窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

しのぎ切った守備陣に感謝!-日本プロ野球2022 横浜vsソフトバンク3回戦

2022年05月28日 | スポーツ観戦記


 5月26日、交流戦最初のカードの3戦目横浜vsソフトバンクを観戦してきました。1戦目は今永が初回に2点を許しながらもその後粘って4vs3の逆転勝ち。2戦目はロメロが5回に6失点し、2vs8と大敗。1勝1敗で迎えた3戦目、天気も暑すぎず寒すぎず、野球観戦にはもってこいでした。



 さて、今年の交流戦は全ての主催試合で横浜OBのコーチと対戦チームOBとの対決が企画されています。この日は元ヤクルトでチームメイトだった、五十嵐亮太氏と田中浩康氏。現役時代剛腕で鳴らした五十嵐氏は136㎞、137㎞と徐々に急速を挙げ、3球目は140㎞に達しました。その3球目を田中氏が見事センター前に弾き返し、現役さながらの対決で球場を沸かせました。



 始球式は地元横浜出身のシンガーソングライター、瑛人さん。名前にちなんで背番号8で登場。中学生まで野球をやられていたそうですが、なかなか良い球を投げていました。



 さて、横浜の先発は復帰登板となる濱口投手。濱口投手といえばルーキー時代の2017年日本シリーズでソフトバンク相手に見せた快投(8回一死までノーヒットノーラン)が強く印象に残っていますが、何しろ投げてみなければ分からないといった側面もあります。



 その立ち上がり。先頭の三森選手を4球で三振に討ち取り上々かと思われたのですが、二番の野村(勇)選手に2球目をレフトスタンドに運ばれてしまいます。あっという間にソフトバンクが先制。



 さらに柳田選手にはレフト前ヒット、グラシアル選手、中村選手には連続四球を与え、一死満塁。しかし、その後松田選手をファーストファウルフライ、柳町選手をセカンドゴロに討ち取り、何とか最少失点で切り抜けましたが、不安な立ち上がりでした。



 一方、ソフトバンクの先発は、身長193㎝、速球が持ち味の杉山投手。好調の先頭打者佐野選手を初球でファーストゴロ、続く柴田選手はカウント3‐1としますが、サードファウルフライ。



 しかし、二死から宮崎選手がセカンドへの内野安打。前日の途中交替でコンディションが心配されていましたが、この日宮崎選手がスタメン出場できたことが、チームを救うことになったと言っても過言ではありません。ただ、この回は期待の牧選手がサードゴロに倒れ、無得点。



 2回表の濱口投手。下位打線で立ち直りのきっかけを掴んでほしいところです。甲斐選手を三振、杉山投手は1球でライトフライでしたが、DH制を採用するパリーグの投手としては非常に良い当たりでヒヤッとしました。さらに1番三森選手にはファウルで粘られ、カウント3-2。結果的にはセカンドゴロでしたが、討ち取るまで8球を要し、立ち直れたとは言い難い内容でした。



 一方の杉山投手も球は速いですが制球に難があり、必ずしも良い内容とは言えませんでした。2回裏の横浜は先頭のソト選手がセンター前ヒットで出塁しますが、続く蝦名選手が併殺打であっという間に二死走者なし。



 ありがちなことですが、そこから関根選手がライト線際に二塁打。ボールがセカンド方向に跳ね返ってきたので少しヒヤッとしました。ただ、嶺井選手がサードゴロに倒れ、この回も無得点。



 3回表。ソフトバンクは野村選手がショートの深いところへヒット。



 続く不振の柳田選手を四球で歩かせ、またも無死二塁・一塁のピンチ。しかし、グラシアル選手を併殺打に討ち取り、二死三塁。ここから次の中村選手に対しては、見事な制球で三振。



 3回裏も横浜は無得点で終わりますが、二死から柴田選手が四球で出塁します。前の打席も倒れこそしましたが、3‐2まで粘り、ここでは四球。実は第三打席も四球、第四打席は死球。第五打席も犠打と目立ちこそしませんが、二番打者として大きな貢献をしていたと思います。



 4回表も濱口投手はピリッとしません。6番からの下位打線で二死までこぎ着けますが、8番甲斐選手を四球で出してしまいます。ここは8番で切っておきたいところでした。ただ、この回の先頭打者、松田選手のサードへの強烈な当たりを宮崎選手が見事なジャンピングキャッチ。こうしたバックの盛り立てが崩れそうな試合を何とか押しとどめていたと思います。



 ここまではずっとソフトバンクが押し気味。濱口投手も4回で早くも73球だったので、この調子では次の回まででしょうし、その後どう継投して凌ぐのかという不安がありました。しかし、そんな時に一発でムードを変えてくれるのが四番の牧選手。恐らくストレートを狙っていたでしょう、この球場のライト方向に吹く風にも乗り、12号ホームラン。この試合終了時点で、牧選手は打率トップ、打点と本塁打数で3位となりました。みなさん異口同音に言われることですが、とても二年目の選手とは思えません。

 

 さらにソト選手がセンターに二塁打。流れが変わり始めます。蝦名選手セカンドゴロの間にソト選手は三塁に。



 ここで関根選手が初球をきっちりライトに運び、犠牲フライで勝ち越し。関根選手、いい仕事をしてくれました。



 しかし、5回表の濱口投手、この流れの変わり目に水を差してしまいます。先頭の俊足三森選手をわざわざ四球で出してしまいます。三森選手、一塁に行く機敏な動きからして足が速そうと分かります。



 野村選手サードゴロの間に二塁に進塁した三森選手は、その後三盗を決め、一死三塁。



 なおも柳田選手に、6つめの四球を与え、一死三塁・一塁。さらに続くグラシアル選手には暴投で、一死三塁・二塁。



 そのグラシアル選手はセカンドゴロ。牧選手からの素早い送球は本塁クロスプレーとなり、判定はアウト。当然藤本監督からのリクエストでリプレイ検証となります。見る角度により非常に微妙でしたが、判定通りアウト。もしこれがセーフだったら、恐らくこの試合はソフトバンクのものになっていたでしょう。



 何しろ濱口投手はその後も中村選手に四球を与え、二死満塁としてしまう有様。結果的には松田選手の不調に助けられましたが、5回被安打3、1失点とはいえ、99球、7四球は一歩間違えば大敗していてもおかしくない内容でした。



 5回裏、横浜は濱口投手に代えて代打宮本選手。この交替は先ほど述べたことから妥当だったと言えるでしょう。しかし、その宮本選手は4球で三振。蝦名選手も宮本選手も二軍戦では良い活躍をしているだけに、チャンスを掴んでほしかったのですが、この試合は残念ながら結果を残せませんでした(蝦名選手は一四球)。



 しかし、続く佐野選手。初球の真ん中やや内側に入った甘いストレートを見逃しませんでした。ライトスタンドに飛び込む4号ホームラン。これで2点差。まだまだ安心はできませんが、流れはようやく横浜に傾いたように思えました。

 

 6回表。7番からの下位打線でしたが、横浜は平田投手、田中投手と二人の投手をつぎ込み、得点を挙げた後の回をゼロで凌ぎます。



 6回裏、ソフトバンクも杉山投手から2019年新人王、アンダーハンドの高橋投手に交替します。



 その高橋投手。先頭のソト選手は三振で仕留めますが、続く蝦名選手には4球続けての四球。



 さらに関根選手は4球ファウルで粘ってのセンターへの二塁打。これで一死三塁・二塁のチャンス。



 嶺井選手はボテボテのサードゴロでしたが、松田選手のフィールダースチョイスで蝦名選手が生還。松田選手の選択、これは仕方ないですね。蝦名選手もよく突っ込みました。



 さらに代打藤田選手が四球で出塁し、一死満塁。



 ソフトバンクは三番手笠谷投手に交替。



 佐野選手はマウンドとショートの間辺りに転がるセカンドゴロでしたが、その間に関根選手が生還。これで5vs1。



 7回表の横浜はエスコバー投手が登板。このところ制球が定まらず乱調が続いていましたが、この日は打者3人でピシャリと抑えました。



 8回は伊勢投手、そして9回は山崎投手と繋ぎ、このまま5vs1でベイスターズの勝利。ハラハラの前半と違い、6回以降は安心して見ていられました。そして、僕も今シーズン3戦目の観戦にしてようやく勝ち試合でした。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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有吉反省会-日本プロ野球2022 横浜vsヤクルト9回戦

2022年05月24日 | スポーツ観戦記


 5月22日、横浜スタジアムへ横浜vsヤクルト9回戦の観戦に行ってきました。交流戦前の最終戦、横浜の先発は昨年国吉投手とのトレードで入団した、有吉投手。昨年はほとんど1軍で投げられませんでしたが、今年は2軍で安定していたということで1軍初登板となりました。



 注目の先頭打者塩見選手ですが、2ストライクと追い込んでいながら3球目で死球。ここまで盗塁数9でトップの嫌な走者を出してしまいます。



 すると二番山崎選手にはファウルで粘られた7球目、右中間を破られる三塁打を浴びてしまいます。あっという間にヤクルトが1点先制。



 三番山田選手は三振に切って取りますが、四番村上選手セカンドゴロの間にもう1点。さらに中村選手にもヒットを許しますが、初回は2点で終えました。



 一方、ヤクルトの先発は、2019年ドラフト2位の吉田大喜投手。



 横浜打線は一死から復帰間もない二番佐野選手がセンター前ヒットで出塁。この日佐野選手は5打数4安打の活躍でした。



 ソト選手が倒れますが、頼れる四番牧選手が二死二塁からレフト前に弾き返し、1点を返します。



 さらに宮崎選手もセンター前ヒットで続き、二死三塁・一塁。しかし、ここで攻めきれなかったのが悔やまれました。大和選手が倒れ、1点止まり。それでも取られてからすぐ取り返すことができたのと、前日の試合のような手も足も出ないという感じではなかったので、望みは大いにありました。



 問題は2回表です。7番からの下位打線で、一死から8番長岡選手がライト前ヒット。



 吉田投手の犠打で一死二塁。その状況で、1番塩見選手への初球ど真ん中のカットボール。これをセンター前に弾き返され、再び2点差。

 素人目ですが、ヤクルトの打者のファウルの仕方などを見ていると、有吉投手もある程度タイミングを外した投球ができていたと思うのです。四球で自滅という感じでもなかったですし。しかし、ここというところ、この打者にというところで甘い球が行ってしまったのが悔やまれました。



 2回裏。この回の先頭打者、この数年不振に苦しむ神里選手が、往時の彼らしい左中間を破る二塁打で出塁します。しかし、下位打線だったとはいえ後が続かず。



 3回裏も先頭の佐野選手がレフトへの二塁打で出塁。さらに、一死から牧選手が四球で出塁し、二塁・一塁。しかし、その後の頼りになる宮崎選手が、実は裏の意味でこれも宮崎選手らしいところなのですが、最悪の併殺打でチャンスを逸してしまいます。



 4回裏も一死から神里選手がセンター前ヒット。横浜は二死二塁から3回表、4回表と無安打で踏ん張ってきた有吉投手(4回で63球)に替え、代打宮本選手を送りますが得点できず。この試合、相手ヤクルトを上回る11安打を放ちながら、3得点9残塁。これでは勝利も、

遠ざか~る♪



 5回表、横浜は二番手入江投手が登板。



 得点できなかったとはいえ、ここまでどちらかと言えば押していたのは横浜打線。しかし、残念ながらこの追い上げムードに水を差してしまいました。まずいけなかったのが、先頭の山崎選手に5球で四球を出してしまったこと。その山崎選手はワンバウンドのフォークボールに易々と盗塁成功。

 山田選手はレフトフライに打ち取り、二死までこぎつけますが、村上選手に二球目真ん中高めのストレートを捉えられ、ライトの頭を越されてしまいます。これも甘かったと言わざるを得ないですね…。4vs1。



 しかし、5回裏横浜が反撃。まず先頭の桑原選手が四球で出塁。



 続く佐野選手がレフト前ヒットで無死二塁一塁。



 この日良いところがなかったソト選手は見逃し三振に倒れますが、頼りになる牧選手が真ん中低めのスライダーをセンター前に弾き返し、4vs2。牧選手、

君が好きだと叫びたい♬



 ヤクルトは吉田投手を諦め、二番手木澤投手に交替。しかし、ここでも横浜は押し切れませんでした。後続を断たれ、1点止まり。



 6回表、入江投手が回跨ぎでそのままマウンドに上がります。しかし、宮本選手にセカンド強襲のヒット、長岡選手に二塁打を浴びて降板。



 一死三塁・二塁から三番手田中投手が登板しますが、代打川端選手に犠牲フライを許し、5vs2。安定感のあるヤクルトのリリーフ陣を考えると、大勢は決した感がありました。



 7回表、それでも横浜は佐野選手がこの日4安打目となるレフトへの二塁打。



 ここまで2三振を含む三打席凡退だったソト選手にもようやくヒットが出て、二死三塁・一塁。



 牧選手は最低限の犠牲フライで1点。なお一死一塁でしたが、最後まで後が続かず。



 8回、9回はヤクルトのリリーフ陣に封じられ、5vs3。横浜は三連勝の後の連敗。開幕から続出するケガ人、コロナによる主力の離脱、投手陣の不調など、掲げる「横浜反撃」の糸口もつかめないまま、交流戦を迎えることとなりました。

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Noge de gibierージィーロ(野毛)

2022年05月19日 | 食べ歩きデータベース


 急遽ジビエのリクエストがあり、気になっていたお店、野毛のジィーロへ行ってきました。料理はもちろん、BGMがずっと70年代~80年代初の洋楽だったこともこの日の仲間に合っていました。早速ですが、冒頭の写真は「骨付き仔羊のロースト」です。



 6月も半ばを過ぎたというのに、この日はコートを羽織ったという少しひんやりする天気でした。しかし、湿度が高かったので初めの1杯は泡から入りました。



 「うわさのアヒージョ」。具だくさんで豪華なアヒージョ、肉が出てくるまでの間をつなぐにも十分でした。



 さらに、具がなくなった後、ご飯を追加してリゾットにしていただきました。



 肉に合わせて、カジュアルでもしっかりとした厚みのあるチャンキー・レッド・ジンファンデル。



 「伊豆天城のシカのたたき」。噛めば噛むほど旨味が出てくる逸品です。



 こちらも伊豆天城の「イノシシのグリル」。力強い旨味の猪肉に山わさび(西洋わさび)ソースがさっぱり感を添えてよく合いました。

 これに冒頭の仔羊も加わり、二人としてはボリュームも十分。美味しかったです。

ビストロ&バル ジィーロ



神奈川県横浜市中区野毛町1-29



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7年ぶりの静岡、次もまた来たいお店-みぜん

2022年05月18日 | 食べ歩きデータベース


 弊社営業所がある富士市はちょこちょこ行きますが、静岡市自体は「乃だや」で静岡おでんを食べて以来、実に7年ぶりです。ちょうど宿泊したホテルの近くにあり、かつ地元の人に勧めてもいただいた「しずおかの酒と野菜と肴-みぜん」に行ってきました。冒頭のお酒は、地元静岡の「白隠正宗」。日中の結婚式で同じく静岡のお酒で米のうまみが強い「正雪」と「喜平」をしこたま飲んでいたのと、大雨の後の暑さによる蒸し暑さもあって、よりさっぱりとしたお酒を選びました。



 まずお通しの「浜名湖のりの茶わん蒸し」から素晴らしかったです。磯の香りが強く鮮やかな緑色の浜名湖のりと出汁がよく合いました。お通しが良いとと期待が高まりますね。



 刺身の盛り合わせが来るまでの間、奥浜名湖の竜神豚を使った「プレミアム浜松餃子」で。キャベツ、玉ねぎ、豚肉を使用すること、付け合わせに茹でもやしがついてくることが浜松餃子の特徴らしいです。



 来ました、駿河遠州刺身盛り。この日の魚は、生しらす、本鮪、平政、めいご、赤イカ、鯵、かます、鰆、まだか、イサキ、金目鯛。香りのよい生山葵もついてきます。



 今が旬のホタルイカ。普段は沖漬けが多いのですが、今回は天ぷらにしてみました。



 カツオと葉生姜のなめろう。アジより臭みがなく、また違った良さがあります。



 桜エビと新玉ねぎのかき揚げ。桜エビの濃い香りがたまらないです。



 みぜんのおでん盛り。もちろん静岡おでん。



 静岡でないメニューもあります。国産鶏天、柚子胡椒つき。アツアツの出来立て鶏天、美味しかったです。



 最後は個人的に気になり、単品で頼みました。天然真鯛としじみ出汁の温素麺。しっかりとしたしじみの出汁、素麺ですから色々食べた後でもすんなり入ります。食べたあとはさすがにお腹いっぱいでしたが。

 まだまだ魅力的なメニューがたくさんあり、次来た時は今回と重ならないものだけで行けると思われるほどでした。次の静岡がいつか分かりませんが、また来たいですね。

みぜん



静岡県静岡市駿河区南町6-22 サウスクレスト1F



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交渉の男女差研究①-第54回燮(やわらぎ)会

2022年05月17日 | 交渉アナリスト関係


 2022年5月12日、オンラインによる第54回燮会が行われました。燮会は日本交渉協会が主催する交渉アナリスト1級会員のための勉強会です。

 さて、今回は「交渉の男女差研究から見える、交渉力アップのポイント」について。10月に第2回が行われる予定ですので、今回は理論編。ここ25年程の研究から、交渉行動や結果にどのような男女差が分かっているのかについてお話ししました。

 初めにアイスブレイクを兼ね、「交渉系資格はなぜ女性が少ないのか?」について、みなさんにブレイクアウトセッションで話し合っていただきました。これについてハッキリとした答えはありませんが、僕が以前から抱いていた疑問の一つでもあります。



 続いて今回の中心テーマである、交渉の男女差研究について。初めにお断りしておきますと、交渉というものを総じて捉えた時、交渉結果の男女差は有意ではあるものの、差は小さいという結論が出ています。しかし、ある特定の状況によっては交渉行動や結果に男女差がみられる場合があり、それがどういう状況なのか8つ特定したのが今回のお話です。また、これらの研究はアメリカを中心とする西洋文化圏で行われたものがほとんどであり、例えば日本のような他の文化圏でそのまま当てはまるかの検証はなされていません(一部はなされているものもあります)。また、当然ですがここで「男女」という場合、それは全ての男女に当てはまるものではなく、過度な一般化は禁物であるという点に注意が必要です。

 特定の状況とは、おおよそ以下のようなものです。

1.交渉の捉え方
2.人間関係における位置づけ
3.統制の所在
4.力の使途
5.コミュニケーションの仕方
6.交渉中の扱われ方
7.交渉戦術が及ぼす影響
8.ステレオタイプ

 これらの状況で発生する男女差(この場合、男性の方が良い結果であるという結論が多い)から、差を埋めるための幾つかのポイントが見えてきました。広範囲に及ぶ交渉学の中で、これらのポイントを抑えることにより、効果的に女性の交渉力をアップさせることができるのではないかと思います。具体的なアプローチについては、第2回でお話ししたいと思います。



 第二部は、今年3月に日本交渉協会で実施したアンケート結果について。結果からは、第一部でお話しした西洋文化圏での研究結果とは異なる、日本人の交渉に対する捉え方、意識のようなものが見えてきました。結論だけお話しすると、第一部から見えてきた「交渉力アップのポイント」は、わが国の男性にとっても大いに有用なのではないかという仮説です。

 最後に、メディエーターのロバート・ベンジャミンが「人は何故交渉を避けるのか」について、その要因を幾つか自身のHPで紹介しています。これが興味深かったので、ご紹介させていただきました。

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わが子すら七人七色、況や…-第137回YMS

2022年05月16日 | YMS情報


 2022年5月11日、mass×mass関内フューチャーセンターにて第137回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。



 今回の講師は、株式会社NANASE代表、ものづくりコーディネーター、キャリアコンサルタントの石田七瀬様。石田さんには以前こちらでもお話を伺いました。テーマは、 「なぜ関わり方って必要なのか?社員を活かすも殺すもあなた次第」です。

 早速、「関わり方が大事なのか」についてです。労働人口、若年人口が減少し、大学生の就職内定率がバブル期をも超える数字となっている一方、中小零細企業は総じて人材不足に悩まされている傾向にあります。そうした環境の中、いつの時代にも一定数いる「従来の企業におけるコミュニケーションが通じない」人たちとの関わり方を考えなければ、人材確保が難しくなっています。石田さんはこうした悩みを抱える特に製造業を中心とする中小零細企業に対して、現場環境改善と同時に企業と伴走しながら「人づくり」をされています。正確に言うと、人づくりというより、その人が本来持っているものを引き出す、たまたま曇っている人を磨いて光を取り戻させる取り組みと言った方が良いかもしれません。

 そのきっかけの一つは、ご自身があるメーカーでお仕事をされていた時の経験でした。右も左も分からないまま、その会社の購買業務を任されるようになり、ベテラン社員から指導を受けていたものの、その社員がわずか1ヶ月で退職。仕方なく現場に入って図面の見方から勉強されたそうです。しかし、逆に現場をゼロベースで見られたことが、会社の中の常識にとらわれていた現場を変えていくことになります。僕もそうですが、渦中にいると問題を問題とも感じなくなる可能性があるのですね。その会社は作れば作るほど赤字を出す町工場だったのですが、購買の立場から最大85%のコストダウンに成功し、納期短縮で黒字化を成し遂げました。

 もう一つ、人材育成のきっかけは、その部署が他の部署で都合の悪い人材の寄せ集めだったことでした。しかし石田さんは自身もお子さんを片道1時間かかる保育園に送り迎えしなければならない事情があり、どんな人であれ頼らざるを得ませんでした。つまり、レッテルを貼っている余裕などなかったということです。例えば、挨拶すらまともにできない若手社員。前回のYMSの言葉で言えば、発達障害と呼ばれる人だったのかもしれません。しかし、その若者に頼り、寄り添って1ヶ月半から3ヶ月後、彼の才能が開花します。主に整理整頓の部分で力を発揮し、それまでお客様からの支給品さえなくしてしまうような会社、20人しかいないのに40人がかりで棚卸に3日かかっていた会社が、関連会社に応援を頼むことなくわずか半日で棚卸を終えられるところまで改善しました。その彼はお客様からも「変わったね」と変化を認められるようになったそうです。

 そうした製造現場の人と環境の変わりゆく様を身をもって経験されてきた石田さんですが、ご自身が21歳から1歳まで何と7人のお子さんを持つ母親であることの経験も大きかったと言います。自分から生まれたとはいえ7人いれば7人とも全く違う。同じことを伝えても通じる子もいれば通じない子もいる。わが子さえ関わり方をカスタマイズすることが重要なのに、増して他人の集まりである企業組織が関わり方に無頓着なのか?言われてみれば不思議なことです。

 さて、以上のような経緯を踏まえて、今回の事例に移ります。こちらも中小の製造業ですが、コンサルテーションにあたり200社以上のコンペを行ったそうです。その中で株式会社NANASEさんが受注された理由が、社長曰く、「『社長に問題があります』と言ったのはNANASEさんだけだった」とのこと。しかし、そうした諫言を受け入れ任せる度量と、何としても現状を変えて生きたいという思いを持つその社長さんも立派だと思います。

 その会社は年々作業効率が下がり、従業員は言い訳を並べ、モチベーションが低い。退職者が続出し、社長と従業員との意見の乖離が大きいといった状態だったそうです。石田さんがまず取り組んだのは、やはり直接現場に入り、従業員の本音を聞き出すこと。社内相関図を作成し、関係を洗い出すこと。従業員の本音と社長の考えをすり合わせ、真の問題の把握することでした。

 幸い、前述のように社長には「絶対変わる!」という意識があり、できるところから小さな変化を起こしていきました。詳しくは書きませんが、行うことは徹底した粘り強いコミュニケーション、「関わり」を諦めないことです。その結果、導入しただけで全く使われていなかったシステムの稼働率が、半年後には90%以上に上がり、現場が主体的に整理整頓を行うようになりました。

 ここでも「自分は認められていない」と卑屈になっていた中年社員の変化がありました。認められることによって、今までは「自分の仕事がない」と危機感なく過ごしていたのが進んで3Sや作業改善を行うようになり、自ら売上意識を持ち、手の空いた時間をスキルアップのために仕事を覚えたいと申し出るようになりました。注意点は、変わり始めても人の心には必ず波があるので、サポートは必要だということです。自転車もまずは補助輪付きから、というのと同じですね。心の波が下がった時にいかにフォローするかが大事。人の良いところを引き出すコツの一つは、その人の好きなことに絡めて話すと良いとのこと。

 もちろん、現実はきれいごとでは済みません。改善の過程では良くないこともありますし、全てが受け入れられることばかりでもありません。例えば、どんなに関わり方を変えても、物事を人のせいにしかできない人は一定数います。完璧はあり得ないのです。不完全であってもPDCAを回し続けることが大事で、小さな変化が次第に影響を及ぼしていくようになります。

最後に、本日のまとめの一言。

「他者を認めることは簡単ではない。どんな人にも光るものがある。それを生かすも殺すもあなた次第」

過去のセミナーレポートはこちら

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久しぶりの焼肉新規開拓-DINNING BULLS(野毛)

2022年05月06日 | 食べ歩きデータベース


 たぶん8ヶ月ぶりの焼肉です。焼肉は久しく新規開拓をしていなかったので、今回は野毛にある焼肉DINNING BULLSさんに初めてお邪魔してきました。上質なお肉の希少部位が楽しめるお店です。冒頭の写真は、その日の希少部位を選んだBULLS三種盛(塩)。お酒は撮影していませんが、マッコリを果てしなく呑みました。



 厚切りタン。これだけ分厚いと、上手に焼かなければ折角良いお肉が台無しになってしまいます。そこで焼くのは上手な友人にお任せ。外側をパリッと、中はタコのように柔らかくジューシーに、それでいて冷たくないよう、時間をかけてじっくり焼きます。



 マルカワ(大腿部のインナーマッスル)は片面だけを焼き、レアで。



 サーロイン、ネギハラミ、みすじ(おろし付)。



 五種類のホルモンをピリ辛タレに漬けた、ホルモンバクダン。

 お酒を飲み過ぎさえしなければ、値段もそれほど高くないですし、建物は古いですが清潔感があり良いお店でした。

 焼肉で思い出しましたが、最近出張先のホテルで見た映画『フード・ラック! 食運』。賛否両論あったようですが、僕は結構感動しました。



焼肉DINING BULLS 桜木町・野毛店

神奈川県横浜市中区野毛町1-24-5



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2シーズンぶりの観戦も見どころなく-日本プロ野球2022 横浜vs巨人4回戦

2022年05月02日 | スポーツ観戦記


 新型コロナの影響で遠ざかっていましたが、4月27日、実に一昨年10月以来の野球観戦に行ってきました。観衆は発表で19,862人と、巨人戦にもかかわらずまばら。4月の夜はまだ寒いということもありますが、観客が戻ってくるにはまだ時間がかかりそうです。東京オリンピックのためにせっかく増設した両翼の二階席が埋め尽くされる開幕戦のような様を早く見てみたいと思っています。そのためには、このチームの浮上が欠かせないのですが…。



 さて横浜の先発は3年目の坂本投手。期待の若手ではあるのですが、前回登板の阪神戦は味方の逆転で敗戦投手にこそならなかったものの、4回に四球、安打、四球から今シーズン4-0の代打小野寺選手に満塁ホームランを浴びています。



 この日も先頭の吉川選手にセンター前ヒット。一死からボランコ選手に四球。その後併殺で切り抜けますが、不安定な立ち上がり。5回ぐらいまでなんとかだましだまし行ってくれれば、という感じでした。



 対する巨人の先発は早くも来日6年目のメルセデス投手。数年前横浜にはアウディという外国人がいて、こちらは走りませんでしたがメルセデスは頑張っています。今シーズン早くも4勝を挙げています。



 ただ、この日のメルセデス投手は制球が定まらず、球数も多く、決して調子が良いようには見えませんでした。ただ非常にテンポよく投げ込んできて、何となく横浜打線がそのリズムにハマってしまっているように感じました。

 立ち上がり、一死から佐野選手がレフト前ヒットで出塁すると、続くソト選手、牧選手に連続四球。横浜にとっては一死満塁の絶好の機会でしたが、続く大田選手、大和選手が連続三振。結果的にはこれが唯一のチャンスらしいチャンスで、これを逸し主導権を握れなかったことがすべてだったように思います。



 坂本投手は3回までで早くも50球。それでも2安打1四球となんとか試合を作ってくれていました。むしろ打線の方が荒れているメルセデス投手に逆に翻弄されているようでした。特にソト選手はこの日全くタイミングが合っておらず。かといって、ポンポンと投げ込んでくるメルセデス投手のリズムを崩そうという工夫があったようにも見えず、淡白な攻撃が続いていました。

 そして悪夢の4回表。まず先頭のボランコ選手がレフト前ヒットで出塁。続く岡本選手は討ち取ったものの、ボランコ選手が盗塁。そういえば初回先頭打者の吉川選手もいきなり盗塁を仕掛けてきましたが、坂本選手は投球動作が読まれやすいのでしょうか(ランナーがいるので二段モーションではなくクイックだったのですが)? 一死二塁となって、続くウォーカー選手がライト前ヒット。さらに丸選手にはフルカウントから四球を与えてしまいます。これで一死満塁。

 こうなると蘇るのが前回21日の記憶。あの時も4回表、死球、ヒット、四球と自滅のような形で満塁となり、代打小野寺選手に一発を浴びました。打席に迎えた実績十分とはいえまもなく40歳になる中島選手。ボール先行でカウントを悪くし、フルカウントからファウル2球と粘られてからの8球目でした。打った瞬間にそれと分かる、レフトへの満塁ホームラン!この試合、さらにこの後4点取られましたが、展開から言ってこれで事実上決まっていました。

 それにしても二試合続けて満塁ホームランを浴びるなんて…。僕もこのチームを44年見てきて、試合開始直後、先頭打者から三連続でホームランを浴びるとか、1イニング5四球とかいろいろありましたけれど、二試合連続で満塁ホームランを浴びたというのは前代未聞です。ちょっとメンタル面の課題があるのではないでしょうか?恐らくこの試合後、二軍調整となると思いますが、そのへん含めてしっかり立て直してきていただければと思います。期待の高い選手ですので。



 坂本選手の後を継いだ三上投手も残念な結果に…。5回表、代わり端絶不調の坂本選手に四球を出すと、ボランコ選手センター前ヒット、岡本選手併殺崩れで一死三塁一塁。するとウォーカー選手にまたも四球を与え、一死満塁。そして丸選手に2球目をいとも簡単に弾き返され、0vs6。



 この試合、強いて収穫があったとすれば、6回から8回を継いだ入江投手、平田投手が好調だったことです。特にイニング跨ぎだった入江投手は球に力があり、堂々としたピッチングでした。



 それと状元楼さんからいただいた美味しい中華のおつまみですね。



 一方で残念だったのが、21日の阪神戦では素晴らしい投球を見せた5番手の池谷投手。



9回二死までこぎつけてから四球を出し、岡本選手に本塁打を浴びてしまいました。



 9回裏、連続四球にエラーも絡んで2点を返しますが、相手方直江投手の独り相撲に過ぎず。打線の方は結局3安打と沈黙、零封を免れるのがやっとでした。

 同じ負けるにせよ、何となく一方的にやられて終わった、感じるもののない試合だったのが残念です。「横浜反撃」はおろか、トラがすぐ後ろに迫っています。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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2022年4月アクセスランキング

2022年05月01日 | 人気記事ランキング


 新年度が始まったと思ったら、あっという間の5月です。こちら横浜は、早くも梅雨のような天気が続いており、寒暖差も激しいです。皆様、体調管理に十分お気をつけの上、大型連休をお楽しみください。

 さて、2022年4月にアクセスの多かった記事、トップ10です。このランキングも今回で160回目を迎えました。単純に言って、13年3ヶ月ですね。

 3月後半から、たまりにたまっていた食べ歩き系の話題をようやく投稿できたため、4月は久しぶりに更新の多い月となりました。まず、定番記事の動向からです。

4位:「久村俊英さんの超能力を目撃してきました」(23ヶ月連続)
5位:「エコノミーとエコロジーの語源」(88ヶ月連続)
8位:「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」(7ヶ月連続)

 一つ訂正があります。「エコノミーとエコロジーの語源」は、2015年1月からずっとランクインしていますので、88ヶ月連続になります。

 個別記事で言えば、2位「身体から心を癒す、身体知の力―第136回YMS」と3位「第3回燮読書会に参加しました」はほぼ不動でした。特にYMSは大変興味深い内容だっただけに、多くの方にご覧いただけて良かったです。地味なお知らせながら、環境省のHPに弊社事業の事例が取りあげられた6位「"Sustainable Fashion"掲載のお知らせ」も多くのアクセスがありました。ありがとうございます。

 横浜の他にも東京、大阪、京都、姫路、金沢など津々浦々のお店を取りあげた食べ歩き系ですが、ランクインしたのは地元の2店でした(月の終わりにアップされたものはそれだけで不利ということもありますが)。

1 トップページ
2 身体から心を癒す、身体知の力―第136回YMS
3 第3回燮読書会に参加しました
4 久村俊英さんの超能力を目撃してきました
5 エコノミーとエコロジーの語源
6 "Sustainable Fashion"掲載のお知らせ
7 何度来ても馬の旨さに魅了されー熊本馬料理うまかつ②(吉田町)
8 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
9 初めての村田屋ーふぐ料理(野毛)
10 2022年3月アクセスランキング

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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