2023年4月に見たい展覧会【明治美術狂想曲/谷川俊太郎/大阪の日本画】

4月に入りました。今年は3月からかなり暖かい日が続き、全国的に桜の開花も早まりました。下の写真は3月末に出向いた府中市美術館前の桜並木ですが、お花見こそ楽しめるものの、すでに散りはじめていました。



春の本格的な展覧会シーズンの開幕です。今月に見ておきたい展覧会をリストアップしてきました。

展覧会

・『東福寺』 東京国立博物館(3/7~5/7)
・『「買上展」藝大コレクション展2023』 東京藝術大学大学美術館(3/31~5/7)
・『戸谷成雄 彫刻』 埼玉県立近代美術館(2/25~5/14)
・『世界遺産登録10周年記念 富士と桜—北斎の富士から土牛の桜まで—』 山種美術館(3/11~5/14)
・『北斎バードパーク』 すみだ北斎美術館(3/14~5/21)
・『国宝・燕子花図屏風 光琳の生きた時代1658~1716』 根津美術館(4/15~5/14)
・『「前衛」写真の精神:なんでもないものの変容 瀧口修造・阿部展也・大辻清司・牛腸茂雄』 千葉市美術館(4/8~5/21)
・『ウェス・アンダーソンすぎる風景展 あなたのまわりは旅のヒントにあふれている』 寺田倉庫G1ビル(4/5~ 5/26)
・『江戸にゃんこ 浮世絵ネコづくし』 太田記念美術館(4/1~5/28)
・『さかざきちはる ペンギンアパートメント』 芳澤ガーデンギャラリー(4/21~7/9)
・『ヘザウィック・スタジオ展:共感する建築』 六本木ヒルズ展望台東京シティビュー(3/17~6/4)
・『建物公開2023 邸宅の記憶』 東京都庭園美術館(4/1~6/4)
・『明治美術狂想曲』 静嘉堂文庫美術館(4/8~6/4)
・『ブルターニュの光と風』 SOMPO美術館(3/25~6/11)
・『エドワード・ゴーリーを巡る旅』 渋谷区立松濤美術館(4/8~6/11)
・『大阪の日本画』 東京ステーションギャラリー(4/15〜6/11)
・『さばかれえぬ私へ Tokyo Contemporary Art Award 2021-2023 受賞記念展』 東京都現代美術館(3/18~6/18)
・『美しき漆 日本と朝鮮の漆工芸』 日本民藝館(4/13~6/18)
・『今井俊介 スカートと風景』 東京オペラシティ アートギャラリー(4/15~6/18)
・『没後40年 朝井閑右衛門展』 横須賀美術館(4/22~6/18)
・『麻生三郎展 三軒茶屋の頃、そしてベン・シャーン』 世田谷美術館(4/22~6/18)
・『恐ろしいほど美しい 幕末土佐の天才絵師 絵金』 あべのハルカス美術館(4/22~6/18)
・『開館20周年記念展 ジョルジュ・ルオー —かたち、色、ハーモニー』 パナソニック汐留美術館(4/8~6/25)
・『夢と自然の探求者たち―19世紀幻想版画、シュルレアリスム、現代日本の作家まで』 群馬県立館林美術館(4/22~6/25)
・『吹きガラス 妙なるかたち、技の妙』 サントリー美術館(4/22~6/25)
・『部屋のみる夢—ボナールからティルマンス、現代の作家まで』 ポーラ美術館(1/28~7/2)
・『谷川俊太郎 絵本★百貨展』 PLAY! MUSEUM(4/12~7/9)
・『アイラブアート17 プレイプレイアート展』 ワタリウム美術館(3/19~7/23)
・『日本のタイル100年—美と用のあゆみ』 江戸東京たてもの園(3/11~8/20)
・『マティス展 Henri Matisse: The Path to Color』 東京都美術館(4/27~8/20)
・『ワールド・クラスルーム:現代アートの国語・算数・理科・社会 みんなで学ぼう、アートと世界』 森美術館(4/19〜9/24)

ギャラリー

・『TDC 2023』 ギンザ・グラフィック・ギャラリー(3/31~4/28)
・『アダム・シルヴァーマン Umi no Tsubo 海のつぼ』 小山登美夫ギャラリー天王洲(4/6~4/28)
・『ケリス・ウィン・エヴァンス個展』 草月会館1階石庭「天国」(4/1~29)
・『山本基 時に宿る – Staying in Time–』 YUKIKOMIZUTANI(4/1〜5/6)
・『第16回 shiseido art egg 佐藤壮馬展』 資生堂ギャラリー(4/18~5/21)
・『JAGDA新人賞展2023石塚俊・藤田佳子・矢後直規』 クリエイションギャラリーG8(4/18~5/27)

まずは明治時代の美術に着目した展覧会です。静嘉堂文庫美術館にて『明治美術狂想曲』が開かれます。



『明治美術狂想曲』@静嘉堂文庫美術館(4/8~6/4)

これは「美術」という言葉は生まれ、美術館が初めて設置された明治時代を立脚点として、静嘉堂のコレクションを紹介するもので、近代美術として最初に重要文化財に指定された橋本雅邦の『龍虎図屛風』や論争を巻き起こした黒田清輝の『裸体婦人像』といった岩崎家とゆかりの深い作品が公開されます。


また幕末の世相の反映された落合芳幾の『末広五十三次 程ヶ谷』の初公開や、近年「超絶技巧」として再評価が進む鈴木長吉の『鷹置物』といった明治工芸の優品なども見どころになるかもしれません。

続いては詩人、谷川俊太郎の絵本に関する展覧会です。東京・立川のPLAY! MUSEUMにて『谷川俊太郎 絵本★百貨展』が行われます。



『谷川俊太郎 絵本★百貨展』@PLAY! MUSEUM(4/12~7/9)

ここでは谷川の200冊の絵本のうち20冊を取り上げ、その魅力を紹介するもので、絵本の原画はもとより、絵や言葉が動き出す映像、朗読や音、さらに巨大な絵巻や書き下ろしのインスタレーションなど、多様なアプローチによって絵本の作品を紐解いていきます。


PLAYならではのライブ感と絵本の世界を拡張したような空間構成にも注目が集まりそうです。

最後は日本画の展覧会です。東京ステーションギャラリーにて『大阪の日本画』が開催されます。



『大阪の日本画』@東京ステーションギャラリー(4/15~6/11)

これは明治から昭和前期にかけて大阪にて描かれた日本画を紹介するもので、50名を超える画家による約150点の作品が公開されます。(会期中展示替えあり)


すでに先行して開かれた大阪中之島美術館(*)でも評判を集めただけに、東京で大阪の日本画の魅力を楽しめるまたとない機会となるかもしれません。*「開館1周年記念特別展 大阪の日本画」会期:1/21~4/2。内容は一部異なります。

WEBメディアのイロハニアートにも4月おすすめの展覧会を寄稿しました。

2023年4月おすすめの展覧会5選 『燕子花図屏風』も見逃せない! | イロハニアート

それでは今月もどうぞよろしくお願いします。
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