窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

藺草の小銭入れ

2008年03月27日 | その他


横浜リサイクル事業協同組合さんからのいただきものですが、畳表で作った小銭入れです。僕はこれを名刺入れとして使っています。新しいうちは藺草のいい香りが名刺にもうつりますし、お客さんから名刺をいただいた際もこうして置くと名刺がお座敷に座っているようです。仕事中も時々匂いを嗅いではリラックス...。



 この小銭入れは相模原市の砂川畳店さんに作っていただいたものです。砂川畳店さんとは直接の面識はないのですが、HPを拝見するとお仕事へ誇りや情熱が非常に伝わってきます。ただこの小銭入れはまだ注文品の段階のようで、HP上のオンラインショップでは販売されていません。

砂川畳店さんのHP
http://www.sunagawa-tatami.jp/

畳に関するさまざまな情報が掲載されています。

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CSR・環境ビジネスセミナー

2008年03月20日 | リサイクル(しごと)の話
 3月19日、神奈川県中小企業団体連合会主催の「CSR・環境ビジネスセミナー」にパネラーとして出席しました。CSRと環境をテーマにしたディスカッションでしたが、同じくパネラーとして参加された企業、組合さんが非常に面白く有意義な時間を過ごすことができました。

 神奈川県相模原市にある、ビルの清掃・設備管理・環境衛生を一手に手掛ける「さがみビルメンテナンス協同組合」の鈴木正博理事長。2003年、ビルメンテナンスの組合としては初のISO14001を取得(因みに組合の全構成企業を含めての取得は全国初)した他、毎年環境報告書を作成することで水質汚濁とは切っても切り離せない運命にある清掃事業にあって環境対策への意識向上と情報公開を積極的に行なっていらっしゃいます。

 そればかりでなく清掃・設備管理という事業の性質そのものを活用し、地元桜祭りの「空き缶清掃キャンペーン」や中学生の就業体験受入れ、マンション管理者として高齢者の就業訓練を行なうなど地域貢献にも大変積極的です。鈴木理事長は思いのたけを非常に情熱的な語り口で述べられる方で、その「想い」が組合員企業をまとめこれだけ幅広い活動を実現させている原動力ではないかと感じました。

 もう一方は愛媛県今治市にある「池内タオル」の池内計司社長。デザイナーズブランドの下請け生産からの脱却を図るため1999年「環境」をテーマにした独自ブランドIKTを構築。 「最初の品質が長続きする商品が環境にもっとも優しい」という信念の下、10回洗濯しても最初の風合いが変わらないというだけでなく、

・原料・糸に使用する綿は枯葉剤を使用しない全てオーガニックコットン
・染料は乳幼児が口にしても安全なもの
・織機の動力を風力発電で賄う(ということで「風で織るタオル」と呼ばれているそうです)
・最終仕上げは石鎚山系の地下水を使用
・廃水はCOD12ppm以下

等々 、人と環境への安全に対しては妥協を許さぬ徹底した拘りぶりです。また、太さの異なる糸、モーダルやポリエステルなど綿以外の素材を組み合わせることで、染色の微妙な違いによる独特のグラデーション(地元の来島海峡をイメージしているそうです)と”Miracle Softness”と形容される風合い感で次第に人気を呼び、2002年のNYホームテキスタイルショーで日本企業として初の"Best New Product Award"を受賞。

 池内社長曰く「環境=品質であるというストーリーが重要」とのことで、その信念が共感を呼び、差別化の難しくコモディティ化したタオルという商品にあって多くの熱いファンを獲得するに至ったのであろうと思います。何でも、取引先倒産の煽りで自らも民事再生を申請する事態に陥った危急存亡の折、消費者から自発的に「がんばれ池内タオル」というファンサイトが立ち上がり、会社に「私が何枚買えば池内タオルを救えますか」との問い合わせが寄せられたとか。 そこまで愛される企業が果たしてどれだけあるでしょうか。機会があれば是非四国にお邪魔して改めてじっくりお話を伺いたいと思います。

 ここにあげた「さがみビルメンテナンス協同組合」さんにせよ、「池内タオル株式会社」さんにせよ、パネルディスカッションの中で感じたのは”Profit”よりも”Value”に生きる強い姿勢、それによってブレない企業行動を作り上げているという点です。また、自らの事業が持つ「公共性」を驚くほど深く認識しそれによってできることを徹底して行なう。この姿勢は同様に「公共性」を強く持つ我々再生資源業界にとって大いに参考になります。3時間半に及んだディスカッションが時間の経過を感じさせないほど多くを吸収できた一日でした。

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八丁堀のワインバー Maru

2008年03月20日 | 食べ歩きデータベース
一週間くらい前になりますが、八丁堀にあるMaruというワイン&ダイニングバーに行ってきました。八丁堀駅を出てすぐ目の前にある「宮田屋」さんというディスカウントのリカーショップが小売店舗に併設して運営しており、1階が店舗とスタンドバー(立ち飲み)、2階と3階がテーブル席になっています。各階には酒屋店舗そのままといった感じのワイン棚が並び、そこから気に入ったワインを自分で選んで飲むことができます。しかも、価格が店頭価格とそんなに変わらないのではないかと思わせるほど手頃で、平日から溢れんばかりのお客さんで賑わっているのも宜なるかなという気がします。

 食事も地中海風のメニューが充実しており、特に築地が近いこともあってかその日に揚がってきた新鮮なシーフードには星印がついています(この日はオマール海老や牡蠣でした)のでお勧めです。お出かけの際は事前に予約しておいた方が良いでしょう。八丁堀というと「京葉線=遠い」というイメージがあった僕ですが、霞ヶ関から日比谷線ですぐだということも分かったので、是非また行ってみたいと思います。

Maru
東京都中央区八丁堀3-22-10


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「リサイクル」は免罪符か?

2008年03月20日 | リサイクル(しごと)の話
先日たまたま映っていたテレビで、芸人さんの持っている洋服を周りの出演者が批評し、これは駄目というものはポリバケツに放り込むというバラエティ番組が目に止まりました。古着のリサイクルに携わっている者としては見ていてあまり気分の良いものではありませんでしたが、ポリバケツに放り込んだ洋服は「リサイクル」と表示されていたところを見ると制作側にも幾許かの贖罪意識があったということでしょうか。

 ふと思いましたのは、「リサイクル」するのであれば洋服をポリバケツに放り込むという行為も果たして善行に変わるのか、ということです。人の行いは結果と同時にその動機も大切だと思います。当社にも毎日沢山の古着が送られてきますが、丁寧に箱詰めされている上に、その洋服にまつわる思いの丈をつづったお手紙を同封してくださる方は決して珍しくありません。そういう方々が思い出の詰まった洋服を断腸の思いでリサイクルに出されるという気持ちと洋服がダサいという理由でいとも簡単にゴミ箱に放り込める、またその様子をみて笑えるという感覚が結果「リサイクル」するのだから同じであると言えるでしょうか。

 同じテレビ番組でも数年前、当社のリサイクルが取り上げられた時に、番組に出演していた有名な俳優さんが後日「自分の衣装を捨てるに忍びないので是非リサイクルして欲しい」ということで実に丁寧に梱包された箱を送られてきたことがありました。
 その方は芸能界でも恐らく尊敬を集めているベテランの俳優さんだと思いますが、そうした行いが立派だと思えるのはやはり「リサイクル」に出したという結果ではなく、その動機ゆえなのです。

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ISO14001の定期監査がありました

2008年03月05日 | リサイクル(しごと)の話
 3月3日から3日にわたりISO14001の定期審査がありました。書類の審査と現場の審査を行い、どうやら無事に終えることができました。
 決算月に審査が重なるのは大変であることに間違いはないのですが、年に一度はこうして外部から審査が入り、EMSをより実用的なものに改善していくというのも会社としてはよい刺激かもしれません。いずれにしてもまだ認証取得して1年、システムが自分のものとして血肉化していくのはまだこれからです。

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中竹竜二監督2

2008年03月02日 | レビュー(本・映画等)
  今年の冬はどうにか風邪を引かずにすんだかなと思っていた矢先、先週の土曜日から一週間風邪を引いてしまいました。昨日太極拳に行き体調を整えたので、今日からは大丈夫だと思います。

  昨日はラグビー日本選手権の2回戦。第一試合の近鉄も健闘を見せましたが、早稲田もよくやったと思います。47対24と点差こそつきましたが、今シーズンのトップリーグは上位4チームが最後まで高いレベルで鎬を削っていたので社会人と学生の力量差はかなりあると見ていました。そういう中では最後まで今年のチームらしさ、部分的には十分トップ4にも通用するところを見させてもらえたので、本当に素晴らしい試合でした。それに何より3月までアカクロを見られた今シーズンは、学生の皆さんは大変だったでしょうが見物するだけの僕としてはラッキーな1年でした。

  中竹監督の言う「フォロワーシップが機能する組織」ということで言えば、五郎丸選手のような精神面においてもプレーにおいてもチームの支柱となった存在が抜ける来シーズンはさらに真価の問われるシーズになるであろうと思います。

  先週25日はその中竹監督の『監督に期待するな 早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利』が発売された日で、早速購入しました。あっという間に読めてしまう本なので、3回位繰り返して読みました。清宮前監督と対照的にマスコミへの露出も少なく、これまでたまに雑誌や書籍に寄稿される記事を除いて中竹監督の考えについて触れられる機会がなかったので、『オールアウト』から10年、主将だった時代から12年を経て中竹監督の考えにどういう変化が見られるのか、発売をずっと楽しみにしていました。

  結論から言うと、監督の基本的な考え方は『オールアウト』の時と基本的に変わっていないような気がします。恐らく現在の考えの基本形は主将になる以前から形成されていて、中竹組での実践やその後10年にわたるラグビー以外の世界での経験が付与されて今日の形になっているのではと勝手に想像しています。この本は「フォロワーシップの勝利」となっていますが、「フォロワーシップが機能する組織を作るためのリーダーシップのあり方」について早稲田の監督を務めたこの2年間を通して語っています。以前も述べたとおり、僕も感覚的には「フォロワーシップが機能する組織」というものを理想としているのですが、現実にはフォロワーを育てるために必要なリーダーとしての態度が不十分で、それ故に監督のこの2年間選手たちに対しどのように接してきたのか特に興味がありました。

・自分で考えようとしない(リーダーが与えてくれるのを待っている)
・自分の強みが分からない
・コミュニケーションが苦手(人に何か言われると被害者意識をもつ)
・自分のパフォーマンスではなく他人の失敗との比較で自分を評価してもらおうとする

  本の中では結構多くの企業で悩みとして抱えていそうな組織の問題点が次々と列挙されます。このような状態からフォロワーシップ、つまりリーダーが不在でも組織の構成員(フォロワー)が互いにリーダーシップを発揮すること、によって環境に適応できる組織を作るためにリーダーは何から始めるべきか。「情熱」、なかったら全ての話が不毛になってしまうのでこれはリーダーである以上所与としましょう。情熱の次に重要なのは、中竹監督が恐らく資質として備えているが故にあまり強調されていませんが、できていない僕から見ると何より「話を聞く態度」だと思います。さらに考えられる人を育てるために直ぐ先走って答えを言わない忍耐力をどれだけ持てるか。本文中にもある通り、「考える習慣のない学生たちが、自分たちで考えられるチームを作るには時間がかかりすぎる」、最初のシーズンの失敗はそれでもその年の内に結果を出さなければいけないという矛盾によるものだと思うのですが、そうでないならば時間のかかる作業であることを自覚して我慢することがリーダーに求められます。

  その前提に立って、第3に重要なのはリーダーもフォロワーも万能でなく、万能である必要もないことを自覚すること。様々な分野でリーダーシップの類型が試みられてきましたが、結局理想のリーダーシップというものが見つからないのは現実に万能なリーダーシップなどあり得ないということに他なりませんし、だからこそフォロワーシップが重要になってくるのだと思います。同様にフォロワーにも万能を求めてはいけない、その代わり個々の強みを生かした「スタイル」の確立が重要なのだと本文では述べています。その際に注意しなければならないのは、現実を直視し法外な理想を追いかけないことだそうです。

  フォロワー個々のスタイルを確立するための第一歩として各自に自分の強み(できれば弱みも)を考えさせる。ところがまず自分の長所を見つけ出すことが意外とできない。リーダーとしてはここでどれだけ忍耐強く考えさせられるかが大切でしょう。思わずアドバイスをしたくなりますが、それでは自分で考えるフォロワーが育たないと肝に銘じたいと思います。強みがまとまってきたなら、その強みを生かした独自のスタイルを考えさせる。それら個々のスタイルを組織として機能させるにはコミュニケーションが欠かせませんが、コミュニケーションが苦手というのは中々厄介です。リーダーとしては目的がブレないようにだけ気をつけて、これもコミュニケーションの繰り返しの中でコミュニケーションを育むしかないように思います。

  その他評価基準を明確にすること、リーダーのフォロワーだけでなく、そのフォロワーにもフォロワーがいて組織を構成するわけなのでフォロワーとしてケアするのは特定の幹部や幹部候補だけでなく全員でなければならないということ。この辺は『オールアウト』の中でも既に述べられています。できそうでなかなか手が回らないのが通常の組織の現実だと思うのですが、これができる中竹監督の手腕はやはり凄いものだと思います。

  最後にジャストとフェアーについても心に残りました。ジャストとはルールで正しい、正しくないということ、フェアーはその場にいる人間の行動がきれいか汚いかを指す、と本文では定義されていますが、これを企業に当てはめて言うならジャストはいわゆるコンプライアンスの問題、フェアーは社会道徳や企業の持つ理念や価値観と言えるでしょう。ジャストはどんな企業でもある程度明確になっていると思いますし、フェアーもあるとは思いますが、フェアーの方は漠然としがちなので、これをもっと組織が活動する動機として活かせるよう掘り下げていく必要があるように感じました。

  あくまで私事に準えての感想でほとんど自分に話しかけているようなものなのですが、結局フォロワーシップを発揮できる組織を作れるリーダーとしての資質の部分で自分にはこれだけ欠けている要素がある、本書から学べたのはまさにこの点において再認識したことです。これまで生きてきた迫力からして違うのでしょうが、改めてとても同い年とは思えない人です。

監督に期待するな 早稲田ラグビー「フォロワーシップ」の勝利
中竹 竜二
講談社

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