窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

三橋貴明さん

2008年11月28日 | 講演メモ
 先日縁あって中小企業診断士兼作家の三橋貴明さんとお会いする機会がありました。この日は数人で呑みながら主に経済談義に花を咲かせていたのですが(僕は難しいことが分からないので専ら聞き役)、「何とまあ頭の良い人だろう」というのが僕の三橋さんに対する印象です。凄い人でした。

 どう凄いのかと言われても説明するのが難しいのですが、ウィットに富んだ語り口もさることながら、現象をあるがままに捉えて冷静に分析する姿勢には舌を巻きました。例えば現実に起きた経済現象が経済学における通説と異なっていた場合(ままあることなのですが)、なまじ知識があるためにそれがバイアスとなり通説に現象を無理やり当てはめて考えようとしがちですが、三橋さんのお話はそういうところが全く見られません。通説で現実が説明できなければ通説の方が間違っているのではないか、という当たり前の様に思えるけれどもなかなかできない思考態度に感心させられました。

 お会いしたあと三橋さんの御著書『ドル崩壊』を拝読しましたが、今回のサブプライム問題(この10年で起きた世界金融の問題)の構造が素人にも分かりやすく書かれています。この本が出版されたのは2008年9月であるにもかかわらず、御著書の中でも既に表面化していた数字や断片的な情報を具に分析して現在大騒ぎになっている諸問題を見事に予言しています。

ドル崩壊!
三橋 貴明
彩図社

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渡邉美樹さん

2008年11月26日 | 講演メモ
  今日はワタミ株式会社社長、渡邉美樹さんのお話を聴く機会がありました。軽妙洒脱な話術、しかし体の中から迸るような情熱に1時間45分という時間があっという間に過ぎてゆきました。

  既によく知られた話だとは思うのですが、渡邉さんは10歳の夏に母親を亡くし、ついで秋には父親の経営していた会社が清算され、それは赤貧を極めたそうですが、その時将来社長になることを決意したのだそうです。32歳で「和民」を立ち上げ、以来「世界中のありがとうを集めたい」ということで外食産業から学園事業、介護事業、農業、発展途上国の学校設立支援、孤児院経営など幅広く活躍しておられます。

  この日は前半を前述のカンボジアにおける学校設立支援から孤児院運営い至るまでのお話をDVDを交えながらいただき、後半は「百年先を見据えて私の経営」と題して事業を行う根本の心構えやビジョンの描き方などをお話いただきました。ここでは講演の中でいくつか心に残ったことを4つのテーマに分類してご紹介したいと思います。

1.生きる姿勢について

・「いかなることもカラーで描けるほどはっきりとイメージし、それを自分の潜在意識に叩き込む」
・「仕事においては100年先であっても価値を持ち続けているもの、影響を及ぼしているものだけが本物。本物を追究する」
・「同様に個人の人生においては自分の葬式から逆算する。葬式のとき参列者の記憶に残る自分とはどういうものか」

2.理念について

・「らしさ」が全ての価値の基準
・「俺が俺であることは俺が吸っている空気よりも大切」(誰かの言葉らしいです)
・「ワタミらしさ」を考えるためのエリアマネージャーミーティングを3ヶ月に1回行う
・「理念を社員が自分のものにしたとき、理念は本物になる」

3.仕事の原則について

・「経営はできないことをできるようにすれば当たる」
・「方法は無限大、あきらめない」
・「心から好きで仕事をする」

4.リーダーについて
・「会社は(大小にかかわらず)99%トップで決まる」
・「悪いオーケストラなどない、悪い指揮者がいるだけだ」(マーラーという指揮者の言葉らしいです)

  目の前のつまらないことにとらわれず、文字通り100年のスパンで価値あると信じるものを徹底して追求する。「徹底」というところが要諦でしょう。機会があればご紹介したいと思いますが、以前お話を聴いた塩沼亮潤さんと雰囲気は全然違うものの共通するものを感じます。聴いている僕も影響されて情熱が湧きおこる、そんなお話でした。

渡邉美樹のシゴト進化論
渡邉 美樹
日経BP社

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早慶戦 2008

2008年11月24日 | スポーツ観戦記


  秩父宮ラグビー場での生観戦は2年振り、大学ラグビーは実に93年の早明戦以来15年振りになりますが、昨日11月23日伝統の早慶戦に行ってきました。これ以上はないという日本晴れのラグビー日和、バックスタンドは始終日がさしてむしろ暑いくらい。この季節にビールを飲みながら観戦できるとは思いませんでした。

  試合は前半慶応大学のディフェンスが健闘し、11対10慶応リードで折り返しました。後半も60分頃まで17対17と伯仲していたのですが(というより早稲田が攻めきれない、苛立ちの募る展開でした)、最後の20分、田中選手が俊足をいかんなく発揮した40m独走トライを決めた後は早稲田ペースとなり最後はようやくいつもの10番、11番コンビが機能して34対17で早稲田勝利という結果に終わりました。しかしスコア以上に両者均衡した試合だったという印象です。



  特に田中選手の3トライが際立ちましたが、昨日の試合はどちらかというと今シーズン控えめな印象のある(あくまで僕の主観ですが)田中選手、長尾選手、有田選手の活躍が目立ちました。これは今後に向けて大きな収穫だったと思います。欲を言えば豊田選手、キャプテンという重責があるとは思うのですが、もう少し彼らしい積極的なプレーが見られればと思います。また昨日はディフェンスの甘さやキャッチングのミス、反則の多さが目立ち、今後帝京大学だけでなく東海大学や関東学院大学、法政大学などの強豪と大学選手権で対戦するにあたり不安要素も残りました。しかしきっと修正してきてくれるものと思います。



  試合が終わった後は縁あって慶応ラグビー部OBの打ち上げ会に参加させていただきました。87年大学日本一当時のOBの方がいらして、貴重なお話をたくさんいただきました。ノーサイドの精神はいいですね。



  さらには今回早慶戦に誘っていただいた方から中竹竜二監督のサイン入り本、このブログでも以前ご紹介した『監督に期待するな』までいただきました。本当に至れり尽くせりの一日でした。

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薬膳・漢方料理 10-ZEN

2008年11月22日 | 食べ歩きデータベース


 品川にある「美と健康」をコンセプトにした薬膳・漢方料理のお店、「10-ZEN」に行ってきました。中医学の考え方をベースした体に良い料理やお酒、お茶などが豊富にそろっています。

 今回頼んだのはお店で一番人気という「毒素排出鍋」。烏骨鶏をベースにトウキ、ウコン、ナツメ、クコなど数十種類の生薬が溶け込んだ2種類のスープに、紫野菜やキノコ類、好みで選んだ豚、鶏、魚などを入れた鍋で、片方の辛口スープで新陳代謝を促進、体に溜まった毒素を排出し、もう一方の辛くないスープで滋養強壮する効果があるそうです。辛口の方は例えていうなら「辛さのないカレー粉」、辛くない方は多分そちらにアンコウを集中して入れてしまったためだと思うのですが、魚をベースにしたスープという味でした。

 実際普段新陳代謝が悪く疲れやすい体質の僕は、週末でしかもこのところ仕事で呑み続きだったこともあり、ちょうど毒素でいっぱいの状態。果たしてそんな状態で「毒素排出鍋」を試した効果はといいますと、しばらくして体が非常に温かくなり(鍋を食べて一時的に熱くなったというよりは、体が中から温まってそれが持続する感じです)、一晩経った今日もいつもの週末とは思えないすっきりと体が軽い感じがします。この辺は実際にこの鍋を試した多くの知人が同じような感想を持っていますので、ぜひお疲れの方はお試しになってはいかがかと思います。

 この他、人気メニューとしてはスッポンのコラーゲンを豊富に摂取できる「美肌鍋」や「薬膳ちゃんこ」などがあるそうです。ドリンクも生薬を溶け込ませたワインやサワーが豊富にそろっており、またお酒の飲めない方には薬草茶があります。



 鍋のほかに珍しいものを試しました。それが上の写真、「まむしの骨干し 姿揚げ」です。蝮の骨(ただし顔が残っています)は油を通すと軟らかくなるので、揚げながら写真の通り今にも飛び掛ってきそうな姿に整形するのだそうです。血行を促進する効果があるのだとか。言われてみれば背骨あたりの緊張がほぐれたような気がしないでもありません。それにしてもこの姿、去年安土城で蝮を危うく踏みそうになった時を思い出しました。

 前回の「新月」につづき、これからの季節に嬉しい鍋のお店のご紹介でした。

10-ZEN

〒108-0074 東京都港区高輪3-25-29
漢方ミュージアム内


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ちゃんこ鍋 新月

2008年11月21日 | 食べ歩きデータベース
 昨年の冬は行こうと思っている間に結局行かずじまい、2年ぶりにちゃんこ鍋の「新月」に行ってきました。久しぶりだったにも関わらずお店のおじさんが覚えていてくれたのは嬉しかったです。

 鶏ガラと恐らく野菜をベースにしたスープにすりゴマが絶妙なバランスをみせるちゃんこ鍋。店に食事のメニューはこれしかありません。でもその一つしかない鍋が恋しくて来てしまうんですよね。急速に寒くなってきたこれからの時期にぴったり、とてもお勧めの店です。

 店内はちゃんこ鍋屋というより以前イタリアンだったのを改装したんじゃないかと思わせる雰囲気で、そこにまた(失礼なんですが)ちょっと不器用そうなおじさんがお世話してくれます。この何ともいえないミスマッチ加減が逆に味になっているのではないかと思います。

 ドリンクはワインや日本酒もあります、ワインは合うと思います。唯一難点を言えば、L.O.が22時と早いことですね。僕は友人と呑む時いつもスタートが遅いので「新月」に行きたくても行けないときがままあります。

ちゃんこ鍋 新月

〒105-0003
東京都港区西新橋2-13-16 多田ビル B1
TEL:03-3501-0753


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Johnnie Walker 1820

2008年11月21日 | BAR&WHISKY etc.

 銘柄にジョニーウォーカーの創業年である1820を冠したスペシャルブレンド。スモーキーで余韻が長く、この日はソーダ割にしてみましたが良く合いました。

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アンサンセ

2008年11月15日 | 食べ歩きデータベース
  先日久しぶりに横浜駅西口にあるワインバー&レストラン、「アンサンセ」に行ってきました。こちらは僕も以前通っていたことのあるマックスワインサロンの元講師である前根さんがオーナーソムリエ、江原さんがソムリエを務めており、フランスワインと絶妙のマリアージュをみせる料理が素晴らしいお店です。ワインも料理も両ソムリエが丁寧に説明してくれるのでワインというとちょっと敷居の高さを感じる方でも安心です。とてもお勧めのお店なのでご紹介します。

http://www.linsense.com/l'insense/index_top.htm



 まずは食前酒としてシャンパンからです。リシャール・シュルランのシャンパーニュ・ブリュット・カルト・ノワール、ピノ・ノワール70%、シャルドネ30%。辛口ですっきりとした口当たり、とても飲みやすいです。



 選んだワインはサンテミリョンのシャトー・オー・セゴットとトゥーレーヌのキュベ・シナブル。前者は華やかで果実味があり、滑らかでタンニンも感じられるバランスの良いワイン、後者は同じく果実味がありながら特に樽由来のスパイシーさを強く感じるワインでした。特にキュベ・シナブルはこのスパイシーさが後でご紹介するフレッシュフォアグラのポワレと相性抜群で、ぜひお勧めしたいです。



 前菜はハチノスのトマト煮込みと鮮魚(鱸) のカルパッチョを選んだのですが、写真を撮り忘れたので割愛します。次に出てきたのが野菜のバリエーション。上の写真の通り地元鎌倉産の色鮮やかな野菜をあるものはシンプルにオーブンで焼き、あるものはピューレにしたりと様々なバリエーションで楽しめます。野菜本来が持つ旨みや甘みが楽しめ、これだけでも結構ボリュームがあります。江原さん曰く、コースの中でこの野菜のバリエーションが一番人気なのだそうです。あとは今回頼んでいませんが、バスク地方マネッシュ豚のリエットも人気とのこと。



 先程も触れたフレッシュフォアグラのポワレ。外側はカリッとしていて香ばしく、中はジューシーでこのコントラストが素晴らしいです。大人気なのでこれだけはコースに初めから設定しているのだとか。先ほど触れたように、キュベ・シナブルとフォアグラの相性は抜群で、双方が素晴らしく引き立ちます。





 主菜に選んだのはシャラン産鴨腿肉のコンフィと蝦夷鹿のロースト。



 デザートはシロップで煮たイチジクに自家製バニラアイスをのせたものでした。コーヒーも深くローストした濃いもので僕の好みにあっていました。



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衣類ではないもの

2008年11月15日 | リサイクル(しごと)の話
 今日は皆さんに問題があります。下の写真は一体何だと思いますか?



 木刀、ヌンチャク、モデルガン、警察の押収物?

 実は、これらは皆リサイクルを目的として集められてくる衣類の中から出てきたものなのです。

 毎日何トンもの衣類を扱っていると、これらだけでなく実に様々なものが出てきます。当然の事ながらこれらは衣類のリサイクル対象外のものです。尤もほとんどはきちんとした状態で分別していただいているのですが、残念ながらごく一部、いわゆるごみや衣類でない物が混入していることがあります。

 衣類は私たちがごみとして扱わない限り決してごみにはなりません。ごみは人の心掛け次第でいくらでも増やすことができますし、また減らすことができるものだと思います。

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衣替えの季節

2008年11月11日 | リサイクル(しごと)の話


 上の写真は今日撮影した横浜(街側)の夜景です。

 急に寒くなり、今年は秋を感じる間もなく冬が来てしまったようです。この仕事は気温や天気にも影響されるので天気は結構気にしているのですが、今年は梅雨のタイミングがずれ、夏はゲリラ豪雨の連続、台風はほとんど来ず、秋の長雨らしきものも今のところありません。やはり少しおかしなものを感じます。天候に左右されるという点では農業に近いようなところがあるのもこの仕事の特徴の一つと言えます。

 それでもこの時期になると会社のBBSに書き込まれるお問い合わせの数が増え始め、「いよいよ衣替えがやってきたな」と季節を感じることができます。皆さんが衣替えで慌しくなると、それと呼応するように我々も忙しくなりますので親近感というか一体感のようなものを感じます。



 ところで今週はどういうわけか外国からのお客さんと相次いで会う予定が入っており、非常に国際色豊かです。何年か前はパキスタン、インド、バングラディシュのお客さんが立て続けに来日したことがあり、1週間ずっとカレーが続いたこともありました。海外の人と話をしていると自分の周囲に起きている変化の渦は、さらに大きな変化の渦の一部なのだということをいつも感じます。「繊維リサイクルの歴史」に次の1ページを付け加えるにはまだ時の判断を要しますが、この仕事もご他聞にもれず非常にめまぐるしく変化しています。

 話は少しそれてしまいますが、この夏に体験した保津川の川下りでは、激流の中に突き出た岩場に何百年もの間船頭さんが船を操るために突き立てた竿の跡が穴となって幾つも残っていました。岩に穴があくということは何百年も同じ箇所を突いてきたということです。すなわち激流を乗り切るためには必ずその箇所に竿を当てなければならない、激しい変化の中にも変化を乗り切るために必要な変わらない原則があるということではないでしょうか。日々の仕事の中、流れに気をとられ竿を立てるべき岩場の穴を見失わないようにしたいものです。

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ブラックアダー試飲会

2008年11月02日 | BAR&WHISKY etc.


11月1日、いつもの西新橋PPRにてウィスキーマガジンライヴに毎回出展しているボトラーのブラックアダー社長、ロビン・トゥチェク氏による解説つきで試飲会が行われました。



テイスティングしたのは以下の通り。

オーヘントッシャン  14y  43度
アイルオブジュラ   14y  43度  
グレンタレット1978  27y  50度
グレンタレット1990  17y  53度
ハイランドパーク1992 12y  62度
ハイランドパーク1989 16y  56度

 ノンチルフィルター(冷却濾過をしないこと)、ノンカラメルカラー、またロウカスクといって樽の中身をそのままボトリングするカスクストレングスをアピールするためにボトルの中に樽に沈殿した澱が入っているのが特徴です。蒸留所のある土地の風土や樽の個性などがより色濃く反映されます。



 この他、今回特価提供で並んだボトルは以下の通り。

クライネリシュ1989  16y  58度
グレンデュラン1993  12y  58度
ラフロイグ1990    18y  56度
リンクウッド1989   17y  56度
スモーキンアイラ       58度
ピートリーク     11y  57度
オールドマンオブホイ 14y  43度



 会場ではロビン氏のサイン入り”The Malt Whisky File”(英語版)も販売されました。会場も大いに盛り上がり楽しいイベントでした。もっとこういう機会があってよいのではないかと部外者のわがままでそう思います。

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