窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

一生に一度、歴史的快挙に立ち会ってーラグビーW杯2019、日本vsスコットランド

2019年10月14日 | スポーツ観戦記


  5、4、3、2…日産スタジアムを埋め尽くした67,666人の大観衆からカウントダウンの大合唱が始まりました。そして、試合終了を告げるドラと共に、ラックから出たボールを山中選手が外に蹴り出し…。



  28vs21。割れんばかりの大歓声、スコットランドの猛攻を見事に耐え抜き、日本は全勝でプールA1位、史上初のベスト8進出を果たしました。4年前の前回大会、強豪南アフリカを破り、プール戦で3勝を挙げながら勝ち点差で予選敗退。臥薪嘗胆、悲願の準々決勝進出が成し遂げられた瞬間でした。



  個人的には初めての日産スタジアム。収容人数72,327人を誇る日本最大級のスタジアムを赤白のレプリカジャージーを纏ったラグビーファンが埋め尽くす。26年前、旧国立競技場を埋め尽くした早明戦、いや、それ以上の壮観な眺めに心が震えました。「こんな時代が来たのだ」と。



  試合前、まず両軍整列し、前日首都圏を直撃した史上最大級の台風19号による被害に遭われた方に対し黙祷を捧げ、その後アンセム斉唱がありました。今大会、日本の観客が各国の国歌や応援歌を歌っている姿が話題となっていますが、これは元日本代表キャプテンの廣瀬俊朗さんが中心となって、歌を通じて大会を盛り上げ、交流を深めようという「スクラム・ユニゾン」というプロジェクトの果たした役割が大きいと思います。本当に素晴らしいアイデアだと思います。



  さて、試合は日本のキックオフで始まりました。通常、キックオフは地域を獲得すため敵陣深く蹴りこむことが多いのですが、田村選手は相手ディフェンスの前にボールを転がす、グラバーキック(ゴロパント)を選択しました。グレイグ・レイドロー(SH)、フィン・ラッセル(SO)、スチュアート・ホッグ(FB)ら強力なバックスを揃えるスコットランドを相手にするには、できるだけキックで相手にボールを渡さず、いかにポゼッションを多くできるかが重要と思っていたので、これは特に驚く選択ではありませんでした。むしろ前半の戦い方を明確に示したものと思います。

  この試合で4トライ以上のボーナスポイント付きで勝ち点5を挙げなければプール戦敗退が決まるスコットランド。当然ながら、序盤から目まぐるしい攻防が展開されました。特にブレイクダウンでは、これまでのサモアやアイルランドすらも上回るのではないかと思えるほどスコットランドが激しくファイト、被ターンオーバーはこの試合を通じて両軍合わせ27(日本14、スコットランド13)に上りました。



  先制はスコットランド。前半6分、グレイグ・レイドロー選手からのパスを受けたフィン・ラッセル選手が日本ディフェンスのギャップを突いて、ゴール右にトライ。レイドロー選手のゴールキックも決まり、0vs7。



  注目のファーストスクラム。この出来が試合の命運を左右すると言っても過言ではありません。そのスクラムで互角に以上に渡り合い、「いける!」という雰囲気が高まったと思います。



  日本は16分、ゴール正面でのペナルティ・キックを得ますが、失敗。確かに距離はあったものの、田村選手であれば十分決められるゴールと思いましたが、惜しくも距離が足りず。ゴールは正面だからこそ難しいとも言いますが、さすがの田村選手も少し固くなっていたのかもしれません。



  しかし18分、日本はハーフウェイライン付近の密集から流選手がラファエレ選手にパス。さらにスコットランド陣10mライン付近で福岡選手にボールが渡ると、俊足を飛ばしゲイン。最後は松島選手が、がら空きになったスペースを25mほど一気に駆け抜け、ゴール左側にトライ。相手ディフェンスを翻弄する見事なトライで、会場は大騒ぎ。



  田村選手のゴールキックも決まり、7vs7の同点。



  直後の21分、具選手が脇腹を痛めたのか、ヴァル・アサエリ愛選手と交替します。ビジョンに映し出された、ピッチを退く具選手の悔し涙に、チームは鼓舞されたことでしょう。我々観客も胸にこみあげるものがありました。非常に激しかったこの試合、リーチ選手や堀江選手なども痛んでいた様子でしたので、軽傷であることを祈っています。

  続いて26分、スコットランド陣22mライン付近から、松島選手、堀江選手、ムーア選手、トゥポウ選手とオフロードパスを繋ぎ、最後は稲垣選手が代表初となるトライをゴール下に決めます。再三タックルを受けても倒れない、見事な攻撃でした。世界トップクラスのタックルを受けても、容易には倒れない日本になったのです。



  ゴールも決まり、14vs7。日本が初めてリードします。



  前半38分、日本は40mほどのペナルティ・キックを得ます。しかし、これもわずかに距離が足りず失敗。



  しかし、直後の39分。日本はスコットランド陣10mライン付近の密集からパスを繋いで左に展開。ラファエレ選手からのキックパスを走りこんできた福岡選手が片手で抑え、トップスピードのままインゴール左隅にトライ。



  難しい角度でしたが、田村選手のゴールキックも決まり、21vs7。前半を2トライ、2ゴール差で折り返します。やはりキックで地域をとられると非常な脅威を感じるスコットランド。そういう点では、ノットリリースなど密集での反則も少なく、前半は理想的な展開、恐らくプラン通りの戦いができたのではないかと思います。



  後半、日本はボーナスポイントを獲得し、準々決勝進出に大きく前進する、あと1トライに注目が集まります。後半のキックオフは前半よりはやや深めでしたが、それでも相手にできるだけボールを渡さない方針に変わりはなく。

  後半早々、日本陣10mライン付近でのスコットランド・ボールのラインアウト。ラックからグラント・ギルクリスト選手がボールを出すと、スコットランドはパスを繋いで左に展開。しかし、スコットランド陣10mライン付近で福岡選手が相手ボールをジャッカルすると、そのまま40m近くを独走しゴール下にトライ。ゴールキックも決まり、28vs7。21点差、4トライ以上で与えられるボーナスポイントを獲得した日本は、このまま勝利すれば勝ち点19でプールA1位通過。試合の流れは完全に日本に移ったかに見えました。



  ところが、ここからティア1の意地とプライドを懸けたスコットランドの猛攻が始まります。後半9分、スコットランドはスクラムから日本陣インゴール前でひたすらフォワードをぶつけ、力技で迫ります。日本もよく耐えましたが、最後はネル選手がゴール左側に押し込んでトライ。



  レイドロー選手のゴールキックも決まり、28vs14。



  前半から消耗の激しい試合。日本は後半10分に流選手とトゥポウ選手に代わり、田中選手と山中選手を投入。さらに、12分にはムーア選手に代わり、ヘル選手を投入。

  一方のスコットランドも、12分に両プロップとフッカー、左ロックを入れ替えます。さらにはバックスのレイドロー選手とシーモア選手も交替。反撃に向け、大幅に元気な選手を投入します。

  これで勢いを増したか、スコットランドはさらにフォワードでごり押し。ティア1のプライドとも取れますし、固い日本のディフェンスを力でこじ開けようというようにも見えました。後半15分、日本陣22mライン付近まで攻め込んだスコットランドは、ジョニー・グレイ選手、スコット・カミングズ選手、再びグレイ選手とパスを繋ぐと、最後はザンダー・フェーガーソン選手がゴール右に持ち込んでトライ。全てフォワードの選手、濃紺のジャージーに身を包んだ巨漢が次々と突進してくる様は、まるで獲物に襲い掛かるシャチの群れのよう。まさに粉砕と呼ぶにふさわしい、迫力あるトライでした。



  ゴールキックも決まり、あっという間に7点差。まだ時間はたっぷり残されており、場内に危機感が走ります。仮に日本が逆転を許しても7点差以内であれば、既に獲得しているボーナスポイントと合わせ2点となり、勝ち点16で準々決勝進出が決まります。しかし、それすらも安心とは言い難い展開になってきました。



  スコットランドの猛攻は止まりません。後半22分、スコットランドがラインアウトからパスを繋ぎ、クリス・ハリス選手がゴール右に2点差に迫るトライを決めたかに見えました。しかし、これはその前のピート・ホーン選手のスローフォワードの判定に救われ、ノートライ。九死に一生を得ました。



  27分、ジェーミー・リッチー選手が倒れている田村選手を蹴ってしまい、田村選手がリッチー選手の胸を突いたことから、両軍がエキサイトする場面も。
 
  その後もスコットランドの猛攻は続き、試合時間のこりわずか3分となっても、スコットランドによる日本陣インゴール前でのモール、スクラムなどの攻撃が続きました。一方の日本も低いタックルやダブルタックルで必死の防戦。疲労のため少しフィットネスが落ちているように見えましたが、それでも相手を仰向けに倒し、土壇場でのゲインを許さないディフェンスは見事な集中力でした。刻々と迫る時間…。ついに39分、日本は相手ボールスクラムからのターンオーバー。これにより、ボールを保持したまま時間を使い、最後は山中選手が蹴りだしてノーサイド。28vs21、まさに死闘、歴史に残る名勝負ではなかったかと思います。



  試合が終われば、選手も観客も互いの健闘を讃え合う。ラグビー観戦における最も美しい光景の一つです。本当に互いに敬意を表するにふさわしい、素晴らしい試合でした。



  試合後、新横浜駅構内では、バッグパイプを演奏するスコットランドファンを囲んで、人だかりができていました。僕はスコッチウィスキーのファンであり、首都エディンバラは新婚旅行先に選んだ地。スコットランドには、個人的にも親しみがあります。

  過去、日本とスコットランドの対戦成績は、この試合の前までで1勝10敗でした。日本が最初で最後に勝ったのは、1989年5月28日のことです。ところがこの試合、スコットランドは主力の多くがニュージーランドへ遠征しており、スコットランドラグビー協会は今でもテストマッチとして認めていません。あれからちょうど30年、当時16歳だった僕は46歳になりました。そして、W杯という大舞台において今度こそ両軍本気でぶつかり合い掴み取った勝利。実に感慨深いものがあります。また、これにより日本は過去最高の世界ランク7位となりました。



  準々決勝へと駒を進めた日本は、10月20日(日)、世界ランク5位の南アフリカと対戦します。奇しくも、この日は1989年のスコットランド戦で主将を務めた、ミスター・ラグビー、故平尾誠二さんの命日でもあります。

  さらにもう一つ、世界のラグビー史に日本代表が1頁を刻むことを期待して。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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工ー本当に隠れている、新橋のビストロ風居酒屋

2019年10月12日 | 食べ歩きデータベース


  新橋駅から飲み屋街を突っ切り、マッカーサー通りとぶつかるところまできた小さなビル。よく目を凝らさなければ看板にも気づかない細い階段を地下に降り、扉を開けると…。まだ木曜日だというのに、まるで新橋のガード下のような雑踏と喧噪。この日、一緒に飲んだ後輩の紹介で、「工(たくみ)」という驚きの居酒屋と出会いました。



  店内は満員。隣の人とも肩を擦わせんばかり、カバンをどこに置けばよいのかも分からず、通路も半身にならなければ通れないほどの混雑ぶり。コンクリートむき出しの壁に、簡易なテーブルと椅子を並べただけのお店は、どう見ても千べろ居酒屋。思わず後輩に「どうやってここ見つけたの?」と聞いてしまったほどでした。

  しかし、このカオスな雰囲気とは裏腹に、後輩の知り合いでもあるオーナーの中安工さんは、フランスの三ツ星レストランのシェフとして腕を振るわれた方だそうです。何とお通しで出てきたのは、サクサクのなすのフリット。これでまず虜になりました。


 
  相性の良い、いぶりがっことクリームチーズ。



  サラダも素材にこだわっていることが一目、一口で分かります。



  刺身の盛り合わせは、タイ、かんばち、ヒラメ縁側の三種。これをそれぞれポン酢醤油、オリーブオイル&バルサミコ酢、青唐辛子醤油でいただきます。和風、フレンチといった既成概念に囚われない、自由さを感じます。



  田舎風パテ。この日のパテは何とヒグマ!生まれて初めて熊を食べました。普段僕が知っているパテよりも固く、しっかりとした噛み応えがありました。噛むほどに味が出て、美味しかったです。



  日本酒や焼酎もちゃんとあります。

 

  高級感すら感じさせる上質の焼き鳥、焼き豚は、せせり、レバー、砂肝、つくね、ホルモン。串物はぜひ食べていただきたいです。



  牛ほほの赤ワイン煮。本物のフレンチを新橋、しかも居酒屋値段でいただけるなんて。



  食べるも食べたり、飲むも飲んだりで、締めはさっぱりとした素麺。素麺というより氷見うどんのような細うどんに近い、つるりとした触感。赤ワイン煮の後に素麺、やはり楽しさ美味しさに国境なし。この自由さが何とも心地よかったです。

  後輩の記録によれば、3人で生ビール2杯ずつ、日本酒4合、ワイン2本。帰りは横浜を通り過ぎ、辻堂まで寝過ごすというおまけがつきました。



東京都港区新橋4丁目20−8 フジビル B1



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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鮨 こはだ ②ー横浜駅東口の本格江戸前鮨

2019年10月11日 | 食べ歩きデータベース


  中学・高校の同級生、誕生日も三日違いという、柳下君の「鮨 こはだ」、4年ぶりのブログ登場です。柳下君が以前に掲載したのを覚えていないというので…。

  この日、10月4日は家族で祝い事があったので、ぜひ柳下君のところでということでお邪魔したのです。先々代からの伝統、60年以上続く穴子のたれなどを受け継ぎ、白酢ではなく酒粕から作られる赤酢を使った、褐色のシャリの本格的な江戸前鮨。白酢にくらべ酸味が抑えられ、まろやかで、酢に含まれるアミノ酸から独特の旨味を感じます。それとふんわりと握られた食感とネタである魚の持つ甘みが組み合わさり、本当に美味しいです。友人に勧めてもいつも喜ばれています。

  前回は寿司屋なのに、フォトチャンネルに肝心の鮨がなかったので、今回こそは握りでまとめました。



  卒業してまもなく30年、また11月にこちらで同窓会があります。

鮨 こはだ

神奈川県横浜市西区高島2-10-7



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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「歩き遍路」の楽しみ-第113回YMS

2019年10月10日 | YMS情報


  四国八十八か所巡りのことを初めて知ったのはいつ頃だったでしょうか?はっきりとした記憶はありませんが、恐らく1993年、所属していた大学の映画サークルで、松山出身の先輩が作成した自主製作映画『八十八つ』を観たのが最初ではなかったかと思います。

  さて、10月9日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第113回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。今回のテーマは、過去112回のジャンルにはなかった、「歩き遍路」の楽しみ。過去23年で4度の八十八か所巡礼を成し遂げられ、YMSにも何度もお越しいただいている、串間洋さんよりお話しをいただきました。



  四国八十八か所巡礼とは、人間に88あるという煩悩を払うため、弘法大師にゆかりのある88か所の寺院を巡る旅のことです。「歩き遍路」、距離にして1,122㎞。お遍路はそもそも歩くものではないかと思っていたのですが、毎年20万人~30万人と言われる巡礼者のほとんどが今や車やバスでの移動だそうです。実際に歩いているのは1%程度なのだとか。

  歩き遍路は徳島県の一番札、霊山寺に始まり、高知、愛媛、香川と巡って、最後の八十八番札である大窪寺まで40日~50日かかるそうです。88か所を結ぶ道も一筋ではなく、地図や途中の標識が頼り(現在はスマホアプリもあるようですが、充電に難がありそうです)。言うまでもなく四国は山がちですから、標高910mに至る難所もあるようです。どう考えても一筋縄ではいかないことが分かります。また、現在は道が舗装されているのでと考えるところですが、舗装されていない山道も多く、逆に舗装道路はかえって足への負担が大きくなります。何より歩いている人がほとんどおらず、都会のように至る所に自動販売機やコンビニがあるという訳でもないので、水分補給のタイミングも重要なポイントになります。宿泊は、民宿、お寺の宿坊、はては野宿など。食事やトイレはもちろん、意外にも洗濯のための洗濯機確保が重要だそうです。

  お遍路は金剛杖を持って歩きます。金剛杖は弘法大師の化身としての役割があるとされ、弘法大師と共に歩くことになるので、これを「同行二人」と言います。弘法大師の化身ですから、粗末に扱ってはいけません。宿でも杖は床の間に置くそうです。また、愛媛県にある別格霊場8番札所、「十夜ヶ橋」は、弘法大師が橋の下で野宿をしたという「十夜ヶ橋伝説」が残っており、この橋の上では杖をついてはいけないとのこと。

  さて、札所(お寺)に到着したら、次のようなことをします。

① 手水(ちょうず)を使う
② 鐘をつく
③ 参拝
④ 写経奉納(納札で代用する場合も)
⑤ 読経(一番短いもので般若心経。諳んじていても必ず経本を読む)
⑥ 納経帳(御朱印帳のようなもの)に書いてもらう
⑦ 御影(仏様の肖像画)をもらう

  この他、お遍路の醍醐味として、地元の人との触れ合いがあるそうです。地方は車移動が主流のため、確かに道を歩いている人は少ないのですが、信仰の対象であるお遍路の巡礼者に対しては、「お接待」と呼ばれる沿道住民からの様々な支援があるそうです。その形は食べ物をふるまったり、宿を提供したりとっ様々ですが、必ず巡礼者に施しをしなければならないという決まりがあるわけではなく、あくまでその時々の巡礼者と住民との一期一会の交流であるようです。お接待は巡礼者に代理でお参りを託す「お布施」の意味合いがあるため、原則として断るべきではなく、有難く頂戴して納札を1枚差し上げるものだそうです。

  健康のため、精神修養のため、自分を見詰め直すため。お遍路に挑戦する動機には様々なものがあるようですが、串間さんは心身を本質的に変容させるというよりは、洗濯してきれいにする感じだとおしゃっていました。もちろん、中には劇的な覚醒をされた方もおられるかもしれません。お遍路に参加する人は西暦2000年頃をピークに減り続けているようですが、最近ではご多分に漏れず外国人が増えているようです。

  歩き遍路に適した季節はいつか?季節的に一番良いのは、別名「花遍路」とも呼ばれる春。しかし、一般に働いている人にとって3月や4月は休みの取りにくい季節でもあります。逆に夏は夏休みがあるので、休みは取りやすいですが、当然のことながら暑さが大敵。秋も季節は良いですが、四国なので台風に注意が必要です。冬は厳しそうですが、意外と快適だそう。ただし、前述のように標高の高いところも数か所あるので、注意が必要です。また、日が短い上、民宿も冬場は休業しているところも多いので、その点も注意が必要とのことでした。

  なお、八十八か所巡りを達成することを「結願(けちがん)」、88番札所の大窪寺から1番札所の霊山寺まで戻り、八十八か所を環状に結ぶことを「満願」というそうです。

  最後に、四国八十八か所のように、巡礼地を環状に結んだあり方は珍しく、一直線上に結んだ例としては、スペイン、サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路があるそうです。



  いつか自分も八十八か所巡りをすることになるのか?それは今のところ分かりませんが、こういう時でもなければ知る機会すらない、珍しいお話をたくさん伺うことができました。いつの日か、頭の片隅に残るこのお話が甦る時が来るかもしれません。

過去のセミナーレポートはこちら

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横須賀散歩-大衆酒場はしご

2019年10月09日 | 食べ歩きデータベース


  9月28日、仕事以外では滅多に行くことのない横須賀を散策してきました。


 
  横須賀中央駅を出発、初めに元祖フランスパンで有名な横須賀ベーカリーに立ち寄りました。

  お店の説明によると、1865年(慶應元年)にフランス人技師ヴェルニーと小栗上野介(忠順)が横須賀製鉄所を起工した際に、随行したパン職人がフランスパンを伝え、その技術を引き継いだ同店の創業者が昭和3年にお店を始めたそうです。

  しかし、上の写真の通り、こちらのフランスパンは表面が柔らかく、しかも丸い形をしています。今日われわれがフランスパンと言えば連想するバケットタイプとは異なりますが、こちらもお店の説明によると、バケットだと焼き上がりに時間がかかるため、丸い形にして時間を短縮したのと、後に本来のフランスパンにはないバターと砂糖を加えて、柔らかな食べやすいパンにしたためだそうです。そのため、どちらかというとコッペパンに近くなっています。



  つづいて本日の1軒目、大衆酒場ぎんじへ。商業港と軍港の違いはあれ、同じ港町の横浜・横須賀。居酒屋が軒を連ねる細い横丁の雰囲気が何とも風情と居心地の良さを感じさせます。

  ちょうどこの日は、ラグビーW杯予選で日本代表が世界ランク2位(9月28日時点)の強豪アイルランドを破るという快挙を成し遂げた日。これまたすっかり見なくなった、14インチのブラウン管テレビに必死で目を凝らしつつ、熱燗と美味しい一品料理で勝利を祝いました。



  中でもお目当ては、こちらの湯豆腐。グラフィックデザイナー、居酒屋探訪家の太田和彦氏が、「日本三大居酒屋湯豆腐」(残る二つは盛岡の「とらや」と伊勢の「一月屋」)と賞した一品。確かに、昆布出汁とたっぷり塗られた和辛子、それに鰹節の組み合わせが絶妙。何より、腹に染渡る温かさがたまらない。酒の肴に半丁といわず一丁でも余裕で行けてしまいそうです。



  いわし丸干し。大好きなのですが、この頃すっかり食べる機会が少なくなっていたので嬉しいです。わたの苦みと尻尾の塩気が何とも言えません。



  いわしフライにアジフライ。ソースなし、辛子だけで。ウスターソースびちゃびちゃも好きですが。



  二軒目は、大衆酒場忠孝へ。この時点では焼き鳥1本108円で食べられる人気の居酒屋。この日も運よく入れましたが、既に大賑わいでした。中でも美味しかったのは満州焼(上写真右)。名前の通り羊肉串ですが、和風のたれで味付けしてあります。本当は臭みのある方が好きですが、柔らかく臭みのない味。



  ネギ間に手羽先。



  その後、臨海公園方面に通称どぶ板通りを散策。雰囲気が沖縄に似ています。途中、ぶらりとパブに立ち寄り、ベルギーの「ニンジャ・ラガー」を。永島農園さんのきくらげ狩りの時に飲んだ、「釜利谷しいたけエール」に味が似ていました。そういえば、あれも横須賀ビールさんが作っていたのでしたね。

  最後は、停泊中のヘリコプター搭載護衛艦いずも(冒頭写真)を遠目に眺めつつ、横須賀駅から帰りました。

横須賀ベーカリー



神奈川県横須賀市若松町3-11



大衆酒場ぎんじ



神奈川県横須賀市若松町1-12



大衆酒場忠孝



神奈川県横須賀市若松町3-12



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2019年8月アクセスランキング

2019年10月02日 | 人気記事ランキング


  朝の空気に秋らしい涼しさを感じる季節となりました。個人的にはラグビーW杯に夢中になっている間に9月が去ってしまった感覚です。皆様はいかがお過ごしでしょうか?

  冒頭の写真は、ハロウィンに因んだ昨年の一人仮装。今年もそろそろ考えねばなりません。

  さて、2019年8月にアクセスの多かった記事、トップ10です。

  個別記事としては、「エコノミーとエコロジーの語源」が5ヶ月連続のトップ。ランクインも29カ月連続です。5位「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」(8ヶ月連続)、7位「『上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会』に参加してきました」(4ヶ月連続)、常連は8月も健在でした。

  その他では、「永島農園」さんのきくらげ狩り(3位)に多くのアクセスが集まりました。6位の野球観戦の話題がランクインするのは珍しいことです。7月に行われた弊社の恒例行事「キックオフミーティング」の話題が前月に続きランクインしました(9位)。

1 トップページ
2 エコノミーとエコロジーの語源
3 国産キクラゲ狩り&アヒージョBBQの会
4 交渉分析-交渉の科学と技芸
5 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
6 チャンスの神は前髪しかない-日本プロ野球2019 横浜vsヤクルト18回戦
7 「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました
8 おうちワインと言ったって、なかなか-第111回YMS
9 創業85周年の集い-キックオフミーティング2019
10 カテゴリー(リサイクル(しごと)の話)

  弊社は今月より下半期となります。引き続きよろしくお願い申し上げます。

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