◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

ディクテーションにおける入力の特異性。

2007-04-13 12:00:19 | ディクテーションについて
             クイナが来る、クイナがぁぁぁ
 ディクテーションは、録音された他人の話を聞き、それを文章にするわけで、複数の人が話していても、そこに何人いるのかすら知らされず、大抵、資料はほとんどないという状況で作業をします。資料があるというときは逆に山ほどあって、どの資料のどこを見ているのか分からず、探すのが嫌になります。そういう状態なのに日本語がおかしいのですから、予測したとおりにならない、日本語としての流れが悪いので非常に聞き取りにくい、ありえない言葉が出てくる、次に何と言うか予測できない、ということで、とにかくいったんは聞こえるとおりに少しずつ入力するしかありません。
 実際、正しい日本語で話す人なら、当然次に出てくるべき言葉がちゃんと出てきますので、非常に効率よく気持ちよく入力できます。よほど専門的な話でなければ、しばらく作業を続けて慣れてくると、その人が話すのと同じ速度で入力できるようになります。言葉の流れから語尾を先読みして入力しても裏切られません。まあ、そんなことはめったにありませんから、あの人と、あの人と、という具合に指折り数えられる程度の人数ですよ。
 そもそも録音状態が悪く、眉間にしわを寄せなくても聞こえるなんていう音のいいものはめったにありません。耳に神経を集中させ、雑音の中から言葉を一つ一つ拾い上げるような状態なのでぶつ切りになり、頻繁に Enterキーを押す、そのせいで右手の薬指を痛めてしまったほどです。今は、鍼灸治療のかいもあってだいぶよくなり、ノートパソコンに替えたことで指にかかる負担が減り、随分楽になりましたが・・・。
 さらに、自分の頭で考えていることを文章にする場合にはありえないような変なところで区切って Enter しているので、変換がだんだんおかしくなってきます。そして、「ここが○○のいちばん得意な」を、「得意な」が聞き取れなかったので「いちばん」で切り、戻って聞き直し、続けて「とくいな」と入力して変換すると「と くいな」となり、「いちばん」まで削除して「いちばんとくいな」と入力して変換してみたら「いちばんと くいな」になって、「水鶏(クイナ)じゃないっつーの! キーッ!!!(`д´)」と、切れました。
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なじみのない方言は聞き取りにくい。

2007-03-23 11:48:38 | ディクテーションについて
                 会議中やし
 いわゆる標準語というものがあって、それ以外は方言だとすると、日本人なら、標準語と、自分の生まれ育った地域の方言、仕事の関係などで長く生活した地域の言葉は聞き取るのにそんなに苦労はしないでしょう。また、関西弁はテレビで聞く機会も多く、日本人にとってなじみのある言葉になっているのではないでしょうか。ですから、何を言っているのか全く分からないということはありませんね。
 ディクテーションの対象になるのは、講演のような、標準語で丁寧に話しているものばかりではありません。会議やインタビューなどもあるので、方言で、しかもふだんの会話に近い話し方でわいわいがやがやというものもあります。こうなると、聞き慣れていない方言の場合、特殊な言い方はもちろんですが、接続詞も、語尾もほとんど聞き取れません。したがって、話の流れがつかめず、それでまた余計に聞き取れないという悪循環に陥ります。
 私は、東日本の方言にはなじみがないので、例えば、東北の人が「分からんでしょうね」と言っても、よほど録音状態がよければ別ですが、そうでなければ「分かるんでしょうね」と聞こえます。これがなぜ「分からんでしょうね」だと分かったかというと、たまたまインタビュアーが直後に「分からない、そうですか」と言ったからです。え、分からないって言ったのか、今のは・・・、それで、もう一度注意して聞き直すと「分からんでしょうね」と聞こえる、こういう具合で、日本は狭いようで広いなぁ、っていうか、もっとちゃんと録音してよ~。
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本日、初のエアディナー大会が開催されます。

2007-03-17 11:40:08 | ディクテーションについて
                絶対に食べるもん
 エアギターならぬエアディナー、すぐに想像できますよね、そうです、現実にないディナーをうまそうに食べるのです。審査基準は「とにかくおいしそうに食べること」だそうですが、趣旨はとても真面目ですよ。産経関西のサイトに詳しく書かれていますから、興味のあるかたはごらんあれ。落語で蕎麦をすするのはよく見ますよね、扇子で蕎麦をズズーッと、本当によだれが出てくるのですから、実にうまいものです。これぞエア蕎麦!?
 さて、ディクテーション(テープ起こし)でも、たまーにですが、食事をしながらの対談やインタビューということがあって、それはもういろいろな意味で大変です。カトラリーがお皿に触れてカチャカチャうるさい、食べながらだから、当然、言葉がはっきりしない、聞き取りにくい。料理が運ばれてくるたびに話が中断され、流れがつかみにくい。それより何より、キャビアがどうだとか、スズキのポワレがどうだとか、お肉が軟らかいだとか、とろけるだとか、ああ~私も食べたい~、ステーキ食べたい~、一口ちょうだい、おなかすいた~って、地獄です。まさに本家エアディナーとは違う意味の、地獄のエアディナーです。とほほ。
 それに、最近は録音機器が、軽い、小さい、お手軽だという理由だけで小さなメモリーレコーダーとかボイスレコーダーとかいうようなものが使われるので、大抵はインタビュアーの手元にあって、肝心のインタビュイー(インタビューされる人)の声よりインタビュアーの声のほうがはっきり録音されていて、一体どっちが主役なんだよと腹が立ちます。ただでさえ必要な声がきちんと録音されていないのに、インタビュアーの蕎麦をズズズッとすする音がインタビュイーの声をかき消すなんて、ありえない! なんでそんなに遠慮なく食べてるんだよぉ・・・と、まあ、こういうふうに大変なわけです。
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明らかに悪意のある話、何も明らかにしない話。

2007-03-06 11:43:45 | ディクテーションについて
                 答えないよ
 テープ起こしをするのは、経済や最先端医療などに関する講演や前向きの会議ばかりではありません。ときには、これってだます人とだまされている人の会話だよねぇというようなものがあります。やはり、だます人には共通した雰囲気というものがあって、分かるような分からないような話を早口で続けます。だまされている人のほうは、うーん、でもー、ええ、だけどねー、こればっかりです。何も明確になっていないのに、最後に「はい」と言ってしまうということが理解できない、そういう会話です。だましている人は想定内の会話、だまされている人は想定外の会話ですから、これはもう勝負になりません。
 「○○大臣の講演と質疑応答を入力作業したのだけど、何を言ってるのかさっぱり分からないんですよぉ」と言ったら、先輩のベテラン作業者が、「それは当然よ、政治家は、何か明確に言ったら後で困るからわざとぼかしてるのよ」と教えてくれました。なるほど~、言葉は一般人より明瞭で、知的な話し方で、頭の回転も速いらしく、すらすらと話しているのですが、いざ入力して文章化したものを読んでみるとさっぱり分からない、ちゃんとした文章になっていない、支離滅裂、肝心なことには答えていない、見事なほど何を言っているのか分からない、これはすごいなーと妙に感心してしまいました。
 想定外のことに下手に答えたら後で困る、だから明確には答えない、なのに、答えたように見えるのですから、自己防衛会話術とでもいいましょうか、日ごろの訓練のたまものなのでしょう。日ごろ全くやっていないことは、急にはできませんからね。それはそれですごいことですよ、失言よりずっとましです。そして、これが最近多いように感じるのですが、答えることすらできない、想定外のことには対処しない、一切何も答えないで無視する、こういう態度は論外ですよね、それでは何もよくなりません。自己防衛も、度が過ぎるとかえって大切なものを失うことになるのではないでしょうか。とはいえ、分かっていてもできないことはたくさんありますが・・・。
 さて、今日の気になるワード、「逆ギレ」、これってどういう意味? へまをしたAさん、「おまえ、何やってんだよー」と切れたBさん、「そんなに怒ることねーだろー、大したことねーじゃねーかよぉ」と逆に切れたAさん、こういう状況を「逆ギレ」と言っていたはずです。でも、最近は、‘逆’でなくても「逆ギレ」と言うようですね、どう見ても一人で勝手に切れている、それでも「逆ギレ」ですから、単に「逆ギレ」という言葉を使いたいだけなのだなーと思ってあきれて見ています。
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年度末はやたらと忙しいテープ起こし。

2007-02-08 10:29:31 | ディクテーションについて
 テープ起こしは2月と3月が繁忙期で、2か月の間に休みは2~3日というほどの忙しさです。なぜかというと、役所やそれに関連したところが年度末にわっといろいろなものを出してくるからです。中には、「えーっ、こんなもの、本当に起こすの?」というひどいものまであり、耳がおかしくなります。
 録音の質は、7年前と比べてよくなったかというと、そんなことは決してありません。機器は便利に進歩しているのかもしれませんが・・・、雑音のひどさ(紙の音や咳などが大きく入っている)と分かりにくい話し方は相変わらずで、むしろ、デジタルになったことで音が鋭くなり、雑音が鼓膜に突き刺さります。ただでさえ間違った日本語のせいで聞き取りにくくなっているのに雑音がひどいので、語尾がほとんど聞き取れない、何と言っているのか判別できない、そういう人は珍しくありません。
 入力はもちろん、以前はテープでフットコントロールだった音の再生もパソコン、資料は印刷物からPDFファイルになり、それを見るのもパソコン、全部一つのパソコンですから、やりにくいことこの上なし。なぜやりにくいのかって? 足で操作していたものを手で操作するようになり、手の負担がまた増え、変換・決定に不都合な点もあるのです。音だけでは判別できない言葉を資料から拾うのに、見ながら入力ということができないのですから、おまけに、資料を読み上げているときなどは必ず早口で小さな声になりますので、これで聞き取れといっても無理、本当に気が狂いそうになります。
 昨シーズンなど、本当につらくて気が変になりました。いろいろな意味で人間扱いされていないと感じたからです。私はこの仕事を他人様にお勧めはしません。でも、自ら体験してみて何かに気づいたら、それもいいかもしれませんね。委員会や会議の事務局さん、講演会のスタッフのかたがた、一度、自分でテープ起こしをしてみませんか?
 写真のハムやん、綿運びの最中で大忙しです。
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遠慮なく咳をする人たち。

2007-01-17 09:39:55 | ディクテーションについて
 冬に録音された講演会や会議では、咳をする人が必ずいます。5~6人で咳の大合唱なんていうこともありました。テープ起こしをするときは、ヘッドホンで、聞き取りにくい声を聞き取ろうと神経を集中しているところへ突然ゲホゲホッとくるのですから、「ひっ!」と息が止まり、心臓が口から飛び出しそうになります。くしゃみをヘックショーィ、ハウリングのピキー、何かを倒してガシャーン、灰皿を落としてカチャーン、さまざまな音が脳みそを直撃します。
 咳をするときはハンカチを口に当てるというのもマナーだと思うのですが、最近はどうもそうしない人が多いようです。1時間以上の講演中ずーっと、遠慮なく咳をしていた、なんてこともあります。それなら、事務局さんがレコーダーの位置を変えるとか、何か工夫してくださればいいのですが、それもなし。携帯電話の呼び出し音も必ず入っています。入ってしまった大きな音は消せないので、事務局さんが「この辺りに大きな音が」と教えてくださればいいのですが、そんな経験はただの一度もありません。
 そういえば、ずっと以前の話ですが、「ナザレのイエス」という映画を見ていたときのこと、いよいよラストへ、イエスが十字架を背負って歩いていく、うるうる・・・と、そのとき、激しく泣いている赤ちゃんを抱っこした人が入ってきました。え? なに? もう少しで終わる、感動のラストというときに、なんで? 映画のラストは全く覚えていません。神様、この人のことを今でも許せない私をお許しください。
 ところで、先日、ハムスターについて、おいしいものが欲しいときはじっとこちらを見詰め、待っていて、呼ぶと寄ってくると書きましたが、それは、距離が1.5メートル以内のときであって、それ以上だと来ません。いや、来ないというより、来られないのです。名前を呼ぶと、呼ばれていることは分かるようでキョロキョロするのですが、声の主がどこにいるのか分からないようなのです。視力は相当弱いようなので、大きく手を回したり体を動かしたりして気づいてもらおうとするのですが、90度ずれた方向を見て立っています。
 「もぉー、早く来ないとあきらめちゃうよー」と言いつつ、もう少しだけ頑張ってみて、結局、こちらからハムのところに行き、手に乗せて「はい、チーズ、おいちいでちゅねー」となります。この瞬間も、もちろんハムセラピー(ハムテラピー、Hamtherapy)です。犬ちゃんは、セラピー犬として働いている子もいて、呼べば確実に来てくれるところがかわいいですよね。猫ちゃんも、しっぽ返事だけはしてくれますからね、あはは。
 腹毛がグレーの子と真っ白な子、どちらも同じジャンガリアンハムスターのノーマルグレーです。しかも、兄弟、なのにこの違いはどうしたことでしょうか、とても不思議ですが、かわいさは同じ、うんうん。
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