長期村ボランティアの台湾の大学生の実習受け入れが始まったのは、確か7月17日? ちょうど一ヶ月です。 本日、無事に2014年黒松内子ども長期村の閉村式です。 数えれば、黒松内で長期村の夏休み活動をはじめてから16回目です。 当時小学校上級生は10歳の子吃は20代の後半です。 母親になった吉報も届く頃になりました。
それまで長くて5泊6日の野外キャンプ型の活動でした。 その頃、「より長期の自然体験活動は子どもの生きる力を育む」という文部科学省の後押しで始まった全国的な長期村活動に初回から参画しました。 黒松内ぶなの森自然学校を黒松内町から廃校舎を借り受けられたのが契機でした。 生活を伴う活動なので、野外スキルだけではなく、生活マネージメントが欠かせませんでした。 たくさんの混乱もありました。 そのおかげで、いろいろとノウハウを積み重ね、今あります。
当初は運営に当たるディレクター陣、特に私がピリピリしているのが運営に出ていたような気がします。毎日起こる「事件」の対処を併行しながら、その日の、そしてつぎの日のプログラムを進行してゆく術を獲得するには、それこそ「体験」しかありませんでした。 子ども同士の大喧嘩もありました。 子どものスタッフに対する反目が大きくなったこともありました。 飲酒事件なんてのもあった・・・。 カウンセラースタッフとディレクタースタッフのパワーバランスにも当初は苦心しました。 ディレクター(私ですが・・・)の思いが強くて、カウンセラーと子どもの間のことまで気が回らなかった・・・。
何年もやっているうちにノウハウは貯まるものです。 私自身が体験を積まされました。 そして、暦年のスタッフ達のチカラで開発されたノウハウが翌年に踏襲される、あるいは改善されて利用される帳票や手法が増えてきました。 現在ではプロボノと呼ばれるようなスキルの高いボランティアさんが入り、時々にプロな仕事人も参画することで、1ヶ月の運営に安定感を持たせてきました。 しかし、もっとも重要なのはコアなスタッフの育成です。 とくにマネージメント、ディレクター役になるコアスタッフの成長に事前からどのようにかかわるか・・・、長期村の根幹です。
しかし、ここ黒松内ぶなの森自然学校の門戸を叩きやってくる若者は、もともと子どもの自然体験活動に興味を持っている若者達ですから、「役割」が人を育むことがわかってきました。
にもまして、ここ2、3年、強く思うようになったのは、人の成長には「場」そのものの存在が大きいことです。 むしろ、人が自分で自分を育てることができる「場」こそが大切だということです。 これは、NPOねおすの経営の基本方針でもあります。
2011年は東日本大震災の支援活動が3月に始まりました。 黒松内スタッフだった柏崎未来さんの実家がある釜石市鵜住居川流域の支援をし続けたまま、長期村も予定どおり実行しました。 コアスタッフは2年目でした。 脇を固めるベテランもいましたが、思えば2011年にこそ、「場」の力を認識しました。2011年もしっかりと長期村が運営できました。
その「場」の持つ力をわかっていたからこそ(2011年はあまりしっかりとは認識していなかったかも・・??)、被災地現場でもやってくる人たちのさまざまな力を合わせることができたと、今振り返ると、改めて強く感じます。
今年もベースのチカラが高い、若い自然学校のスタッフ3人(ふみぞう、ちこ、たつみ)と事務処理能力が高い半年研修生、まっすん(日本環境教育フォーラム・安藤百福財団主催の自然学校指導者養成コース実習生)の4人が黒松内ぶなの森自然学校という「場」の中核にいたからこそ、今日の閉村式を迎えることができました。
私も還暦を迎える2014年です。 私の次の役割は、この「場」が発展できるような継続をいかに進めてゆくかです。