都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「村瀬恭子 - サファイア」 タカ・イシイギャラリー
タカ・イシイギャラリー(江東区清澄1-3-2 5F)
「村瀬恭子 - サファイア」
10/30-11/30

村瀬恭子「Sapphire (Lemon)」2010年
タカ・イシイギャラリーで開催中の村瀬恭子個展、「サファイア」へ行って来ました。
作家、村瀬恭子のプロフィールについては同ギャラリーのWEBサイトをご覧下さい。
ARTISTS 村瀬恭子@タカ・イシイギャラリー
最近では本年4月の豊田市美術館での大個展の他、1月に国立国際美術館で開催された「絵画の庭」展などに出品がありました。
私自身、かつて同ギャラリーでの個展で一目惚れしたものの、残念ながらその二つの大きな展示に接することが出来ませんでしたが、それでも彼女の美しい色面と刹那的なモチーフ、そして流麗でありながらも細やかなタッチには改めて強く惹かれるものがあります。
出品は縦2メートルを超える新作油彩5点とドローイングの小品数点です。通常設置される画廊中央部の間仕切りを取っ払った、広々とした空間に展示されていました。
まず印象深いのは、最奥部で対になって掲げられている新作、「sapphire」の「lime」と「lemon」の二枚です。グレーを基調としながらも、青や緑などが幾何学的に交差する色面の中には、虚ろな表情をした一人の少女が漂っています。もはや地面もなく、何やら上下反転しているかのような不思議な空間には彼女の行先を導くかのような光線が差し込んでいました。
溶け合って滲むような色のせめぎあいはどこかこの世ならざるシュールな場面を作り出しています。見ていると夢の中の物語の断片を追っているような気分にさせられました。
入口付近の3面にキャンバスを分割した「Ruby」にも目がとまります。色彩の風をきって歩く少女の姿は儚く見えました。
「Fluttering far away 遠くの羽音/村瀬恭子/青幻舎」
「睫毛のようなささくれの集積」(画廊リリースより引用)のようなタッチからは木々に生い茂る葉のざわめきを連想しました。洞窟や森などの自然をわけて彷徨う少女の旅はまだ続くのかもしれません。
11月30日までの開催です。おすすめします。
「村瀬恭子 - サファイア」
10/30-11/30

村瀬恭子「Sapphire (Lemon)」2010年
タカ・イシイギャラリーで開催中の村瀬恭子個展、「サファイア」へ行って来ました。
作家、村瀬恭子のプロフィールについては同ギャラリーのWEBサイトをご覧下さい。
ARTISTS 村瀬恭子@タカ・イシイギャラリー
最近では本年4月の豊田市美術館での大個展の他、1月に国立国際美術館で開催された「絵画の庭」展などに出品がありました。
私自身、かつて同ギャラリーでの個展で一目惚れしたものの、残念ながらその二つの大きな展示に接することが出来ませんでしたが、それでも彼女の美しい色面と刹那的なモチーフ、そして流麗でありながらも細やかなタッチには改めて強く惹かれるものがあります。
出品は縦2メートルを超える新作油彩5点とドローイングの小品数点です。通常設置される画廊中央部の間仕切りを取っ払った、広々とした空間に展示されていました。
まず印象深いのは、最奥部で対になって掲げられている新作、「sapphire」の「lime」と「lemon」の二枚です。グレーを基調としながらも、青や緑などが幾何学的に交差する色面の中には、虚ろな表情をした一人の少女が漂っています。もはや地面もなく、何やら上下反転しているかのような不思議な空間には彼女の行先を導くかのような光線が差し込んでいました。
溶け合って滲むような色のせめぎあいはどこかこの世ならざるシュールな場面を作り出しています。見ていると夢の中の物語の断片を追っているような気分にさせられました。
入口付近の3面にキャンバスを分割した「Ruby」にも目がとまります。色彩の風をきって歩く少女の姿は儚く見えました。

「睫毛のようなささくれの集積」(画廊リリースより引用)のようなタッチからは木々に生い茂る葉のざわめきを連想しました。洞窟や森などの自然をわけて彷徨う少女の旅はまだ続くのかもしれません。
11月30日までの開催です。おすすめします。
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