「中村萌 our whereabouts - 私たちの行方 -」 ポーラ ミュージアム アネックス

ポーラ ミュージアム アネックス
「中村萌 our whereabouts - 私たちの行方 -」
2021/9/3~10/10



ポーラ ミュージアム アネックスで開催中の「中村萌 our whereabouts - 私たちの行方 -」を見てきました。

1988年に東京で生まれた中村萌は、丸太を削り出しては油絵具で着彩した彫刻を手がけ、台湾のアートフェアで人気を集めるなど、海外でも注目されてきました。

その中村の新旧作で構成されたのが「our whereabouts - 私たちの行方 -」で、会場には主に楠を素材とした木彫や平面の作品、計24点が展示されていました。



それらはいずれも植物、とりわけ樹木や雲をまとった子どものような姿をしていて、あたかも森の中に住む小さな妖精のようでした。



丸々とした顔の頬は薄いピンク色に染まっていて、目を虚に開けている一方、静かに眠るように伏していました。まるで夢見心地のような表情もかわいらしいのではないでしょうか。



細目を開けながらも、すぐ前を見るのではなく、遥か遠くを眺めるような視線も興味深く思えました。またぷっくらと膨らんだ口は時に微かに開いていて、小さな声で何かを祈りを唱えているようにも見えました。



私が特に心を引かれたのは表面の多様な質感表現で、丸みを帯びて滑らかな部分と、一転しての荒々しく削り取られたような箇所からはともに木の温もりが感じられました。



塗り残しの木目を活かした油絵具による鮮やかな彩色も魅力といえるかもしれません。会場内には木そのものの香りが満ちていて、さながら森の奥深くへ迷い込むかのようでした。



「わたしのようで、わたしではなく、だれかのようで、だれでもない。そんな曖昧な存在を探るようにして、つくりつづけています。」 中村萌 *ポーラ ミュージアム アネックスのWEBサイトより


なお本展とあわせ、ポーラ ミュージアム アネックスにほど近い京橋のギャラリー椿でも「inside us」と題した個展を開催中です。

「中村萌 inside us」ギャラリー椿
会期:2021年9月3日(金)〜9月25日(土) *日・月・祝 休廊
時間:12:00〜18:00
http://www.gallery-tsubaki.net/tsubaki.html

予約は不要、撮影も可能です。10月10日まで開催されています。

「中村萌 our whereabouts - 私たちの行方 -」 ポーラ ミュージアム アネックス@POLA_ANNEX
会期:2021年9月3日(金)~10月10日(日)
休館:会期中無休。
料金:無料
時間:11:00~19:00 *入場は18:30まで 
住所:中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階
交通:東京メトロ有楽町線銀座1丁目駅7番出口よりすぐ。JR有楽町駅京橋口より徒歩5分。
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