窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

【WBN】Making of the GRITS(アイスホッケーチーム横浜GRITSの歩み)

2023年06月04日 | WBN情報


 6月1日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会に参加してきました。コロナの影響により実に久しぶりの開催であり、僕自身2019年以来4年ぶりの参加になります。



 今回は、プロアイスホッケーチーム「横浜GRITS」共同代表の御子柴高視様より、「横浜GRITSの軌跡とこれから」と題してお話しいただきました。

 また、初代キャプテンの菊池秀治様をはじめ、以下の現役選手にもお越しいただきました。

小野航平選手
鈴木ロイ選手
杉本華唯選手
務台慎太郎選手



 西武鉄道、コクド、王子製紙、古川電工、雪印等々、アイスホッケーを全く知らない僕でも名前だけは聞いたことがある日本アイスホッケーリーグの衰退に伴い、現在アイスホッケーは2004年から始まった、アジアリーグという形で、日本、韓国、ロシアのプロクラブチームによるリーグ戦で行われているそうです。一時は中国のチームが参加していたこともありましたが、昨シーズンはコロナやウクライナ戦争の影響もあり、日本5チーム、韓国1チームで行われました。

 横浜GRITSはアジアリーグへの参画を目指し、2017年に準備が始まり、2019年に発足しました。「夢と活力に満ちた社会を作る」を理念に掲げ、その大きな特徴は、選手全員がプロ選手と一般社会人としての仕事の二つを両立させる「デュアルキャリア」と呼ばれるシステムにあります。これはチームの母体企業の社員としてプレーする実業団や、別に仕事を持ちながらアマチュアとしてプレーする形とも異なります。アイスホッケーに限らず、日本における多くのスポーツがプロ選手としての収入だけでは生活できない中、多くのアスリートが生活のため競技を諦めざるを得ない現状があります。また、プロ一本でやれていた場合でも、引退後のセカンドキャリアは大きな問題となっています。そこでGRITSは、当初から二つの仕事を両立させる「デュアルキャリア」を土台としてスタートしたのです。これはアイスホッケー以外の競技でもロールモデルとなり得る画期的な試みだと思います。そんなチームのクレド(信条)は、「やり抜く力を以て、常に新しいことに挑戦し続ける」、チーム名GRITSは、「やり抜く力」を意味するGRITから来ています。



 アイスホッケーをプレーするためのリンクは、競技が盛んな北海道には21、東北で14あります。しかし、合計で2,300万人もの人口を擁する東京には9つ、神奈川には3つしかありません。しかし、それでも横浜にチームを作ることを選んだのは、既に北海道に2チーム、岩手に1チーム、栃木に1チームあるということもさることながら、実は東京都はアイスホッケー連盟に所属している大学だけでも38校あり、それなりに競技人口を持った地域であること、さらに横浜は土地柄、巨大な東京より地域密着を打ち出しやすいといったことがあったようです。

 「氷上の格闘技」とも呼ばれるアイスホッケーをしながら仕事も両立させるというのは、惰眠を貪っている僕からすればどれだけ大変なことかと思いますが、さらに驚いたのは練習が週3回、仕事前の早朝に行われるということです。これは仕事後では疲労や残業などで一緒に集まるのが難しいということもありますが、タダでさえ練習できるリンクが少ない上にメインの時間帯はより人気のあるフィギュアスケートなどに抑えられてしまっているということが大きいようです。さらに驚いたのは、そんな事情ですから大学生などは深夜2時などの練習が当たり前なのだとか。加えてシーズンに入れば北海道、東北のみならず韓国への遠征もあるでしょう。その他にもスクール開催などの地域活動もあります。デュアルキャリアは、我々は想像する以上に過酷だと思いますが、それでも競技、仕事どちらにも手を抜かない、文字通り「やり抜く」を信条とされている選手の皆さんのお話を窺うと、それだけで込み上げてくるものがあります。

 さて、アジアリーグ参入前の創成期。母体企業があるわけではないので、何より資金集めに奔走。運営スタッフもボランティアだったそうです。そしてとにかく試合をしなければ、ということで大学チームや招待された香港のチームと練習試合を行いました。

 本格始動した2019年~20年シーズン。アジアリーグ参入を目指して、20年3月、王子イーグルス(現レッドイーグルス北海道)、ひがし北海道クレインズとチャレンジマッチを行います。ところが、これからという時にコロナが本格化し、その後の試合が中止。そんな中で御子柴さんは「選手に鼓舞された」とおっしゃっていました。

 2020年~21年シーズン。アジアリーグ参入が認められ、いよいよ最初のシーズン。新型コロナウィルスの蔓延により、海外の招待チーム参戦が見送られ、国内5チームのみで争うシーズンとなりました。結果は16戦全敗に終わりましたが、開幕第二戦の12vs0という惨敗から、シーズン終盤は善戦に持ち込めるようになりました。



 2021年~22年シーズン。前年同様、新型コロナウィルスの蔓延により、国内5チームのみのシーズンとなりました。2021年11月21日、対H.C.栃木日光アイスバックス戦で、3vs4と念願の初勝利を挙げます。さらに12月26日、対東北フリーブレイズ戦で1vs3と2勝目。2勝26敗でシーズンを終えました。

 2022年~23年シーズン。前横浜DeNAベイスターズ監督のアレックス・ラミレス氏がGRITSの共同代表になりました。大型新人や外国人も加わり、開幕2戦目で東北フリーブレイズから6vs3で初勝利を挙げると、最終戦のひがし北海道クレインズ戦では3vs0の初完封勝利。この試合ではKose新横浜スケートセンター(収容人数2,500人)の観衆が1,300人を超えたそうです。11勝29敗の躍進で初の最下位脱出(この年は、優勝した韓国のHLアニャンが復帰し6チームで行われ、5位)となりました。プロチームらしくなってきた実感を得たシーズンだったそうです。



 2023年~24年シーズンの初戦は9月16日だそうです。デュアルキャリアでやり抜く姿は、チームを強くしていくばかりでなく、アイスホッケーやその他多くのアスリートたちに勇気を与え、地域をそして日本を活気づけていくことでしょう。そしてここにも、「人生は自分のものであるのに、それを何と粗末に扱ってきたことか」と臍を噛む50歳にならんとする男がいます。

 9月にはぜひ生観戦を!

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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【WBN】開幕直前、ラグビーW杯の楽しみ方

2019年09月19日 | WBN情報


  9月18日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会に参加してきました。



  今回は、本会会長の原さんより、いよいよ今月20日に迫った、ラグビーワールドカップ日本大会の楽しみ方についてお話しいただきました。



  当ブログでは時々ラグビー観戦記を掲載していますが、このテーマが分科会として取り上げられることから見ても、日本全体としてラグビーはマイナースポーツ。よく見かけるのですが、上の写真のようにアメリカンフットボールのボールとラグビーボールの違いも良く分からないというのが、一般的な認知ではないかと思います。

  それでも1990年頃までは、冬の花形スポーツとしてそれなりにラグビーは人気があったのです。特に大学ラグビーの早明戦は、「(6万人入る)国立競技場を埋められる唯一のスポーツイベント」とさえ言われていました。僕も早明戦のチケットを入手するために抽選ハガキを200枚書き、ようやく1枚のチケットが当たった思い出があります。また、70年代、80年代はラグビーを題材にした青春ドラマも多く作られていました。

  しかし、1993年のJリーグ開幕による、サッカー人気の飛躍的な高まり。映画『インビクタス』でも取り上げられた、1995年の南アフリカ大会において、ニュージーランドに17対145という歴史的大敗を喫したこと。またその時期に始まった世界的なラグビープロ化の流れに乗り遅れ、世界との差がさらに開いてしまったこと。様々な要因があると思いますが、その後ラグビー人気は下がり続け、現在に至っています。競技人口で見ると、野球(812万人)、サッカー(636万人)に対してラグビー(11.5万人)。4年前のイングランド大会で、日本は強豪南アフリカを破る大金星を挙げ、1大会で3勝(過去7回のW杯戦績は1勝24敗2分)を挙げるという活躍を見せましたが、この4年間で一般的な認知にあまり変化はなかったように思います。

インビクタス 負けざる者たち (字幕版)
クリント・イーストウッド,アンソニー・ペッカム,ロバート・ロレンツ ,メイス・ニューフェルド ,ロリー・マックレアリー ,モーガン・フリーマン ,ティム・ムーア ,ゲイリー・バーバー ,ロジャー・バーンバウム
メーカー情報なし


  それでも世界的に見ると、ラグビーW杯は、オリンピック、サッカーW杯に次ぐ、世界三大スポーツイベントの一つなのです。その一大イベントが、9回目にして初めて日本で開催されます。しかも、「ティア1」と呼ばれる強豪10ヶ国以外の国で開催される、初のW杯でもあるのです。
 
  優勝を争うと目されるのは、ティア1の中でも特に上位6ヶ国。最新の世界ランキングは次のようになっています。

1.アイルランド
2.ニュージーランド
3.イングランド
4.南アフリカ
5.ウェールズ
6.オーストラリア

  因みに、日本は現在105ヶ国中10位です。そして日本が属する予選プールAには、1位のアイルランド、7位のスコットランドがいます。その他、サモアもランキングこそ現在16位ですが、つい数年前まで歯が立たなかった難敵。初戦のロシア(20位)も徐々に力をつけており、油断なりません。日本はこの4年間で力をつけていますが、20日のロシア戦に注目しましょう!

  次に、原さんが挙げられた世界の注目選手です。

1.ボーデン・バリット(ニュージーランド)

  ニュージーランド代表の司令塔(スタンドオフ)。187㎝、91kgs。俊足で判断力に優れ、キックやパスも正確という、まさにスーパースターです。

2.リエコ・イオアネ(ニュージーランド)

  世界最高のウィングと評されます。名前が「リエコ」ですが、兄の名前は「アキラ」。冗談ではなく、本当に日本人の名前からつけたようです。というのもイオアネ兄弟の父、エディー・イオアネはかつて日本のリコーでプレーしていたことがあるからなのだそうです。

3.デビッド・ポーコック(オーストラリア)

  オーストラリア代表の元キャプテン。実は2016年、17年、日本のパナソニックでもプレーしていました。W杯終了後、またパナソニックにやってくるそうです。強靭な体で相手のボールを奪うプレーに注目です。因みに、原さんとも友達だそうです。

4.マルコム・マルクス(南アフリカ)

  まだ若いですが、世界最高のフッカーとも言われています。大柄な選手の多い南アフリカのフッカー(スクラムで一列目中央のポジション)としては小柄(それでも189㎝、112kgsあります!)。高校時代は走力も求められるフランカー(スクラムで左後方端から押し込むポジション)だったそうで、自らトライを挙げられる決定力のある選手です。

5.ヘンリー・スレイド(イングランド)

  188㎝、95kgsのセンター。運動科学の理学博士号を持つという異色の選手。2月に行われたシックス・ネイションズ(欧州6ヶ国対抗戦)では、ファン・オブ・ザ・マッチに選ばれました。

その他、ワールドカップの楽しみ方。

1.ラグビーはできれば生で。そうでなくてもみんなで観戦しよう!

  僕も4年前、Hubなどラグビーを中継していそうなパブで、外国人を含む知らない人たちとワイワイ観戦しましたが、コンタクトの激しいラグビーは迫力があり、トライ局面でなくても盛り上がること必至です。

2.ラグビーと言えば、ビール

  ラグビー発祥の地、イングランドでは、ラグビー観戦者はサッカー観戦者の6倍もビールを飲むそうです。日本でもW杯にビールの供給が間に合わないのではないかという心配がされていましたね。

3.ウェールズの国歌

  大声で歌うウェールズの国歌は、それだけですごい迫力があるそうです。

4.「ハカ」に注目

  ニュージーランド代表が試合前に披露する、先住民マオリ族の戦い前の踊り「ハカ」。1987年の第1回W杯の後、日本でも一時流行りましたので、ご存知の方も多いのではないかと思います。



  英語ではウォー・クライ(闘いの雄叫び)と言いますが、ウォー・クライはニュージーランドだけでなく、南太平洋の国々の代表チーム(トンガ「シピ・タウ」、フィジー「シビ」、サモア「シヴァ・タウ」)もやりますので、ぜひ注目してみてください。

  最後に、「日本代表は何故外国人ばかりなのか?」という、よく聞かれる疑問について。これは日本に限ったことではなく、世界最強と言われるニュージーランド代表も多くの外国人がプレーしています。また、15人の中で外国人が占める割合も、日本が特別多いという訳でもありません。これは歴史的にイギリスが大英帝国内でラグビーを普及させるため、各地の代表になれる資格基準を緩やかにした伝統が引き継がれているからなのだそうです。

  何はともあれ、楽しみましょう!

ラグビー知的観戦のすすめ (角川新書)
廣瀬 俊朗
KADOKAWA


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WBN(ワインの勉強会で呑みました)に参加しました

2019年04月02日 | WBN情報


  遅くなりましたが、去る3月22日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会に参加してきました。

  テーマは、「イタリアワインの特徴と歴史」、初中級者向けのイタリアワイン講座と試飲販売会でした。「酒の島崎」代表の島崎尚己様には大変お世話になりました。



  イタリアワインというと、ブドウ品種がやたらと多い、産地が細かいなど、個人的にはややとっつきにくいイメージがあります。その中でも今回は南北の5州から6種類のワインを試飲しました。



  初めは、北部ヴェネト州のスプマンテ(スパークリングワイン)から。「ヴィッラ・マルチェッロ・プロセッコ・ミレジマート」、グレーラ85%、ピノグリ15%。リンゴ酢を思わせる酸味があり、ミネラル感を感じます。発泡はやや強めで、しっかりとした果実味がありますが、甘くなく飲みやすいワインでした。僕はこちらを購入したのですが、終了後に行った中華料理店に置き忘れてきてしまいました。


  
  続いて、同じくヴェネト州の「ソアーヴェ」。ブドウ品種はガルガネーガとトレビアーノ。色は薄いですが、アルコールを感じます。レッグから見て度数は13%ではないかと思われます。軽い苦みがあり、夏ミカンのよう。やはりミネラル感があります。料理と合わせて飲みたいワインです。



  お隣の、フリウリ・ヴェネツィア・ジュラーノ州の「フリウラーノ・コッリオ」。その名の通り、ブドウはローマ時代から続くというイタリアの固有品種、フリウラーノ。先ほどまでと比べると、まろやかで飲みごたえがあります。軽い苦み、余韻は短く感じましたが、空気を含ませるにつれ、次第にしっかりとしてきました。



  長靴のかかとに位置する、南部プーリア州。イタリアワインでも一番よく聞く産地なのではないかと思います。「オリオン・プリミティーヴォ・マッセリアリヴェリ」。プリミティーヴォ100%。度数は12~12.5%位かと思われます。鮮やかなルビー色、ミディアムボディで軽くタンニン、アメリカンチェリーのような果実味。ややスパイシー。余韻は短く物足りない感じ。焼肉屋で頼むには良さそうなワインです。



  また北西部に戻り、フィレンツェがあるトスカーナ州。「フォンテルトーリ・キャンティ・クラシコ」。ブドウはイタリアを代表するブドウ品種、サンジョベーゼに、メルロ、マルヴァジアネーラ、コロリーノなど。度数は13%位でしょうか。色は褐色がかっています。酸味、余韻が短く、僕の舌がバカなのか、単調な印象を受けましたが、空気を含ませるとブラックベリー系の果実味がでてきます。こちらはステーキなど、さらにしっかりとした肉に合わせたいワインです。



  最後は高級ワインの産地として知られる、北部西側のピエモンテ州。「バローロ・コンテ・デル・ウニタ」。ネッビオーロ100%。チェリー、軽いタンニンと酸味。銅をなめた時のような感じがしました。もう少し落ち着かせて呑んだ方が良かったかもしれません。

  以上、産地ごとに特徴のあるワインを試飲しましたが、少しイタリアワインに親しみが増した気がします。忘れないうちに、復習に行かなければと思います。

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【WBN】働き盛りのみなさんにおくる健康と医療の話

2017年11月22日 | WBN情報


  11月21日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会に参加してきました。今回の講師は早稲田大学OBで、そしがや大蔵クリニックの中山久徳さん。実は早稲田大学には医学部がありません。しかし、同大卒の医師からなる「稲門医師会」には150名ほどの会員がいらっしゃるそうです。そう言えば僕の後輩も第一文学部から医師になっていますので、意外と身近にいるのかもしれません。
 
 さて、今回のテーマは表題にもある通り、「働き盛りのみなさんにおくる健康と医療の話」。医療の側から見た、現在の高齢化社会について。そして「健康長寿社会」実現に向け、今心がけるべきことについてお話しいただきました。働き盛りと言っても20年~30年もすれば高齢者になる我々にとって、むしろ「今聞くべき」お話でした。

  言うまでもなく、我が国の平均寿命は1947年以降一貫して伸び続け、今や男女ともに世界第二位の長寿国となっています(女性:86.61歳、男性:80.21歳。因みに一位は香港)。そして、先進国ではスペイン、イタリアに次ぐ高齢化国でもあります。しかし、健康上の問題がない状態で日常生活を送れる「健康寿命」という観点で見ると、女性74.21歳、男性71.19歳で、平均寿命との比較で女性が約12歳、男性が約9歳の開きがあります。不可避の高齢化社会にあっては、我々がいかに元気で長く生きられるかという「健康寿命」に着目することが重要なようです。



  この数字を裏付けるように、「要介護認定」は2003年から10年で1.54倍に増加しています(グラフをクリックすると拡大します)。



  そしてその主な原因は、脳卒中17%、認知症16%、骨折・転倒12%、関節疾患11%となっています(グラフをクリックすると拡大します)。脳卒中に次いで割合の高い認知症ですが、2013年現在認知症患者は462万人おり、内6割がアルツハイマー型(海馬が委縮する)と言われています。先日参加した、「第7回筆跡アドバイザーマスターズ研究会」でも話題になったのですが、認知症の早期発見に筆跡診断を役立てることができないか、個人的に関心を持っているところです。また、アルツハイマー病の原因となるアミロイドβ蛋白質の除去には質の良い睡眠と、それを導入する適度な運動が大切だということです。もちろん、人とのふれあいも大切です。



  主要な死因は長年、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患と言われてきましたが、2011年以降、肺炎が脳血管疾患を抜いています(グラフをクリックすると拡大します)。癌は医療技術の進歩により、種類によって治る病気となってきており、早期の発見と治療が大切だということです。また、癌の外的発生要因としては、食事(食品添加物やトランス脂肪酸の過剰摂取は別枠)が35%、喫煙が30%、感染症(ピロリ菌、B型肝炎など)が10%で、これら3つで全体の75%を占めています(ただし、外的要因は癌全体の35%と言われています)。食事は何よりバランスよく、偏らないことが大切だということです。データによれば外的要因として紫外線を浴びることの割合は非常に低く、そう考えると紫外線を極端に忌避する昨今の風潮は行き過ぎなのではないかと、個人的に考えてしまいます。

  肺炎の増加は、これも高齢化が進んでいることの表れのひとつだと思いますが、現在抗生物質の過剰処方が問題となっているようです。抗生物質とは細胞膜を破壊することによって病気を抑える薬なので、そもそも細胞膜を持たないウィルスには効かない、それどころか抗生物質に耐性をもつウィルスを増やす悪循環に繋がっているそうです。



  上のグラフは、人口10万人単位の年齢階級別死因(上位10位)です(グラフをクリックすると拡大します)。悪性新生物、心疾患、肺炎、脳血管疾患が多いのは先ほど見た通りですが、注目すべきは20代から60代にかけての自殺(赤色)の多さです。上位10位までとはいえ、特に30代に至っては死因の実に42%に達しています。今回のタイトルに「働き盛り」とありますが、まさにこの働き盛りの世代に自殺が多いのは深刻な社会問題と言わざるを得ません。

  国民医療費が42兆円、一人当たり33万円に達している現在。人々が長く生きるだけでなく「健康に生きる」ための社会的課題は実に多くかつ複雑なようです。医療の立場からだけでも、基礎医学、医療経済、医療倫理、介護・障碍者医療、医療教育、治療技術など、様々な課題に直面しているのが、我が国の現状であるということでした。

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【WBN】お客様は何を買っているのか

2017年11月07日 | WBN情報


  更新が遅くなりましたが、10月25日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会に参加してきました。

  今回の講師は、同会設立メンバーの一人でもあるプルデンシャル生命保険株式会社、エグゼクティブライフプランナー プレミアムメンバーの清水隆志さん。大先輩であり、何年も前からいつかお話を伺いたいと思っていた方なので、非常に楽しみにしていました。テーマは、「営業を科学する -論理と感情、お客様は何を買っているのか」。

  プルデンシャル生命の営業ということで言えば、以前YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)で徳澤陵さん、そしてWBNでも小林一光さんのお話を伺ったことがあります。このように営業関連の話というと、現役を含むプルデンシャル生命出身者が多いという印象があります。というのも、同社の営業はフルコミッション(完全歩合制)と言って、入社3年目以降基本給は存在しないという厳しい環境の中で結果を求められる仕事であること。また”Blue Book”という科学的知見に基づいたマニュアルが確立しているといったことから、営業ノウハウのフロントランナーとして講演を求められることが多いようなのです。



  さて、今回も演題にある通り「営業は根性やセンスではなく、習得可能な科学的技能である」というものでした。一言でいうと、不安(不満)→必要→欲求→購入という購買心理プロセスに沿ってお客様の潜在ニーズを明らかにしていくというものです。これだけ書くと、いかにも当たり前のことのように思えます。直感的にもそうでしょうし、巷間は同じようなことを説いた情報で溢れています。しかし、ここからが実際にお話を伺うことの興味深い点で、清水さんの場合、その徹底ぶりが尋常ではないのです。どう尋常でなかったのか?その具体的な内容をご紹介することはできませんが、以下では有名な『孫子』に沿って、今回の重要なポイントと僕が理解したことを述べさせていただこうと思います。

  古代の兵法書『孫子』は、「兵の勝つは、実を避けて虚を撃つ(虚実篇)」と述べています。これを当てはめるなら、「実」とはお客様のニーズに対する顕在レベルか、潜在レベルの浅い掘り下げのことであり、「虚」とは潜在レベルの深い掘り下げということができます。本会に参加され、清水さんを含む3社からの提案を受けたことのある方が、「清水さんの提案は他の二社とは次元が違った」とおっしゃっていましたが、これは他の二社が「実を以て実」を撃ち、清水さんが「実を避けて虚」を撃ったからに外なりません。特に生命保険という一見差別化の難しい商品は、その提案が本当にお客様の望む本質に達した時、まさに「次元が違う」、「虚」となることでしょう。しかも「虚」というものは「実」の世界にいる者の目には映りませんから、「勝ちを見ること、衆人の知る所に過ぎざるは、善の善なる者に非ざるなり(形篇)」つまり、どうして良い成績を挙げ続けることができるのかが、一般の目から分かりにくく、模倣されにくいという事にもなります。



  お客様のニーズを徹底的に掘り起こし、真の問題解決策を提案するために、清水さんは、「自社の商品(サービス)と自分を常に磨くことが重要である」といった趣旨のことをおっしゃっていました。ポイントは提案前や勤務中だけでなく、「常に」であるということです。まさに「勝兵は先ず勝ちて而る後に戦いを求め、敗兵は先ず戦いて而る後に勝ちを求む(形篇)」です。「戦わずして人の兵を屈するは、善の善なる者なり(謀攻篇)」とは「足で稼ぐ」ことでも「電話をかけまくる」ことでもなく、「やるべきことの本質を理解し、不断の準備を怠らない」ということなのだと思います。言い換えれば、「善く戦う者は、先ず勝つ可からざるを為して、以て敵の勝つ可きを待つ(形篇)」ということです。清水さんも転職した当初はマニュアル通りやっているのに上手くいかない日々が続いていたそうですが、なぜ上手くいかなかったのかと言えば、そもそもお客様はマニュアル通りに動いてくださるわけではないということ、そしてマニュアルは営業の本質を理解し準備した者が、問題解決策を適切に伝えるための手段に過ぎないからということだったのでしょう。このエピソードはまさに「勝つ可からざるは己に在り、勝つ可きは敵に在り(形篇)」という真理を表しています。

  恐らく誰もが知っているであろう『孫子』の名言「彼を知り己を知れば、百戦して殆うからず(謀攻篇)」。知ってはいても実践できている人が少ないのは、いつの時代も「当たり前のこと」を徹底できる人が少数だからなのでしょう。それは2500年前も同じだったようで、だからこそ『孫子』は「凡そ、此の五者は、将として聞かざるは莫し、之を知る者は勝ち、知らざる者は勝たず(計篇)」(勝敗を決する5つの基本要素は、将であれば誰でも聞いたことがあるはずだが、それを不断に実行してきた者が初めて勝利を収めるのであり、実行しなかった者、頭だけで理解した者は敗北するのである)と冒頭で釘を刺したのだと思います。何事にせよ、本質の理解と徹底、この二つが出来る人とそうでない人を分けるようです。

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【WBN】テキーラ・メスカルの試飲会③

2017年04月29日 | WBN情報


  さて、いよいよ待ちに待った試飲です。メスカルとテキーラをそれぞれ3銘柄飲み比べ、その違いを体験しました。

1.Joven 40(メスカル)



  40度、無色透明。まろやかで、5分ほど空気を含ませると落ち着きが出てほのかな甘みが感じられます。かすかにスモーキーさが感じられますが、これは蒸し焼きの工程でつくのだそうです。

2.Joven 40 Con Gusano(メスカル)



  同じく40度、無色透明。最初のJoven 40との違いは、中に芋虫が入っていることです。”Gusano”というのがスペイン語で芋虫ということのようです。この芋虫が入っているかいないかだけで価格が200円ほど違います。しかし、このわずかな違いが驚くほど味の違いを生み出していました。こちらの方がピリッと来る苦みとスモーキーさがより強く感じられました。口当たりは芋虫なしの方がなめらか、しかし芋虫ありの方が複雑で、今回試飲した中でも個人的には一番の好みでした。

3.Reposado(メスカル)



  上左写真中、左。43度、樽熟成による淡い褐色。ほんのりと樽由来のカラメルのような香り、フィニッシュは短い。

4.Blanco(テキーラ)



  上左写真中、中央。「白」を意味するその名の通り、無色透明。40度。オイリーでフィニッシュは短い。後々まで残る植物のような香りは、わが家の庭に生えていたアロエや生の小松菜を思わせます。試飲した中では、苦手なタイプでした。

5.Reposado(テキーラ)



 40度、樽熟成による淡い褐色。軽く、Blancoほどではありませんがオイリー。フィニッシュは短く、10分以上時間を置くと落ち着いて甘みが増してきます。単体で飲むより料理に合わせたいタイプ。

6.EXTRA ANEJO(テキーラ)



  試飲したテキーラの中では最も好み。40度、リンゴジュースのような褐色。ウィスキーに比べると弱いですが、樽由来のトフィーのようなビター感と甘みがあり、落ち着いてくるとさらに甘みが増します。Blancoほどではありませんが、やはり生の小松菜をかじった時のような、植物臭さがあります。

  総じて、テキーラの方が味が単調で個性に乏しい印象を受けました。前々回、メスカルがアメリカで人気が高まっているということを書きましたが、実際単体で飲むなら試飲した中ではメスカルの方が美味しいと思いました。いずれにせよ、これまであまり飲まなかったテキーラについて知ったこと、メスカルという新しいお酒に触れたことは、楽しく貴重な体験でした。

  最後に、400年に及ぶ日本とメキシコの友好の歴史についてお話がありました。常々思ってはいたのですが、我々日本人は諸外国からどのように思われているのかについて、意外と知らないのだということを改めて感じました。

<終わり>

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【WBN】テキーラ・メスカルの試飲会②

2017年04月28日 | WBN情報


  さて、ここからはテキーラとメスカルの違いについて、原料と作り方から見ていきます。

  写真を掲載できませんが、蒸留酒の製造工程は世界中どこでも似たり寄ったりですので、ご参考までにウィスキーと焼酎の製造工程を以下にリンクしておきます。


サントリー 山崎蒸留所

霧島町蒸留所①

  まず原料である竜舌蘭ですが、テキーラはアガヴェ・アスール、メスカルはアガヴェ・エスパディンが使われるそうです。いずれも花が咲く前の茎を熟成させ収穫しますが、アガヴェ・アスールは熟成までに6年~8年、アガヴェ・エスパディンは8年~10年かかるそうです。熟成した茎の重さはアガヴェ・アスールで60kgs~80kgsほど、アガヴェ・エスパディンで120kgs~280kgsにもなるそうです。一般男性と力士程の大きさの違いがあると言えば分かりやすいでしょうか?

  収穫した竜舌蘭を蒸すのですが、テキーラは圧力釜で30トンほど一気に蒸します。一方、メスカルは掘った穴に焼いた石を敷き詰め、その上に竜舌蘭の搾りかすを被せ、蓋をして蒸します。蒸し焼きには3日ほどかかり、一度にできる量は13トンほどだということです。

  次に蒸した竜舌蘭を圧搾します。テキーラは機械で圧搾、メスカルはマチェーテと呼ばれる山刀で細かく繊維状にします。

  そして発酵。テキーラは酵母を加えてステンレスタンクで発酵。メスカルは天然酵母で木桶による発酵を行います。テキーラの発酵は機械設備による温度管理で進みますが、メスカルは職人が約7日間発酵を管理します。この発酵をいつ止めるかが味の決め手になるそうです。

  蒸留。テキーラはウィスキーと同じ様に巨大なポットスチルで蒸留を行います。一方、メスカルは小さな銅釜と薪で蒸留します。銅釜の容量は280ℓ、1回目の蒸留は強火で4時間、17度~20度のアルコールを抽出します。二回目の蒸留は弱火で8時間、最初に抽出される70度ほどのアルコール1ℓを除去(これは次回の蒸留に回します)、そして60度~17度になるまで蒸留します。できたお酒の平均度数は50度~52度ほど、わずか80ℓということです。つまり、13トンもの原料からわずか1,000ℓのお酒しかできないという計算になります。

  熟成。テキーラはやはりステンレスタンクで、テキーラは泡盛のような小さい甕で熟成します。もちろん、樽熟成もあるようです。

  総じてテキーラの製造工程は機械化されたウイスキー工場のイメージ、メスカルは昔ながらの伝統的な焼酎作りのイメージと言えるでしょうか。ここまでの製造工程を辿るだけでも、メスカルは非常に手間のかかるお酒だということが分かります。そもそも竜舌蘭の茎が成熟するのに10年かかり、1回に収穫した原料13トンから1,000ℓのお酒を作るのに計25回以上蒸留をしなければならない計算になる(2回蒸留のため)のですから、大変なものです。

<つづく>

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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【WBN】テキーラ・メスカルの試飲会①

2017年04月27日 | WBN情報


  4月26日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)において、朝倉久様を講師にお迎えしてのテキーラ、メスカルの試飲会がありました。内容が盛りだくさんでしたので、今日から3日間にわたってレポートしていきたいと思います。

  僕にとってのテキーラのイメージと言えば、学生時代に親指の付け根に乗せた塩とライムで安いテキーラのショットを一気飲みしていた思い出や、マルガリータやテキーラサンライズなどカクテルのベースに使われているといった程度。つまり馴染みのないお酒でした。

  まずテキーラというのは、竜舌蘭(マゲイ)を原料とするメキシコの蒸留酒「メスカル」の内、テキーラ村を中心とする特定の地域のみで作られたものを指す原産地呼称だそうです。ウィスキーにおけるスコッチやバーボン、ブランデーにおけるコニャックと同じですね。ただ「メスカル」も原産地呼称のひとつになっているので、竜舌蘭の学術名からアガヴェ蒸留酒と呼ばれたりもします。

  竜舌蘭は去年、シンガポールの植物園「ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ」で確か見た気がします。リンク先の動画に映っているかどうか…



  講義はその原料である竜舌蘭(マゲイ)を擬人化したアステカ神話の女神「マヤウェル」の悲しい物語から始まりました。マヤウェルは母性、豊穣の女神とされます。そういえば、ギリシャ神話のディオニュソス、日本神話の大物主大神、いずれも酒と豊穣の神です。農作物が自然の恵みによって変化し生み出されるお酒は、人々の心の深層で豊かさと結び付けられているのかもしれません。

 さて前述のように、メスカルもメキシコ国内の生産地その他の条件により規格化された、様々な原産地呼称があります。

1.メスカル


メスカルの生産地(上の画像をクリックすると拡大します)。

  メキシコ南部オアハカ州を中心とする先住民のお酒。メキシコ中部の諸州でも作られていますが、全生産量の90%がオアハカ州で作られているそうです。スペイン入植前から神事に使われていたお酒で、最近発見された壁画には素焼きの甕でメスカルが作られる様子が描かれていたそうです。ただ、それが蒸留技術なのかどうかは定かではないとのこと。

  後述しますが、メスカルはその自然の力と手間暇かけて作られるイメージから近年カリフォルニア州を中心としてアメリカで人気が高まっているそうです。最も、生産量が少なく希少なため値段はテキーラよりも高いとのこと。

2.バカノーラ


バカノーラの生産地(上の画像をクリックすると拡大します)。

  メキシコ北部ソノーラ州で200年の歴史を持つお酒。こちらも生産量が少ないそうです。

3.ソトル


ソトルの生産地(上の画像をクリックすると拡大します)。

  犬のチワワの原産地、メキシコ北部チワワ州のお酒。やはり生産量が少ないそうです。

4.テキーラ


テキーラの生産地(上の画像をクリックすると拡大します)。

  最も生産量が多く、知名度も高いお酒。現在145か所の蒸留所、約1,200銘柄ほどあるそうです。最古の蒸留所はクエルボ社で、1795年の創業。

<つづく>

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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【WBN】筆跡診断のお話をさせていただきました

2017年03月23日 | WBN情報


  3月22日、WBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)にて、筆跡心理学による診断のお話をさせていただきました。筆跡心理学については、このブログでも「筆跡心理関係」というカテゴリを設け、診断事例等も交えてご紹介していますので、宜しければご覧ください。

筆跡心理学(グラフォロジー)について①
筆跡心理学(グラフォロジー)について②



  さて、今回は以下のような内容でお話させていただきました。

Ⅰ.筆跡心理学とは
1.筆跡心理学とは
2.筆跡診断活用事例
3.筆跡診断の普遍性

Ⅱ.筆跡診断入門
4.自分の筆跡特徴を知ろう
5.筆跡から職業を当てよう

Ⅲ.筆跡診断の実際
6.筆跡診断のプロセス

Ⅳ.筆跡心理の科学
7.筆跡心理学の実証研究について
8.筆跡で性格は変えられるか?
9.「手書き」の効用

  特に今回新たに追加したのは、「8.筆跡で性格は変えられるか?」の部分と、「9.「手書き」の効用」の部分です。僕も含め手書きをする機会が減った昨今、敢えて「手で書くこと」の効用についての研究事例をいくつかご紹介させていただきました。



  以下に今回ご参加いただいた方からの感想をご紹介します。

「今日はどうもありがとうございます。
最近は手書きで書くことがなかったので、記憶力がかなり衰退しております。
とても興味深くお話を聞きました。
事例研究は、とてもその人の特徴を表していると思いました。」


「・完璧ではないにしろ、大まかなパーソナリティが筆跡からつかめることにはおどろきました。
・自分の筆跡からのセルフチェックも自認している性格の部分にかなり当てはまっていました。
・自分の会社においても、採用にかなり参考になる(できる)という感触を得た気がする。
・非常に興味深い内容、是非勉強してみたいなんて思ってしまった…w」


  こちらこそ、最後までありがとうございました。何らかの形で皆様のお役にたてれば幸いです。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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【WBN】エグゼクティブコーチングを体感しよう!

2016年06月07日 | WBN情報


  私たちビジネスマンが日常感じている悩みには、さまざまなものがあると思います。「自分の進むべき方向がわからない」、「目標を与えられていることは分かるが、そこまで到達するのにどうすればいいのかが分からない」、「相手の本当の考えがもっと分かればいいのに」等々…。

  6月6日に行われたWBN(早稲田ビジネスネット横浜稲門会)の分科会では、二十年以上にわたり、そうした経営者をはじめとするビジネスマンのコーチングに携わってこられた、メタノイアの田村洋一さんから、エグゼクティブコーチングの考え方についてご講演いただきました。

  はじめに、コーチングとコンサルティングとの違いについてですが、課題に対する解決策を提示するのではなく、解決策が当事者から内発的に生まれるようサポートするのがコーチングなのだそうです。サポートとは、簡単に言えばひたすら聴くことですが、そういう意味では、カウンセリングとも少し似ているのかもしれません。

  しかし、現実には誰もが必ずしも明確な課題を持っているとは限りません。課題は達成したいヴィジョン(ゴール)と現状を認識するところから生じますが、そもそもそうした認識自体が不明確であるという場合が多々あります。こうした認識のサポートをすることもコーチングに含まれています。



  さて、コーチングは「どうしたらいいですか?」という”How”に対して、「どうしてそうしたいのですか?そうするとどうなるのですか?」という”Why”で応えるというのが基本姿勢だそうです。その理由は、当事者が達成したいというヴィジョンが、本当に心から達成したいと思っていることなのか曖昧な場合があるからです。ヴィジョンが曖昧あるいは当事者にとって真のヴィジョンでない場合、当然ヴィジョンから見た現状認識も不適切なものになりますし、そのギャップである課題も不適切になります。意識の上でヴィジョンを描く前に、ヴィジョンの拠り所である価値(金銭では測定できない当事者の内面にある価値)まで掘り下げられるよう、サポートする必要があるということです。

  次にヴィジョンから見た現状認識ですが、これは現状の問題点ばかりでなく良い点をも含めた認識であるということがポイントです。そのことをリアリティと呼んでおられましたが、「リアリティとは変えるべき敵ではなく、友」だということです。何故なら、「変わらなければならないと感じていてはいても、目指すべき方向が分からない」という場合もあり、そうしたことがなぜ起こるかといえば、そこにはそうできない何か、つまり現状に居心地の良い何かがあるからだそうです。この状態を「トランジション」と呼んでおられましたが、そうした理由で、現状については問題点ばかりでなく良い面についても紐解いていく必要があるのです。



  お話の合間に、今回の「体感しよう!」というテーマに則って、いわゆる傾聴のワークを行いました。一人4分間、ひたすら相手の話すことを聴くだけです。しかし、話し手の方からは「自分のことを理解してもらえた気がした」、「自分の課題について整理することができた」といった感想が聞かれました。一方、聞き手の方からも「人の話を聞くことによって、自分の課題についてより良く理解することができた」という感想がありました。すなわち、傾聴には話し手、聞き手双方の変容を促す効果があるということが分かりました。日頃「傾聴が大事」といわれる所以がここにあるのかもしれません。



  続いて、コーチングの現場のデモンストレーションが行われました。今回のケースは上司と部下数名に対するインタビューというものだったのですが、インタビューを受けた方からは「自分で話しているうちに、色々なものがこみあげてきて泣きそうになった」という感想がありました。ビジネスの世界では、たとえ心を開いて傾聴する意思と姿勢を持っていたとしても、職位や年齢といった目に見えない壁(これをランクと呼んでおられました)となり、下のランクにある側に遠慮が働いてしまうということが生じ得ます。ランクは前提としてあるもので、これを排除することは難しいということでしたが、それでも適切な質問を投げかけることによって、話し手がより開示しやすい環境を整えることはできるのかもしれないと感じました。インタビューも広義の傾聴に含まれるのかもしれません。質問している時、聴いている時の田村先生の姿勢、仕草、表情なども勉強になりました。



  最後に。上の写真は、今回の内容をビジュアル化したものです。グラフィック・レコーディングと呼ばれる手法で、リアルタイムで視覚化することにより参加者の創造性を喚起したり、合意形成を促したりする効果が期待できるそうです。

組織の「当たり前」を変える
クリエーター情報なし
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