6月19日、交流戦も終盤を迎えました。交流戦が始まってからの15年間、横浜は12球団最低勝率と常に苦手としてきましたが、今年はむしろ交流戦に入ってから徐々にチーム状態を上げてきました。この試合前まで交流戦7勝5敗、リーグ戦としても最大11あった借金を4まで減らしてきました。
前日は、新潟県で震度6強という強い地震が発生しました。被害に遭われた皆様には、心よりお見舞い申し上げます。横浜の先発は、その新潟県、日本文理高校出身の飯塚投手。新潟のためにもぜひ良い投球をして欲しいところです。実際、近藤選手に安打を許したものの、直球が走り上々の立ち上がりを見せました。
一方、日本ハムの先発は加藤投手。
試合は初回から動きます。先制したのは横浜。この日先発出場の二番桑原選手が、打った瞬間にそれと分かるレフトへの本塁打を放ちます。打席に入る前の声援の大きさに、桑原選手の復調を待ち望むファンの気持ちが現われていました。
続く2回裏には、16日のソフトバンク戦で右手甲に死球を受け、昨日の試合を欠場した宮崎選手が左中間に本塁打を放ちます。調子を上げつつあった中での死球で心配されましたが、それを払拭する完璧な一打でした。
さらに4回裏には、一死三塁・一塁から、ライトへの犠牲フライ。追加点の欲しかった場面で、最低限の役割を果たしてくれました。
4回まで好投を見せていた飯塚投手でしたが、5回表、先頭の清水選手は三塁悪送球となりますが、空中で補給した一塁手ロペス選手が走者清水選手にタッチしてアウト。栗山監督からのリクエストでビデオ判定となりましたが、覆らず。ところが、飯塚投手は続く8番の石井選手に4球続けての四球を与えてしまいます。
すると栗山監督は3失点とはいえ決して悪い内容ではなかった加藤投手に代え、清宮選手を代打に送り勝負を賭けます。その清宮選手は初球を振り抜き、ライト線際深くに落ちる強烈な二塁打を放ちます。これで試合は急転直下。
一番に返って西川選手は、一塁手ロペス選手の脇を抜く、ライト線ギリギリの三塁打。こちらからはファウルに見えましたが、ラミレス監督からのチャレンジはありませんでした。
横浜も飯塚投手を諦め、二番手藤岡投手に交代。しかし、準備不足だったのか、藤岡投手はいきなりの暴投。これで3vs3の同点。試合は振出しに戻り、かつ流れはファイターズに。
大田選手は倒れますが、次の近藤選手が右中間を抜く二塁打。
さらに中田選手はセンター前に落ちるタイムリーヒット。ついに日本ハムが逆転します。
流れを止められない藤岡投手は、王選手にも四球を与えたところで降板。三番手赤間投手が登板し、何とか最小点差で食い止めます。
5回裏。日本ハムも二番手玉井投手が登板。
横浜は下位打線ながら伊藤選手がライト前ヒットで出塁。
しかし、代打楠本選手がセカンドゴロで二塁アウト(一塁残り)。続く神里選手も倒れ(神里選手、最近調子を落としているのが気になります)二死。そこから桑原選手が二遊間をしぶとく抜いて出塁します。二死二塁・一塁。
日本ハムは玉井投手から三番手井口投手に交代。横浜はこのチャンスに、ソト選手が平凡なセンターフライを打ち上げてしまいます。
天を仰いだソト選手。ところがフライが高く上がったのが幸いしました。この時、横浜スタジアムの上空はセンター方向に強い風が吹いており、打球はぐんぐん伸びて何とバックスクリーンに飛び込む逆転3ランとなってしまいました。全くツイていたとしか言いようがありません。何はともあれ、逆転された直後に再逆転、流れを引き戻します。4vs6。
6回表。横浜は四番手の石田投手が登板。下位打線とはいえ、石田投手は日本ハム打線を三者三振に切って取り、試合は完全に横浜ペースになったかに思えました。
ところが、イニング跨ぎとなった7回表。先頭の西川選手、大田選手にヒットを許すと、近藤選手、中田選手は三振に討ち取ったものの、この試合二打席凡退していた王柏融選手にレフトへの二塁打を浴びてしまいます。
ここで横浜は五番手三嶋投手が登板。渡邉選手を討ち取って凌ぎます。
8回表。横浜は今シーズンいまいち不安定なパットン投手が六番手で上がります。無難に二死までこぎつけたものの、
プロ18年目の大ベテラン、代打田中選手に三塁打を浴び、
続く西川選手にもタイムリーヒットを浴びて再び同点とされてしまいます。ここまで来て、横浜は非常に嫌な雰囲気。
怒りのビールも積みあがります。
日本ハムは8回裏、ロドリゲス投手が登板。横浜は二番からの好打順でしたが、あえなく三者凡退。
この嫌なムードを振り払ったのが、最終回に登板した元日本ハムのエスコバー投手でした。この日も左腕にもかかわらず球速160㎞を記録するなど、150㎞台後半の速球を連発。先頭の近藤選手に四球、続く中田選手にヒットとピンチを迎えましたが、しっかりと後続を断ちました。
9回裏、日本ハムは石川投手が登板します。
すると先頭のロペス選手がレフト前ヒットで出塁。代走乙坂選手、続く宮崎選手はピッチャーゴロに倒れるも、一死二塁のチャンスを作ります。
ここでラミレス監督は、ここまで三打席凡退の大和選手に代打を送らず、そのまま打席に立たせます。その大和選手、初球の真ん中低めに甘く入ったカーブを見事に捉え、打球は横浜ファンの期待をのせて左中間を割りました。見事なサヨナラ二塁打に沸き返る、今年最多32,148人の横浜スタジアム。
これで横浜はロッテ、西武、日ハムとカード勝ち越しを決め、交流戦8勝5敗。何と交流戦首位のソフトバンクに0.5ゲーム差に迫る四位で、初の交流戦優勝の可能性も浮上しました。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした