパフォーマンスがよく、カジュアルな飲み会ではかなり喜ばれると思います。写真に撮っていませんが、このほかパスタにデザートもついて3,500円の飲み放題コースです。



  ところが、会が終わって予想だにしなかった展開が。ボリュームのある熟成肉を堪能したにもかかわらず、どこからか「肉が足りない」との声が…。それに応える形で、7月26日にオープンしたばかりという焼肉屋で二次会ということになったのです。はしご酒ならぬはしご肉、しかも個人的には前日も川崎の焼肉太陽へ行ったため、二日連続となりました。これでも、普段牛肉を食べることは滅多にないのです。

  訪れたのは、A4ランク以上のブランド牛、葉山牛を人間も食べられるほど良質な飼料を与えて育てているという石井牧場から直送しているという、「焼肉わがんせ」。わがんせ(和顔施)というのは、仏教で「無罪の七施」と呼ばれる、人と接する際の七つの心がけの一つで、和やかに笑顔で人と接するという意味らしいです。



  お決まりの牛タン、カルビ、ハラミを頼みましたが、さすが口に入れた瞬間に広がる甘みと柔らかさ。酔いが回っていてもはっきり分かる美味しさでした。

ダ・ブッチャーズ



神奈川県 厚木市 中町 2-9-17 1F



わがんせ



神奈川県厚木市中町2-7−5 ワミレスヒカリビル 1F



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陽はまた昇る-焼肉太陽再び

2019年08月28日 | 食べ歩きデータベース


  早2年振りになりますが、八丁畷の焼肉太陽に行ってきました。厚切りで驚くほど美味しい肉が、これまた驚きの安さで食べられる、まさに下町の焼肉屋さんです。



  今回は第108回YMSで共に沖縄でのセミナーに参加した仲間たちと。手始めは、口に入れたらどちらが自分の舌か分からなくなるほど厚切りの牛タンから(上写真奥)。手前は豚トロです。これも上ではなく、並。



 カルビに、お目当てだったリブロースが品切れだたため、代わりに頼んだ骨付きカルビ。カルビが肋骨周りの肉であることがよくわかります。



  コリコリ。ハツモトとも言いますが、牛の心臓に近い大動脈。



  ハラミ(横隔膜)。



  ハツ(心臓)、上ミノ(第一胃)、ギアラ(第四胃)。



  マルチャン(丸腸)



  〆は二日酔いに効果覿面のコムタン(辛いタイプですね)に、冷麺。

  5人でこれだけ食べ、かつ黒霧島もボトルで入れ、その他生ビール等も加えても一人6,000円という驚きの安さでした。

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1年振りの郡山で-酒肴工房 だいこんの花

2019年08月27日 | 食べ歩きデータベース


  今年の1月、予定していた郡山出張がインフルエンザのため行けず、ちょうど1年振りの訪問となりました。その間、弊社郡山営業所は若手の社員が二人増え、賑やかになりました。

  さて、仕事の後は営業所の仲間たちと郡山駅前の「だいこんの花」へ。もう9年も前にご紹介した「酒肴蕎楽こまち」は、このすぐ近くにあります。地元の人がお勧めする、ちょっとした宴会に良い、上品なお店でした。

  ところで、2年前にいわきでよく似た名前の「だいこん家」というお店に行きました。あっちも大根、こっちも大根、たまたまなのか?それとも福島といえば大根なのか?気になってちょっと調べてみましたが、2017年現在で福島県の大根生産量は全国14位。さらに生産割合となると1.65%。特に大根が名産ということでもなさそうです。ただ、会津には「あさぎ大根」と呼ばれる、珍しい野生の大根があるそうです。

  片っ端から飲んだ割に、写真を撮り忘れてしまったのですが、お店は田村、奈良萬、国権といった地元福島県の地酒を始め、日本酒も色々と揃っています。なお、今回初めて気づいたのですが、弊社郡山営業所のほぼ向かいに「笹の川酒造」という造酒屋さんがありました。日本酒のみならず、70年以上前から原酒を輸入して地ウィスキーも造っているのだそうです。

  だいぶ前置きが長くなってしまいました。ここからは料理のご紹介を。まず、冒頭の写真は厚焼き玉子と小じゃが田楽。小じゃが田楽は、地元では味噌かんぷらと呼ばれる郷土料理なのだそうです。「かんぷら」とは地元の言葉でじゃがいものこと。元々は収穫したじゃがいもの周りの小芋がもったいないので、食用にしたというのが始まりだそうです。



手作り豆腐。



お造り四種盛り。



蟹グラタン



焼き物。この日は鮭。



豚角煮。



なすの揚げだし。



暑い夏にぴったり。涼し気なそうめん。

酒肴工房 だいこんの花



福島県郡山市駅前2-5-4



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おうちワインと言ったって、なかなか-第111回YMS

2019年08月26日 | YMS情報


  この日46歳の誕生日でもあった8月21日、今年で7回目となる恒例のワインセミナー(第111回ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー、通称YMS)を開催しました。いつも会場をご提供下さっている馬車道十番館様、ならびにワインをご提供下さっている横濱屋様には、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 今年も41名の方にお越しいただき、大盛況でした。また、これでYMSの累計参加者数も1,200名に達しました。

【過去のワインセミナーの様子】
2018年:ワインを飲んでいる時間を無駄な時間だと思うな。その時間にあなたの心は休養しているのだから
2017年:酷暑の中でさっぱり飲めるワイン特集
2016年:世界が認める勝沼甲州ワインを軸にした日本ワインとフレンチのマリアージュ
2015年:夏に合うワインと料理のマリアージュを楽しむ
2014年:注目のジャパニーズ・ワインを楽しむ
2013年:手ごろなワインと料理のマリアージュを楽しむ



  さて、今年のテーマは「おうちで楽しめるテーブルワイン」。ワインをもっと身近に、気軽に楽しんでいただけるよう、カジュアルな銘柄が揃いました。あくまでもセミナーなので、まずはソムリエの片桐様より、今回のワインについて解説がありました。



  今回のワインは、以下の通りです。小売価格にしておおよそ2,000円以下のワインかと思いますが、テーブルワインとはいえブドウ品種の個性がしっかりと味わえる、楽しいワインが揃いました。

ジョージ・ヴィンダム・シラーズ(オーストラリア)
ジェイコブス・クリーク・リースリング(オーストラリア)
ガンチア・アスティ・スプマンテ(イタリア)
ガンチア・ポリッイアーノ・キャンティ・コッリ・セネージ(イタリア)
フォルタン・リトラル・メルロー(フランス)
フォルタン・リトラル・グルナッシュ・ロゼ(フランス)
マトゥア・リージョナル・ピノ・ノワール・マルボロ(ニュージーランド)
マトゥア・リージョナル・ソーヴィニヨン・ブラン・マルボロ(ニュージーランド)
ラ・ロスカ・ブリュット(スペイン)
ラ・ロスカ・ロゼ(スペイン)



  続いて料理の解説。もちろん、料理も今回のワインとのマリアージュを考えて下さっています。例えば、ガンチア・アスティのような甘口のスパークリングであれば、塩気のある生ハムに合わせるとか、シラーズやメルローのように黒ブドウの果実味がしっかりしたワインであれば、デミグラスソースのミニハンバーグやローストポークに合わせるといった具合に。10年以上前になりますが、ワインのブドウ品種を覚えるため、家でテイスティング・ノートをつけていた時があります。その時一番楽しかったのは、ワインと料理の相性がぴったり合った時ですね。今回の料理の中に、「これなら家でもできそうだな」というヒントがたくさん隠れていました。

生ハムのマリネ
パプリカのムース
ホタテと小エビのサラダ
魚のポワレとムール貝
チキンのトマト煮
ジェノベーゼ・ペンネ
パエリア
フルーツ盛り合わせ
ココナッツプリン



  なお、来年2020年のワイン・セミナーは、8月ではなく7月8日に開催することが決まりました。

過去のセミナーレポートはこちら

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交渉分析-交渉の科学と技芸

2019年08月17日 | 交渉アナリスト関係


  この夏季休業を使って、『交渉分析-交渉の科学と技芸』をようやくまとめ終わりました。A4で全315頁、これだけ一度に何かを書いたのは、大学の卒論以来ではないかという気がします。

  これは、日本ではあまり知られていませんが、交渉学の巨人である故ハワード・ライファ(1924-2016)の”Negotiation Analysis”(2002)を分かりやすくまとめ直したものです。

Negotiation Analysis: The Science and Art of Collaborative Decision Making by Howard Raiffa(2007-03-31)
Howard Raiffa
Belknap Press


  原本自体、500頁を超える大著。その上、一般を対象に書かれた交渉本ではなく、ビジネススクールの教科書に使われるような本であるため、そのまま読んでも分かりにくいところが多々ありました。しかし、同書は交渉という分野を一つの理論体系としてまとめた好著であり、交渉学を学ぶ上で幹となるべきものだと思っています。そこで今回のまとめに当たっては、恐らく当時ライファの下で学んでいた学生たちにとっては前提とされていたか、ライファが他の著書で既に述べていたことであるがゆえに省かれたと思われる部分を補いつつ、同書の内容を分かりやすくお伝えできるよう心がけました。



 『交渉分析』の目次だけご紹介しますと、以下の通りとなります。その内容については紙幅の制約上、全てをお伝えすることはできませんが、できる限り日本交渉協会のニューズレターを通じてご紹介できればと思っております。

序章:交渉のサイエンスとアート
第Ⅰ部:基礎理論
第1章:交渉分析とは何か?
第2章:決定分析
第3章:行動意思決定論
第4章:決定分析のケース・スタディ
第5章:ゲーム理論
第6章:交渉者のディレンマ
第7章:交渉の準備
第Ⅱ部:二者間分配型交渉の理論
第8章:分配型交渉の基本概念
第9章:行動のエスカレーション
第10章:オークション
第Ⅲ部:二者間統合型交渉の理論
第11章:テンプレート設計/評価(統合型交渉の準備)
第12章:テンプレート分析
第13章:ケース・スタディ:ネルソンvsアムストア
第14章:行動の現実
第15章:非協力的な相手
第Ⅳ部:外部の支援
第16章:評価的仲裁と非評価的仲裁
第17章:公平とは何か?
第18章:並行交渉
第Ⅴ部:多数者間交渉の理論
第19章:集団的意思決定
第20章:コンセンサス
第21章:連合形成
第22章:投票
第23章:多元的な当事者
第24章:当事者多数の介入者
第Ⅵ部:交渉と倫理
第25章:社会的ディレンマ
第26章:交渉と倫理

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国産キクラゲ狩り&アヒージョBBQの会

2019年08月17日 | その他


  大型連休は原則一切出かけない僕ですが、今年は珍しく家から15分のところまで遠出してきました。第107回YMSの講師で来ていただいた、横浜市金沢区、永島農園さんのきくらげ狩り&バーベキューの会です。企画してくださった、日本農業新聞の入江さん、永島農園の永島さんに感謝申し上げます。



  YMSの時は主にしいたけのお話しでしたが、しいたけは暑さに弱く、夏の時期はきくらげがメイン。初めに、きくらげについての基礎知識、菌床から収穫する方法などを教わりました。



  ビニルハウスは遮熱シートで覆われ、適度な湿度はあるものの、中は意外と涼しかったです。中には、見たこともないような肉厚の大きなきくらげがずらり。菌を植えてから2カ月ほどでこの大きさになるそうです。



  初めて触れる生のきくらげ(木耳)、その触感は文字通り「耳」。それを根元からもぐのですが、意外にもあっさりポロっともげてしまうのが、初めは少し怖くもありました。



  こちらは天日干し中のきくらげ。国内で流通しているきくらげの実に99%が輸入物という現実にあって、今わずか1%の国産を目にしているわけです。



  バーベキューは、永島さんが焼き上げてくださった、見事なリブとサーロイン。



  持参したワインは、ドメーヌ・ド・バロナーク 2007。メルロー50%、カベルネ・フラン26%、シラー10%、マルベック9%、カベルネ・ソーヴィニヨン4%、グルナッシュ1%のブレンド。完熟した果実味とスパイシー感、程よい酸味でタンニンは強くなく、飲みやすく肉料理にも合わせやすいワインでした。



  中でも傑作だったのは、きくらげのアヒージョです。きくらげが実はアヒージョに合うというのは聞いてはいましたが、これほどまでとは思いませんでした。きくらげのコリっとした食感はそのままに、表面が程よくオリーブオイルを吸って、ぷりぷり感が増しています。さらには、ニンニク&オリーブオイルにきくらげ、パプリカ、玉ねぎなどの旨味が溶け出し、これはバケットでオイルまで完全に味わなければもったいない。


 
  こちらはYMSでのお話しにも登場した、横須賀ビールの「釜利谷シイタケエール」。焙煎ビールのようなコクとほんのりとしたシイタケの香り、グルタミン酸のような後味を感じます。のど越しを楽しむというより、単体でじっくり味わいたいタイプのビールです。



  第91回YMSで講師をしていただいた、沖原さんが全国1位の酒蔵数(89蔵)を誇る新潟県のお酒を試しに試してたどり着いたイチ押しの日本酒がこちら、「村祐」。生産石数が200石(一升瓶換算で36,000本)という小さな酒蔵さんのため、こちらで見かけることはほとんどないのではないかと思います。しかし、口に含んだ時、しっかりとした上品な米の旨味と甘みを感じられるにもかかわらず、砂糖のような余分な甘さが後を引くことなく、非常に短い余韻ですっきりと呑めます。これだとスイスイと空いてしまいそうで怖いですね。



  ちょうど減量中でもありましたので、お土産のきくらげは早速晩に調理して食べました。左は単純にごま油で炒めたものですが、大分名物の「柚子すこ」(タバスコの柚子版)を加えました。左はきゅうりと一緒に酢で揉んだものです。

永島農園

神奈川県横浜市金沢区釜利谷東7-6−1



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チャンスの神は前髪しかない-日本プロ野球2019 横浜vsヤクルト18回戦

2019年08月04日 | スポーツ観戦記


  ギリシャ語で「チャンス」を意味する男性神カイロスには前髪しかなく、両足には翼があったのだそうです。つまり、このカイロスを捕まえるには、彼が一瞬で通り過ぎる前にその前髪を捕まえなければならない。このことから、「チャンスの神は前髪しかない」(好機は直ぐに捉えなければ、後から捉えることはできない)という諺が生まれました。

  8月1日に横浜スタジアムで行われた、横浜にとってカード三連勝をかけた対ヤクルト18回戦は、まさにそんな試合でした。



  横浜の先発はルーキー、ドラフト3位の大貫投手。7月21日以来11日ぶりの先発です。ここまで5勝3敗、個人的にも期待している投手です。



  その大貫投手ですが、立ち上がりからピリッとしません。先頭の太田選手はレフトフライに討ち取りはしたものの、良い当たり。続く青木選手にはカウント0-2と追い込みながら、低めのフォークボールをライト前に痛打されます(青木選手はこの日、4打数3安打の活躍でした)。さらに山田選手には死球を与え、初回から嫌な感じで走者を背負います。結果的に後続を討ち取り無失点で切り抜けはしたものの、不安定な立ち上がりでした。



  一方、ヤクルトの先発はここまで3勝0敗のベテラン、山田(大)投手。



  その山田投手から、横浜はまず先頭の神里選手が鮮やかなセンター前ヒットで出塁します(神里選手も4打数3安打の活躍でした)。続く宮崎選手は良い当たりでしたがレフト正面のフライに倒れます。しかし、神里選手の盗塁成功により、一死二塁のチャンス。



  すると3番ソト選手が三塁手の頭の上を越えるレフト前ヒットを放ち、神里選手が生還。鮮やかな速攻で、横浜が先制します。



  しかしそれも束の間。2回表、先頭の村上選手に一発を浴びます。レフトフライかと思ったのですが、意外と打球が伸びました。高卒2年目の19歳という若さで、早くも21号。これで同点。



  3回表。またも先頭の青木選手がセンター前に落ちるヒットで出塁。続く山田選手はライトフライに討ち取りますが、次のバレンティン選手の打席で大貫投手が暴投。これで一死二塁。



  さらにそのバレンティン選手には四球を与え、一死二塁・一塁。



  すると雄平選手が二塁手の右をしぶとく抜くヒットで、二塁走者が生還。これで2vs1。



  前の打席で本塁打を放った村上選手は三振に討ち取りますが、続く中村選手。これも外角低めだったのですが、やや甘く入ったところをライト前に弾き返され、二塁走者が生還。3vs1。さらに右翼手ソト選手の返球が悪送球で走者バレンティン選手の首に当たり、その間に走者の雄平選手は三塁へ。



  ここでラミレス監督は早くも大貫投手を諦め、期待の高卒2年目、櫻井投手に交替します。



  二死三塁・一塁の場面。奥村選手の打席の時に、恐らく若い櫻井投手であることをヤクルトが意図的に突いた陽動作戦だと思いますが、飛び出した一塁走者の中村選手に櫻井投手がつられる間隙を突き、三塁走者の雄平選手が本塁を突きます。慌てて櫻井投手は本塁へ送球しますが、判定はセーフ。しかし、ラミレス監督からのリクエストでリプレイ検証の結果、アウトとなりました。これがセーフとなれば完全にヤクルトへ流れが行きかねない場面で、どうにか2失点で食い止めました。



  すると3回裏。横浜は嶺井選手が倒れた後、神里選手がレフト前に落ちるヒットで出塁。



  宮崎選手も右中間の頭を越えるヒットで続きます。これで一死三塁・一塁のチャンス。



  期待のクリーンナップに回りますが、ソト選手はボテボテの三塁ゴロで一塁走者がアウト。それでも神里選手が生還し、どうにか1点差。



  そして四番に戻ってから再びさっぱり打てなくなった筒香選手。この場面でも二塁ゴロに倒れました。とはいうものの、まだ序盤の3回で1点差。望みは十分にある展開でした。



  僕は野球とは流れを引き寄せる駆け引きの競技だと思っています。その意味では、もし勝っていたなら重要なターニングポイントになっていたであろうと思うのが、5回表の櫻井投手の投球です。3回途中から登板した櫻井投手は、4回表、八番からの下位打線を三者凡退に退けました。さらに5回表は二番からの上位打線。ここを青木選手三振、山田選手三塁ゴロ、バレンティン選手を三振で再び三者凡退。ずっとヤクルトが攻勢という雰囲気の中で、その流れを食い止めたのは、若き櫻井投手の投球でした。



  しかもその櫻井投手が5回裏の先頭打者で、レフト前にヒットを放ちます(左翼手バレンティン選手のお粗末な守備も手伝いましたが)。4回裏から盛り上がったボルテージはこれで一気に爆発したように思います。球場の雰囲気は一変しました。



  続く嶺井選手も一二塁間を破るヒット。



  神里選手は二塁への当たりを村上選手が好捕しますが、一塁送球が間に合わず内野安打。これで無死満塁で中軸へ回るというビッグチャンス。そう、この時がまさに横浜にとって「カイロスが通り過ぎようとした時」だったのです。



  正直に告白すると、続く宮崎選手の打席で「併殺打」が頭を過ぎりました。宮崎選手はヒットメーカーではありますが、併殺も多く、今シーズン既に11個の併殺打を記録していたためです(最多は、同じ横浜のロペス選手で16個)。その宮崎選手、カウント1-0から1-2-3と最悪の併殺打。嫌な予感が現実となってしまいました。


 
  それでもソト選手が四球で出塁し、二死ながら再び満塁。カイロスの前髪は少し後ろになびいていたのです。
 
  しかし、当たりの出ない四番筒香選手が二塁ゴロに倒れ、無死満塁で無得点という最悪の結果に。これで大勢は決しました。流れを巡る駆け引きにおいて、自らその流れを手放したのでは勝つことはできません。



  その後、横浜は得点の機会すら作れず。敢えて光明を見出すとすれば、中継ぎ陣がそれなりに頑張り、淡々と試合が進んだことです。結果はさらにヤクルトがその後1点を加え4vs2でしたが、最早この1点はおまけのようなものでした。



  試合後は、球団創設70周年ということもあって、何と100機ものドローンを飛ばしての壮観な演出がありました。大変素晴らしいショーではあったのですが、勝利の演出とならなかったのが残念でした。

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恒例の地ビールフェスト甲府で暑気払い

2019年08月03日 | ワイン・日本酒・ビール


  昨年より30日も遅れ、二日前ようやく梅雨明け宣言が出た関東甲信越地方。そして梅雨が明けるなり各地で軒並み35度を超える猛暑が到来しました。



  車の温度計も甲府に入るなり、40度を計測。



  少し遅いお昼は、山梨の夏の名物「おざら」(ざるほうとう)にしました。

  さて、弊社山梨営業所は、毎年甲府駅前「よっちゃばれ広場」で開催される「地ビールフェスト甲府」に合わせて暑気払いを開催しています。昨年は所用で参加できなかったため、僕は2年ぶりの参加となります。



  今年も山梨とその周辺の地ビールが大集合、早速行きましょう。初めの1杯は、「富士桜高原麦酒」の「60thプレミアムピルスナー」。ドイツのカスケードホップを使用した、苦みが強めのビール。惜しむらくは時間が早かったためか、この暑さでの最初の一杯としては冷えが足りなかったことです。アロマを楽しむため、敢えて冷やしすぎないようにしていたのかもしれません。



  今年は毎年人気の「ピーチヴァイツェン」がなく、代わりに「ゆずヴァイツェン」が登場。1日20ℓのタンク3本限定です。小麦麦芽を50%以上使った、ドイツの伝統的ビール、ヴァイツェンにゆずの皮を漬け込んだものらしいです。最初に口に含んだ時、ほんのりと柑橘系の香りがします。まさに夏のビール。最初のプレミアムピルスナーが苦めのビールだったので、こちらを先にしておけばより香りが楽しめたかもしれません。



  おつまみは、「八ヶ岳スモーク」のスモーク全部盛り(チキン、ベーコン、ソーセージ)。中でも厚切りのスモークベーコンは圧巻。



  続いて、「所沢ビール」のIPA、「キャノンボール」。IPA(インディア・ペールエール)は、イギリスの伝統的なペールエールの一種。一説によるとインドで保存をきかせるためにホップを大目にし、アルコール度数も高めにしたのがIPAなのだとか。このキャノンボールも6.5度あります。一気に流し込むというより、苦みと香りを楽しむビール。



  一緒にいた社員が頼んだものですが、「梅干しSmokin’」。鬼グルミの木でモルトを自家燻製したスモークビールなのだそうです。しかもそこに梅干しが入っているという。ただ酸性の飲料であるビールにアルカリ性の梅干しを混ぜてしまった(つまり、果肉を潰してかき混ぜてしまった)結果、中和されて何の飲みものか分からなくなってしまいました。



  飲み疲れの一休みに。ベルギービールの輸入販売を行っている「小西酒造」より、「リーフマンス オン・ザ・ロック」。チェリーを18か月漬け込み熟成させたというフルーツ・ビール。



  最後は、「ヴェデット エクストラホワイト」。ベルギーのホワイトビール(小麦を多く使ったビール。グルテンを多く含むため、泡立ちが良く、さわやかな酸味が特徴)で、原料にコリアンダーとオレンジピールが使われています。このため、すっきりとした口当たりと爽やかな香り、酸味で飲みやすく、アルコール度数も4.7度と低め。最後にはちょうど良いビールでした。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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