"Whisky Magazine Live! 2009"に伴い来日中のロビン・トゥチェク氏を囲んで、昨年11月1日以来となるブラックアダー試飲会がPPR(http://blog.goo.ne.jp/paradiseroad2006)にて開催されました(http://blog.goo.ne.jp/hardworkisfun/e/43858059f464dac86188543912bd5f6f)。
ブラックアダーの特徴は何と言ってもロウカスク。つまり樽から取り出した「ありのままの」ウィスキーをボトリングするという点にあり、冷却濾過やカラメルによる着色などを行わないことをモットーにしています。その結果、ブラックアダーのボトルには樽に含まれる油分や脂肪分の他、沈殿している澱までが入っています。
ここでは今回提供されたボトルの中から僕が試飲したものをご紹介します。
1.ブラックアダー・スモーキングアイラ(Blackadder Smoking Islay )
その名の通り、非常にスモーキーでピーティー。今回試飲したウィスキー全般に言えることですが、カスク・ストレングスでアルコール度数が高い(これは45度ですが、まだ低い方です)ためか余韻が短く、舌の上でパッと消えてなくなる感じです(HPには「驚くほど長いフィニッシュ」と書かれていますが)。アイラ島のウィスキーであることは確かですが、どこのウィスキーであるかは明らかにされていません。
ロビンがさし入れてくれたイチゴのチョコパイと合わせてみましたが、良く合いました。
2.リンクウッド 1989 (Linkwood)
そのレモンのような爽やかさと華やかな香り、滑らかな蜜のような味わいで僕の好きなウィスキーの一つ。56度とアルコール度数は高く、ほんの少し加水するとフルーティな香りが開いてきます。
3.ブレアフィンディ 1976(Blairfindy)
シェリー樽由来の赤みがかった濃い琥珀色と強いシェリー香。度数は48.7度。しかしこの色合いと香り、31年という年数から想像する強い甘みを期待すると、そうでもなかったりします。少し時間をおくと落ち着いてきて味が出てきます。
ブレアフィンディはスペイサイド、メアリーパークのバリンダロッホにあるグラント家が所有する蒸留所からのシングルモルトだそうですが、法的な理由で蒸留所名をラベルに掲載することができないのだそうです。そこで代わりにグラント家が所有するブレアフィンディ農場から名前をとっています(グラント家は歴史的に「ブレアフィンディ・グラント家」と呼ばれているそうです)。「バリンダロッホにあるグラント家が所有する蒸留所」、すなわちグレンファークラス(Glenfarclas)蒸留所と考えて間違いないでしょう。
グレンファークラス蒸留所は1836年にロバート・ヘイによって設立されましたが、1865年にジョン・グラントが蒸留所を511.19ポンドで取得。蒸留所はそれ以降グラント家によって所有され、運営されています。
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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