5月2日、2023年シーズン初の野球観戦となる横浜vs広島4回戦に行ってきました。3シーズン続いたコロナによる規制が撤廃され、この日も33,129人と収容力を増した横浜スタジアムに盛り上がる声援が戻ってきました!
ビールのお供は、マリナード地下街にある「うまかつ堂」さんの揚げたて熊本式唐揚げ。実は前日から2年ぶりにダイエットを始めたのですが、早くもチートデーということで。
【引用:Sportsnavi】
さて、今シーズンのベイスターズ。開幕4連敗と躓きながらも、その後立て直し、何と4月は球団新記録となる16勝7敗(貯金9)で、2位阪神に3ゲーム差をつけて首位という夢のような成績。2年前までと比べ1発の破壊力はないものの、力強く打ち返す打撃であったり、隙あらば次の累を狙う走塁であったり、ファウルで粘るといった攻撃面での意識変化が見られます。そして打撃陣以上に投手陣の頑張りが顕著。先発が7回ぐらいまで試合を作れるようになった結果、充実した中継ぎ陣を休ませながら使うことができています。45年応援してきましたが、これほどまでに投手力が充実したことはなかったと思います。そしてこの試合の前までベイスターズは23日(土)から負けなしの7連勝中!しかし、正直この先連勝を伸ばすには、この試合が一つの山になると思っていました。
というのも、この日の先発はガゼルマン投手。4月すでに3勝を挙げ、勝利数だけで言えばリーグトップ。しかし、観戦してきた印象からいうと、結果的に勝利投手とはなっているものの、投球内容が良いとは言い難いものがありました。それは数字にも表れており、今シーズンのガゼルマン投手は、
防御率
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2.73
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9位
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WHIP
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1.25
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12位
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XFIP
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3.44
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14位
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RSAA
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1.4
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9位
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*2023年5月2日時点
* WHIP…イニングあたり何人の出塁を許したかを表す指標
* XFIP…被本塁打の影響を排除し、与四死球、奪三振、被外野フライで投手の実力を評価する指標
* RSAA…平均的な投手に比べて、どれだけ失点を防いだかを表す指標
と、勝利数トップという割には良いとはいえません。
一方、広島の先発はここまで2勝を挙げている床田投手。床田投手には抑えられている印象がありましたが、対ベースターズの対戦成績は通算5勝6敗なのですね。
さて、この試合のリズムは1回に早くも現れてしまっていました。1回裏、横浜は2安打1四球で1死満塁の好機を作りながら、桑原選手の併殺打で無得点。
すると2回表。広島は四球と二塁打で無死三塁・二塁の好機を作ると、すかさずこの日の攻撃面の主役、坂倉選手が犠牲フライ。1点を先制します。
しかし、3回以降ガゼルマン投手は立ち直ります。結局6回を投げ、わずか2安打、2四球、1失点。勝ち星こそつきませんでしたが、これまでで一番良い投球だったのではないかと思います。
さらに言えば、二番手のウェンデルケン投手も非常に良かったです。7回の1イニングを投げ、15球、1安打、2奪三振、無失点でした。
問題は攻撃。2回、3回は三者凡退に終わり、4回裏。先頭の宮崎選手が三遊間を破るヒットで出塁。つづく牧選手が四球で歩き、無死二塁・一塁のチャンスを作ります。しかし、桑原選手が今度は送りバント失敗。関根選手は併殺崩れ。大和選手キャッチャーフライで好機を逸してしまいます。
5回裏もせっかく床田投手が一死からガゼルマン投手に四球を出してくれたのに、一、二番が凡退。
唯一打線がつながったのは6回裏。一死から牧選手がライト前に落ちるポテンヒット。
つづく桑原選手はレフト前ヒット。
そして今シーズン攻走守に覚醒した感のある関根選手がセンター前に弾き返し三連打。横浜がようやく試合を振り出しに戻します。
さらに二死から伊藤選手が四球で出塁し、満塁。横浜は打撃好調の戸柱選手を代打で送りますが、あえなく一塁ゴロ。勝ち越すことはできませんでしたが、ガゼルマン投手の好投と相俟って、試合の流れは横浜に傾いたかに思われました。
前述のとおり、ウェンデルケン投手好投の後の7回裏。横浜は先頭の佐野選手がヒットで出塁します。
そして昨年ロッテから育成選手として獲得し、4月27日に支配下登録が発表され、28日に一軍登録されたばかりの西巻選手が大田選手の代打で登場。バントを決めるためだけに登場し、初球できっちりと決め、一死二塁。この日の数少ない収穫の一つでした。
広島は床田投手に代え、島内投手が登板。
代わり端、宮崎選手が7球粘って四球で出塁。これで一死二塁・一塁、しかも4番というチャンス。しかし、牧選手、代打楠本選手と連続三振に倒れ、勝ち越しならず。併せて傾きかけた流れも止まってしまいました。
投手陣は変わらず奮闘。8回表、今シーズンはやや疲労感の見える伊勢投手ですが、1安打を許すものの無失点で切り抜けます。
8回裏、広島はターリー投手が登板。
そのターリー投手を横浜は攻め立てます。まず先頭の関根選手がセンター前ヒットで出塁。
つづく大和選手は何と11球粘って四球を選び、無死二塁・一塁。ところが、です。
伊藤光選手、バント失敗のキャッチャーフライ。
代打神里選手、センターフライ。
ターリー投手のワイルドピッチで二死三塁・二塁となりましたが、期待の佐野選手、8球粘るも三振。
これだけ再三チャンスを潰せば、勝てるものも勝てなくなってしまいます。9回表、山崎投手が登板しますが、コロナが明け声援が可能となった満員のスタジアムにも拘らず、恒例の「ヤスアキ・ジャンプ」にイマイチ迫力を感じなかったのは、同点だったこともあるでしょうが、横浜が試合の流れを自ら手放し、広島に渡してしまったことを告げる予兆のように思われました。そして、山崎投手の投球練習が高めに浮いていたのも気になりました。
その結果、
①菊池選手、二塁打(無死二塁)。
②野間選手、犠打(一死三塁)。
③秋山選手、安打(1点、一死一塁)。
④マクブルーム選手、安打(一死二塁・一塁)。
⑤西川選手、安打(一死満塁)。
⑥坂倉選手、本塁打(4点)。
試合の流れとはこういうものだと思います、ひとり山崎投手の責ではありません。1回、4回、5回、7回、8回、横浜が手放したチャンスの数だけ、勝利の女神が広島に点を与えたのではないでしょうか?
9回裏、矢崎投手の前に反撃の余力は残っていませんでした。翌日の2020年サイヤング賞、トレバー・バウワー投手初登板を前に、連勝によって潜在化していた攻撃面の課題がここで顕在化したことをポジティブに捉えたいですし、明日以降の糧になればと思います。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした