窪田恭史のリサイクルライフ

古着を扱う横浜の襤褸(ぼろ)屋さんのブログ。日記、繊維リサイクルの歴史、ウエスものがたり、リサイクル軍手、趣味の話など。

市民酒場「常盤木」へ行ってきました-横浜・戸部町

2019年07月30日 | 食べ歩きデータベース


  第87回YMSで「横浜市民酒場」をテーマにしたお話を伺って以来、ずっと気にはなっていた、岩亀横丁の常盤木さんへようやくお邪魔してきました。

  大正時代に酒屋さんとして創業した常盤木。それが物資統制の厳しくなった1930年代に居酒屋へと変わっていった「市民酒場」の経緯については、上のYMSの記事をご覧ください。市民酒場は今でも横浜の中心部に点在していますが、看板に市民酒場と掲げているのは、常盤木を含む3店舗のみなのだそうです。昭和13年に横浜市民酒場組合を発足させた、弊社の近所にある「忠勇」さんについての記事もぜひご覧ください。

  因みに岩亀横丁の呼び名は、開港時の濱崎遊郭にあった有名な「岩亀楼」の遊女が病気になった時に療養する寮があったことに由来するのだそうです。この界隈は、近くにある現在のみなとみらい地区にかつて三菱重工横浜造船所があった時には、大変賑わったそうです。三菱造船におられた横浜の生き字引のような大先輩も、よく通ったとおっしゃっていました。



  さて、前置きが長くなりました。市民酒場の多くがそうであるように、常盤木もかつては庶民の魚だったフグ(正才ふぐ)が名物です。しかし、今は生憎季節外れ。そこで、少しでもフグをと思い、鰭酒から入りました。この真鍮鍋で直接注ぐところが昔ながらで良いですよね。もちろん継酒も頼みました。



  そして酒のつまみにはもってこいの、フグ一夜干し。



  天ぷらは、横浜名物のあなごと野菜。漁獲量こそ激減したとはいえ、今でも本牧や柴ではあなごが獲れます。



  たまたま一緒にいらした方も僕と同じく青魚好きだったので、喜んでこはだ酢を。特にサバには定期的にやられていますが、それでも懲ない愛する青魚。



  少し箸休めに、シンプルな冷奴。



  こちらも、お酒のつまみにぴったりなネギチャーシュー。ネギとチャーシューを海苔で巻いて食べます。何でもご主人はかつて中華街で仕事をされていたのだそうです。



  ということで、こちらも名物の自家製シューマイ。因みに、シウマイと表記するのは崎陽軒の場合。豚肉と玉ねぎのみを使ったシンプルなシューマイですが、それだけに豚肉の旨味が際立ちます。



  最後は市民酒場らしく、豚モツ煮込みで締め。非常にさっぱりした味付けでした。

  何より驚いたのは、これだけ食べて飲んで一人4,000円という安さ。上のあなごの天ぷらは一人一尾です。またお酒もこのブログをご覧の方はお分かりかと思いますが、鰭酒だけのんでいたはずもなく。まさに市民酒場、驚きです。

  それでもやはり、フグ豆腐鍋を食べないことには。冬が待ち遠しいです。

常盤木



神奈川県横浜市西区戸部町5-179



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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お通しの枝豆から美味しい-汁いち(京風おでん、豚しゃぶ)

2019年07月25日 | 食べ歩きデータベース


  横浜駅周辺で飲むことはあまりないのですが、少し前から気になっていたお店「汁いち」に行ってきました。昆布出汁と薄口醬油のあっさりとした京風おでん(上の写真は、店おまかせの7種盛り)をメインに、気になる創作和食が沢山ありました。夏は冷やしおでんもあるようです。



  まず驚いたのは、お通しの枝豆。ほんのりとワサビの味がし、豆に旨味とコクがあります。



  料理を待つ間、ビールに合うものを。自家製チェダーチーズのせんべい。



  鰤のなめろう。鰹は食べたことがありますが、鰤のなめろうは初めてです。これは日本酒が欲しくなる味。



  ということで日本酒を。こちらは限定三本の凍結みぞれ酒。お酒をゆっくり冷やすと、本来凍るはずの温度でも液体のままであることがあります。その状態で注ぐと、注いだ衝撃により日本酒が凍ります。この「過冷却」と呼ばれる現象を利用した、夏にぴったりのお酒です。



  ぼんじりの黒胡椒焼き。



  こちらは地鶏のつくねチーズ焼きです。つくねにチーズがのっているのは初めてです。



  さらに地鶏の黒七味醤油焼き。



  何とこれは京風出汁と鰹節でさっぱりと食べられる、豚カツのおでん。出汁をたっぷりとしみ込ませていただきます。



  メインは気になっていた嬉々豚のおでん出汁しゃぶしゃぶ。群馬県のブランド豚、「嬉々豚」をおでんの出汁でしゃぶしゃぶにしていただきます。しっかりとした旨味の豚肉に、締めのうどんも最高。食べ終わった後もなお出汁まで飲み尽くしたくなります。

  まだまだ気になるメニューが沢山、またお邪魔したいと思います。

汁いち 横浜店



神奈川県横浜市神奈川区鶴屋町2-13-11



繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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初めてのスカイバーカウンター-日本プロ野球2019 横浜vs中日10回戦

2019年07月22日 | スポーツ観戦記


  7月18日、観戦予定だった5月14日の試合が雨天中止となり、その振替日として横浜スタジアムへ横浜vs中日10回戦に行ってきました。



  振替日ということもあり、普段であれば人気があってまず取れない、内野最上段にある「スカイバーカウンター」2マスを確保することができました。もちろん、初めてです。



  1マス5名のゆったりとしたカウンター席に10ℓのビールサーバーがついて7,100円/人。いつも観戦している内野指定席SSが6,200円で、ビールを1試合8杯は飲んでいるので+5,600円。そう考えるとかなりお得だと言えます。



  しかも横浜の先発は、ここまで8勝3敗と一番信頼できる今永投手。ただ、僕は今シーズンの観戦で今永投手の登板は実に4試合中3度目であり、いずれも勝利投手にはなっていません。そう言うと僕が厄病神かのようですが、結果から言うと、この日も残念な結果に終わりました。



  対する中日は6連敗の後、破竹の7連勝。2位横浜に1ゲーム差の3位と肉薄しています。その勢いに乗る中日相手に、試合は初回から動きました。一死から大島選手の一塁線へのゴロをロペス選手が好捕しますが、ベースカバーに入った今永投手へのトスがやや高く、内野安打。



  続いてアルモンテ選手がセンター前に落ちるヒットで、一死二塁・一塁。アルモンテ選手はこの日4安打の大活躍でした。



  さらにはビシエド選手の三塁ゴロを、照明が目に入ったのか、三塁手の宮崎選手が捕れず内野安打。これで一死満塁。



  そして5番の阿部選手にライトフェンスぎりぎりの犠牲フライを上げられ、中日が先制します。



  一方、中日の先発は今年加入のロメロ投手。ここまで5勝6敗の成績です。



  横浜の反撃は3回裏。一死から、本塁打こそ出ていないものの、コンスタントに安打を放っている筒香選手が右中間を破る二塁打で出塁。



  すると続くソト選手がセンター前に落ちるヒットで、筒香選手が生還。同点に追いつきます。



  試合を決定づけた問題の5回表。先頭のロメロ投手三振の後、平田選手がボテボテのピッチャーゴロでしたが内野安打で出塁。今永投手にとっては不運な当たりでした。



  続く大島選手には死球を与え、一死二塁・一塁。



  つづくアルモンテ選手の打球はセンターへ。これを中堅手の神里選手が目測を誤り、打球は頭の上を超えてしまいます。記録は二塁打でしたが、事実上のエラーでした。2vs1。


  ビシエド選手は満塁策で敬遠。しかし、阿部選手のショートゴロは併殺と思われたのですが、二塁手中井選手が一塁へ悪送球。この間にさらに2点が入ります。4vs1。



  とどめは京田選手がレフト前にタイムリーヒット、これで5vs1。以上を見ても分かるように、不運な内野安打、死球、落下点の判断ミス、悪送球。力量差というよりは何となくやられていったという感じです。逆に、こうした見えないミスを逃さないところが、さすが7連勝中の中日というべきでしょう。



  それでも横浜は7回裏に反撃。まず先頭の関根選手が四球で出塁。



  つづく大和選手は大和選手らしい、右に流すバッティングでライト前へ。



  無死二塁・一塁で中日はロメロ投手から谷元投手に交代。



  打者は代打乙坂選手。すると、谷元選手が暴投で、走者がそれぞれ進塁。乙坂選手は三振に倒れ、一死三塁・二塁。



  ここで筒香選手が一二塁間を破るタイムリーヒット。これで5vs2。



  さらにソト選手もタイムリー内野安打。遊撃手の京田選手はよく追いついたのですが、投げられませんでした。5vs3、終盤ながらワンチャンスで追いつける3点差まで迫ります。



  しかし、せっかくの反撃の狼煙も直後の8回表に潰えてしまいました。横浜は今永投手から、斎藤投手、櫻井投手と繋ぎ、櫻井投手が8回表先頭の京田選手にヒットを許したところで、四番手の赤間投手が登板。



  中日は、堂上選手が送りバントを決め、一死二塁とすると、木下選手が四球を選び二塁・一塁。



  代打藤井選手はショートライナーに討ち取り、二死としますが、平田選手にも四球を与え二死満塁。



  不要な四球で走者を溜めた挙句、大島選手に一二塁間を破られ、7vs3。自ら流れを手放す、自滅と言ってよい失点。これでは勝てるものも勝てません。

  結局、試合はこのまま7vs3で中日の勝利。中日は7連勝とし、横浜と並び2位に浮上しました。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした

【ドキュメント】循環型社会の機先を制す~ものづくりを支える資源再生人【ナカノ株式会社】

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創業85周年の集い-キックオフミーティング2019

2019年07月21日 | リサイクル(しごと)の話


  ご報告が大変遅くなりましたが、去る7月13日、全社員が一堂に会する恒例のイベント「キックオフミーティング」を開催しました。2010年に始まったこの企画、今年で通算10回目(2014年は創業80周年記念式典)になります。さらに今年は令和元年かつ、弊社にとっても創業85周年という節目の年となります。

【過去のキックオフミーティング】
2010年9月25日(社長交代に伴い初開催)
2011年9月17日(定例化)
2012年7月21日(開催を創業月に合わせる)
2013年7月20日
2014年7月21日(創業80周年記念式典)
2015年7月25日
2016年7月16日
2017年7月22日
2018年7月21日



  さて、2019年の全社員研修は、社内でも再開催の要望の多かった、カードゲーム「ボーナンザ」を3年ぶりに開催しました。ボーナンザのルール等については、下記の開催履歴をご参照ください。

  おかげさまで、この3年の内に弊社も社員数が増え、ボーナンザを追加発注したのですが、何とその過程でルールがマイナーチェンジしていることが分かりました。最も大きな違いは「第三の畑」が廃止されたことです(正確には、2名~3名のプレイは畑を3つまで、4名~5名のプレイは2つまで造ることができる)。そこで今回は新ルールを適用しての開催となりました。

【過去に参加または開催した「ボーナンザ」研修】
2014年12月3日
2016年7月17日
2017年6月17日
2019年2月7日



  さて、3年前は個人利益の最大化を求めて競争的にプレイする1回戦と、チーム利益の最大化を求めて協調的にプレイする2回戦に分けて行いました。詳しくは当時のブログをご覧いただきたいのですが、その結果、11チーム中10チームにおいて協調的にプレイした方が総利益が増え、かつ各プレイヤーの格差も縮小しました。



  しかし、このやり方では、2回戦目で利益が増えた要因が協調行動によるものなのか、それともゲームに対する習熟によるものなのか、ハッキリしません。そこで、今回は1回戦目を協調的に、2回戦目を競争的にと、前後を入れ替えてみました。



  その結果、1回戦より2回戦の方が成績の良かったチームが5チーム、一方で習熟にもかかわらず成績が下がってしまったチームが7チームありました。上のグラフはその極端な例の2チームですが、左側のチームは1回戦目もコイン獲得数が断トツに多く、2回戦目はさらにそれを大きく上回る(トレーナーチームが意図的に強調して獲得したコイン数よりも多かったのです)成績を残しました。この要因について、後で質問してみると、実が2回戦目も指示に反して協調的にプレイしていたとのことでした。

  一方、グラフ右側のチームは、こちらの指示通り「イヤな奴」に徹して2回戦目をプレイした結果です。1回戦目は左側のチームに次ぐ好成績を残していましたが、2回戦目は12チーム中、断トツの最下位となってしまいました。ゲームの習熟を差し引いても、利己的行動がチームの利益に与える悪影響を示した顕著な例でした。

  個人的には、2回戦目に利己的行動に切り替わることで、チームの雰囲気やプレイヤーの心境にどのような変化が生じるのかに関心がありました。あくまでゲームですから、2回戦目の方が緊張感や駆け引きが生まれて楽しめるのかなと予想していたのですが、感想を読むと、大方の人はそれに反し協調的だった1回戦目の方が、コミュニケーションが多く生まれ楽しかったと回答しました。



  さて、振り返りでは、協力行動が組織の成果に与える影響について事例も交えつつお話ししました。組織の成果を上げるエンジンとして自己利益を追求する欲求を利用したにもかかわらず、なぜ多くの場合で失敗するのか?そこにはどのような心理的バイアスが隠れているのか?

  次に、協調行動や他者への貢献が個人の能力、自尊感情、幸福感にどのような影響を与えるのか、心理学や脳科学の研究から分かっていることについてお話しました。

  最後に、協調行動によるより広範囲の価値創造について。ゲームと違い、現実は相手も協調してくれるとは限りません。また、協調して価値を創造した場合でも、そこには創造した価値をどう分配するかという創造と分配の緊張関係が必ず存在します。この緊張関係を「交渉者のディレンマ」と呼びますが、これについては下記に寄稿しておりますので、そちらをご覧ください。

交渉者のディレンマ(1)
交渉者のディレンマ(2)
交渉者のディレンマ (3)



  第二部は、会場を移して懇親会が行われました。例年通り、昇進者への辞令交付、新入社員挨拶、そしてこの度は弊社の役員改選がありましたので、その発表も行われました。

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出現する未来-第110回YMS

2019年07月11日 | YMS情報


  7月10日、mass×mass関内フューチャーセンターにて、第110回YMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を開催しました。

  今回の講師は、株式会社CAC Holdings特別顧問の島田俊夫様。テーマは、前回に続きIT分野、「90分で理解するデジタル社会」と題してお話しいただきました。

  島田さんの株式会社CACの設立は1966年。戦後に起こった情報通信という分野において、しかも日本が敗戦国だったことを考えればなおさらですが、かなりの古参と言えます。そんなIT業界に長年身を置きながら、日本の高度成長、低成長、バブル経済とその崩壊、その後の失われた30年を見続けてこられた島田さんから見て、デジタル化の進行に対する日本社会の危機感の薄さの背景はどこにあるのかと言えば、「依然として過去の栄光から抜け出せないのではないか?」というご意見です。

  例えば、今年4月を以て平成という時代が終わりましたが、平成元年、世界の時価総額ランキングで日本企業は上位20社の実に7割を占めていました。しかし、直後にバブルが弾け、産業構造も変わった30年後、今や上位20社に日本企業は1社も入っていません。にもかかわらず、一般的にはさすがに”Japan As No.1”とまでは言わないまでも、未だ先頭争い位はしているんと思っているのではないかという見立てです。さらに例えるなら、現在、プロ野球のセリーグは巨人が1位、横浜が2位ですが、2位は2位でも9.5ゲーム差も離されているじゃないかいうような感覚(因みにこれは僕の比喩であって、島田さんがそうおっしゃったのではありません)。

  とはいえ、デジタル化は既に我々の生活のあらゆる側面を急速に変え始めています。例えば、タクシーを1台も所有していないにもかかわらず、アプリケーションとネットワークだけで世界最大のタクシー会社となったUber。このようなサービスはアメリカや中国のみならず、東南アジア諸国も日本より先を行っています。

  Uberの成功例が示すものは、IT技術によって生活者、消費者のニーズ、消費パターンの変化により適応できた者が、膨大な資本やインフラを持つメーカーやサービス提供者を淘汰し得る社会が出現したということです。それは我々の生活を否応なく大きく変えていきます。ゆえにトヨタ自動車は、既に自らを「モビリティサービス・プラットフォーマー」であると位置づけ、自動車メーカーからの脱皮を宣言しているのです。



  これは島田さんが現地を訪れてのお話ですが、バルト三国の一つ、人口132万人程度(因みに川崎市の人口は147万人です)の小国エストニアでは、IT技術を行政に活用する「電子政府」への取り組みが進んでいます。つい先日、福岡市に本籍がある僕は、身分証明書を取り寄せるため福岡市役所のHPからダウンロードした書式より必要書類を手書きで作成し、封筒に返信用封筒と切手を入れ、郵便局の窓口で小為替代を払い、数日待ってようやく身分証明書が家に届きました。しかし、エストニアでは既に行政サービスの大半がオンライン上で完結するのだそうです。できないのは結婚・離婚と不動産取引ぐらいだとか。

  また、これは僕も上海で経験したことですが、上海の現金流通率は5%。町の自動販売機にもお金の投入口自体がありません。同行していた年輩の中国人は、「先日家にスマホ忘れてきて、コインパーキングから車を出そうとしたら、現金精算ができなくて困った」と話していました。空港のレストランでも、レジでお金を払う人はいません。テーブルにQRコードが貼ってあり、そこにスマホをかざせば清算終了です。無人コンビニも普及しつつあるそうです。中国のデジタル化の背景に監視国家があろうと、つい先日騒ぎになった7PAYの脆弱なセキュリティが露呈しようと、否応なしにIT技術は我々の生活を大きく変えていくのだということは認めざるを得ません。

  次に、何かと話題のAIについて、その歴史と今現在どのようなことまでが可能になっているのかについてお話がありました。例えば2016年、囲碁でAIがプロ棋士に互先で勝利し話題になりました。そのたった2年前まで「AIがプロ棋士に勝つには10年かかる」と言われていたのです。この例一つとっても、技術の進歩がいかに早いかが分かります。

AIが作曲した、Taryn Southernの”Break Free”。


  ポケモンGOなどのAR(拡張現実)も、さらに進化すればディズニーランドやUSJなどはどうなってしまうのかなという気がします。



  最後は、お世話になっている清水建二先生も携わられた、勘定認識AIによる動画分析サービス「心sensor」のデモに参加してみました。AIが判定した、僕がプレゼンしている時の笑顔のスコアは何と18点!「表情自体が動いていません」という改善アドバイスをもらいました。そう、まさにその通りなのです。自分でもたまに「顔面がマヒしているんじゃないか?」と思ったりします。

 結びに、島田さんによる「デジタル社会を生き抜く心構え」を抜粋します。

1.デジタル社会の本格到来はあと7年くらい?
2.馬を速くしていくだけなら、淘汰される
3.使った分だけ支払いたい消費者は増加する
4.明日を今日の延長にしない
5.やりたいことを定めたら、実現のために他者と組む



  番外編。CACグループが支援している、ボッチャというカーリングに似たパラスポーツを紹介していただきました。意識すれば目に留まるもので、今朝町内会の掲示板で、早速ボッチャ大会開催のお知らせを見ました。

過去のセミナーレポートはこちら

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5時間21分の激闘、鷹の祭典-日本プロ野球2019 ソフトバンクvs西武12回戦

2019年07月10日 | スポーツ観戦記


 7月8日、4年ぶりの「鷹の祭典」、ソフトバンクvs西武の観戦に東京ドームへ行ってきました。毎年配布されるレプリカユニフォームの色は、水色です。今年も46,824人の観衆でドームは埋め尽くされました。



 始球式は、女優の吉岡里帆さん。ワンバウンドながら結構良い球を投げていました。



 さて、ソフトバンクの先発は、ここまで3勝3敗のミランダ投手。この日は直球が走り、序盤の3回まで強力な西武打線を無安打に抑えました。



  一方の西武は、ここまで7勝5敗の高橋光成投手。観戦した6月7日の交流戦では、ベイスターズは完全に抑えられました。ただ、ここ3試合の登板は勝ち星がありません。

  いずれも早打ち傾向のある打線だからなのか、いつもベイスターズの観戦をしているからなのか、両投手の球数の少なさには驚きました。



  試合は2回裏に早くも動きます。先頭打者のデスパイネ選手が、ライトスタンドに飛び込む、打った瞬間それと分かる豪快なホームランを放ち、ソフトバンクが先制します。



  その後、ソフトバンクは、ミランダ投手が西武打線を封じ込める一方、5回まで小刻みに加点。試合を優位に進めます。3回裏は一死三塁・一塁から福田選手のセカンドゴロの間に1点。



  4回裏は、二死走者なしの場面で松田選手がレフトスタンドポール際上段に飛び込む、さらに豪快なホームラン。



  5回裏には、不振に喘ぐ9番上林選手にまで2ランホームランが飛び出し、0vs5。ここまでは早く帰れると思っていたのですが…。



  西武の反撃は、ようやく6回表。ここまで27本塁打、68打点を挙げている山川選手。しかし、6月7日の観戦時点で既に25本塁打、60打点でしたので、このところ調子を落としていると言えます。その山川選手がレフトスタンドに、これまた打った瞬間に分かるホームランを放ち、ようやく反撃開始。



  そして7回表。ソフトバンクは三番手の武田投手が登板すると、簡単に二死とするのですが、そこから秋山選手と源田選手に連続四球。さらには冒頭で二死三塁・二塁。



  続く外崎選手の三塁ゴロはアウトの判定だったのですが、リプレイ検証の結果、内野安打に。これで2vs5。



  さらに山川選手の適時打で3vs5。



  ソフトバンクは武田投手から若い高橋純平投手に交代しますが、森選手に四球を与え再び満塁とすると、中村選手がレフトのラインぎりぎりに落ちる二塁打。ついに西武が同点に追いつきます。前半からは予想もつかぬ試合展開に。



  しかし、ソフトバンクもすぐさま反撃。7回裏、西武二番手のマーティン投手から上林選手、福田選手がヒットで出塁し、一死三塁・一塁とすると、内川選手の犠牲フライによって勝ち越し。



  9回表、ソフトバンクは抑えの甲斐野投手を登板させ、野手も3人入れ替えて守備固めに入ります。甲斐野投手は源田選手に二塁打を浴びたものの、二死までこぎ着けましたが、森選手に痛恨の2ランホームランを浴び、西武がこの試合初めてリードします。



  ところがソフトバンクは、土壇場の9回裏にこの日2本目となるホームランを放ち、再び同点!早く終わるかと思われた試合は、まさかの延長戦へ。



  決着は12回裏。一死満塁から代打の栗原選手が内角低めの球を掬い上げ、センターへ十分な飛距離の犠牲フライ。7vs8、5時間21分に及んだ激闘は、ソフトバンクのサヨナラ勝ちで幕を下ろしました。横浜に住んでいる僕は、試合後のセレモニーまで残ることができず。残念ながら球場を後にしました。

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第15回ネゴシエーション研究フォーラムに参加しました

2019年07月01日 | 交渉アナリスト関係


  6月29日、日本交渉協会主催の第15回ネゴシエーション研究フォーラムに参加してきました。

  毎回各分野で活躍される講師をお招きし、興味深いお話を伺えるので、いつも楽しみにしているのですが、今回は名古屋大学大学院情報学研究科准教授の川合伸幸先生より、「怒りを鎮めるうまく謝るビジネス、家庭を円滑にするためのヒント」と題してのお話しでした。川合先生については、以前ご著書『心の輪郭―比較認知科学から見た知性の進化』を拝読したことがあり、それだけに今回のフォーラムは一層楽しみでした。

心の輪郭―比較認知科学から見た知性の進化
川合 伸幸
北大路書房


  さて、今回のテーマである「怒り」。スタンフォード大学のマーガレット・A・ニール著『スタンフォード&ノースウエスタン大学教授の交渉戦略教室』では、怒りと交渉との関係について、近年の研究を紹介しています。それによれば、実は喜びの感情よりも怒りの感情の方が、現状を変えたいという気持ちと強く関連しているのだそうです。その上、特にパワフルな人が怒りを経験すると、その人はコントロールや確実性を知覚。直面しているリスクに対して楽観的な評価をしました。言い換えれば、パワフルかつ怒りを感じている人は、希望的観測に惑わされることなく、リスクを予測することができ、しかし最終的には自分が勝つだろうと認識していたということです。

  怒りは、自分はパワフルで有能な人間であるという自己イメージを刺激するのに役立つ上、怒りを感じている人の多くは、将来に対して楽観的な期待をしています。交渉において、実際にパワーのある人が怒りを表現すると、地位を上げたり、パワーがある人だと認識してもらえたりします。逆に、相手よりパワーで劣る場合は、怒りを表現しても反発を生む可能性が高まります。また、そのような怒りの表現の効果には性差もあるそうです。

  強いパワーを持っている者が怒りと一体となると、より効率的に相手との交渉を進められるようになり、結果としてより多くの価値を獲得することが研究の結果から分かっています。その理由は、パワーの弱い方が相手の怒りに不確実性を感じ、高いレベルで価値創造をしようと動機づけられるためです。もちろん、結果として創造された価値の大半を獲得したのはパワーの強い方でしたが、パワーの弱い方も中立的な人と交渉した時よりも良い結果を収めたということでした。

スタンフォード&ノースウエスタン大学教授の交渉戦略教室 あなたが望む以上の成果が得られる!
渡邊 真由
講談社


  このように記述すると、怒りは交渉において望ましい感情であるかのように思えます。しかし、上記の研究には「但し」があり、彼らが対象としてきた「怒り」は、低強度でコントロール可能な感情、かつ特定の状況に限定したものです。言い換えれば「冷静な」怒り。カッとなったり、モノを投げつけたりというような感情を暴発させる「熱い」怒りとは異なるという点に注意が必要です。熱い怒りに交渉、とりわけ相手との長期的な関係が重視される繰り返し交渉において好ましくない影響を及ぼすリスクがあることは言うまでもありません。今回のテーマは、こちら後者の怒りの方です。



  前置きが長くなりました。「怒りを鎮める」というと頭に浮かぶのが、1970年代にアメリカで開発された「アンガーマネジメント」です。アンガーマネジメントとは、怒りを対人関係に起因する要素の強い第二次感情であると規定し、その第二次感情の根底にある第一次感情に気づくことによって怒りを制御しようという心理療法を言います。しかし、このアンガーマネジメントの根拠には科学的証拠がないそうです。

  例えば、アンガーマネジメントでは「怒り」を第二次感情と規定していますが、「怒り」は第一次感情として規定されている「悲しみ」と同じ、人類に生得的に備わっている「基本感情」の一つです。これはP.エクマンの研究によって証明されています。基本感情については、「第11回ネゴシエーション研究フォーラム」の清水建二先生の回をご覧ください。悲しみに起因して怒りが生じるわけではないのです(複数の感情は混合感情として同時に起こります)。

  また、怒りの4つのタイプ(継続する怒り、強い強度の怒り、攻撃性がある怒り、頻発する怒り)もいわゆる「バーナム効果」の域を出ないと言われます。有名な「6秒ルール」に至っては、根拠が全く確認できていないそうです。繰り返しますが、ここで述べているのはあくまでアンガーマネジメントの根拠が科学的に確かめられていないということであって、その療法的効果を否定しているわけではありません。

  では、何故人類に「怒り」が基本感情として備わっているのか?進化生物学的には「縄張り(生存に必要なテリトリ)」の確保のためであると考えられています。テリトリを侵されると、侵入者を排除するため戦闘態勢のスイッチが入ります。これが怒りの感情で、筋肉が緊張し、心拍数が上がり、ノルアドレナリンを分泌し、相手に戦闘態勢であることを示すため怒りの表情を表します。「怒り」感情の表出は、生存のために重要なメッセージであるため、人は集団の中でも巧みに怒りの表情を見分けることができると言います。つまり、人は怒りに対して敏感に反応する性質があるのです。

  しかし、怒りはあくまで非常時の生理現象であるため、常時続けば身体に悪影響を及ぼします。また、この縄張りは物理的なテリトリに限定されません。それには心理的領域も含まれ、R・D・フィールズによれば、怒りを引き起こすきっかけには以下の9つがあるということです(それぞれの頭文字をとって“LIFEMORTS”と呼ばれます)。

1. 命の危険(Life-Or-Limb)がある時
2. 侮辱(Insult)された時
3. 家族(Family)を守る時
4. 環境(Environment)を守る時
5. 仲間(Mate)を守る時
6. 序列(Order in society)を守る時
9. 資源(Resource)を守る時
10.部族(Tribe)を守る時
11.阻止(Stopped)された時

  要約すると、縄張りを侵された時や、自由が制限された時に怒りの感情が起こるということです。このように認識しておくと、自分を客観視することができ、怒りを鎮めやすくなります。

  自分を客観視するということは、自分と距離を置くということでもあります。これは「自己距離化」と呼ばれ、心理的に怒りの状況から遠ざかることによって、その状況を遠くから眺めるよう想像することを言います。また、物理的にその場から離れるという行為も有効です。交渉でも膠着状態に陥ったり、論争に発展しそうな時、休憩を入れたり場所を変えたりといったことが行われます。怒りの出来事を書き出してみるのも効果的です(記述)。書き出してみると、怒りの原因は思ったほど大したことではないと思えたりします。記述も自己距離化の一つですね。因みに、その書き出したメモは書いた後に捨てると良いのだそうです。
 
  それでも怒りが収まらない場合、怒りが生じた原因を別の視点で考え直してみるという方法が考えられます。例えば、相手を別の好ましく思っている人物だと考えてみたり、何かやむを得ない事情があるのではないかと考えてみたりといったようにです。これを「再評価」と言いますが、恐らくアンガーマネジメントが第二次感情の裏の第一次感情に目を向けましょうといっているのは、この再評価のことなのではないかと思います。

  次に「自己制御」、要するに衝動的に行動することを抑える忍耐力をつけることです。これには(右利きの人が)左手で書く、ついスマホを見るのを我慢するといったことでも訓練になるようです。ポジティブ心理学者のショーン・エイカーは、著書『幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』の中で、「20秒面倒なことがあると悪い習慣を止めやすくなる」と述べています。

幸福優位7つの法則 仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論
高橋由紀子
徳間書店


  次に「謝罪」について。我々は幼いころから「悪いことをしたらまず謝りなさい」と教育を受けています。とりわけ日本人はすぐに謝罪することで有名です。しかし、「すみません」といった単純な謝罪は、それが自発的なものであれ、促されたものであれ、我々が思っているほどの効果はないそうです。研究によれば、単純な謝罪によって、相手の攻撃性を鎮める効果はあるが、不快感はほとんど変わらないのだそうです。むしろ、実際に謝られるより頭の中で謝ってもらったと想像した方が、効果があったのだとか。アメリカで喧嘩中の夫婦約500人を対象に行った調査でも、「謝罪してほしい」と答えたのはわずか0.14%だったそうです。

  かと言って謝罪しないのはなお良くありません。ではどうすれば良いのか?それは、怒りを感じた方が補償して欲しいと無意識に感じている8つの要素を謝罪の中に盛り込むことです。この8つの要素は核となる3要素と付加的な5要素から成り、下表のようにまとめられます。

【核となる三要素】


【付加的な五要素】


 逆に、謝罪において避けるべき四要素というものもあります。

【良くない謝罪の四要素】


 しかし、言うは易し行うは難し。適切な謝罪ができるようになるためには練習が必要だということです。交渉も同じですね。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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2019年5月アクセスランキング

2019年07月01日 | 人気記事ランキング


  こちら横浜は梅雨真っ只中の蒸し暑い日が続いております。ナカノ株式会社は本年7月を以て、創業85周年を迎えました。偏に日頃の皆様からのご支援の賜物と厚く御礼申し上げます。

  さて、2019年5月にアクセスの多かった記事、トップ10です。
 
  まず個別記事では前月に続き2位「エコノミーとエコロジーの語源」(26カ月連続)へのアクセスが飛びぬけていました。それと共に、定番の3記事、「Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子」(9位、5カ月連続)、「『上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会』に参加してきました」(10位、2カ月ぶり)が2カ月ぶりに揃いました。

  5月はYMS(ヨコハマ・マネージャーズ・セミナー)を二度開催したこともあり、セミナー系の記事が多くランクインしました。3位の第108回YMSは3年振りとなった沖縄開催です。4位「第41回燮(やわらぎ)会に参加しました」は4月の開催だったのですが、5月に入ってからランキング上位に入りました。Facebokの「いいね!」の数が非常に多かったのを記憶しています。第107回YMS、永島農園さんのしいたけのお話しも興味深いものでした。

  6位「企業永続の法則-地域と結びついた企業は潰れない!」は、大学の大先輩でもある吉田正博さんの同名のご著書です。アマゾンのレビューには、「公務員が書いたとは思えない」といったレビューが寄せられていました。地方自治体のリアルな経済行政が分かる、興味深い本です。

  とても良いお店でしたが、恩納村のイタリアン「マンマレッラ」の記事も8位に入りました。

1 トップページ
2 エコノミーとエコロジーの語源
3 3年振り2度目の沖縄開催-第108回YMS
4 第41回燮(やわらぎ)会に参加しました
5 農業の可能性は無限大、横浜農家の挑戦!-第107回YMS
6 企業永続の法則-地域と結びついた企業は潰れない!
7 カテゴリー(筆跡心理関係)
8 沖縄でイタリアのまんま-マンマレッラ(恩納村)
9 Yema(イェマ)-フィリピンのお菓子
10 「上田和男さんバーテンダー歴50年を祝う会」に参加してきました

 ナカノ株式会社は、創業90周年を目指し、新たな一歩を踏み出します。今後とも旧倍のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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