都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「甘いねこ展」 とらや東京ミッドタウン店
とらや東京ミッドタウン店
「甘いねこ展」
9/25-12/16

とらや東京ミッドタウン店で開催中の「甘いねこ展」を見てきました。
「猫は 上のかぎりくろくて、腹いとしろき。」(枕草子より)
古くより日本人が愛してきた猫。その猫をテーマとした企画展がとらやミッドタウン店で行われています。

まずずらりと並ぶのは招き猫などの郷土人形。その数、約20点。京都の伏見人形から仙台の堤人形まで。江戸時代から作られてきたものが多いそうです。

地元の千葉の人形もお目見えです。長生郡の芝原人形に香取市の佐原張子が出品。ちなみに芝原人形は千葉に唯一残る伝統的土人形とか。2代、3代と受け継がれて、4代目を継承する千葉惣次が復元したのだそうです。

さらに奥には猫に因んだ様々な著作を紹介。それこそ枕草子にはじまり国芳、守一、そして藤田嗣治の画集まで。既に絶版になった貴重な本も展示しています。猫と日本人の千年にわたる歴史を辿っていました。
さてそれでは肝心の和菓子へとまいりましょう。言うまでもなくとらやでは毎回の展示に合わせて意匠を凝らした和菓子を制作。今回の猫では計3つの新作和菓子が登場しています。

まずは特製羊羹「にけ」。初めに挙げた枕草子の一節に出てくる黒と白の二毛柄の猫がモチーフ。山型のなだらかな曲線が猫の顔を表します。

「うたたね」はどうでしょうか。手鞠のような可愛らしい丸形のお菓子。こちらは三毛猫です。丸まってうたたねする様子を白、茶、橙の三色のそぼろで表現しました。
いずれもかなりのセンスです。猫の特徴をうまくデザインとしてお菓子に落とし込む。具体的な猫よりもデザインとしての猫のイメージが強く打ち出されます。ちなみに「にけ」は一本3600円の豪華版。通常、この手の大型の羊羹はなかなか販売が厳しいそうですが、今回に限ってはお店の方も驚くほど売れているとか。アイデアの勝利です。

そしてお菓子はいずれもとらやの社員から案を募って制作されています。会場では様々なお菓子のデザインもパネルで紹介。これがなかなか魅せます。

こちらは「すませば」。実際に商品化され、11/4まで販売されていたお菓子です。猫の耳を象ったものですが、紅に色づけした餡をどう浮かび上がらせるかに苦労したそうです。

また猫の目をモチーフとしたお菓子も最終の試作段階までいったそうですが、残念ながら商品化は断念したとか。まさに試行錯誤です。

その他、猫が金魚を見つめる可愛らしいモチーフや歯を象った個性的なものも。アイデアは多種多様。10作程度はお菓子の試作まで進んだそうです。

甘いねこのシール
ちなみに過去、とらやで猫をモチーフにしたお菓子を制作したことは殆どありません。と言うのも、猫は時に魔性の意味とも結びつき、縁起の悪い生き物とされていたとか。また毎年、年末年始には干支の動物を題材にした和菓子も販売してきましたが、そもそも干支にも猫は出てきません。そこにあえて今回取り組んだわけです。

本展は猫ではお馴染みのWEBマガジン、「ilove.cat」をパートナーに実現した企画です。そちらでも展示の情報が掲載されています。あわせてご覧ください。
「甘いねこ展 とらや東京ミッドタウン店ギャラリー開催中!12/16まで。」@ilove.cat
ミッドタウンとらやの企画展も今回で30回目です。小さなスペースながらも和菓子から日本の文化を発信しようとする試み。感度の良い展示には毎回感心させられます。

12月16日までの開催です。
「甘いねこ展」 とらや東京ミッドタウン店
会期:9月25日(水)~12月16日(月)
休館:会期中無休
時間:11:00~21:00
住所:港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア地下1階
交通:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩3分。
「甘いねこ展」
9/25-12/16

とらや東京ミッドタウン店で開催中の「甘いねこ展」を見てきました。
「猫は 上のかぎりくろくて、腹いとしろき。」(枕草子より)
古くより日本人が愛してきた猫。その猫をテーマとした企画展がとらやミッドタウン店で行われています。

まずずらりと並ぶのは招き猫などの郷土人形。その数、約20点。京都の伏見人形から仙台の堤人形まで。江戸時代から作られてきたものが多いそうです。

地元の千葉の人形もお目見えです。長生郡の芝原人形に香取市の佐原張子が出品。ちなみに芝原人形は千葉に唯一残る伝統的土人形とか。2代、3代と受け継がれて、4代目を継承する千葉惣次が復元したのだそうです。

さらに奥には猫に因んだ様々な著作を紹介。それこそ枕草子にはじまり国芳、守一、そして藤田嗣治の画集まで。既に絶版になった貴重な本も展示しています。猫と日本人の千年にわたる歴史を辿っていました。
さてそれでは肝心の和菓子へとまいりましょう。言うまでもなくとらやでは毎回の展示に合わせて意匠を凝らした和菓子を制作。今回の猫では計3つの新作和菓子が登場しています。

まずは特製羊羹「にけ」。初めに挙げた枕草子の一節に出てくる黒と白の二毛柄の猫がモチーフ。山型のなだらかな曲線が猫の顔を表します。

「うたたね」はどうでしょうか。手鞠のような可愛らしい丸形のお菓子。こちらは三毛猫です。丸まってうたたねする様子を白、茶、橙の三色のそぼろで表現しました。
いずれもかなりのセンスです。猫の特徴をうまくデザインとしてお菓子に落とし込む。具体的な猫よりもデザインとしての猫のイメージが強く打ち出されます。ちなみに「にけ」は一本3600円の豪華版。通常、この手の大型の羊羹はなかなか販売が厳しいそうですが、今回に限ってはお店の方も驚くほど売れているとか。アイデアの勝利です。

そしてお菓子はいずれもとらやの社員から案を募って制作されています。会場では様々なお菓子のデザインもパネルで紹介。これがなかなか魅せます。

こちらは「すませば」。実際に商品化され、11/4まで販売されていたお菓子です。猫の耳を象ったものですが、紅に色づけした餡をどう浮かび上がらせるかに苦労したそうです。

また猫の目をモチーフとしたお菓子も最終の試作段階までいったそうですが、残念ながら商品化は断念したとか。まさに試行錯誤です。

その他、猫が金魚を見つめる可愛らしいモチーフや歯を象った個性的なものも。アイデアは多種多様。10作程度はお菓子の試作まで進んだそうです。

甘いねこのシール
ちなみに過去、とらやで猫をモチーフにしたお菓子を制作したことは殆どありません。と言うのも、猫は時に魔性の意味とも結びつき、縁起の悪い生き物とされていたとか。また毎年、年末年始には干支の動物を題材にした和菓子も販売してきましたが、そもそも干支にも猫は出てきません。そこにあえて今回取り組んだわけです。

本展は猫ではお馴染みのWEBマガジン、「ilove.cat」をパートナーに実現した企画です。そちらでも展示の情報が掲載されています。あわせてご覧ください。
「甘いねこ展 とらや東京ミッドタウン店ギャラリー開催中!12/16まで。」@ilove.cat
ミッドタウンとらやの企画展も今回で30回目です。小さなスペースながらも和菓子から日本の文化を発信しようとする試み。感度の良い展示には毎回感心させられます。

12月16日までの開催です。
「甘いねこ展」 とらや東京ミッドタウン店
会期:9月25日(水)~12月16日(月)
休館:会期中無休
時間:11:00~21:00
住所:港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア地下1階
交通:都営地下鉄大江戸線六本木駅出口8より直結。東京メトロ日比谷線六本木駅より地下通路にて直結。東京メトロ千代田線乃木坂駅出口3より徒歩3分。
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