都内近郊の美術館や博物館を巡り歩く週末。展覧会の感想などを書いています。
はろるど
特別展 『ポンペイ』 東京国立博物館 平成館
東京国立博物館 平成館
特別展 『ポンペイ』
2022/1/14~4/3
東京国立博物館 平成館で開催中の特別展 『ポンペイ』のプレス内覧会に参加してきました。
西暦79年、ヴェスヴィオ山の噴火によって埋没した都市ポンペイには、数多くの考古遺物が残され、現在に至るまで発掘と調査活動が続いてきました。
左:ポリュクレイトス『槍を持つ人』 前1〜後1世紀(オリジナルは前450〜前440年)
そのポンペイから出土した品が集まったのが特別展『ポンペイ』で、いずれもナポリ考古学博物館の所蔵作品約150点が公開されていました。
今回のポンペイ展では、彫像やフレスコ画、また壺や装身具から医療用具や工具、食器などの日用品といった幅広い考古資料が展示されていて、それらを通してポンペイに住んでいた人々の暮らしを垣間見ることができました。
『ビキニのウェヌス』 前1〜後1世紀
はじめはポンペイの街を公共施設や宗教の観点から紹介していて、ギリシア彫刻の均整的な美を伝える『槍を持つ人』や女神ウェヌスを表現した『ビキニのウェヌス』といった大理石像に魅せられました。
『フォルムの日常風景』 62〜79年
『フォルムの日常風景』はポンペイの街のフォルムを表したフレスコ画の一部で、金物などを売る商人や品物を見定める人々などが描かれていました。フォルムは市場や神殿などが建つ街の中心で、露天の店が連なり、多くの人で賑わっていました。
『ブドウ摘みを表わした小アンフォラ(通称「青の壺」)』 1世紀前半
ポンペイの市民の暮らしを伝える文物も充実していて、中でもカメオ・ガラスと呼ばれる技法で作られた『ブドウ摘みを表わした小アンフォラ(通称「青の壺」)』が目立っていました。また『エメラルドと真珠母貝のネックレス』などの装飾品もまばゆい光を放っていて、ポンペイの裕福な人々の嗜好を見られました。
『ヘルマ柱型肖像 (通称「ルキウス・カエキリウス・ユクンドゥスのヘルマ柱」)』 前1〜後1世紀
とはいえ、当時のポンペイには人口4分の1とも言われるほど奴隷が存在していて、奴隷出身の一家が街の有力者になったことを示す『ヘルマ柱型肖像 (通称「ルキウス・カエキリウス・ユクンドゥスのヘルマ柱」)』などにも目を引かれました。
左から『南ガリア製の陶器の杯』(1世紀)、『目玉焼き器、あるいは丸パン焼き器』(1世紀)、『アヒルのケーキ型』(1世紀)
ポンペイの市民の息遣いが最も感じられるのは、日常的に使われた道具類で、動物を象った『アヒルのケーキ型』や、まるでたこ焼き器のような『目玉焼き器』も印象に残りました。
『パン屋の店先』 50〜79年
またポンペイには30軒以上のパン屋があったとされていて、街角でパンを焼く店を描いた『パン屋の店先』なども展示されていました。ナイフの切り込みまでが残る炭化したパンも、当時を伝える生々しい資料といえるかもしれません。
左から『膣鏡』(1世紀)、『薬箱』(1世紀)、『外科器具入れ(箱入薬石、スプーン、探り針など)』(1世紀)
『外科器具入れ(箱入薬石、スプーン、探り針など)』といった、傷病の処置や外科手術に用いられた道具類も何点か公開されていて、そのうちいくつかは20世紀に至るまでほとんど形を変えていませんでした。
『家の模型』 1861年
ポンペイの繁栄の歴史を示す「ファウヌスの家」、「竪琴奏者の家」、「悲劇詩人の家」の3軒の邸宅の一部再現展示も見どころかもしれません。
『踊るファウヌス』 前2世紀
「ファウヌスの家」とは前2世紀にさかのぼる邸宅で、主にヘレニズム美術のモザイク装飾が残されました。ワニやマングースなどが描かれた『ナイル川風景』や、サテュロスを躍動感のある形にて表した『踊るファウヌス』などが目を引くかもしれません。
「竪琴奏者の家」展示風景
ポンペイがローマ化し、ローマ文化が黄金時代を迎えた頃の「竪琴奏者の家」においては、中庭の噴水の光景が再現されていて、イヌやイノシシを写実的に表現したブロンズの彫刻などが展示されていました。
「悲劇詩人の家」展示風景
最も年代が新しい「悲劇詩人の家」には、噴火直前に描かれたフレスコ画などが知られていて、邸宅を模した空間の中、比較的保存状態の良い『イフィゲネイアの犠牲』などを見ることができました。
『猛犬注意』 1世紀
「悲劇詩人の家」などに複数確認され、訪問者に番犬がいることを注意喚起した『猛犬注意』のモザイク画も興味深いかもしれません。この他では、大型のスクリーンによる高精細映像の投影など、臨場感のある空間演出も行われていて、それこそ2000年前にタイムスリップしたかのような気分も得られました。
特別展 『ポンペイ』 より8K映像「アレクサンドロス大王のモザイク」
WEBメディア「イロハニアート」にもポンペイ展の様子をご紹介しました。
過去最大のスケール!特別展 『ポンペイ』で体感する古代ローマの人々のリアルなくらし | イロハニアート
会場内は撮影が可能です。ただしフラッシュ、三脚等は使用できません。また状況により中止、あるいは条件が変更となる場合があります。ご注意ください。
『エウマキア像』 1世紀初頭
3月4日(金)より、金曜、土曜、日曜、祝日の開館時間が18時まで延長されました。*総合文化展は17時閉館。
4月3日まで開催されています。なお東京での展示を終えると、京都市京セラ美術館(2022年4月21日~7月3日)、九州国立博物館(2022年10月12日~12月4日)、ほか1会場(宮城)へ巡回します。*写真の所蔵先はすべてナポリ国立考古学博物館
特別展 『ポンペイ』(@pompeii2022) 東京国立博物館 平成館(@TNM_PR)
会期:2022年1月14日(金)~4月3日(日)
休館:月曜日。*ただし3/21(月・祝)、3/28(月)は開館。3/22(火)
時間:9:30~17:00
*3月4日(金)より、金曜、土曜、日曜、祝日は18時まで。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2100円、大学生1300円、高校生900円。
*事前予約(日時指定券)を推奨。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
特別展 『ポンペイ』
2022/1/14~4/3
東京国立博物館 平成館で開催中の特別展 『ポンペイ』のプレス内覧会に参加してきました。
西暦79年、ヴェスヴィオ山の噴火によって埋没した都市ポンペイには、数多くの考古遺物が残され、現在に至るまで発掘と調査活動が続いてきました。
左:ポリュクレイトス『槍を持つ人』 前1〜後1世紀(オリジナルは前450〜前440年)
そのポンペイから出土した品が集まったのが特別展『ポンペイ』で、いずれもナポリ考古学博物館の所蔵作品約150点が公開されていました。
今回のポンペイ展では、彫像やフレスコ画、また壺や装身具から医療用具や工具、食器などの日用品といった幅広い考古資料が展示されていて、それらを通してポンペイに住んでいた人々の暮らしを垣間見ることができました。
『ビキニのウェヌス』 前1〜後1世紀
はじめはポンペイの街を公共施設や宗教の観点から紹介していて、ギリシア彫刻の均整的な美を伝える『槍を持つ人』や女神ウェヌスを表現した『ビキニのウェヌス』といった大理石像に魅せられました。
『フォルムの日常風景』 62〜79年
『フォルムの日常風景』はポンペイの街のフォルムを表したフレスコ画の一部で、金物などを売る商人や品物を見定める人々などが描かれていました。フォルムは市場や神殿などが建つ街の中心で、露天の店が連なり、多くの人で賑わっていました。
『ブドウ摘みを表わした小アンフォラ(通称「青の壺」)』 1世紀前半
ポンペイの市民の暮らしを伝える文物も充実していて、中でもカメオ・ガラスと呼ばれる技法で作られた『ブドウ摘みを表わした小アンフォラ(通称「青の壺」)』が目立っていました。また『エメラルドと真珠母貝のネックレス』などの装飾品もまばゆい光を放っていて、ポンペイの裕福な人々の嗜好を見られました。
『ヘルマ柱型肖像 (通称「ルキウス・カエキリウス・ユクンドゥスのヘルマ柱」)』 前1〜後1世紀
とはいえ、当時のポンペイには人口4分の1とも言われるほど奴隷が存在していて、奴隷出身の一家が街の有力者になったことを示す『ヘルマ柱型肖像 (通称「ルキウス・カエキリウス・ユクンドゥスのヘルマ柱」)』などにも目を引かれました。
左から『南ガリア製の陶器の杯』(1世紀)、『目玉焼き器、あるいは丸パン焼き器』(1世紀)、『アヒルのケーキ型』(1世紀)
ポンペイの市民の息遣いが最も感じられるのは、日常的に使われた道具類で、動物を象った『アヒルのケーキ型』や、まるでたこ焼き器のような『目玉焼き器』も印象に残りました。
『パン屋の店先』 50〜79年
またポンペイには30軒以上のパン屋があったとされていて、街角でパンを焼く店を描いた『パン屋の店先』なども展示されていました。ナイフの切り込みまでが残る炭化したパンも、当時を伝える生々しい資料といえるかもしれません。
左から『膣鏡』(1世紀)、『薬箱』(1世紀)、『外科器具入れ(箱入薬石、スプーン、探り針など)』(1世紀)
『外科器具入れ(箱入薬石、スプーン、探り針など)』といった、傷病の処置や外科手術に用いられた道具類も何点か公開されていて、そのうちいくつかは20世紀に至るまでほとんど形を変えていませんでした。
『家の模型』 1861年
ポンペイの繁栄の歴史を示す「ファウヌスの家」、「竪琴奏者の家」、「悲劇詩人の家」の3軒の邸宅の一部再現展示も見どころかもしれません。
『踊るファウヌス』 前2世紀
「ファウヌスの家」とは前2世紀にさかのぼる邸宅で、主にヘレニズム美術のモザイク装飾が残されました。ワニやマングースなどが描かれた『ナイル川風景』や、サテュロスを躍動感のある形にて表した『踊るファウヌス』などが目を引くかもしれません。
「竪琴奏者の家」展示風景
ポンペイがローマ化し、ローマ文化が黄金時代を迎えた頃の「竪琴奏者の家」においては、中庭の噴水の光景が再現されていて、イヌやイノシシを写実的に表現したブロンズの彫刻などが展示されていました。
「悲劇詩人の家」展示風景
最も年代が新しい「悲劇詩人の家」には、噴火直前に描かれたフレスコ画などが知られていて、邸宅を模した空間の中、比較的保存状態の良い『イフィゲネイアの犠牲』などを見ることができました。
『猛犬注意』 1世紀
「悲劇詩人の家」などに複数確認され、訪問者に番犬がいることを注意喚起した『猛犬注意』のモザイク画も興味深いかもしれません。この他では、大型のスクリーンによる高精細映像の投影など、臨場感のある空間演出も行われていて、それこそ2000年前にタイムスリップしたかのような気分も得られました。
特別展 『ポンペイ』 より8K映像「アレクサンドロス大王のモザイク」
WEBメディア「イロハニアート」にもポンペイ展の様子をご紹介しました。
過去最大のスケール!特別展 『ポンペイ』で体感する古代ローマの人々のリアルなくらし | イロハニアート
会場内は撮影が可能です。ただしフラッシュ、三脚等は使用できません。また状況により中止、あるいは条件が変更となる場合があります。ご注意ください。
『エウマキア像』 1世紀初頭
3月4日(金)より、金曜、土曜、日曜、祝日の開館時間が18時まで延長されました。*総合文化展は17時閉館。
🆕【拡散希望】🆕#ポンペイ展 (東京)3月から金土日祝で開館時間延長だ、ニャン🐈 ニャン🐱 ニャン😺チケットなど詳しくは公式サイトで▶️https://t.co/7oiie5cxgJ土日祝のチケットが取りにくい状況でしたので少しだけですが延長します😁猫の日の嬉しいお知らせ🪧#猫の日 pic.twitter.com/6rN7DvHVvj
— 特別展「ポンペイ」 (@pompeii2022) February 22, 2022
4月3日まで開催されています。なお東京での展示を終えると、京都市京セラ美術館(2022年4月21日~7月3日)、九州国立博物館(2022年10月12日~12月4日)、ほか1会場(宮城)へ巡回します。*写真の所蔵先はすべてナポリ国立考古学博物館
特別展 『ポンペイ』(@pompeii2022) 東京国立博物館 平成館(@TNM_PR)
会期:2022年1月14日(金)~4月3日(日)
休館:月曜日。*ただし3/21(月・祝)、3/28(月)は開館。3/22(火)
時間:9:30~17:00
*3月4日(金)より、金曜、土曜、日曜、祝日は18時まで。
*入館は閉館の30分前まで。
料金:一般2100円、大学生1300円、高校生900円。
*事前予約(日時指定券)を推奨。
住所:台東区上野公園13-9
交通:JR線上野駅公園口・鶯谷駅南口より徒歩10分。東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、京成電鉄京成上野駅より徒歩15分。
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