窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

第3回実践型パーパス経営ラボでお話しさせていただきました

2023年03月29日 | リサイクル(しごと)の話


 3月28日、パーパス経営の実践、経験やノウハウをシェアしていく積極参加型の勉強会、「実践型パーパス経営ラボ」の第3回勉強会(オンライン)において、事例紹介として当社のお話をさせていただきました。



 当社は特に意識して自社のパーパスというものを定めたことはないのですが、当ブログでもしばしば登場する「Ecosophy」という概念がそれに当たるのかなと思います。Ecosophy(エコソフィー)とは、エコロジーとエコノミーを調和する哲学や知恵(ソフィー)という意味で、Ecology、Economy、Sophy(Sophia)を足した造語です。詳しくはこちらのリンクをご覧ください



 因みに、このEcosphyの概念をイメージしたオリジナルカクテル「エコソフィー」もあります。横浜の有名なバー「Noble」のオーナーバーテンダー山田高史さん考案によるもので、毎年当社のニューイヤーパーティでご好評いただいています。

 Ecospphyをパーパスとするなら、それを実現するためのバリューは「活かす」と「他利自得」の二つになります。この二つを定数とし、社員一人一人の行動が変数となって一つの方程式を作り上げます。その結果導き出されるのがEcosophyという訳です。ですから、Ecosphyがどのようなものであるかについては無数の解が存在しえます。組織がやるべきことはいかに変数をバリエーション豊かなものにするかの一点です。



 今回のお話しと関連する様々な動画やインタビュー記事については、上のQRコードよりご覧ください。

<今回の話に関するレポートは、こちらをご覧ください>

●「第3回目のパーパス経営ラボ 開催しました
●「実践型パーパス経営ラボ・ 自社でのパーパス浸透について

 そう言えば、最後にこんな遊びを。”Creative Reality Studio”というアプリを試しに使って、当社会社案内のご挨拶を動画にしてみました。



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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島津家の別邸「仙巌園」(鹿児島)

2023年03月28日 | 史跡めぐり


 昨年11月11日、13年振りに訪れた鹿児島で、薩摩藩島津家の別邸「仙巌園」の見学に行きました。錦江湾とその先に雄大な桜島を望む、広大な海辺の邸宅です。冒頭の写真は仙巌園から見た桜島です。



 初めに、入口直ぐ左手に設けられた「鹿児島 世界文化遺産オリエンテーションセンター」へ。中には、反射炉の1/10模型があります。近代に入り、島津斉彬によって庭園内に「集成館」と呼ばれる西洋式工業施設が造られ、その一つに鉄砲や大砲鋳造に欠かせない反射炉もありました。



 反射炉というのは近代に鉄の精錬に用いられた金属溶融炉のことで、上の写真で分かるように、燃焼室の石炭(上の模型では木炭に見えますが)の熱を天井や壁に反射させ、炉床に集中させることで鉄を溶かす仕組みになっています。反射炉を初めて見たのは、小学6年生の時の卒業旅行で行った伊豆の韮山反射炉だったと記憶していますが、今までなぜ反射炉というのか、その仕組みについて知りませんでした。



 そして外に出てすぐのところに見えるのが、反射炉(2号炉)の土台跡です。一部地中に埋まっており、実際はもっと高かったようです。反射炉は1857年に完成しましたが、薩英戦争(1863年)で破壊されました。



 つづいて庭園の散策。初めに正門。薩摩藩第12代藩主だった島津忠義が明治時代になってから建てさせたもので、屋根の裏側には島津家の家紋である丸十紋と五七桐が見えます。五七桐は、島津氏の祖、島津忠久(1179年~1227年)の時に摂政関白、近衛基通から賜ったものだということです。材木は楠が使われているそうですが、どっしりとした重厚感のある瓦といい、どこか本州とは異なる情緒を感じます。



 正門からなだらかな坂を上ったところにある錫門。今でこそ埋め立てが進んでいますが、江戸時代はこの錫門の手前までが海で、船着き場があったそうです。江戸時代まではこの錫門が正門でした。名前の通り、屋根を瓦ではなく鹿児島の特産品である錫で葺いてあります。銅瓦というのは見たことありますが、錫は初めてですね。この朱塗りの門をくぐることが許されるのは、藩主など限られた身分の者だけでした。



 仙巌園最大の灯篭、獅子乗大石灯篭。笠石の大きさは何と8畳分もあるとのこと。その上の石が、獅子が舞い降りてきたように見える(つまり、下が頭)ことから、獅子乗大石灯篭と呼ばれます。



 御殿。



 中に入ることはせず、外から少し眺めただけですが、銀屏風というのは初めて見ました。



 望嶽楼。一見して唐様というか、少なくとも和様でないことが分かると思いますがその通りで、当時薩摩の支配下にあった琉球国王から贈られたものだそうです。



 望嶽楼からは、仙巌園の背後にそびえる山に「千尋巌」と彫られた巨石が見えます。以前このブログで中国蘇州の虎丘を紹介しましたが、そこでもあったように景勝地の巨岩に文字を彫るのは中国では見かけますが、日本の大名庭園ではここだけだそうです。他に江南竹林などもあり、望嶽楼と共に唐趣味をとり入れたものでしょう。



 曲水の庭。現在でもここで毎年4月に曲水の宴が催されるそうです。

仙巌園

鹿児島県鹿児島市吉野町9700-1



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独創的な料理とお酒で青森の良さを伝えるーAotaimatsu(神楽坂)

2023年03月27日 | 食べ歩きデータベース


 2月7日とかなり前になってしまうのですが、大学時代の後輩にとても素敵なお店を紹介してもらいました。神楽坂にあるダイニングバー「Aotaimatsu」さんです。

 店主の小嶋桂司さんは青森県のご出身。故郷青森の食材や食器を使った独創的なお料理とお酒で、神楽坂から青森の魅力を発信されています。また、小嶋さんは陸上自衛隊のエリート部隊「第一空挺団」のご出身。この日も自衛隊仲間のお客さんが2名いらっしゃいました。



 青森県と言えばリンゴ。お料理が出てくるまでの間、この小さなアップルチャツネのパイに辛口のシャンパーニュ・ナポレオンを合わせて。



 あいなめのカルパッチョ。「焼き下」と呼ばれる調理法で、魚の表面を炙って香ばしく仕上げてあります。焼き下は素材の旨みを引き出す調理法なので、魚が新鮮であることが重要なのだとか。合わせた日本酒は青森の「純米吟醸 六根オパール」。アルコール度数は16度と高め、行き過ぎない甘みがあいなめと良く合います。



 スワイガニと長芋のパートフィロ包み。パートフィロというのはパイ生地の一種で、サクサクとした食感が特徴。添えてある緑色の調味料は、一升漬けと呼ばれる、唐辛子・米麴・醤油を漬け込んだ青森の伝統料理。



 合わせたのは「純米大吟醸 鳩正宗 華想い」。青森の酒米「華想い」100%、2019年に開催されたG20大阪サミットで供されたお酒だそうです。先ほどより力強いですが、上品な味わい。
 


 陸奥湾のアンコウのフリット。薄力粉に炭酸水を混ぜ、二度揚げすることで、衣はカリッとした食感に仕上がっています。そこにギュッと詰まったアンコウの身の旨味との組み合わせが素晴らしい。添えてあるのはヤギのチーズを日本酒と和えたものです。



 合わせたのは「純米大吟醸 じょっぱり華想い」。「インターナショナルワインチャレンジ2018」のSAKE部門純米大吟醸の部で金賞を受賞したというお酒。グラスの形が変わっているのにお気づきでしょうか?米の旨味もさることながら、華やかな香りをより楽しむためです。



 さらにお酒単体で「陸奥八仙 Mixseed Series 2022」。青森の酒米「まっしぐら」100%、アルコール度数は13度と控えめ。フルーティでご覧の通りわずかに発泡し、乳酸菌飲料のような酸味と優しさがあります。デザート前でも良かったかもしれませんが、箸休め(?)にちょうど良いお酒でした。

 そして次が冒頭に挙げた写真の青森の鴨と焼きナスとアワビダケ。



 ずっと日本酒が続いたのと、鴨であることもあって最後は赤ワインにしました。リンゴのイメージが強い青森ですが、ワインも作られているのですね。こちら弘前ロッソ2019年は、その名の通り「津軽富士」とよばれる岩木山の麓、弘前のワイン。バルベーラ、メルロ、サンジョベーゼ、シラーのブレンド。見た目通り軽いフレッシュなワインです。



 デザートはヌガーグラッセ。その名の通り、ヌガー風味のアイスクリームのようなものですが、アイスクリームよりふわっとしています。

 いつもよくしてくれる後輩へ。素敵なお店と楽しい夜をありがとうございました。

Aotaimatsu 神楽坂



東京都新宿区矢来町122-5 おぼろの坂ハウス 1F



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小倉の人気焼鳥屋-焼鳥屋とことこ

2023年03月25日 | 食べ歩きデータベース


 3月14日、15年振りに小倉へ行きました。仕事を済ませ、夜は地元でもなかなか予約が取れないという「焼鳥屋とことこ」へ行きました。以前は「十心十呼」という名前だったそうです。一言で言うと、評判に違わず、何を頼んでも美味しいお店でした。



 スタートは親鳥の炭火焼きから。昨年から関西で「ひねどり」と呼ばれる親鳥の魅力にすっかりはまってしまいました。最近は柔らかい肉質の方が好まれるのかもしれませんが、弾力があり噛むほどに味の出る親鳥は、円熟した魅力とでも言うべきでしょうか。



 鶏の塩唐揚げ。



 串は冷めないよう、席に備え付けてある熱した鉄板に置かれます。今回頼んだ中では豚バラニンニクが特に良かったですね。



 そしてこの日は夜になると少し冷えてきたので、醬油ベースの和牛もつ鍋を頼みました。見てください、このごろっとした大きなモツ!美味しいに決まっていますよね。



 ぷるぷると揺れる、溢れるだし巻き卵。福岡県朝倉郡にある株式会社ヒラノの「輝黄卵」を使っているそうです。これで卵幾つになるのか分かりませんが、3人で分けても普通の卵焼きの1.5倍にはなります。

 他にも魅力的なメニューがたくさん。店員さんも気持ちの良い方でしたし、また行きたいです。

焼鳥屋とことこ



福岡県北九州市小倉北区京町2-7-15



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初めての浦和と天ぷらー新宿つな八・浦和店

2023年03月24日 | 食べ歩きデータベース


 3月3日、仕事で初めて浦和へ行きました。僕にとって京浜東北線で子供の頃から一番馴染みあり、現在も最寄り駅なのは端から5番目の新杉田駅。浦和駅は逆の端から5番目。つまり、とても遠いところにあるというのが浦和のイメージです。

 さらに衝撃を受けたのは、埼玉県の県庁所在地を大宮だと思い込んでいたことです。ところが浦和へ行ったら埼玉県庁があってびっくり!少なくとも10歳の頃には全国の県庁所在地が頭に入っていて、漢字で書けたはずなのに…。一体どこで記憶が書き換わったのか?本当にショックでした。尤も現在は大宮も浦和もさいたま市になっています。

 浦和駅前で会合が終わり、地元の方の案内で「新宿つな八」という天ぷら屋さんに行きました。その名の通り総本店は新宿にある老舗の天ぷら屋さん(大正13年創業)ですが、浦和でも伊勢丹の7階に入っている有名なお店だそうです。

 考えてみたら、天ぷら屋さんに行く機会と言うのは意外となかった気がします。このブログでも天ぷら屋さんを取り上げるのは初めてかもしれません。壁に書いてある品書きを見ても色々と惹かれるものがあり、楽しかったです。そんな中から覚えている限りご紹介しましょう。



 初めに、じゃがいもトリュフ。冒頭の車海老や舞茸はその次でした。お腹が空いていたので、まずは食べ応えのあるものからで良かったです。



 きびなごと名物、蛤の姿揚げ。姿揚げって何だろうと思ったら、何と殻のまま丸ごと揚げてありました。



 穴子。穴子はわが地元横浜も有名です。ところで、浦和は穴子ではなく鰻の蒲焼き発祥の地と言われているそうです。そのためか、浦和駅西口には「浦和うなこちゃん」というキャラクターの石像が建っています。頭が三角で「アンパンマン」に出てくるおむすびマンみたいだと思ったら、やなせたかしさんの作なんですね。



 納豆稲荷揚げ。外側はパリパリの稲荷揚げで中はふっくらとした納豆。揚げてあるので臭みはなく、食感のコントラストがとても良いです。蛋白質のかたまり。



 磯の香りがいっぱいの、うに海苔巻き。これはたぶん想像できますよね?



 最後は意外と食べたことなかった、アイスクリームの天ぷら。いや、どこかで食べたことある気もします。ただ、その時はベチャベチャに溶けていて、天ぷらの形をとどめていなかったような…?あるいはまったく別のデザートだったかも?県庁所在地を間違えるのと同じくらい記憶が曖昧ですが、ちゃんとしたアイスクリームの天ぷらを食べるのは初体験、ということにしておきましょう。

天ぷら新宿つな八 浦和店

埼玉県さいたま市浦和区高砂1-15-1 伊勢丹浦和店 7F



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ずっと行きたかったトルコ・ディナー-ニューアリババ②(関内・相生町)

2023年03月23日 | 食べ歩きデータベース


 5年前に初めてトルコ料理のランチを食べて以来、「いつかはディナーに」と思っていたのですが、先月28日、ようやく念願かなって夜の「ニューアリババ」にお邪魔することができました。

 冒頭の写真は、今では日本でも随分ポピュラーになった「フムス」をはじめとする前菜盛り合わせ。



 これに前回ランチの時にも出てきた「エキメッキ」と呼ばれる、とても柔らかくて甘みのあるパンをディップして食べます。とても美味しくて、ついついエキメッキを食べ過ぎたことが後々仇となることに…。



 白いんげん豆のサラダ。



 レンズ豆のスープ(チョルバ)。ややスパイシーですが、優しい味わいでとても美味しいです。スープはトルコ料理になくてはならない、とても重要な位置づけなのだそうです。



 ところで、このお店では毎週水曜と金曜が「ベリーダンスナイト」ということで、ベーリーダンスの催しものが見られるのだそうです。ベリーダンスショーと言えば、14年前に四谷のエジプト料理店「エル・サラーヤ」(現在は閉店)で見たことがあります。

 この日は火曜日だったのですが、ヤヤ・ジャスミンさんによるショーが行われました。因みに、ジャスミンさんは次回4月12日に行われる第149回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)に講師としてお越しいただくことになっています。



 料理に戻りましょう。お店のオリジナル、「ヨーグルトのケバブ」。トルコを代表する料理、ドネルケバブにヨーグルトをかけたもの。トマトソースとの組み合わせがとても良く、「トルコ料理って美味しいね」と思わせる一品です。



 さらにアダナケバブとグリルチキン。トルコ第5の都市アダナに由来するケバブ。インド料理にシシカバブというのがありますが、そもそも「シシ」はトルコ語で串の意で、要するに串に刺したケバブ(焼いた肉)。インドに限らず中東を中心に広く親しまれている料理です。しかし、この辺で前述のエキメッキの食べ過ぎが効いてきました。



 「もう食べられない!」というところでとどめを刺したのが、お店のオリジナルピザ、「イスパナク」。とても無理と思いましたが、伸びのあるあっさりとしたチーズとふっくらしたパンで、満腹ながらも美味しくいただけました。



 最後は時間をかけて一休み。トルココーヒーとライスプリン(ストラッチ)。濃いコーヒーが好きな僕としてはトルココーヒーはとても嬉しいです。

 今回コースで頼みましたが、単品で考えたらものすごくお得だと思います。お酒が飲めなかったので、また次回に。

ニューアリババ

神奈川県横浜市中区相生町1-2-1 パレカンナイ1F



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運動発達をさかのぼることで身心を整える-第148回YMS

2023年03月13日 | YMS情報


 3月8日、「夢・あいホール」にて第148回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。お話しいただくのは、神奈川県小田原市で「からだ指導室 あんじん」を主宰されている、栗本啓司様。発達の過程で生じた「運動発達のヌケや未発達」に着目し、「からだ育て」の観点から老若男女・障害の有無を問わず、一人一人の身体感覚を大切にした健やかな成長をサポートしていらっしゃいます。お話のテーマは、「発達障害と運動発達の関係〜運動発達をさかのぼることで身心を整える〜」です。発達障害をテーマとしたものとしては、昨年4月の第136回YMSで榎本澄雄様からのお話がありましたが、今回の栗本さんは榎本さんからのご紹介でもあります(注)

注:YMSは皆さまからのご紹介のリレーから成り立っております。ジャンルは問いませんので、お話しいただける方のご紹介をお待ちしております。



 さて、発達障害とは何でしょうか?発達障害者支援法においては、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害、その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するもの」と定義されています。2013年、アメリカ精神医学会の診断基準DSMが改訂され(DSM5)、そこでは「幼児期、小児期、青年期に初めて診断される障害」としてまとめられていた各種の精神障害や発達障害が、「神経発達障害」と総称されるようになりました。良くわかりませんが、脳機能障害として狭くとらえられていたものが、神経発達障害とより広く捉えられるようになったということでしょうか?

 いずれにせよ、栗本さんはこの「神経の発達」という観点から、神経に刺激を与えるものとしての「運動」に着目し、実際に発達障害とされる多くの子供たちと向き合っておられます。というのも、発達障害の子供たちを見ていると、身体の発達過程において一部が欠落していると思われる動作が多々あるからだそうです。

 人間は生まれてから寝返りを打ち、腹ばいになり、ハイハイをし、お座り、つかまり立ちを経てやがて二足歩行へと移行していきます。昔何かの本で読んだことがあるのですが、これは魚類の動き、爬虫類の動き、人類の動きと進化の過程を辿っているものだという説があります。栗本さんによれば、これは人間が重力、つまり地球に適応する過程であって、非常に重要な時期なのだそうです。

 この時期に様々な要因によって過程の一部が欠落する、例えばハイハイの期間が異常に短い、といったことがあると、重力に上手く適応できないまま成長し、例えば姿勢の維持ができない、あるいは意図しないのに飛び上がってしまう、手が出てしまうといった症状が見られることがあるそうです。これらは神経の未発達であって単なる脳の障害だけでは説明できません(脳も神経の塊ではありますが)。

 先に述べた「様々な要因」は、文字通り様々であって特定することは困難です。それこそ、親の育て方であったり(例えば、早く立たせようとし過ぎる)、家庭環境であったり(例えば、虐待やネグレクト)、便利さ快適さを優先した多彩な育児アイテムの問題であったり、生活環境の変化(例えば、自然に触れることが少なすぎる、地域コミュニティの喪失など)、神経刺激ですからあらゆることが影響している可能性があります。

 しかしながら、神経には可塑性があり、成長してからでも変化させることが可能です。そこで「からだ指導室 あんじん」のように、身体動作からアプローチして、「自然な体作り」、「生活のリズムを整える」ことをあくまで子供の自主性を大切にしながら無理なく目指しているそうです。

 人間は実に複雑です。脳が全てではありませんし、身体が全てでもありません。あらゆることが複雑に絡み、影響し合った結果、様々な形で表出する言動。表に出ている部分だけからでは、根っこの繋がりは分かりません。しかし、「根っこ」の一つから働きかけることにより、万能の解決策とはならないまでも、単に薬で抑えるよりは子供たちにとって好ましい「何か」が見えてくるような気がします。



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過去のセミナーレポートはこちら

さらに詳しくお知りになりたい方は。
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2023年2月アクセスランキング

2023年03月02日 | 人気記事ランキング


 あっという間に3月です。さて、弊社事業本部倉庫の解体工事が始まりました(上写真)。手前左の白い建物は、1985年(昭和60年)から2005年(平成17年)まで使用した前本社。右側の建物はその前の本社兼自宅で、正確なところは分かりませんが、建ててから62、3年になると思います(当然、僕が産まれた時には既にありました)。さまざまな思い出が刻まれた場所ですが、いよいよお別れです。

 それでは、2022年2月にアクセスの多かった記事、トップ10です。定番4記事の動向からいきますと、

2位:「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」(17ヶ月連続)
4位:「久村俊英さんの超能力を目撃してきました」(33ヶ月連続)
5位:「エコノミーとエコロジーの語源」(98ヶ月連続)
6位:「『上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会』に参加してきました」(4ヶ月連続)

 2月に更新した中では、第147回YMSの「どんな物にもヒビがある。だが光が差し込むのはそこからである」が3位に入りました。中小企業経営者の壮絶なノンフィクションでした。

 7位:「豪快立ち寿司」と10位:「樽が背もたれにちょうどいい…-樽座敷紀子(いわき市小名浜)」がいずれも2ヶ月連続でランクインしました。

1 トップページ
2 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
3 どんな物にもヒビがある。だが光が差し込むのはそこからであるー第147回YMS
4 久村俊英さんの超能力を目撃してきました
5 エコノミーとエコロジーの語源
6 「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました
7 豪快立ち寿司
8 カテゴリー(リサイクル軍手の世界)
9 2023年1月アクセスランキング
10 樽が背もたれにちょうどいい…-樽座敷紀子(いわき市小名浜)

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