◆ちゃんとしゃべれ!治納由気(はるなゆき)◆

変な日本語、敬語もどき、崩れていく日本語、そして、正しい日本語とハムスター。

「唇の触感に爆笑」って?

2023-07-16 09:47:20 | 言葉についてあれこれ
                                  見るだけ

 「セイウチに餌やり!?初めてわかった唇の触感に爆笑!!」というミョーな見出し(2023/4/6 12:00 Walkerplus)( ̄" ̄)、セイウチの口に手を突っ込んで唇に触れた、「唇の感触に…」ということなのですよ。肯定の意味の「全然」みたいなリバイバルですか? でも、そういう「全然」同様、「触感」には抵抗を感じます。
 調理の途中で食材を混ぜながら「もちもちしたしょっかん」とタレントが言い、テロップが「もちもちした触感」だったことがあるのですが、これも「もちもちした感触」でしょ。ずっと「感触(かんしょく)」と言ってきたし「感触」と書いてきたし、「食感(しょっかん)」と区別しやすいし、今更「触感」なんて・・・と思うわけで( ̄_ ̄)。
 「ケースに入れた状態で、磁石を使って車に設置されていました。きっと、車を盗難するために『AirTag』を利用したのでしょう。(中略)車の位置情報を確認し、時機を見計らって盗難するつもりだったのでしょう」(2023/1/22 grape)って Ψ( ̄д ̄)Ψ。「盗む」という言葉を忘れた?
 「盗難犯が『これで得したわね!』と”現金”を投げ捨てた!?すると、夫の”ひょんな一言”で盗難犯が痛い目に遭うことに!!」(2023/1/24 liBae)って( ̄д ̄)! 上の例と同様、ライターもどきは「盗難する」「盗難犯」に疑問を感じず、「盗難」の意味も気にしていませんね Ψ( ̄д ̄)Ψ。
 “窃盗がばれた犯人”が逆上して被害者にお金を投げつけ、反省の色が全く見えない、そんな様子にあきれた“被害者の夫”が「よし、通報するか」と一言、という話です。「窃盗犯」が被害者に向かってギャンギャンほえたら通報するしかありませんね。
 「校内で3件の現金盗難事案が相次いで起こった。学校側が何も対策を取らないため生徒らが自主的に無人の教室にスマホを設置、盗難の様子の撮影に成功したという」(2023/2/16 20:24 集英社オンライン)はビミョーですが、犯人の姿、窃盗の瞬間ですよ、「窃盗の様子」か「犯行の様子」でしょ!
 「news23」(2023/4/5)で、画面左上に「盗まれた『びんずる像』」と表示され、僧侶が「朝方、盗難に遭いまして」と言い、テロップも同じでした d(⌒・⌒)good。ものすごく久しぶりに「盗む」と正しい「盗難」を見ましたよ。しかしまぁ、盗んでどうするつもりだったのかな?
 「わかりやすすぎる!」という保険関係のCM( ̄" ̄)、「過ぎたるは猶及ばざるが如し」を知らない? どこかの市議が“議員にしておくのはもったいないほど美人”で「美し過ぎる」というのが始まりだったような・・・。以降、よく分からない「~過ぎる」がはやりましたが、もうやめたら?
 「世界衝撃!ウワォ動画」(2023/4/5)で見た「砂利を圧縮中」というテロップがミョーな感じで・・・。「圧縮」には違いないけれど、「転圧」という作業をやっているのです。下水道工事とか、外構工事のときとか、見掛けることがありますよ、「転圧機」とか「タンパ」とか、知らない?
 「奇跡体験!アンビリバボー」(2023/4/9)の「コンセントを抜いて掃除機を止める」というナレーションとテロップ( ̄д ̄)! 電気製品のコードの先端がプラグ、壁にコンセント、そう認識している人は決して少なくないと思うのですが、しつこく「コンセント」と言い続けるのはなぜ?
 「氷点下の旭川で凍死した14歳女子中学生への“壮絶イジメ”《事件発覚から2年》」(2023/4/15 11:12 YAHOO!ニュース 文春オンライン)、記事は「凄惨イジメ(中略)卑劣ないじめ(中略)陰湿ないじめ」ですが、見出しは誰が書いた? 「壮絶」ではなく「凄絶」だと一体いつになったら気づく?
 「東日本大震災は、富士山を『噴火するかもしれない山』から『100パーセント噴火する山』に変容してしまいました」(2023/4/25 6:52 現代ビジネス)って( ̄д ̄)! 「変容」は、外観が変わる、外観を変える、という意味ですから違いますね、「変えてしまいました」でしょ。噴火なんかしてほしくないけれど、噴火したら変容します。
 「なぜ彼女は自分の子供の写真には気をつけるのに、私の子供には何の考慮もなかったのでしょうか」(2023/5/29 Googirl)って( ̄д ̄)! 「彼女は自分の子どもの写真には気をつけるのに、なぜ私の子どもには何の配慮もなかったのでしょうか」でしょ。その人は、きっと、他人に配るほどの気は持ち合わせていないのですよ <( ̄д ̄)>。
 「世界くらべてみたら」(2023/6/21)で聞いた「家計の手助けになっているという」というナレーション、垂木勉ナレーター( ̄д ̄)! テロップは「家計の助けになっている」だったのに、なぜそんなことになる? 「手伝って助ける」が「手助け」ですからね、「助け」とは少し違います。
 「重要な顧客にエネルギーを使い、購買につながらなさそうな情報収集家(前項でご紹介したGEP客のような相手)はあしらいます。(中略)努力と情熱を傾けられる先は決まっているので、その矛先をどこに持っていくかを重視しているのです」(2023/6/22 11:17 PRESIDENT Online)って( ̄" ̄)。
 「あしらう」は、応対する、客をいいかげんに扱うという意味ですが、GEP客(現状に満足していて何も必要とせず、購入しない人)には、嫌われるのを覚悟して「購入する意思はありますでしょうか?」と聞いちゃうそうですから、ちょっと違います。「さらっと」か「さくっと」を入れれば「いいかげん」という意味は薄れます。
 「矛先」も、鋭い攻撃の勢いという意味なので不適当です。「重要な顧客にエネルギーを使い、購買につながらなそうな情報収集家(前項でご紹介したGEP客のような相手)はさくっとあしらいます。(中略)努力と情熱を傾けられる先は決まっているので、注力すべき相手を見極めることを重視しているのです」と言いたいのですよね!?
 「欧米各国では段階的な禁止化への動きを見せている。(中略)インドのように全面禁止化するのは難しいと言われますが(中略)TikTokの全面禁止化もありえない話ではない」(2023/3/16 10:00 Asagei Biz)って? 「禁止化」は、一部で使われてはいるようですが、こうも禁止化禁止化というのは、ちょっとねぇ( ̄" ̄)。
 明文化、重症化、液状化、弱体化、老朽化、「差別化」もすでになじんでいますが、「禁止化」には抵抗を感じます。「欧米各国では段階的に禁止する動きを見せている。(中略)インドのように全面禁止にするのは難しいといわれますが(中略)TikTokの全面禁止もありえない話ではない」のほうがずーっといいと思いますよ( ̄- ̄)。
 「DayDay.」(2023/7/6)の冒頭で「高騰化するうなぎ…」という大きな文字が目に入りましたが、「高騰」というほどでもないのか? 番組表を見たら「今年ウナギが高い!」と書いてありましたよ、高いのですよね! もう何年も前から高いですよね、「高騰するうなぎ」でしょ、いや、「今年も高いうなぎ…」では?
コメント
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