5月26日、交流戦最初のカードの3戦目横浜vsソフトバンクを観戦してきました。1戦目は今永が初回に2点を許しながらもその後粘って4vs3の逆転勝ち。2戦目はロメロが5回に6失点し、2vs8と大敗。1勝1敗で迎えた3戦目、天気も暑すぎず寒すぎず、野球観戦にはもってこいでした。
さて、今年の交流戦は全ての主催試合で横浜OBのコーチと対戦チームOBとの対決が企画されています。この日は元ヤクルトでチームメイトだった、五十嵐亮太氏と田中浩康氏。現役時代剛腕で鳴らした五十嵐氏は136㎞、137㎞と徐々に急速を挙げ、3球目は140㎞に達しました。その3球目を田中氏が見事センター前に弾き返し、現役さながらの対決で球場を沸かせました。
始球式は地元横浜出身のシンガーソングライター、瑛人さん。名前にちなんで背番号8で登場。中学生まで野球をやられていたそうですが、なかなか良い球を投げていました。
さて、横浜の先発は復帰登板となる濱口投手。濱口投手といえばルーキー時代の2017年日本シリーズでソフトバンク相手に見せた快投(8回一死までノーヒットノーラン)が強く印象に残っていますが、何しろ投げてみなければ分からないといった側面もあります。
その立ち上がり。先頭の三森選手を4球で三振に討ち取り上々かと思われたのですが、二番の野村(勇)選手に2球目をレフトスタンドに運ばれてしまいます。あっという間にソフトバンクが先制。
さらに柳田選手にはレフト前ヒット、グラシアル選手、中村選手には連続四球を与え、一死満塁。しかし、その後松田選手をファーストファウルフライ、柳町選手をセカンドゴロに討ち取り、何とか最少失点で切り抜けましたが、不安な立ち上がりでした。
一方、ソフトバンクの先発は、身長193㎝、速球が持ち味の杉山投手。好調の先頭打者佐野選手を初球でファーストゴロ、続く柴田選手はカウント3‐1としますが、サードファウルフライ。
しかし、二死から宮崎選手がセカンドへの内野安打。前日の途中交替でコンディションが心配されていましたが、この日宮崎選手がスタメン出場できたことが、チームを救うことになったと言っても過言ではありません。ただ、この回は期待の牧選手がサードゴロに倒れ、無得点。
2回表の濱口投手。下位打線で立ち直りのきっかけを掴んでほしいところです。甲斐選手を三振、杉山投手は1球でライトフライでしたが、DH制を採用するパリーグの投手としては非常に良い当たりでヒヤッとしました。さらに1番三森選手にはファウルで粘られ、カウント3-2。結果的にはセカンドゴロでしたが、討ち取るまで8球を要し、立ち直れたとは言い難い内容でした。
一方の杉山投手も球は速いですが制球に難があり、必ずしも良い内容とは言えませんでした。2回裏の横浜は先頭のソト選手がセンター前ヒットで出塁しますが、続く蝦名選手が併殺打であっという間に二死走者なし。
ありがちなことですが、そこから関根選手がライト線際に二塁打。ボールがセカンド方向に跳ね返ってきたので少しヒヤッとしました。ただ、嶺井選手がサードゴロに倒れ、この回も無得点。
3回表。ソフトバンクは野村選手がショートの深いところへヒット。
続く不振の柳田選手を四球で歩かせ、またも無死二塁・一塁のピンチ。しかし、グラシアル選手を併殺打に討ち取り、二死三塁。ここから次の中村選手に対しては、見事な制球で三振。
3回裏も横浜は無得点で終わりますが、二死から柴田選手が四球で出塁します。前の打席も倒れこそしましたが、3‐2まで粘り、ここでは四球。実は第三打席も四球、第四打席は死球。第五打席も犠打と目立ちこそしませんが、二番打者として大きな貢献をしていたと思います。
4回表も濱口投手はピリッとしません。6番からの下位打線で二死までこぎ着けますが、8番甲斐選手を四球で出してしまいます。ここは8番で切っておきたいところでした。ただ、この回の先頭打者、松田選手のサードへの強烈な当たりを宮崎選手が見事なジャンピングキャッチ。こうしたバックの盛り立てが崩れそうな試合を何とか押しとどめていたと思います。
ここまではずっとソフトバンクが押し気味。濱口投手も4回で早くも73球だったので、この調子では次の回まででしょうし、その後どう継投して凌ぐのかという不安がありました。しかし、そんな時に一発でムードを変えてくれるのが四番の牧選手。恐らくストレートを狙っていたでしょう、この球場のライト方向に吹く風にも乗り、12号ホームラン。この試合終了時点で、牧選手は打率トップ、打点と本塁打数で3位となりました。みなさん異口同音に言われることですが、とても二年目の選手とは思えません。
さらにソト選手がセンターに二塁打。流れが変わり始めます。蝦名選手セカンドゴロの間にソト選手は三塁に。
ここで関根選手が初球をきっちりライトに運び、犠牲フライで勝ち越し。関根選手、いい仕事をしてくれました。
しかし、5回表の濱口投手、この流れの変わり目に水を差してしまいます。先頭の俊足三森選手をわざわざ四球で出してしまいます。三森選手、一塁に行く機敏な動きからして足が速そうと分かります。
野村選手サードゴロの間に二塁に進塁した三森選手は、その後三盗を決め、一死三塁。
なおも柳田選手に、6つめの四球を与え、一死三塁・一塁。さらに続くグラシアル選手には暴投で、一死三塁・二塁。
そのグラシアル選手はセカンドゴロ。牧選手からの素早い送球は本塁クロスプレーとなり、判定はアウト。当然藤本監督からのリクエストでリプレイ検証となります。見る角度により非常に微妙でしたが、判定通りアウト。もしこれがセーフだったら、恐らくこの試合はソフトバンクのものになっていたでしょう。
何しろ濱口投手はその後も中村選手に四球を与え、二死満塁としてしまう有様。結果的には松田選手の不調に助けられましたが、5回被安打3、1失点とはいえ、99球、7四球は一歩間違えば大敗していてもおかしくない内容でした。
5回裏、横浜は濱口投手に代えて代打宮本選手。この交替は先ほど述べたことから妥当だったと言えるでしょう。しかし、その宮本選手は4球で三振。蝦名選手も宮本選手も二軍戦では良い活躍をしているだけに、チャンスを掴んでほしかったのですが、この試合は残念ながら結果を残せませんでした(蝦名選手は一四球)。
しかし、続く佐野選手。初球の真ん中やや内側に入った甘いストレートを見逃しませんでした。ライトスタンドに飛び込む4号ホームラン。これで2点差。まだまだ安心はできませんが、流れはようやく横浜に傾いたように思えました。
6回表。7番からの下位打線でしたが、横浜は平田投手、田中投手と二人の投手をつぎ込み、得点を挙げた後の回をゼロで凌ぎます。
6回裏、ソフトバンクも杉山投手から2019年新人王、アンダーハンドの高橋投手に交替します。
その高橋投手。先頭のソト選手は三振で仕留めますが、続く蝦名選手には4球続けての四球。
さらに関根選手は4球ファウルで粘ってのセンターへの二塁打。これで一死三塁・二塁のチャンス。
嶺井選手はボテボテのサードゴロでしたが、松田選手のフィールダースチョイスで蝦名選手が生還。松田選手の選択、これは仕方ないですね。蝦名選手もよく突っ込みました。
さらに代打藤田選手が四球で出塁し、一死満塁。
ソフトバンクは三番手笠谷投手に交替。
佐野選手はマウンドとショートの間辺りに転がるセカンドゴロでしたが、その間に関根選手が生還。これで5vs1。
7回表の横浜はエスコバー投手が登板。このところ制球が定まらず乱調が続いていましたが、この日は打者3人でピシャリと抑えました。
8回は伊勢投手、そして9回は山崎投手と繋ぎ、このまま5vs1でベイスターズの勝利。ハラハラの前半と違い、6回以降は安心して見ていられました。そして、僕も今シーズン3戦目の観戦にしてようやく勝ち試合でした。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした