都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
2022年3月に見たい展覧会【空也上人と六波羅蜜寺/本城直季/カラーフィールド】
今年は関東でもかなり寒い日が続きましたが、3月に入る少し前から暖かくなってきました。日差しはすでに春を感じさせます。

先月は開幕が延期されていた『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』と『メトロポリタン美術館展』が相次いではじまり、ともに質量ともに充実した内容で多くの美術ファンの注目を集めています。特に『メトロポリタン美術館展』は全編がほぼハイライトといっても良いほどのラインナップで、大変に見応えがありました。
3月も注目したい展覧会が目白押しです。今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・『特別展 春日神霊の旅 -杉本博司 常陸から大和へ』 神奈川県立金沢文庫(1/29~3/21)
・『デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展』 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール(3/3~3/21)
・『季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~』 大倉集古館(1/18~3/27)
・『よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―』 サントリー美術館(1/26~3/27)
・『ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?』 ポーラ美術館(2021/9/18~2022/3/30)
・『VOCA展2022 現代美術の展望—新しい平面の作家たち』 上野の森美術館(3/11~3/30)
・『はじまりから、いま。 1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡―古代美術、印象派、そして現代へ』 アーティゾン美術館(1/29~4/10)
・『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』 横須賀美術館(2/11~4/10)
・『開館55周年記念特別展 上村松園・松篁 —美人画と花鳥画の世界—』 山種美術館(2/5~4/17)
・『建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか』 板橋区立美術館(3/12~4/17)
・『21_21 DESIGN Future SIGHT』 21_21 DESIGN SIGHT(2021/12/21~2022/5/8)
・『浅田政志展』 水戸芸術館(2/19~5/8)
・『空也上人と六波羅蜜寺』 東京国立博物館(3/1〜5/8)
・『春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります―京の絵画と敦賀コレクション』 府中市美術館(3/12~5/8)
・『没後50年 鏑木清方展』 東京国立近代美術館(3/18~5/8)
・『アイラブアート16 視覚トリップ展 ~ウォーホル、パイク、ボイス 15人のドローイングを中心に~』 ワタリウム美術館(1/22~5/15)
・『開館40周年記念展 扉は開いているか ―美術館とコレクション1982-2022』 埼玉県立近代美術館(2/5~5/15)
・『上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー』 三菱一号館美術館(2/18~5/15)
・『第25回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展』 川崎市岡本太郎美術館(2/19~5/15)
・『丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展』 たばこと塩の博物館(2/26~5/15)
・『本城直季 (un)real utopia』 東京都写真美術館(3/19~5/15)
・『北斎花らんまん』 すみだ北斎美術館(3/15~5/22)
・『ダミアン・ハースト 桜』 国立新美術館(3/2~5/23)
・『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』 森美術館(2/18~5/29)
・『吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる/生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展』 東京都現代美術館(3/19~6/19)
・『シダネルとマルタン展』 SOMPO美術館(3/26~6/26)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
ギャラリー
・『AC部「異和感ナイズ展』 クリエイションギャラリーG8(2/22~3/30)
・『渡辺豪 所在について』 ANOMALY(3/5~4/2)
・『泉太郎』 Take Ninagawa(2/26~4/9)
・『山口藍展 山あいの歌』 ミヅマアートギャラリー(3/9~4/9)
・『Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村』 東京都渋谷公園通りギャラリー(1/22~4/10)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展 2022 後期』 ポーラ ミュージアム アネックス (3/18~4/17)
・『Soul ジェーン エヴリン アトウッド展』 シャネル・ネクサス・ホール(3/30~5/8)
・『遠藤利克』 SCAI THE BATHHOUSE(3/8~5/14)
・『千田泰広 ― 視野の外は何色か?』 ギャラリー・エー・クワッド(3/3~5/26)
・『万物資生|中村裕太は、資生堂と を調合する』 資生堂ギャラリー(2/26~5/29)
まずは仏教美術です。東京国立博物館本館特別5室にて『空也上人と六波羅蜜寺』がはじまります。

・『空也上人と六波羅蜜寺』@東京国立博物館(3/1〜5/8)
平安京に疫病が流行した際、念仏を広めた空也上人は、現在の六波羅蜜寺にあたる西光寺を創建し、市井の人々から深い信仰を集めてきました。
その空也上人を象った『空也上人立像』を公開するのが『空也上人と六波羅蜜寺』で、六波羅蜜寺に伝わる平安・鎌倉時代の仏教彫刻が一堂に展示されます。『空也上人立像』が東京で出展されるのは約半世紀ぶりのことで、上人のすがたを写実的に象りながら、口から6体の阿弥陀仏が現れたという伝承を表現したユニークな造形にも改めて注目が集まりそうです。
続いては写真の展覧会です。東京都写真美術館にて『本城直季 (un)real utopia』が開かれます。

・『本城直季 (un)real utopia』@東京都写真美術館(3/19~5/15)
1978年に東京に生まれた本城直季は都市をジオラマのように撮影する作品で知られ、2006年には『small planet』で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞するなどして評価されてきました。
その本城の初の大規模個展が『本城直季 (un)real utopia』で、未公開シリーズを含む約200点の作品が紹介されます。本城といえば、昨年に千葉市にて開かれた『写真芸術展 CHIBA FOTO』にも参加し、コマ撮りの映像を公開するなど新たな展開を見せていましたが、今回の個展でもさらなる次への表現が示されるのかもしれません。
ラストはアメリカの抽象絵画の展覧会です。DIC川村記念美術館にて『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』が行われます。

・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』@DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
「色彩による面の領域が画面のなかで大きな割合を示す絵画」(出典:artscape.jp)カラーフィールドは、1950年末から60年代にかけてのアメリカで発展し、のちの美術界にも大きな影響を与えました。
そうしたカラーフィールドに着目したのが『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』で、フランク・ステラ、モーリス・ルイス、ヘレン・フランケンサーラーといった9作家による50作品が展示されます。アメリカ抽象絵画のコレクションで定評のある同館にはカラーフィールドの作品が所蔵されていますが、今回は世界でも良質なカラーフィールドの作品を有するカナダのマーヴィッシュ・コレクションより約40点が初めて来日します。ロスコルームなどのコレクション展とあわせて楽しむことができそうです。
WEBメディア「イロハニアート」でも3月のおすすめの展覧会をご紹介しました。
春の江戸絵画まつりから鏑木清方、それにシダネルとマルタンまで。3月に見たいおすすめ展覧会5選 | イロハニアート
新型コロナウイルス感染症の影響などにより、各展覧会の会期が変更になる場合があります。最新の情報についてはWEBサイトにてご確認ください。

先月は開幕が延期されていた『フェルメールと17世紀オランダ絵画展』と『メトロポリタン美術館展』が相次いではじまり、ともに質量ともに充実した内容で多くの美術ファンの注目を集めています。特に『メトロポリタン美術館展』は全編がほぼハイライトといっても良いほどのラインナップで、大変に見応えがありました。
3月も注目したい展覧会が目白押しです。今月に見たい展覧会をリストアップしてみました。
展覧会
・『特別展 春日神霊の旅 -杉本博司 常陸から大和へ』 神奈川県立金沢文庫(1/29~3/21)
・『デザイン・ダイアローグ メゾン・エ・オブジェ・パリ展』 日本橋高島屋S.C. 本館8階ホール(3/3~3/21)
・『季節をめぐり、自然と遊ぶ~花鳥・山水の世界~』 大倉集古館(1/18~3/27)
・『よみがえる正倉院宝物―再現模造にみる天平の技―』 サントリー美術館(1/26~3/27)
・『ロニ・ホーン:水の中にあなたを見るとき、あなたの中に水を感じる?』 ポーラ美術館(2021/9/18~2022/3/30)
・『VOCA展2022 現代美術の展望—新しい平面の作家たち』 上野の森美術館(3/11~3/30)
・『はじまりから、いま。 1952ー2022 アーティゾン美術館の軌跡―古代美術、印象派、そして現代へ』 アーティゾン美術館(1/29~4/10)
・『ミロコマチコ いきものたちはわたしのかがみ』 横須賀美術館(2/11~4/10)
・『開館55周年記念特別展 上村松園・松篁 —美人画と花鳥画の世界—』 山種美術館(2/5~4/17)
・『建部凌岱展 その生涯、酔たるか醒たるか』 板橋区立美術館(3/12~4/17)
・『21_21 DESIGN Future SIGHT』 21_21 DESIGN SIGHT(2021/12/21~2022/5/8)
・『浅田政志展』 水戸芸術館(2/19~5/8)
・『空也上人と六波羅蜜寺』 東京国立博物館(3/1〜5/8)
・『春の江戸絵画まつり ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります―京の絵画と敦賀コレクション』 府中市美術館(3/12~5/8)
・『没後50年 鏑木清方展』 東京国立近代美術館(3/18~5/8)
・『アイラブアート16 視覚トリップ展 ~ウォーホル、パイク、ボイス 15人のドローイングを中心に~』 ワタリウム美術館(1/22~5/15)
・『開館40周年記念展 扉は開いているか ―美術館とコレクション1982-2022』 埼玉県立近代美術館(2/5~5/15)
・『上野リチ:ウィーンからきたデザイン・ファンタジー』 三菱一号館美術館(2/18~5/15)
・『第25回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展』 川崎市岡本太郎美術館(2/19~5/15)
・『丸山コレクション 西アジア遊牧民の染織 塩袋と伝統のギャッベ展』 たばこと塩の博物館(2/26~5/15)
・『本城直季 (un)real utopia』 東京都写真美術館(3/19~5/15)
・『北斎花らんまん』 すみだ北斎美術館(3/15~5/22)
・『ダミアン・ハースト 桜』 国立新美術館(3/2~5/23)
・『Chim↑Pom展:ハッピースプリング』 森美術館(2/18~5/29)
・『吉阪隆正展 ひげから地球へ、パノラみる/生誕100年 特撮美術監督 井上泰幸展』 東京都現代美術館(3/19~6/19)
・『シダネルとマルタン展』 SOMPO美術館(3/26~6/26)
・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』 DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
ギャラリー
・『AC部「異和感ナイズ展』 クリエイションギャラリーG8(2/22~3/30)
・『渡辺豪 所在について』 ANOMALY(3/5~4/2)
・『泉太郎』 Take Ninagawa(2/26~4/9)
・『山口藍展 山あいの歌』 ミヅマアートギャラリー(3/9~4/9)
・『Museum of Mom's Art ニッポン国おかんアート村』 東京都渋谷公園通りギャラリー(1/22~4/10)
・『ポーラ ミュージアム アネックス展 2022 後期』 ポーラ ミュージアム アネックス (3/18~4/17)
・『Soul ジェーン エヴリン アトウッド展』 シャネル・ネクサス・ホール(3/30~5/8)
・『遠藤利克』 SCAI THE BATHHOUSE(3/8~5/14)
・『千田泰広 ― 視野の外は何色か?』 ギャラリー・エー・クワッド(3/3~5/26)
・『万物資生|中村裕太は、資生堂と を調合する』 資生堂ギャラリー(2/26~5/29)
まずは仏教美術です。東京国立博物館本館特別5室にて『空也上人と六波羅蜜寺』がはじまります。

・『空也上人と六波羅蜜寺』@東京国立博物館(3/1〜5/8)
平安京に疫病が流行した際、念仏を広めた空也上人は、現在の六波羅蜜寺にあたる西光寺を創建し、市井の人々から深い信仰を集めてきました。
その空也上人を象った『空也上人立像』を公開するのが『空也上人と六波羅蜜寺』で、六波羅蜜寺に伝わる平安・鎌倉時代の仏教彫刻が一堂に展示されます。『空也上人立像』が東京で出展されるのは約半世紀ぶりのことで、上人のすがたを写実的に象りながら、口から6体の阿弥陀仏が現れたという伝承を表現したユニークな造形にも改めて注目が集まりそうです。
続いては写真の展覧会です。東京都写真美術館にて『本城直季 (un)real utopia』が開かれます。

・『本城直季 (un)real utopia』@東京都写真美術館(3/19~5/15)
1978年に東京に生まれた本城直季は都市をジオラマのように撮影する作品で知られ、2006年には『small planet』で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞するなどして評価されてきました。
その本城の初の大規模個展が『本城直季 (un)real utopia』で、未公開シリーズを含む約200点の作品が紹介されます。本城といえば、昨年に千葉市にて開かれた『写真芸術展 CHIBA FOTO』にも参加し、コマ撮りの映像を公開するなど新たな展開を見せていましたが、今回の個展でもさらなる次への表現が示されるのかもしれません。
ラストはアメリカの抽象絵画の展覧会です。DIC川村記念美術館にて『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』が行われます。

・『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』@DIC川村記念美術館(3/19~9/4)
「色彩による面の領域が画面のなかで大きな割合を示す絵画」(出典:artscape.jp)カラーフィールドは、1950年末から60年代にかけてのアメリカで発展し、のちの美術界にも大きな影響を与えました。
そうしたカラーフィールドに着目したのが『カラーフィールド 色の海を泳ぐ』で、フランク・ステラ、モーリス・ルイス、ヘレン・フランケンサーラーといった9作家による50作品が展示されます。アメリカ抽象絵画のコレクションで定評のある同館にはカラーフィールドの作品が所蔵されていますが、今回は世界でも良質なカラーフィールドの作品を有するカナダのマーヴィッシュ・コレクションより約40点が初めて来日します。ロスコルームなどのコレクション展とあわせて楽しむことができそうです。
WEBメディア「イロハニアート」でも3月のおすすめの展覧会をご紹介しました。
春の江戸絵画まつりから鏑木清方、それにシダネルとマルタンまで。3月に見たいおすすめ展覧会5選 | イロハニアート
新型コロナウイルス感染症の影響などにより、各展覧会の会期が変更になる場合があります。最新の情報についてはWEBサイトにてご確認ください。
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