ぶなの森自然学校の総会にいらしたF先生からは、いろいろなご教示を頂いたのですが、その中のひとつに・・・
「今の時代の子ども達は、終戦直後の子どもと同じだ」という言葉がありました。
第二次世界大戦、太平洋戦争というと、もはや遠い話に子どもや若い人は感じるでしょう。終戦は昭和20年8月、1945年です。 今年は終戦65周年を迎えます。 私は、1954年・昭和29年生まれですから、古い年代に入ってきましたが、それでも戦後生まれで、物心ついたのは、昭和30年代です。 戦後復興から経済成長期にガンガンと昇ってゆく時代に子どもとして過ごしてきました。 オールウエイズ・夕陽丘3丁目の子ども世代です。
あの時代は、「未来に対して心配や不安」はなかった。そらゃ子どもですから、一時間先くらいの事に心配や不安はあったでしょうが、中学、高校になっても日本の未来を心底案ずるようなことはなかった・・。 安保闘争は、私より先輩の今60前後の人達。でも、この世代の人達も「革命」できると思って闘っていたんでしょう・・・。
私の人生の歩みと共に、物がだんだんと増えてきました。 昨日、寿都の郷土史料館へいきましたが、そこに展示されている、ミシン、洗濯板、おひつ、生活用品は使っていた、見覚えがある物ばかりです。 氷で冷やす木製の冷蔵庫は、夏でも大きな氷を・・あれは三輪トラック(ミゼット)だったかな、積んで氷屋がやってきて、のこぎりで冷蔵庫に入る塊に切るんですね・・。 そんなことを知っている世代です。
電話、白黒テレビ、、カラーテレビ、テープレコーダーは小学生、ステレオ、車は、中学、高校生、ファックス、ワープロは社会人になってから。大学の研究室にパソコンなんてなかったな・・。そして、ポケットベル、大きな携帯電話・・、インターネット まさに日本の生活物文化の発達と共に生きて来て・・・今やIT社会についてゆけなくなりつつある。 Ipad? なんて、たいして興味ない・・・。
ところが・・・、今の社会・・・
ちょっと、様相が違うようです・・・。 物は確かにあるが・・・、
明日を、未来を・・・描きづらいのですね・・。大人も子どもも・・・。
加藤登紀子さんが、今の時代は1970年前後に似ていると言っていますが、それは、闘争していた世代の人が感じることで、今の先行き不透明な社会状況の中に置かれている子どもの精神状態は、やはり、終戦直後に似ているのかもしれない。
F先生曰く・・、
「僕は、終戦直後に少年だった。今は、あの時代と同じ状況だ。それまでの価値観が否定され、新しいことを創りださなければならない時代だった。」
新しい価値観の創造・・・
そのためには、いろいろなことに「興味」を持つことが必要だ。
誰かが作った、誰かから与えられた情報だけでなく、生身の自然の中で、自分で調べ、自分で考え、自分で解答を見つける力だ。 多くの人達に出会うことだ。
そんなことを、再確認させて頂きました。