都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT
21_21 DESIGN SIGHT
「ルール?展」
2021/7/2〜11/28

法律や交通インフラ、公的サービスをはじめ、契約や合意、家族や個人の習慣などのルールを、デザインによってかたちづけようとする展覧会が、21_21 DESIGN SIGHTにて開催されています。
それが「ルール?展」で、法律家の水野祐、コグニティブデザイナーの菅俊一、キュレーターの田中みゆきの3名がディレクターを担い、インスタレーションをはじめとした多様な作品が展示されていました。
いわばルールを学び、あり方を問い直すべく、観客とともに考える参加型の作品が多いのも特徴といえるかもしれません。
そのうち特に目立っていたのが、ダニエル・ヴェッツェル(リミニ・プロトコル)+田中みゆき+小林恵吾(K2LAB)×植村遥+萩原俊矢×N Sketch Inc.による『あなたでなければ、誰が?』で、最大14名が当時に体験できる10分間の映像を用いたインスタレーションでした。

ダニエル・ヴェッツェル(リミニ・プロトコル)+田中みゆき+小林恵吾(NoRA) × 植村 遥 萩原俊矢 × N sketch Inc. 「あなたでなければ、誰が?」(2021年)
ここでは民主主義、人新世、経済、超越、平等の5つのテーマから、「常に正しいことをしてきた?」や「安心して意見を言える場所がある?」などの質問が投げかけられていて、観客は床の「はい」と「いいえ」を選んで答えることができました。そして回答は集計し、データ化される上、過去の回答と比べられていて、他者や集団との違いなどを確認することができました。

一般社団法人コード・フォー・ジャパン「のびしろ、おもしろっ。シビックテック」
一般社団法人コード・フォー・ジャパンの「のびしろ、おもしろっ。シビックテック」もタブレットやなどにアイデアを入力し、ルールの決定プロセスに参加できる作品で、「インターネットを使うためのルールはあるべき?」や「履歴書にテンプレートは必要?」などのテーマが設定されていました。ぞれぞれのテーマは投票期間が決まっていて、集計後に結果が展示されるように作られていました。

展示室内にて自由に使える箱
展示室内に置かれた木の箱も持ち運びが可能で、「建物の外に持ち出さない」や「次に使う人がいない場合は元の場所に戻す」などの一定のルールの元であれば、来場者が自由に使うことができました。

「会場ルール変更履歴」
また会場では「会場ルール変更履歴」として、来場者の行動によって新たに付け加えられたルールが明示されていて、理由までも細かに記されていました。そのほとんどが手を触れないや会話を控えるなど、何かを禁止、あるいは規制するルールであるのも興味深いかもしれません。

葛宇路「葛宇路」 *標識のレプリカ
私が一連の展示で特に面白く感じたのは、中国のアーティスト、葛宇路(グゥ・ユルー)の作品でした。中国語で道を意味する「路」の名を持つ葛は、北京市内の無名の道路に自身の名を記した標識を設置しました。

葛宇路「葛宇路」(2017年)
すると地図サービスに登録されたり、宅配などで利用され、違反切符に取り入れられるなど数年間も放置されました。結果的に当局によって撤去されましたが、命名や所有といったルールのあり方に一石を投じる試みともいえるのではないでしょうか。

丹羽良徳「自分の所有物を街で購入する」2011年
この他では丹羽良徳の「自分の所有物を街で購入する」や遠藤麻衣の「アイ・アム・ノット・フェミニスト!」なども、経済や売買、それに婚姻制度といったシステムに再考を促す作品だったかもしれません。

石川将也+nomena+中路景暁「四角が行く」
ルールの扱う範囲は多岐に渡る上、各作家の取り組みも多様で、想像以上にバリエーションに豊かな展示という印象を受けました。

「群れを生むルール」 企画構成:菅俊一、平瀬謙太朗、木村優作
8月14日から事前予約制が導入されました。現在、会期も中盤を迎え、土日を中心に予約が埋まる傾向にあります。実際、私も平日の夕方に見てきましたが、場内は特に若い方を中心にして賑わっていました。お出かけの際は予約サイトで空き状況をご確認ください。
11月28日まで開催されています。
「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT(@2121DESIGNSIGHT)
会期:2021年7月2日(金)〜11月28日(日)
休館:火曜日。但し11月23日は開館。
時間:11:00~17:00(平日)、11:00〜18:00(土日祝)
*入場は閉場の30分前まで。
料金:一般1200円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
「ルール?展」
2021/7/2〜11/28

法律や交通インフラ、公的サービスをはじめ、契約や合意、家族や個人の習慣などのルールを、デザインによってかたちづけようとする展覧会が、21_21 DESIGN SIGHTにて開催されています。
それが「ルール?展」で、法律家の水野祐、コグニティブデザイナーの菅俊一、キュレーターの田中みゆきの3名がディレクターを担い、インスタレーションをはじめとした多様な作品が展示されていました。
いわばルールを学び、あり方を問い直すべく、観客とともに考える参加型の作品が多いのも特徴といえるかもしれません。
そのうち特に目立っていたのが、ダニエル・ヴェッツェル(リミニ・プロトコル)+田中みゆき+小林恵吾(K2LAB)×植村遥+萩原俊矢×N Sketch Inc.による『あなたでなければ、誰が?』で、最大14名が当時に体験できる10分間の映像を用いたインスタレーションでした。

ダニエル・ヴェッツェル(リミニ・プロトコル)+田中みゆき+小林恵吾(NoRA) × 植村 遥 萩原俊矢 × N sketch Inc. 「あなたでなければ、誰が?」(2021年)
ここでは民主主義、人新世、経済、超越、平等の5つのテーマから、「常に正しいことをしてきた?」や「安心して意見を言える場所がある?」などの質問が投げかけられていて、観客は床の「はい」と「いいえ」を選んで答えることができました。そして回答は集計し、データ化される上、過去の回答と比べられていて、他者や集団との違いなどを確認することができました。

一般社団法人コード・フォー・ジャパン「のびしろ、おもしろっ。シビックテック」
一般社団法人コード・フォー・ジャパンの「のびしろ、おもしろっ。シビックテック」もタブレットやなどにアイデアを入力し、ルールの決定プロセスに参加できる作品で、「インターネットを使うためのルールはあるべき?」や「履歴書にテンプレートは必要?」などのテーマが設定されていました。ぞれぞれのテーマは投票期間が決まっていて、集計後に結果が展示されるように作られていました。

展示室内にて自由に使える箱
展示室内に置かれた木の箱も持ち運びが可能で、「建物の外に持ち出さない」や「次に使う人がいない場合は元の場所に戻す」などの一定のルールの元であれば、来場者が自由に使うことができました。

「会場ルール変更履歴」
また会場では「会場ルール変更履歴」として、来場者の行動によって新たに付け加えられたルールが明示されていて、理由までも細かに記されていました。そのほとんどが手を触れないや会話を控えるなど、何かを禁止、あるいは規制するルールであるのも興味深いかもしれません。

葛宇路「葛宇路」 *標識のレプリカ
私が一連の展示で特に面白く感じたのは、中国のアーティスト、葛宇路(グゥ・ユルー)の作品でした。中国語で道を意味する「路」の名を持つ葛は、北京市内の無名の道路に自身の名を記した標識を設置しました。

葛宇路「葛宇路」(2017年)
すると地図サービスに登録されたり、宅配などで利用され、違反切符に取り入れられるなど数年間も放置されました。結果的に当局によって撤去されましたが、命名や所有といったルールのあり方に一石を投じる試みともいえるのではないでしょうか。

丹羽良徳「自分の所有物を街で購入する」2011年
この他では丹羽良徳の「自分の所有物を街で購入する」や遠藤麻衣の「アイ・アム・ノット・フェミニスト!」なども、経済や売買、それに婚姻制度といったシステムに再考を促す作品だったかもしれません。

石川将也+nomena+中路景暁「四角が行く」
ルールの扱う範囲は多岐に渡る上、各作家の取り組みも多様で、想像以上にバリエーションに豊かな展示という印象を受けました。

「群れを生むルール」 企画構成:菅俊一、平瀬謙太朗、木村優作
8月14日から事前予約制が導入されました。現在、会期も中盤を迎え、土日を中心に予約が埋まる傾向にあります。実際、私も平日の夕方に見てきましたが、場内は特に若い方を中心にして賑わっていました。お出かけの際は予約サイトで空き状況をご確認ください。
【新着】あなたにとってのルールとは? さまざまなルールの作り方や問題点を21_21 DESIGN SIGHTにて考える https://t.co/W95Ry6WpFt
— Pen Magazine (@Pen_magazine) September 12, 2021
11月28日まで開催されています。
「ルール?展」 21_21 DESIGN SIGHT(@2121DESIGNSIGHT)
会期:2021年7月2日(金)〜11月28日(日)
休館:火曜日。但し11月23日は開館。
時間:11:00~17:00(平日)、11:00〜18:00(土日祝)
*入場は閉場の30分前まで。
料金:一般1200円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。
住所:港区赤坂9-7-6 東京ミッドタウン・ガーデン内
交通:都営地下鉄大江戸線・東京メトロ日比谷線六本木駅、及び東京メトロ千代田線乃木坂駅より徒歩5分。
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