「内海聖史 『色彩に入る』」 資生堂ギャラリー

資生堂ギャラリー中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階)
「第1回 shiseido art egg 内海聖史『色彩に入る』」
3/9-4/1

「第1回 shiseido art egg」のトリを飾る展覧会です。色彩のドットを、絵画を越えたインスタレーションとして操る内海聖史が登場しました。



地下へと降りる階段のアプローチより、早くも色彩のドットの群がった欠片が出迎えてくれます。以前、ヴァイスフェルトにて展示のあった「三千世界」の再現です。青や緑など、色とりどりのドットが、僅か5センチ四方の白いキャンバスの上にひしめき合うように描かれています。それが壁面一面に規則正しく、また適度な間隔を空けて揃っているのです。鮮やかな色のシャワーを浴びるような感覚さえ与えてくれます。さながら色の森林浴です。



そんな軽やかな色彩のモザイクに対して、地下の展示室正面に飾られた大絵画は実に重々しく圧倒的でした。幅9メートル、高さ5メートルにも及ぶその壁面全体に、細かな色彩のドットの連鎖によって構成された、巨大な一つの塊が描かれています。赤や紫のドットが背景に見え隠れしながら、さながら泡が拡散したような青いドットの洪水が、それこそ回転運動をしているかのようにうごめいているのです。またそれは単に小さな色彩の集積というよりも、もっと生々しくて不気味な、例えば大きな軟体動物のような気配すら漂わせています。内海の作品からそのような感触を味わったことがなかったので、とても新鮮に感じました。

地下展示室よりテラス越しに見上げる色のモザイクは、美感にも非常に優れています。両サイドの二つの壁面を効果的に使った色のインスタレーションは、もう見事と言う他ありません。明日までの開催です。(3/24鑑賞)

「第1回 shiseido art egg」
平野薫(1/12-2/4)
水越香重子(2/9-3/4)
内海聖史(3/9-4/1)
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