7月26日、富士吉田へ向かう道すがら、有名な忍野八海に寄ってきました。
忍野八海とは富士山麓の伏流水から湧き出た湧泉群のことで、八海の名は富士講の一環としての湧泉めぐり「八海めぐり」に由来するそうです。国の天然記念物であり、昨年世界遺産に指定された富士山の構成資産のひとつでもあります。
国道138号線よりずっと下って行ったのですが、大昔この地域は忍野湖という湖だったそうです。それが干上がって盆地となり、残った湧水の出口が忍野八海になります。古くから飲用水、農業用水として利用され、現在も激しく湧き出る清らかな水は名水百選にも選ばれています。
八つの泉全部をめぐることはできませんでしたが、上の写真は、そのうちの五番霊場に数えられる「涌池」。直径約12m、深さ約5mの円錐状の泉で、平均水温13度の水が毎秒2.2㎥湧き出ています。直視深度は3m、光の影響でコバルトブルーの神秘的な色合いを見せています。
涌池の周囲は土産物屋や食事処が立ち並び、世界遺産に指定されたこともあってか、多くの外国人観光客で賑わっていました。
湧池の奥には「榛(はしばみ)の木資料館」があり、有料(2014年7月現在、大人300円)で三番霊場「底抜池」を含む旧豪族の屋敷跡を見学することができます。外の観光客の多さの割に、資料館の中は非常に静かだったのですが、こちらの方が見る価値があるように思いました。
水車小屋(写真左)と隠居屋(写真右)。18世紀ごろの建物と推定されているそうです。
さらにその奥には母屋があり、中には農耕具や養蚕・紡績・機織りに使われた様々な道具が展示されています。
「底抜池」。東西14.4m、南北8~10mの楕円形の池です。底抜池と言っても、一番深い所でわずか1.5mしかありません。しかし、池の底は泥が厚く堆積しており、実際の深さは分かっていません。この池に物を落とすと行方が分からなくなると言われ、それゆえにここで物を洗うことは神域を汚すものと信じられていたようです。確かに、池の奥には神々しい大木がそびえていました。
忍野八海
山梨県南都留郡 忍野村忍草
繻るに衣袽あり、ぼろ屋の窪田でした
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