窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

雨で順延の試合が思いがけず重要な一戦にー日本プロ野球2024 横浜vs広島25回戦

2024年10月09日 | スポーツ観戦記


 10月1日、横浜スタジアムに横浜vs広島(25回戦)の観戦に行きました。この試合は、雨天中止になった7月16日の試合の振替日程で行われたものです。



 今となっては遠い昔のようですが、7月16日時点で、横浜は首位巨人に0.5ゲーム差の2位と肉薄していました。今シーズンのピーク時だったと言えます。対する広島も、横浜と1.0差の3位。4位阪神までが3ゲーム差以内という混戦でした。



 しかし、最初に脱落したのは横浜。直後の7月20日から何と9連敗を喫し、首位と8ゲーム、最下位と4ゲーム差の4位に転落。その後は23勝17敗2分で、借金4から貯金2まで巻き返しました。ところが、その横浜以上に急落してしまったのが広島。横浜が9連敗を喫した8月2日時点で、広島は48勝39敗、貯金9で首位だったのです。9月1日時点でも、62勝48敗、貯金14で首位。4位横浜とは13ゲーム差がありました。しかし、そこから悪夢のような連敗が始まります。4連敗(1勝)、6連敗(1勝)、4連敗(1勝)、4連敗(1勝)と、終わってみれば5勝20敗(月間20敗はセリーグタイ記録)で4位。この時点で既に巨人の優勝と阪神の2位が確定しており、この試合は図らずも、横浜(残6試合)と広島(残4試合)による3位(CS進出)をかけた直接対決となったのです。



 さて、かなり前置きが長くなりました。試合に移りましょう。横浜の先発は、前回観戦時(8月22日)と同じジャクソン投手。不運な試合が多く、ここまで7勝7敗ですが、立ち上がりと6回を気を付ければ概ね安心してみていられる投手です。その立ち上がり、野間選手に死球を与えこそしたものの、それ以外の3人を2三振含む凡退に討ち取り、上々のスタートを切りました。



 一方、広島の先発はここまで1勝2敗、3年目の森投手。こちらも、横浜の強力な上位打線を三者凡退、15球で退けました。



 必死の広島打線は、クイックモーションに課題のあるジャクソン投手の弱点を突き、積極的に足を使ってきました。スタンドから見ていても、呆気にとられるほど完全に盗まれているのが良く分かりました。順序が前後しますが、この日のジャクソン投手に対する広島の盗塁をまとめてみましょう。最初は、2回表の田村選手。



 3回表、野間選手。



 4回表、菊池選手。この日、ジャクソン投手は7回を投げ被安打3与四死球2でしたので、出塁した5人の走者のうち、3人に走られたということになります。これは、CSを戦っていく上で、特に阪神を相手にする上では致命的な弱点となりかねません。



 さて、得点経過の方に戻ります。先制は広島。3回表、1死から秋山選手が死球で出塁。



 すかさず、矢野選手がセンター前へヒット。ヒットエンドランで、1死3塁・1塁のチャンス。



 そして、野間選手の併殺崩れの間に1点。その後、前述の野間選手の盗塁があるのですが、この回は1点どまり。広島としては、序盤の積極的走塁で揺さぶりをかけながらも、ジャクソン投手を攻略しきれなかったところが響きました。結果的にはこの1点止まりであり、ジャクソン投手は7回被安打3奪三振8という好投だったのですから。ヒットが出なければ、走ることもできません。



 そして森投手も3回までは無失点に抑えていましたが、4回表につかまります。まず、先頭の牧選手がレフト前ヒットで出塁。ちなみに、これは横浜の2安打目。



 つづく佐野選手は倒れますが(この試合、佐野選手と梶原選手はヒットが出ませんでした)、オースティン選手がセンター前ヒットで1死2塁・1塁。



 宮﨑選手も続いて、1死満塁。



 すると桑原選手が初球のフォークボールをライト線際に落とす2塁打。初球というのが桑原選手らしいところです。横浜が1vs2と逆転し、なおも1死3塁・2塁。



 さらに戸柱選手が外角低めから甘く入ってきたカットボールをとらえ、センター前に落とすタイムリー。鮮やかな連打で、あっという間に1vs3。ただし、横浜は10安打を放ちながら、得点はこの回の3点に終わりました。



 ジャクソン投手は前述の通り、5回以降安定したビッチングで7回まで好投。しかし、8回表に伊勢選手が登板したのには正直驚きました。伊勢投手は1/3回とはいえ、前々日の試合で19球を投げ敗戦投手、前日も6球とはいえ1回登板していたからです。シーズン終盤のスクランブル体制なのは分かりますが、真意はベンチのみぞ知るです。その伊勢投手ですが、7球を投げ、韮澤選手を討ち取ったところで、戸柱捕手が異変に気付き、降板。急遽登板したディアス投手は、四球とワイルドピッチでピンチを作りましたが、何とか事なきを得ました。そして、9回表は森原投手が登板。



 この日は菊池選手にヒットを許しましたが、2三振を含む安定したピッチングでした。この試合に勝利した横浜はほぼ3位を確定させました。そして、僕の今シーズンの観戦もこれが最後です。今年は2勝5敗(京セラドームでのソフトバンクvs楽天を除く)と疫病神一歩手前でした。聞くところによると、来シーズンから球場で撮影した写真をブログ等に掲載できなくなるそうです。このブログでの野球観戦記も、これが最後になるかもしれません。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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初のキックボクシング観戦②-RISE181(後楽園ホール)

2024年09月05日 | スポーツ観戦記


 第7試合、スーパーフェザー級(-60㎏)小出龍哉選手vs近藤大晟選手。近藤選手は道着を着ての入場だったので、フルコンタクト空手の出身なのでしょう。やや後屈立ちの構え。1R早々、プッシュ気味のパンチに見えましたが、ダウンを奪います。9㎝の身長差ということもありましたが、パンチ、キック共に近藤選手が優勢。2R、近藤選手のミドルキックが効きましたが、ダウンとはならず。小出選手も後ろ廻し蹴りや胴廻し回転蹴りを見せますが、強引な印象は否めません。3R、前のラウンドの近藤選手のミドルキックが効いているように見えました。小出選手も気持ちの強さを見せますが、膝蹴りでついにダウン。その後、小出選手のガードが下がり、再び膝蹴りでダウン。結果は判定3-0で近藤選手の勝利。



 第8試合、スーパーフェザー級(-60㎏)勝次選手vsSEIDO選手。この試合で何と80戦目という勝次選手と今年40歳を迎えるSEIDO選手の超ベテラン対決(それでも僕よりは10歳以上若いのですが…)。やはり若い人と比べるとスピード、キレともに落ちますが、それは仕方のないことです。1R、SEIDO選手がバランス良く、よく相手を見てパンチとローキックを上下打ち分けます。途中、勝次選手がふらつく場面、コーナーに追い詰められる場面も。2RもSEIDO選手の間合い。ラスト30から強烈なミドルキックが入りました。勝次選手はその後、左瞼をカット。3R、勝次選手がラッシュをかけます。SEIDO選手もローキックで応戦。両者疲れが見えましたが、最後まで打ち合い、結果は判定2-1でSEIDO選手の勝利。



 第9試合、-52㎏契約、松本天志選手vsJIN選手。1R、JIN選手は相手をよく見て間合いを図ります。序盤彼の間合いだと思ったのですが、松本選手が一気にコーナーに詰めると、ショートフック一閃。一瞬のKOでした。JIN選手は立ち上がることができず、ストレッチャーで運ばれることに。心配です。



 第10試合、RISEバンタム級(-55㎏)タイトルマッチ、初防衛の大崎孔稀選手vs挑戦者大森隆之介選手。タイトルマッチは5R無制限延長Rで行われます。身長差10㎝、1Rは慎重に背丈でハンディのあるチャンピオンが様子を見ているように見えました。初防衛ということで、多少ナーバスになっていたかもしれません。しかし、広い背中、スピードとパワーを兼ね備えたチャンピオンが終了間際、強烈なワンツーでダウンを奪います。2R、攻めなければならない大森選手ですが、なかなか手数が出ません。チャンピオンのパンチの強さがそれを封じているということもあるのでしょう。さらに、偶然のバッティングによって大森選手、左瞼を大きくカットしてしまいます。出血もひどく、たびたび中断する展開に。時折、大森選手もよいミドルキックを返すのですが、大崎選手が手数と有効打で上回ります。3Rに入ると、有利に試合を進めている大崎選手がスパートをかけます。大森選手はなかなか手数が出ません。接近してからの首相撲までいかないギリギリのところで大森選手の頭を押さえる大崎選手の巧みさもありました(1度ホールディングの注意をとられましたが)。そしてラウンド終盤でパンチをまとめてくるところも試合巧者です。5Rになると、さすがにチャンピオンもクリンチに逃れる場面が見られました。最後、大森選手は果敢に攻めましたが、判定3-0(49-47、50-47、50-46)で大崎選手が初防衛を達成。何とも残念でしたが、チャンピオンが上手でした。

 キックボクシングは初めて生観戦しましたが、想像以上に接近して戦う印象です。当然ですが、生半可な気持ちでやれる競技ではなく、詳しいことはわからなくとも、選手それぞれの背中に背負っているものが感じられました。自分も怠惰な中年やっている場合ではないと思いました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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初のキックボクシング観戦①-RISE181(後楽園ホール)

2024年09月04日 | スポーツ観戦記


 8月31日、後楽園ホールに初めてのキックボクシング観戦(RISE181)に行きました。きっかけは、2年前の大阪で行われた第154回YMSで同じグループだった大森隆之助選手がタイトルマッチに臨むためです。当時は左手を骨折している状況でしたが、それから2年、RISEバンタム級4位からついにタイトル挑戦のチャンスを得たのです。

 台風10号の接近で、東海道新幹線が運休している中ではありましたが、会場には大勢のお客さんが詰めかけていました。大森選手は最後の10試合目です。キックボクシングについては詳しくないことをお断りした上で、僕なりに試合の展開を見ていきたいと思います。



 第1試合、スーパーフライ級(-53㎏)星憂雅選手vs横山大翔選手。1Rは星選手がワンツーで攻めます。一方の横山選手も後半カウンターを返します。2Rは一進一退の攻防となります。横山選手の結構良いボディーブローが入っていたように思えましたが、3Rに入って激しい打ち合いとなり、星選手のワンツーに横山選手がダウン。カウント8でしたが、結果は判定3-0で星選手の勝利。



 第2試合、スーパーライト級(-65kg)森本現暉選手vs野口紘司選手。一気に体が大きくなり、迫力があります。1Rから森本選手が優勢、途中野口選手スタンディングダウンを取られます。最後は、ハイキックからのラッシュでKO。森本選手の鮮やかな勝利でした。



 第3試合、アトム級(-46㎏)奥村琉奈選手vs百花選手。キャリア48戦のベテラン百花選手に対し、9戦目の新鋭奥村選手。1Rは終始奥村選手のペース。着実にボディーブローを重ねると、顔面へのパンチとローキックのコンビネーション。百花選手、嫌がっているように見えました。2Rに入ると、百花選手がローキックで反撃。これに対し、奥村選手もローキックとボディブローのコンビネーションで返します。ただ、2Rは奥村選手にやや疲れが見え、動きが鈍くなったように見えました。3Rに入ると激しい打ち合いにローキックの応酬。中盤からはかなり奥村選手の顔面へのパンチがまとまって入りましたが、百花選手も倒れませんでした。結果は判定3-0で奥村選手の勝利。



 第4試合、ミニフライ級(-49㎏)宮本芽依選手vsMelty輝選手。7㎝の身長差がありましたが、宮本選手はそれを感じさせません。序盤から巧みにMelty選手の間合いを潰していきます。Melty選手はハイキック、ミドルキック、上中の後ろ廻し蹴り、バックハンドブローなど華麗な技を繰り出しますが、やや強引な印象を受けました。2Rに入ると、宮本選手の強烈なミドルキックにボディーブローが入るようになります。3R、宮本選手の左フックが効きました。Melty選手の顔にもこの試合への不退転の決意がうかがえましたが、結果は判定3-0で宮本選手の勝利。宮本選手、これが4戦目ということですが、強かったです。



 第5試合、ライト級(-63㎏)竹市一樹選手vsTAKU選手。47戦目のベテラン竹市選手に対し、8戦目でこれまで全勝のTAKU選手。試合は1RからTAKU選手が終始プレッシャーをかける展開。竹市選手は年齢なのか調整の失敗なのか分かりませんが、キレがありません。TAKU選手のパンチに竹市選手がぐらつく場面も。2Rに入ると、TAKU選手が一気に攻勢に出、竹市選手ダウン。カウント8で最下位となりますが、TAKU選手の強烈なボディー2発で再びダウン。2R1分3秒でTAKU選手のTKO勝利。



 第6試合、-57㎏契約、オートー・ノーナクシン選手vs拳剛選手。ノーナクシン選手は後ろ足重心の典型的なムエタイスタイル。パンチの見切りが巧みで、拳剛選手のパンチをスウェーでかわしながら、前足に強烈なローキックをビシビシ決めていきます。1Rから拳剛の左足は真っ赤。2Rに入っても、ノーナクシン選手のうまさが目立ちます。拳剛選手のローキックに合わせカウンター、ラッシュでコーナーに追い詰める場面も2回。ローキックだけでなくミドルキックも強烈でした。しかし、このラウンドでノーナクシン選手も鼻血を出します。3R、拳剛選手はしゃにむにラッシュをかけます。対するノーナクシン選手はミドルキック連発、これは効いているように見えました。終盤は上段飛び膝蹴り 中段膝蹴り、ボディブローのコンビネーション。

 素人目には終始ノーナクシン選手のペースに見えましたが、判定はジャッジ1名拳剛選手、2名ドロー。試合は延長に入ります。延長はノーナクシン選手のストレートがまず効きました。そこからミドルキック、ハイキック、前蹴り、膝蹴りと多彩な蹴り技を繰り出したノーナクシン選手が終始優勢に進め、判定3-0で勝利。

<つづく>

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3万人が、6万の目を疑いました-日本プロ野球2024 横浜vs中日20回戦

2024年08月28日 | スポーツ観戦記


 8月22日、横浜スタジアムに横浜vs中日(20回戦)の観戦に行きました。横浜は7月20日から8月2日にかけての9連敗が尾を引き、優勝争いから脱落。CS進出を賭け、3.5ゲーム差をつけられた3位阪神を追撃しなければいけないにも関わらず、その後も8勝6敗1分と波に乗れません。一昨日から始まった中日戦は2連勝することができましたが、来る27日からの阪神との直接対決に向け、この中日戦と次のヤクルト戦はぜひとも確実に勝っておきたいところです。



 横浜の先発はジャクソン投手。ここまで5勝7敗ながら、現在の横浜の先発陣の中ではエース東投手に次いで安定感があります。その立ち上がりも、わずか11球で三者凡退と上々でした。



 一方、中日の先発は横浜に強い松葉投手。



 ところが、先頭の梶原選手に投じた2球目のカーブ。キャッチャーは外角低めに構えていたのですが、内角に甘く入ってしまいました。左打者からはおあつらえ向きの球。これを捉えた打球はライト中段に消え、先制のホームラン。前日1vs7大勝の流れを受け、幸先の良いスタートを切りました。



 しかし、それだけにとどまりません。2回裏、先頭の牧選手がファウルで粘った7球目をセンターへ弾き返します。お盆明けぐらいからの横浜打線ですが、以前と比べて粘れるようになってきた印象があります。



 ようやく打撃の調子を取り戻しつつある(それでも上位10傑に入っているのですが)、つづく宮崎選手も10球粘って、センターオーバーの2塁打。これで無死3塁・2塁。



 すると、今年まさにブレイクした捕手の山本選手が、内角低め、脛あたりに落ちたカットボールを見事に掬い上げ、3ランホームラン。早くも0vs4。苦手の松葉投手を相手に、序盤から主導権を握りました。この宮崎選手、山本選手の並び、非常にうまく機能していると思います。



 一方、中日の反撃は3回表。1死から小柄な田中選手がレフト前ヒットで出塁。



 続く松葉投手は一塁線に送りバント。ところがこの何でもない処理を一塁手のオースティン選手が手前に弾き、慌てて一塁に送球した球も松葉選手に当たり悪送球に。2死2塁のはずが1死3塁1塁となってしまいました。申し訳ないですが、オースティン選手が集中力を欠いていた、あるいは前日の快勝に続き、この日も早々に4点を先取した流れで、何となくチーム全体が浮ついていたように思えてなりません。結果的にこの回は1点で終わり、6回までで1vs7とリードすることになるのですが、蟻の一穴、この時すでに綻びが見え始めていたのかもしれません。つづく福永選手はボテボテのファーストゴロ、2死2塁であればこの1点はなかったのです。



 その後に迎える驚くべき展開の予兆とも言えるプレーがもう一つ。中日が1点を返した直後の3回裏、横浜は2死からオースティン選手がセンターへ詰まりながらもヒットで出塁。



 牧選手もレフト前ヒットで続き、2死2塁1塁。

 ところが、です。ここで先ほど2塁打の宮崎選手を迎えた追加点の好機に、何と牧選手が牽制死。今年何度見たことか、横浜の牽制死。2塁上にオースティン選手がいるのに、です。信じられない結末で、この回無得点に終わりました。



 とはいえ、4回裏。1死から山本選手がライトに3塁打を放ちます。中日側は徹底して内角低めを突いてきました。恐らくデータがあるのでしょうが、前の打席も山本選手は内角低めのさらに厳しい球を本塁打にしています。そして、続く京田選手のスクイズが決まり、再び4点差となる1vs5。



 ジャクソン投手は6回までで被安打3、1失点、74球。一方、中日は松葉投手、藤島投手と繋いで、6回裏から3番手橋本投手が登板。



 すると、先頭のオースティン選手がセンター前ヒットで出塁。



 牧選手はセンターフェンス直撃の猛打賞となる2塁打。



 宮崎選手もセンターに弾き返し、まさに釣る瓶打ち。無死で鮮やかに2点を追加し、1vs7。ただ、この後の下位打線が続かず、この2点どまり。



 7回表。大抵6回あたりでバテることの多いジャクソン投手。この日は球数も少なかったので、7回も行けるかなと思ったのですが、先頭の石川選手にレフトへ2塁打を浴びます。



 続く宇佐見選手にもレフト前ヒット。これで無死3塁・1塁。



 村松選手は倒れ1死としますが、田中選手にセンターへヒットを浴び、2vs7。この回打たれた球はいずれも高めに上擦っていました。



 代打のブライト健太選手には7球粘られ四球。これで1死満塁。


 
 1番の福永選手を迎えるにあたり、ジャクソン投手を諦めた交替は妥当と思われます。2番手として佐々木投手が登板。福永選手を内野ゴロに討ち取りますが、併殺崩れの間にさらに1点。3vs7。ただ、残り2回を残し、まだ4点差。流れが中日に渡ったという感じではありませんでした。



 そのターニングポイントが訪れたのは8回表、山崎投手登板の時だと感じたのは、恐らく僕だけではなかったと思います。



 カウント0-2と追い込みながら、川越選手に2塁打を打たれ、



 細川選手、石川選手を討ち取り2死とするも、代打の高橋選手にフルカウントから四球。



 村松選手に2塁打を打たれ、2者生還。5vs7。もはや追いつかれるのは時間の問題という雰囲気。



 2死ながら、この流れを止めるため山崎投手に替え投入されたウェンデルケン投手。怪我から復帰してまだ日が浅く、本来の調子でないこともありますが、それ以上に、心身ともにどれだけ準備ができていたでしょうか?急遽登板した感が否めませんでした。



 後ろの投手の不調を前の投手に帰するのは酷というものかもしれません。しかし、見ている側からすると負の連鎖であるように映ってしまうのです。全く精彩を欠いたウェンデルケン投手は、村松選手に四球。



 代打山本選手に投じたチェンジアップはど真ん中。これをレフトに弾き返され、ついに1点差。



 そして4打席凡退が続いていた福永選手にも打たれ、ついに同点。6回終了時まで6点差あったものが瞬く間に同点。



 それでも横浜は直後の8回裏、登板した清水投手から牧選手が猛打賞となる2塁打で出塁。



 途中から守備についている柴田選手の送りバントで、無死3塁のチャンス。



 そして山本選手もショートの頭を超える、猛打賞となるヒット。7vs8、横浜が勝ち越し。



 この虎の子の1点の死守は、抑えの森原投手に託されました。しかし、8回裏の横浜勝ち越しを受け手も、球場内は中日の勢いを感じていました(僕が三塁側内野席にいたことも一因かもしれません)。その見えないプレッシャーを跳ねのけるのは、容易ではないと思えたのです。



 それとも6回終了時までの1vs7を受け、リリーフ陣は皆準備不足だったのか?そんなことはないと思いますが、いずれの投手も気持ちを上げられないまま登板しているように見えました。いずれにせよ、森原投手は先頭の川越選手にヒットを浴びます。



 続いて細川選手にも。



 石川選手はレフトフライに討ち取りましたが、木下選手にライトに運ばれ、1死満塁。お膳立ては整いました、この日の森原投手に流れを断ち切れる要素は感じられませんでした。来るべき時をどうか来ないようにと、固唾をのんで見守る状況だったのです。



 そして村松選手の当たりは、高いバウンドが不運にも満塁がために前進していた二塁手の頭を越え、同点。



 たまらず横浜は中川(颯)投手に交替しますが、最早万事休すでした。



 村松選手同様、田中選手の当たりも決して良いものではありませんでしたが、ショートの頭を越える、いわゆるポテンヒット。ついに中日が勝ち越し、9vs8。



 最後は、マルチネス投手の前になす術なく、三者連続三振



に終わりました。CS進出に一縷の望みを託し、必ず取らなければならない試合。電光掲示板に虚しく映る「横浜進化」のスローガン、あまりにも痛い敗戦となりました。強いて言えば打線が上向きなので、今のゲーム差で8月を耐え、9月にスパートをかけることができれば…。それを祈るばかりです。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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4回101球、如何せん-日本プロ野球2024 横浜vsヤクルト13回戦

2024年07月10日 | スポーツ観戦記


 7月3日、2日連続で横浜スタジアムに横浜vsヤクルト(13回戦)を観戦しました。



 横浜の先発は、6月14日の西武戦以来の登板となる、濱口選手。ここまで1勝2敗。防御率はこの試合終了時点で2.67とさほど悪くないのですが、何しろ球数が多く、投球回あたり与四球・被安打数合計(WHIP)も1.52ととにかく高い(1位の戸郷投手は0.87)。したがって、リズムの悪い投球が目立つのが難点です。残念ながら、久しぶりの登板となったこの日も、それを絵に描いたような内容になってしまいました。



 まず立ち上がり。先頭の山田選手をわずか2球でサードゴロに仕留めたのは良かったのですが、つづく西川選手に、詰まりながらもセンター前に運ばれます。



 宮本選手をピッチャーゴロに討ち取り、2死としますが、村上選手に早くも四球を与え、2死2塁・1塁。しかし、サンタナ選手は牧選手のファインプレーによるセカンドゴロで無失点。1回に要した球数23。濱口投手の今シーズンの平均が17.9であることを考えるとやはり多いですが、それでもこの試合ではまだマシな方だったのです。



 一方、ヤクルトの先発は昨年プロ初勝利を挙げた4年目の山野投手。その立ち上がりから、横浜打線が襲い掛かります。



 まず先頭の桑原選手が、前日の試合を再現するかのような、ライトライン際に落ちる二塁打で出塁。



 前日の試合猛打賞の渡会選手には死球。



 オースティン選手は痛烈なサードライナーに倒れますが、4番の牧選手がど真ん中のスライダーをレフトスタンドへ。どうしてど真ん中に入るスライダーを2球続けたのか分かりませんが、とにかく早くも3点を先制。まだ1死でしたが、宮﨑選手と佐野選手は凡退、0vs3で初回を終えます。



 ところが、この勢いを濱口投手の投球が帳消しにしてしまうのです。2回表、早々に2ストライクに追い込みながら、長岡選手にセンター前ヒット。



 不振でこの日打順を7番に下げたオスナ選手の時に、フォークボールがワンバウンドする隙にすかさず盗塁。伊藤(光)捕手の肩も狙われていたように思います。



 そのオスナ選手はレフトフライに倒れますが、松本選手がカウント2-2から何と8球ファウルで粘った末、13球目をレフト前に運びます。1死3塁・1塁。そして、山野投手。カウント1-1、浅い回とはいえ、スクイズは十分考えられたはずですが、これをあっさり決められ、1点を返されます。



 そして山田選手にも3球ファウルで粘られているうちに四球。つづく西川選手は浅いセンターフライ(これも桑原選手の守備力に救われたように見えましたが)に討ち取り、1点で食い止めますが、この時点で球数は早くも63球。つまり、2回表だけで40球を投じたことになります。この試合、最終的に勝ち越しを許したのは9回の森原投手でしたが、観戦していて、ターニングポイントは2回表にあったように感じました。つまり、早くも流れはヤクルトに傾いていたのです。



 3回表。先頭の宮本選手をピッチャーゴロに討ち取るも、次の村上選手にはセンターに弾き返されます。



 サンタナ選手にはレフトに2塁打を浴び、1死3塁・2塁。そして、長岡選手セカンドゴロの間に村上選手が生還。2vs3。この回は15球で終えました。ここまで78球。



 4回表。先頭の松本選手に四球。



 山野投手は送りバント失敗だったのですが、つづく山田選手の打席の時に伊藤捕手のパスボールで2塁に進塁します。山田選手はフルカウントから7球目で三振。2死までこぎつけたと思ったら、西川選手にまたも四球。



 宮本選手をセンターフライに討ち取り、無失点で終えましたが、4回表で球数は何と101球に達しました。四球、パスボール、四球…。



 一方、打線も2回以降は4回佐野選手の2塁打のみ。追いつかれるのは時間の問題だったのです。



 横浜は5回表、2番手のディアス投手が気合の入った投球を見せます。これに打線が応えて欲しかった…。



 6回、7回は京山投手が登板。



 7回表、先頭の山田選手を四球で歩かせてします。



 西川選手のバントで1死2塁となったところで、横浜は4番手坂本投手が登板。



 宮本選手を三振に討ち取り2死までこぎつけましたが、村上選手に打たれてしまいました。ついに同点。



 横浜は結局7回まで山野投手に手も足も出ず、初回と4回の計4安打に終わりました。さらに2番手の大西投手の前に8回裏も三者凡退。



 こうも打てなければ、勝てるわけもなく。仮に延長戦に入っていたとしても結果は恐らく同じだったでしょう。9回表、横浜は6番手で抑えの森原投手が登板。山田選手をショートゴロ、西川選手を三振と順調に2死まで来たのですが、



 宮本選手がセカンドへの内野安打で出塁。



 代走の並木選手が、村上選手3-0となったところですかさず盗塁。しかし、スライディングがオーバーランで、確か牧選手のフェイクのタッチだったと思うのですが、ベースに左手をついた際に肩を脱臼。そのまま退場となってしまいます。代走の代走は丸山選手。村上選手は結局申告敬遠で2死2塁・1塁。



 そして迎えたサンタナ選手。カウント1-2と追い込んだのですが、昨日から再三あったライトライン際への2塁打を打たれてしまいます。2者生還し、ついに5vs3とヤクルトが勝ち越し。



 最後は、木澤投手の前に、オースティン選手が1安打を返すのが精一杯。しかし、大勢は2回、遅くとも4回でほぼ決していた。僕はそのように感じました。

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磯子の星、三連勝!-日本プロ野球2024 横浜vsヤクルト12回戦

2024年07月08日 | スポーツ観戦記


 7月2日、横浜スタジアムに横浜vsヤクルト12回戦に行ってきました。前回観戦の5月22日の試合で広島に敗れた際、「シーズンの分水嶺となったかもしれません」と書きました。つまり、何とか首位と3.5ゲーム差の4位と何とか堪えていたものの、この敗戦によってズルズルと沈んで行ってしまうのではないかという予感がしたのです。結果はその後2勝3敗で5月を終え、6月に入り交流戦序盤は4連敗を含む2勝5敗、首位と5ゲーム差の5位に沈みました。さらに悪いことに、先発の中川(颯)投手、石田(健)投手が相次いで離脱。しかし、その非常事態で白羽の矢が立った、ドラフト5位ルーキーの石田(裕)投手がまさに救世主となります。

 地元横浜市磯子区出身、誕生日も僕の子供と2週間ほどしか違わない石田投手、何と初登板で圧倒的な力でパリーグの首位を独走し、ベイスターズも連敗しているソフトバンク相手に初勝利を納めます。チームはそこから怒涛の7連勝、その7勝目も石田投手が登板し、今度は100球以下の完封勝利(マダックス)を達成します。チームは6月を13勝8敗で乗り切り、首位と3ゲーム差の2位に浮上しました。石田投手の登場によって、チームの雰囲気が変わったのは、恐らく間違いないでしょう。



 その石田投手は6月16日に2勝目を挙げると、登録抹消。2軍でじっくりと調整期間をとり、この日3度目の先発登板に臨みました。既に人気もうなぎのぼり。注目の立ち上がりですが、先頭の丸山選手を何と三球三振に討ち取ります。続く宮本選手にはヒットを打たれましたが、後続を断ち上々の立ち上がり。



 一方、ヤクルトの先発は2年目の吉村投手。観戦していてもストレートの良い投手だと感じました。その吉村投手は渡会選手と牧選手にヒットを浴び、2死3塁・2塁のピンチを作りましたが、無失点で初回を終えました。



 試合が動いたのは2回裏。1死から山本選手が8球粘り、泳ぎながらもレフト前にヒットで出塁します。



 すると続く京田選手が、ライトのライン際ギリギリのところに落ちる二塁打を放ち、1死3塁・2塁。



 石田投手が三振に倒れ、2死となりますが、1番に返って桑原選手は死球。これで満塁。



 ここで第1打席もセンター前にヒットを放っている渡会選手が、今度はレフトライン際に2塁打を放ちます。これで走者2人が還り0vs2。



 4回裏。先頭の京田選手が7球粘ってセンター前にヒットを放ち、出塁します。



 石田投手は三振に倒れますが、続く桑原選手がまたもライトライン際に飛球。ライトの宮本選手がスライディングキャッチを試みますが、捕れず。これで1死2塁・1塁。



 すると、既に2安打を放っている渡会選手が、フォークボールを上手く掬い上げ、打球はライトへ。宮本選手が懸命に前進しますが、捕れず。ポトリと落ちた打球が右に逸れている間に、2塁走者の京田選手が生還。0vs3。



 続くオースティン選手は、真ん中からやや内側に入って来たツーシームを弾き返します。打球は詰まっていましたが、ショートの頭を越え、レフト前へ。2塁走者の桑原選手が還り、0vs4。



 まだ止まりません。牧選手はライトフライに倒れ2死となりますが、宮﨑選手が四球で満塁。すると、佐野選手がど真ん中のストレートを叩きつけます。またもライン際、一塁手の村上選手が飛びつきますが、捕れず。打球がライトファウルゾーンを転々とする間に、渡会選手、オースティン選手が生還。この回で一挙4点を挙げ、0vs6。なおも2死3塁・2塁のチャンスでしたが、山本選手は三振で追加点ならず。6点差とは言え、後ろがやや不安な今年のベイスターズ、とれるところで1点でも多く点は取っておきたいところでした。



 5回表。ここまで無失点に抑えてきた石田投手が、下位打線に捕まります。1死から中村選手が詰まりながらもライト前に運び、出塁します。続く代打西川選手には、フルカウントから四球。1死2塁・1塁。



 丸山選手はライトフライに討ち取り、2死までこぎつけたのですが、宮本選手に初球をライト前に弾き返され、2死満塁。



 そして、警戒しなければならないオスナ選手に真ん中やや低めのストレートをレフトへ運ばれ、2者生還。2vs6。それでも、この回は2点に留め、勝利投手の権利を得ました。



 さて、6回裏、ヤクルトは2番手として2018年ドラフト1位の清水投手が登板します。



 2点差に追い上げられた、大事な攻撃。8番からでしたが、この試合既に2安打を放っている京田選手が、三塁手村上選手の悪送球で出塁します。



 横浜は石田投手に替え、代打梶原選手を送ります。すると梶原選手は初球を叩き、レフトフェンス直撃の二塁打。無死3塁・2塁で上位打線に返るという大きなチャンスを迎えます。



 ところが、桑原選手、珍しく7球粘りましたが、あえなく三振。つづく猛打賞の渡会選手もキャッチャーフライに倒れ、あっという間に二死。それでも、つづくオースティン選手が四球で出塁し満塁となったのですが、牧選手がショートゴロで無得点。やはり、とれるところで取っておかないと…


 
 流れが相手に行ってしまうのです。6回表、横浜は2番手京山投手が登板。



 とにかく避けなければならないのは先頭打者の四球なのですが、ここまで良いところのなかったサンタナ選手を四球で歩かせてしまいます。



 すると、長岡選手がレフト前ヒットで出塁し、無死2塁・1塁。



 続く山田選手はショートゴロだったのですが、セカンド牧選手が1塁に悪送球。ボールがカメラマン席に入ってしまい、サンタナ選手が生還。山田選手は2塁へ。3vs6。



 さらに、中村選手がこの日3安打目となる、3塁手宮﨑選手強襲のヒットで出塁。2死3塁・2塁。



 ここで横浜は3番手坂本投手が登板。



 しかし、西川選手に犠牲フライを打たれ、4vs6の2点差に。



 6回裏、ヤクルトは3番手石山投手が登板。



 その石山投手を攻め、横浜は1死から佐野選手が何と10球目をレフト前に運び出塁。



 続く山本選手は一転して2球目ほぼ真ん中の球をレフトに弾き返し、1死2塁・1塁。



 京田選手は倒れますが、続く代打の戸柱選手が珍しい三振振り逃げで出塁。2死満塁とします。



 しかし、桑原選手、強烈な当たりではありましたが、初球をレフトフライ。またしても押し切れず。こんな具合で中盤は横浜が攻めながらも攻めきれず、その間にヤクルトがじりじりと追い上げる展開。

 終盤は両チームの投手が踏ん張り、結局このまま試合は4vs6で横浜が勝ちました。僕にとっても今季観戦初勝利。石田(裕)投手の初登板から3連勝は非常に嬉しいですが、とてもではありませんが、楽に観られたというような試合ではありませんでした。再三言うように、とれるところでとれないと、いくらチーム打率1位とは言っても、この先苦しいのではないかと思います。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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シーズンの分水嶺となったかもしれませんー日本プロ野球2024 横浜vs広島10回戦

2024年05月28日 | スポーツ観戦記


 昨日のブログでご紹介した通り、5月22日に2試合で33得点(0失点)というとんでもない試合に立ち会ったわけですが、3日後、地元横浜で違った意味のとんでもない試合に遭遇することになろうとは…。



 5月25日、横浜スタジアムで行われた、横浜vs広島10回戦に行ってきました。前日、エース東投手を援護できず、8回に同点に追いつかれ、延長10回ついに力尽き5vs2で敗れた横浜。せっかく勝率5割に戻したものの、1日で借金生活に逆戻り。交流戦前最後の3連戦の緒戦を落とし、なおさらこの日は負けられない試合となったのですが…。結論から言うと、またしても8回に追いつかれ、延長12回9vs6で逆転負けとなりました。5時間16分、シーズンの命運を左右しかねない、ショックの大きい敗戦でした。

 横浜スタジアム史上最高33,376人の観衆を集めたことも、舘ひろしさんと柴田恭兵さんが始球式を務めたことも、「そういえばそんなことあったな」と記憶の彼方に霞んでしまいました。



 横浜の先発は、前回5月18日の中日戦で6回5安打2失点と試合を作り2勝目を挙げた、今や現役では4人という、希少なアンダースローの中川(颯)投手。



 その立ち上がりですが、先頭の秋山選手にいきなりライト線際の二塁打を浴び、続く野間選手のファーストゴロの間に3塁とピンチを迎えます。



 すると3番菊池選手にあっさりレフト前に運ばれ、失点。試合開始ものの10分もしないうちに先制点を許してしまいました。



 一方、広島の先発は、今シーズン初登板の玉村投手。こちらは16球で三者凡退に抑える上々の立ち上がり。



 2回表。野球に限らず、およそ相手のある勝負事というのは、いかに自分がしたいことをするかばかりでなく、いかに相手が嫌がることをするかが非常に大事だと思っているのですが、それがこの回の広島の攻撃に見られました。まず、坂倉選手がファーストゴロに倒れ、1死となってから矢野選手がライト前ヒットで出塁します。



 すると、カウント3‐1となったところで矢野選手が盗塁。2回から走ってきたのは、伊藤捕手の肩(盗塁阻止率はあまり高くない)、そして中川投手がアンダースローであることを見越してのことだと思います。判定は当初アウトでしたが、リプレイ検証の結果、セーフに。次の打者が投手ですから、その前に得点圏に走者を進めることができました。そして8番打者の林選手は四球で出塁。これで1死2塁・1塁。



 さらに9番玉村投手の打席の時、矢野選手が三盗を決めます。これで併殺のリスクを減らすとともに、1死3塁・1塁で、外野フライ、あるいは仮に内野ゴロでも1点が取れる可能性のある環境が整いました。つまり、2塁・1塁であればほぼ間違いなく送りバントで2死3塁・2塁となるシチュエーションに対し、よりオプションを拡げることに成功したわけです。すなわち、守備側はそれらのオプションを想定して守らなければなりません。その結果は、玉村投手のサードゴロの間に矢野選手が生還。これで2vs0。



 昨日の流れを引きずる嫌な展開でしたが、2回裏、横浜にビッグイニングが巡ってきます。まず先頭の筒香選手がセンター前ヒットで出塁。



 宮崎選手は8球粘ってランエンドヒットを成功させ、無死3塁・1塁。



 大和選手は左肩に死球を受け、無死満塁。すると伊藤選手がすかさずセンター前ヒットを放ち、2vs1。なお無死満塁。



 知野選手は四球で押し出し、同点。



 すると前回登板時はホームランも放った、パ・リーグから移籍の中川投手がレフトにタイムリー。これで逆転。様々な事情を考慮してのことだと思いますが、広島の新井監督はここでよく堪えたなと思います。



 しかし、蝦名選手もレフト前ヒットで続き、さらに2点追加。これで0vs5。



 オースティン選手も続き、4度満塁。しかも未だ無死。ただ惜しむらくは、ここで3番、4番を迎えながら追加点を奪えなかったことです。タラレバになってしまいますが、ここで攻め切れていれば結果は変わっていたかもしれません。



 3回は両軍無得点で終えましたが、4回表、2死から林選手がセンターフライ、センターの蝦名選手は最初前進してきますが、打球はぐんぐん伸び、後退した蛯名選手の頭を超え二塁打に。



 そして玉村投手の代打、宇草選手にもレフトに二塁打を浴び1点を返されます。下位打線で2死までこぎつけてからの失点だったので、ひじょうに勿体なかったですね。



 さらに悔やまれるのが5回表。先頭の野間選手をショートフライに討ち取り、続く菊池選手の強烈な当たりを同じくショートの大和選手がダイビングキャッチ。この投手を盛り立てる好守備に応えなければならなかったのですが、二死走者なしから小園選手にレフト前ヒットを浴び、



 つづく末包選手にもライト前ヒット。2死2塁・1塁。



 そして坂倉選手にはセンターに二塁打。これで2点が入り、ついに同点。



 ただ横浜もその裏、広島の3番手中崎投手から宮崎選手がレフトへの2塁打で出塁すると、大和選手のセカンドゴロで1死3塁のチャンスを作ります。



 ここで伊藤選手がレフト前にヒットを放ち、再び横浜が勝ち越し。5vs6。



 6回、7回は、2番手坂本投手が36球とやや球数を要したものの1安打無失点に抑えます。野間選手のセカンドゴロがこの試合3回目のリプレイ検証で覆ったり、森選手が深いショートゴロを強肩を活かして刺したり、守備も健闘しました。



 ただ6回裏、最後のファウルフライを1塁オースティン選手が捕球に行き、そのままカメラマン席に転落。アウトにはしましたが、オースティン選手は退場となりました。ようやく怪我から復帰し2週間も経っていないというのに、大事に至らないといいのですが…。本当に気がかりです。



 さらに中盤守備で必死にこらえるも、7回裏の横浜は広島の4番手森浦投手の前に、宮﨑選手から三者連続三振を喫してしまいます。森浦投手は6回、7回を投げ、横浜の中軸打線を相手に5奪三振。坂本選手も良かったのですが、それ以上に森浦投手の好投が素晴らしかった。



 8回表。横浜は4番手山崎投手が登板。矢野選手を三振、林選手を2球でショートゴロに討ち取ったところまでは良かったのですが、



 森浦投手の代打、広島に何人かいる横浜の天敵の一人、石原選手に痛恨の同点ホームランを浴びてしまいます。時間は18時15分過ぎ位だったと思いますが、ちょうどこの時間帯の横浜スタジアムは風邪の影響でレフトポール際は結構怖い印象があります。この時の当たりもまさかホームランになるような当たりとは思えなかったのですが、入ってしまいました。

 「試合に流れなどない」という人もいますが、僕はあると思っています。何故なら人の心理が影響するからです。試合中盤の展開に加えてこの1発が生まれたことにより、「流れ」は広島に行ってしまった、少なくとも、それを横浜が覆すのはかなり難しいと感じました。



 8回裏、横浜は代打戸柱選手がヒットで出塁するも、後続が倒れ無得点。



 9回表。森原選手が2奪三振を含むわずか10球で広島打線を抑えます。



 さて、9回裏の広島は通算100Sに王手をかけている栗林投手が登板します。



 広島の抑えの切り札栗林投手の前に、横浜は先頭の佐野選手が倒れますが(この試合、佐野選手は打撃面で良いところがありませんでした)、筒香選手がライト前にヒットを放ち、代走関根選手が送られます。



 そして続く宮崎選手は、栗林投手にしては珍しい4球連続ボールの四球で出塁します。抑えのエースがくれたチャンスで1死2塁・1塁。勝ち越しのランナーが得点圏に進みます。



 ただ解せなかったのは、ここで1塁走者宮崎選手に代走柴田選手を送ったことです。柴田選手が悪いというのではありません。9回裏です、2塁走者が生還すればそこで試合は終わりなのです。もちろん、足は速いとは言えず、かつその足の状態も宮崎選手は万全ではないのかもしれません。より考えられる理由として、併殺打のリスクを下げ、より1点が入る確率を高めたかったのかもしれません。

 しかし、続く大和選手は、今シーズン打席数が少ない(32打席)とはいえ、併殺打は1回です。それより何より、こう言っては失礼かもしれませんが、このチームは打つか打たないかじゃないですか?それを併殺打が起こる確率、さらに走者の足の速さによってそれを防ぐことができるシチュエーションが起こる確率を考えたら、このまま延長戦に突入する確率の方がよほど高いと思います。その際、オースティン選手は既に下がり、筒香選手も下げ、宮﨑選手まで下げ、将棋でいえば飛車角香落ちのような打線で、対照的にほとんどスタメンを残している広島打線にどう伍するつもりだったのでしょうか?

 2回表の攻撃の場面で、「いかに相手が嫌がることをするか」というお話をしました。何よりもこの交替を喜んだのは広島ベンチだったはずです。そして結果はどうだったのかというと、大和選手はレフトフライでしたが、これは末包選手の好守に阻まれたと言ってもよく、落ちる可能性も十分にありました(尤も、前に落ちた場合、2塁走者の生還は難しかったでしょうが)。そして伊藤選手は三振。サヨナラのチャンスは潰え、2試合連続の延長戦突入となりました。



 それでも諦めない選手の気持ちは伝わってきました。10回から登板した徳山投手は、2イニングを投げ、打者7人に対し2安打無失点と踏ん張ってくれました。



 徳山投手を野手陣も盛り立てます。1死1塁の場面で、二俣選手のバントを伊藤選手に代わってマスクを被った山本選手が拾い、ショート森選手との強肩による連携で見事併殺に切って取ります。これは非常に盛り上がるプレーで、ぜひこれを裏の攻撃に繋げたいところでした。



 10回裏、その山本選手が矢崎投手からセンター前に弾き返し、出塁します。ところが、先ほど盛り上がったバント失敗による併殺を今度は横浜の林選手がやってしまいます。これで台無し。



 11回裏は、開幕2戦目で危険球によりわずか3球で退場となった黒原投手が、関根選手に死球。身体の軸に近い位置だったので心配されましたが、関根選手は元気に還ってきました。しかし、結果としては、黒原選手の前にわずか12球で凡退。



 再三出塁するもモノにできなければ、「流れ」も行ってしまうというものです。12回表、とうとう力尽きました。三嶋投手が2本の2塁打を浴びついに広島が勝ち越し。



 さらに前日に続いて登板の石川投手(恐らくもう投手は残っていなかったはずです)もヒット3本を浴び、9vs6。



 12回裏はベンチに残っていた最後の選手、桑原選手がヒットで出塁しますが、その他の選手がいずれも河野投手に三振に討ち取られ万事休す。この2試合で広島打線に16安打、19安打、計25安打を浴び、激しく競り合いながらも結局は力負け。13時開始のこの試合も、19時15分を過ぎていました。後で振り返った時、この試合は今シーズンの重要な意味をもつ試合になったかもしれません。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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初の京セラドームは大変なことにー日本プロ野球2024 ソフトバンクvs楽天9回戦

2024年05月27日 | スポーツ観戦記


 昨年は5月4日に初めて甲子園に行きましたが、今年22日は初めて京セラドーム大阪へソフトバンクvs楽天9回戦の観戦に行きました。



 このシリーズは、過去にこのブログでもご紹介したことのある、「鷹の祭典」の原型、「白のキセキ」が20年振りに復活。

日本プロ野球2012 ソフトバンクvs西武7回戦
日本プロ野球2015 ソフトバンクvs西武13回戦
5時間21分の激闘、鷹の祭典-日本プロ野球2019 ソフトバンクvs西武12回戦

 最後に観戦した2019年の「鷹の祭典」も試合時間5時間21分というとんでもない試合でしたが、今回も別の意味でとんでもない試合となってしまいました。結論から言うと、前日の試合、19年振りに何と0vs21と大敗を喫した楽天が、この日も0vs12と大敗してしまったのです。2試合合計で33失点は、19年前の32失点をも上回ります。しかも19年前の楽天は球団創設初年、言葉は悪いかもしれませんが、言うなれば近鉄とオリックスの2軍選手の寄せ集めでした。その時とは事情が違います。さらに楽天は2試合続けて無得点。



 ただし、今シーズンのソフトバンクはこの試合終了時点で2位日本ハムに早くも6.5ゲーム差をつける首位。チーム打率.268、防御率は驚異の1.93、本塁打31本、得点195、失点90は他の11球団を圧倒しての1位。何しろ楽天のチーム総本塁打が13本であるのに、山川選手1人で12本という凄まじさです。



 そしてこの日は試合開始から20分ほど遅れて球場入りしたのですが、ゲートをくぐろうとした際に球場内から大きな歓声が。その源は、山川選手の11号3ランでした。得てして大量得点した翌日の試合は逆に点が入らないといったことが起こる印象があるのですが、今のソフトバンク打線にそんなジンクスはお構いなし。あっという間に0vs3。



 しかもソフトバンク打線は攻撃の手を緩めません。続く近藤選手が四球で出塁すると、



 栗原選手、ライトフェンス直撃の二塁打。1死3塁・2塁。



 中村選手は打率1割台ですが、塁を埋めるためと思われる四球。1死満塁。ここで先発の荘司投手が1/3回36球、4安打、2四球、5失点(この後の2点が自責点のため)で降板します。



 2番手は松井投手。松井投手も球そのものは悪くないように見えたのですが…



 球が真ん中に寄りすぎでした。海野選手にセンター前に弾き返され、0vs5。結局、1回裏だけで打者10人。



 ソフトバンクの先発は、43歳の大ベテラン、和田投手。元々速球派ではありませんが、それでもストレート140㎞台前半は出ます。こちらは精密機械のような正確なコントロールで、楽天の中軸打者をあっという間に3人で切ってとります。この試合は7回を投げ、102球、3安打、0失点、0四死球、4奪三振と十分すぎる内容でした。



 2回に入っても、ソフトバンクの猛攻は止まず。1死から柳田選手がセンター前ヒットで出塁すると、



 山川選手が2打席連続ホームラン。これで0vs7。



 近藤選手は倒れ2死となりますが、栗原選手に四球。すでにこの試合、何度マウンドに集まったか…。



 続く中村選手はサード内野安打、さらに松井投手のワイルドピッチで2塁に進塁。



 そして海野選手には四球。2死満塁となると、三森選手にタイムリーを打たれ、0vs9。2回終了時点で早くも1時間を経過していました。



 これでは終わるのが何時になるのかと懸念されましたが、3回以降は比較的早いテンポで試合が進みました。松井投手も3回裏は三者凡退に抑えました。ソフトバンクの中押しは4回裏。1死から近藤選手が二塁打で出塁。



 これを次の栗原選手がライト前ヒットであっという間に返します。ついに2試合連続の2桁得点となる0vs10。



 この試合、楽天のポジティブな点を挙げるとすれば、6回から3番手で登板した弓削投手が、2回を投げ被安打0、2奪三振と好投したことです。



 8回裏、楽天は4番手津留崎投手が登板。



 ところが、先頭の俊足周東選手を死球で歩かせてしまいます。しかし、周東選手は足にボールを受けたためベンチに下がり、緒方選手が代走。



 6回から守備に入った川瀬選手は併殺崩れで、自身が1塁に残留。1死1塁。



 続く柳田選手は四球で1死2塁1塁。代走に川村選手。さらに山川選手はサードゴロで2死3塁2塁。



 そして近藤選手がレフトフェンス直撃の2塁打。ダメ押しの2点が入り、ついに0vs12。序盤に大量得点をしながら、なおも中押し、ダメ押しと集中力を切らさないソフトバンク打線。心情的にはもういいじゃないかという気になりそうですが、決して手を抜かないところが圧倒的な強さを誇るチームたる所以なのだと思います。



 ソフトバンクは8回津森投手、9回長谷川投手と継投して、楽天打線を4安打無得点、0四死球に抑え込み二夜連続の完勝。



 横浜スタジアムでも、たまにはこんな楽に見られる試合を期待したいです。

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悔やまれる投手への四球ー日本プロ野球2024 横浜vs阪神8回戦

2024年05月15日 | スポーツ観戦記


 5月12日、横浜スタジアムに今シーズンの初観戦、横浜vs阪神8回戦に行ってきました。前日は最大7点差をひっくり返すという劇的な勝利を収め、この三連戦を1勝1敗とした横浜。通算成績も16勝17敗と借金1の4位であり、シーズン初めから今ひとつ波に乗れない中、何としても勝ち越して勢いをつけたいところです。

 またこの日は母の日ということで、選手がピンク色のシューズやバットを使用し、審判もピンク色のユニフォームに身を包んでいました。バットなど、遠くから見るとイチゴポッキーのようです。



 さて、横浜の先発は防御率2点台前半ながらここまで2勝3敗の大貫投手。球場観戦の時、大貫投手が登板することが多いと思い調べたところ、過去6年で6試合ありました。これは過去9年で8回の今永投手に次ぎます。その大貫投手、先頭から二者連続三振を含む三者凡退で上々の立ち上がり。



 一方阪神の先発はここまで3勝1敗の才木投手。昨シーズンは8勝を挙げ、防御率1.82という素晴らしい成績。当然、僕の肌感覚としても苦手意識があります。こちらも初回わずか9球で三者凡退。



 しかし、横浜は2回裏、下位打線から先制のチャンスを作ります。二死から桑原選手が右中間を破る二塁打で出塁すると、続く山本選手も三塁へ当てただけのボテボテながらヒットで出塁。しかし、後続の前日大活躍した京田選手が6球粘りましたが凡退し、好機を逸してしまいます。



 すると3回表、今度は阪神の下位打線。梅野選手、木浪選手を討ち取り二死としますが、何と9番の才木投手に0-2と追い込んでからの4連続ボールで四球を与えてしまいます。しかも外角にスライダーを続け、どうして投手相手にあそこまで神経質になったのか、当事者でない僕には知る由もありません。因みに、8回表にも才木投手に3-2から再び四球を与えています。いずれにせよ、結果的にはこれが致命傷になってしまいました。



 打順1番に返り、井上選手にセンター前に運ばれ、二死二塁・一塁。



 そして中野選手にはライトライン際に落ちる二塁打を浴び、二塁走者の才木投手が生還。1vs0、これが決勝点となってしまいました。この試合、阪神のヒットはこの回の2本のみであり、かえずがえすも才木投手への四球が悔やまれてなりません。

 3回裏以降は両投手による素晴らしい投手戦。大貫投手はサードゴロとファーストゴロ、才木投手は詰まった当たりの外野フライでアウトの山を築いていきます。敗戦投手となったものの、大貫投手は今シーズン一番の出来だったと思います。



 すでに結果を言ってしまいましたが、7回裏、横浜は一昨日頭部に打球を受け、この日先発に復帰した宮崎選手が、久々のヒットで出塁します。そして続く牧選手が四球。無死二塁・一塁となり、前日の試合で劇的な勝ち越し本塁打を放った筒香選手を迎えるという、この試合一番の見せ場を作ります。



 しかし已んぬる哉、その筒香選手は併殺打に倒れ、続く桑原選手も凡退。



 9回表、横浜は二番手の伊勢投手が登板し、2番からの上位打線を三者凡退に抑えます。しかし、中野選手は7球、やられっぱなしの近本選手に至っては実に12球を伊勢投手に投げさせました。こういういやらしさが近年の横浜打線にはありません。



 9回裏、二死から宮崎選手がヒットで出塁し、代走森選手がすかさず盗塁を決め二死二塁とします。森選手の果敢な盗塁は良かったのですが、続く牧選手がわずか2球でキャッチャーへのファイルフライ。これで万事休す。こういうところです…。



 結局才木投手は大貫投手を上回る4安打を浴びつつも、128球5奪三振無四球の完封勝利。防御率は驚異の1.60まで下がりました。才木投手が素晴らしいのは確かですが、「横浜進化」が見たいものです。

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大貫3安打11奪三振、宮﨑初盗塁!-日本プロ野球2023 横浜vs巨人23回戦

2023年09月26日 | スポーツ観戦記


 前回観戦時の試合前はまだ強い日差しが降り注いでいたのですが、気がつけばだいぶ夕暮れが早く、そして涼しくなりました。日中こそまだ気温が上がりますが、確実に秋の訪れを感じます。

 さて、今シーズン最後になるかもしれませんが、9月25日、横浜スタジアムに横浜vs巨人23回戦の観戦に行ってきました。

 この試合前時点で3位の横浜は2位広島と2ゲーム差、そして4位巨人とも2ゲーム差。残り7試合となってCS進出をかけた争いが熾烈になってきています。しかし横浜は2日前の中日戦に敗れ、前日の対巨人は今永投手を先発させながら6vs0となす術もなく、2位を伺うどころかこの直接対決の行方次第では3位すら危うくなる状況に追い込まれています。



 それだけに極めて重要な一戦となったこの試合の先発を担ったのは、ここまで3勝4敗の大貫投手。長く勝ち星から遠ざかっていますが、前回登板した対阪神戦では、勝ち星こそつかなかったものの、6回1安打7奪三振、3四球、自責点0の好投を見せました(ただし死球2)。その立ち上がりは、長野選手、門脇選手を連続三振、坂本選手を2球でサードゴロに討ち取るなど、上々でした。全体的に、145㎞前後のストレートに非常に力があったのと、外に逃げるスライダーが素晴らしかったように感じました。



 一方、巨人の先発は5勝4敗のメンデス投手。前回8月13日の対戦では、6回わずか2安打、8三振、1点に封じ込まれました。



 そのメンデス投手に対し、先頭の大田選手がいきなり初球をレフト前に弾き返します。前日零封され、とにかく先制点が欲しい中、球場が大いに盛り上がります。



 この日はソト選手を欠き、さらに攻撃力の低下したオーダーで、三浦監督としてもやはり先制点を重視していたのでしょう。初回から桑原選手は犠打の構え。ところが、あえなくキャッチャーフライ。続く佐野選手は8球粘ったものの、フルカウントからショートゴロ。牧選手もセンターフライに倒れ、無得点。何となく「今日もか…」という雰囲気が漂います。



 大貫投手は2回表、二死から丸選手、秋広選手に連続安打を浴び、二塁・一塁のピンチを迎えますが、吉川選手をセンターフライに討ち取り、この回も無失点。



 2回裏。先頭の宮﨑選手が、ひょっとしたらホームランかと思わせるレフトポール際へのファウルの後、造作もなく右方向に打ち返して出塁。



 下位打線に向かう局面でしたが、ここでもやはり6番伊藤捕手に犠打の指示。伊藤捕手が確実にこれを決め、一死二塁。



 知野選手は150㎞を超えるストレートで押してくるメンデス投手の前に三振に倒れますが、続くルーキー林選手が、初球の外角低め153㎞のストレートをセンター前に落とします。少し浅かったですが、一塁走者の宮﨑選手も必死に走りました。こうしてもぎ取った1点が、結果的には決勝点となりました。

 その後は大貫投手とメンデス投手による締まった投手戦が展開されます。3回表は、投手からの打順ながら2三振を含む三者凡退。



 4回表は二死から大城選手に安打を許し、続く丸選手にはストレートの四球を与え、二塁・一塁のピンチを迎えます。しかし、秋広選手の痛烈な打球をピッチャーライナーでここも無失点。一方、メンデス投手も5回4安打4奪三振2四球2失点でしたから、及第点の投球だったと言えるでしょう。



 4回裏。四球で出塁した宮﨑選手が、伊藤選手の空振りによるアシストがあったとはいえ、まさかの盗塁。宮﨑選手、プロ初盗塁を記録しました。



 先に継投に動いたのは巨人。6回裏からルーキー船迫投手が登板します。



 その船迫投手に対し、二死から伊藤捕手が左中間を抜く二塁打で出塁。継投によって試合が動く局面かと思われたのですが、続く知野選手が見逃し三振。



 すると逆に7回表、好投を続けていた大貫投手が先頭の大城選手にフルカウントから四球を与えてしまいます。その大城選手に巨人は代走重信選手を送ります。



 続く丸選手は、この日11個目となる、それも三球三振で切って取りますが、次の秋広選手の打席で重信選手が盗塁成功。



 その秋広選手にも四球を与え、一死二塁・一塁のピンチ。ここまでで投球数はちょうど100球。



 好投を続けていても、スタミナがまだあるように見えても、何故か100球を境に突如崩れることの多い印象のある大貫投手。そのイメージもあながち間違いではないのか、横浜ベンチはここで躊躇なく大貫投手に代え、力のある伊勢投手を投入します。とはいえ、大貫投手は6回3/1で100球3安打11奪三振3四球無失点と素晴らしい内容でした。この試合は偏に大貫投手の好投の賜物と思います。一方、巨人は秋広選手に代走増田選手を送ります。



 その伊勢投手は、チームとしてよくやられている印象のある吉川投手をファーストゴロに討ち取り、まず二死三塁・二塁とします。すると巨人は船迫投手に代え、代打梶谷選手を送ります。これに対し、横浜は梶谷選手と相性の良いエスコバー投手を投入。1点勝負にかける意思を示します。すると今度は巨人が左投手に代わったということで、代打の代打としてウォーカー選手を送ります。



 そのウォーカー選手にエスコバー投手は155㎞、155㎞のストレートで押し、最後は内角足元に落ちるスライダー。これをウォーカー選手ハーフスイングで三球三振。1発のある最後まで気の抜けない巨人打線とは言え、この7回表の1点をめぐる攻防を制した横浜が、一歩勝利に近づきました。



 8回表は4番手ウェンデルケン投手が登板。1安打と申告敬遠で二死二塁・一塁の局面とはなったものの、全体としてはしっかりと抑えました。



 そして9回表は昨季楽天から移籍し、今シーズンは途中から山崎投手に代わる抑えとなり、安定した活躍を見せている森原投手が登板。丸選手、岸田選手、吉川選手を全く危なげなく三者凡退に切って取り試合終了。しかし、森原投手はこの試合で足を痛めたようで、気がかりです。

 とにかく、これでこの日試合のなかった広島に1.5ゲーム差、巨人とは3ゲーム差となりました。翌日はここまで15勝を挙げ勝利数のトップを独走する東投手と、9勝のうち実に4勝が横浜という山﨑伊織投手との投げ合いです。横浜打線にはぜひやられっ放しではない、攻略の工夫を見せて欲しいところです。

 因みに僕の今シーズンの観戦成績は甲子園の1試合(阪神vs中日)を除き、2勝4敗でした(昨年はCS1試合を含め、4勝4敗)。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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