都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
雨の中のお伊勢参り 後編「おはらい町/おかげ横丁」・「猿田彦神社」・「月読宮」・「神宮徴古館」
前編「外宮」・「内宮」に続きます。伊勢神宮へ参拝してきました。
雨の中のお伊勢参り 前編「外宮」・「内宮」
内宮を出て、おはらい町へと繰り出すと、荒天にも関わらず、かなりの人出で賑わっていました。伊勢特有の建築による街並みが約800メートルほど続き、石畳の通りの左右には、土産物店や飲食店、また酒屋などが連なっていました。
その内宮門前町の一画にあるのが、伊勢の古い建築を移設、もしく再現したおかげ横丁で、約4000坪の敷地内に、おはらい町同様、たくさんの飲食店がひしめき合っています。ちょっとしたテーマパークと言えるかもしれません。
おかげ横丁は、横丁とあるように、通路も狭いため、他の方と傘がぶつかりあうほどでした。ちょうど太鼓の演舞が行われていましたが、なかなかじっくりと楽しむような状況ではありませんでした。
気がつけば、朝からほぼ歩き通しでした。何軒かの土産店で土産を買い、酒屋をひやかしたのちは、少し休もうと、喫茶店を探しました。ちょうど目の前にあったのが、カップジュピーで、混んではいたものの、タイミング良く座ることが出来ました。
空間分煙(カウンターのみ喫煙)ながら、店内の居心地は良く、写真を撮り損ねましたが、ケーキもコーヒーも本格的で、いわゆる観光地にありがちな店ではありません。随所にこだわりを感じました。おすすめ出来ると思います。
カップジュピーで休憩した後は、神宮を背にして、おはらい町を北に歩きました。ものの10分弱で、伊勢街道に面した宇治浦田町の交差点に辿り着きました。そのすぐ近くにあるのが猿田彦神社です。神話では、高千穂に天照大御神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を案内し、伊勢に戻って全国を開拓した言われることから、全ての始まりの道標となる「みちひらきの神様」として信仰されています。
神宮に比べると静かな境内でしたが、それでも七五三で記念撮影をしているファミリーも見受けられました。また中には、天岩窟(あめのいわや)にこもった天照大御神の前で神楽をしたという、天宇受売命(あめのうずめのみこと)を祀った佐留女神社もあり、そちらも合わせてお参りしました。舞を演じたことから、芸能にご利益があるとされているそうです。
猿田彦神社から北へ1キロ弱の丘に位置するのが、月読宮(つきよみのみや)でした。内宮の別宮に当たり、月読宮をはじめ、月読荒御魂宮(つきよみあらみたまのみや)、伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)、そして伊佐奈弥宮(いざなみのみや)の四宮が鎮座しています。晴れていれば猿田彦神社からも歩けますが、この頃から雨が強くなり、ほぼ土砂降りになってしまいました。よって循環バスに乗り、月読宮近くのバス停、中村で下車しました。そこからは鳥居までは5分とかかりませんでした。
境内へ入ると鬱蒼とした森で、参道は薄暗く、内宮とも離れているからか、まるで人気がありませんでした。木々に激しく当たっては落ちる雨音だけが聞こえてきました。
月読宮では四つの別宮が横一列に並んでいます。右から月読荒御魂宮(2)、月読宮(1)、伊佐奈岐宮(3)、伊佐奈弥宮(4)で、番号の順、つまり右から2つ目の月読宮から参拝する慣わしになっています。ほぼ誰もいなかったので、ここは後ろも気にせずに、じっくり拝むことが出来ました。
なお月読宮の祭神である月読尊は、天照大御神の弟神に当たり、創始は不明ながらも、おそらく奈良時代には月讀社として称されていたと考えられています。かつては五十鈴川の近くにあったものの、五十鈴川の洪水で流されたため、855年に現在地に編座したと言われています。
月読宮を出て時計を見ると、既に15時半を回っていました。最後の目的地は、さらに北にある倭姫宮に隣接した神宮徴古館です。神宮農業館、神宮美術館とともに、神宮の博物館の1つで、神宮のお祭りや社殿建築、式年遷宮に関する神宝などを紹介しています。
大変に立派な建物でした。神宮徴古館が建てられたのは、明治42年で、当時は日本初の私立博物館でした。本館1階と2階、そして別館の1階に展示室があり、各神宝類だけでなく国史絵画のほか、太刀なども並んでいました。思いの外にボリュームがあり、総じて式年遷宮の展示が充実していました。また荒天のせいか、館内は貸切状態でした。
予定では、神宮農業館、神宮美術館も鑑賞するつもりでしたが、いずれも入館時間が16時半までだったため、時間切れになってしまいました。よって閉館まで神宮徴古館を見学した後、再びバスに乗り、伊勢市駅へと戻りました。そして17時過ぎの近鉄特急に乗り、名古屋へと向かいました。
朝に伊勢に入った時は、二見浦まで足を伸ばそうかとも考えていましたが、とても時間が足りません。伊勢界隈だけで1日がかりでした。
雨のお伊勢参りも趣深いものがあります。雨が降りしきり、靄のかかった伊勢神宮は、どこか幻想的な雰囲気に包まれていました。
「猿田彦神社」
住所:三重県伊勢市宇治浦田2-1-10
交通:JR線・近鉄線伊勢市駅よりバスで約15分。
「月読宮」
住所:三重県伊勢市中村町742-1
交通:近鉄線五十鈴川駅より徒歩10分。
「神宮徴古館」
休館:木曜日。但し祝日の場合は翌平日。年末年始(12月29日~31日)
時間:9:00~16:00(観覧は16時半まで)
料金:大人500(300)円、小中学生100(無料)円。
*( )内は20名以上の団体料金。
*美術館との共通券(大人700円、小中学生200円。)あり。
住所:三重県伊勢市神田久志本町1754-1
交通:近鉄線五十鈴川駅より徒歩15分。JR線・近鉄線伊勢市駅よりバスで約15分。
雨の中のお伊勢参り 前編「外宮」・「内宮」
内宮を出て、おはらい町へと繰り出すと、荒天にも関わらず、かなりの人出で賑わっていました。伊勢特有の建築による街並みが約800メートルほど続き、石畳の通りの左右には、土産物店や飲食店、また酒屋などが連なっていました。
その内宮門前町の一画にあるのが、伊勢の古い建築を移設、もしく再現したおかげ横丁で、約4000坪の敷地内に、おはらい町同様、たくさんの飲食店がひしめき合っています。ちょっとしたテーマパークと言えるかもしれません。
おかげ横丁は、横丁とあるように、通路も狭いため、他の方と傘がぶつかりあうほどでした。ちょうど太鼓の演舞が行われていましたが、なかなかじっくりと楽しむような状況ではありませんでした。
気がつけば、朝からほぼ歩き通しでした。何軒かの土産店で土産を買い、酒屋をひやかしたのちは、少し休もうと、喫茶店を探しました。ちょうど目の前にあったのが、カップジュピーで、混んではいたものの、タイミング良く座ることが出来ました。
空間分煙(カウンターのみ喫煙)ながら、店内の居心地は良く、写真を撮り損ねましたが、ケーキもコーヒーも本格的で、いわゆる観光地にありがちな店ではありません。随所にこだわりを感じました。おすすめ出来ると思います。
カップジュピーで休憩した後は、神宮を背にして、おはらい町を北に歩きました。ものの10分弱で、伊勢街道に面した宇治浦田町の交差点に辿り着きました。そのすぐ近くにあるのが猿田彦神社です。神話では、高千穂に天照大御神の孫である瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)を案内し、伊勢に戻って全国を開拓した言われることから、全ての始まりの道標となる「みちひらきの神様」として信仰されています。
神宮に比べると静かな境内でしたが、それでも七五三で記念撮影をしているファミリーも見受けられました。また中には、天岩窟(あめのいわや)にこもった天照大御神の前で神楽をしたという、天宇受売命(あめのうずめのみこと)を祀った佐留女神社もあり、そちらも合わせてお参りしました。舞を演じたことから、芸能にご利益があるとされているそうです。
猿田彦神社から北へ1キロ弱の丘に位置するのが、月読宮(つきよみのみや)でした。内宮の別宮に当たり、月読宮をはじめ、月読荒御魂宮(つきよみあらみたまのみや)、伊佐奈岐宮(いざなぎのみや)、そして伊佐奈弥宮(いざなみのみや)の四宮が鎮座しています。晴れていれば猿田彦神社からも歩けますが、この頃から雨が強くなり、ほぼ土砂降りになってしまいました。よって循環バスに乗り、月読宮近くのバス停、中村で下車しました。そこからは鳥居までは5分とかかりませんでした。
境内へ入ると鬱蒼とした森で、参道は薄暗く、内宮とも離れているからか、まるで人気がありませんでした。木々に激しく当たっては落ちる雨音だけが聞こえてきました。
月読宮では四つの別宮が横一列に並んでいます。右から月読荒御魂宮(2)、月読宮(1)、伊佐奈岐宮(3)、伊佐奈弥宮(4)で、番号の順、つまり右から2つ目の月読宮から参拝する慣わしになっています。ほぼ誰もいなかったので、ここは後ろも気にせずに、じっくり拝むことが出来ました。
なお月読宮の祭神である月読尊は、天照大御神の弟神に当たり、創始は不明ながらも、おそらく奈良時代には月讀社として称されていたと考えられています。かつては五十鈴川の近くにあったものの、五十鈴川の洪水で流されたため、855年に現在地に編座したと言われています。
月読宮を出て時計を見ると、既に15時半を回っていました。最後の目的地は、さらに北にある倭姫宮に隣接した神宮徴古館です。神宮農業館、神宮美術館とともに、神宮の博物館の1つで、神宮のお祭りや社殿建築、式年遷宮に関する神宝などを紹介しています。
大変に立派な建物でした。神宮徴古館が建てられたのは、明治42年で、当時は日本初の私立博物館でした。本館1階と2階、そして別館の1階に展示室があり、各神宝類だけでなく国史絵画のほか、太刀なども並んでいました。思いの外にボリュームがあり、総じて式年遷宮の展示が充実していました。また荒天のせいか、館内は貸切状態でした。
予定では、神宮農業館、神宮美術館も鑑賞するつもりでしたが、いずれも入館時間が16時半までだったため、時間切れになってしまいました。よって閉館まで神宮徴古館を見学した後、再びバスに乗り、伊勢市駅へと戻りました。そして17時過ぎの近鉄特急に乗り、名古屋へと向かいました。
朝に伊勢に入った時は、二見浦まで足を伸ばそうかとも考えていましたが、とても時間が足りません。伊勢界隈だけで1日がかりでした。
雨のお伊勢参りも趣深いものがあります。雨が降りしきり、靄のかかった伊勢神宮は、どこか幻想的な雰囲気に包まれていました。
「猿田彦神社」
住所:三重県伊勢市宇治浦田2-1-10
交通:JR線・近鉄線伊勢市駅よりバスで約15分。
「月読宮」
住所:三重県伊勢市中村町742-1
交通:近鉄線五十鈴川駅より徒歩10分。
「神宮徴古館」
休館:木曜日。但し祝日の場合は翌平日。年末年始(12月29日~31日)
時間:9:00~16:00(観覧は16時半まで)
料金:大人500(300)円、小中学生100(無料)円。
*( )内は20名以上の団体料金。
*美術館との共通券(大人700円、小中学生200円。)あり。
住所:三重県伊勢市神田久志本町1754-1
交通:近鉄線五十鈴川駅より徒歩15分。JR線・近鉄線伊勢市駅よりバスで約15分。
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