「毛利悠子 Pleated Image」 waitingroom

waitingroom
「毛利悠子 Pleated Image」 
4/9~5/15



waitingroomで開催中の「毛利悠子 Pleated Image」を見てきました。

昨年の「日産アートアワード2015」でグランプリを受賞し、今年の森美術館の「六本木クロッシング」にも参加している美術家、毛利悠子。waitingroomでは約2年ぶりの個展です。



入口外から何やらウィンウィンといった音が鳴り響いています。おそらく機械の可動音です。聞き慣れないようで、どこかでよく耳にする音のようにも聞こえます。入ってみれば暗室に白い壁。衝立です。太く白いロープが滑車の上を動いています。衝立は二枚。木製で中に空洞があります。ロープはさらにその隙間を通して反対側へと伝わっていました。



音の正体はスキャナでした。というのも衝立の下には蓋の空いたスキャナが可動。白い光を放ちながらひたすらに何物かをスキャンし続けているのです。



スキャナは全部で3台でしょうか。1台は壁にかけてあり、前には何もありません。いわば空間をスキャンしています。もう2台は床に直置きです。1台の上にはひっきりなしに羽を動かす紙の蝶があります。それをスキャン。もう一方には先のロープが垂れ下がっています。ただし滑車の効果か、ロープは常に上下に運動。必ずしもスキャンのタイミングでロープがあるわけでもありません。



時に連関し、有機的に繋がっては動いているかのような作品装置。今年のクロッシングにもやや近いかもしれませんが、さらに一歩踏み込んだ仕掛けがありました。というのも毛利はこのスキャンの画像をハードディスクに記録。画像データも公開しているのです。

スキャニングの画像→https://www.flickr.com/photos/139876404@N07

動きがあることで画像は様々に振幅します。中には顔や手をかざす人もいるやもしれません。そうすれば作品へ観客が介在することにもなります。いわば偶然の産物です。こうした現実における「ぶれ」や「揺らぎ」(ともにギャラリーサイトより)を保存する試み。面白いのではないかと感じました。



waitingroomのオープン日は月曜、および金~日曜日です。火~木曜日はお休みです。ご注意ください。

5月15日まで開催されています。

「毛利悠子 Pleated Image」 waitingroom@waitingroom_
会期:4月9日(土)~5月15日(日)
休廊:火~木曜日。*オープンは月、及び金~日曜日のみ。
時間:月曜 17:00~23:00、金・土・日曜 13:00~19:00
料金:無料
住所:渋谷区恵比寿西2-8-11 渋谷百貨ビル3F(4B)
交通:JR線、東京メトロ日比谷線恵比寿駅西口より徒歩4分。東急東横線代官山駅東口より徒歩5分。
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