ジェットの物語2
雨が一晩中テント屋根で踊っていました。でも、うるさくなんかありません。疲れた身体にタッタッタと音のマッサージです。
ジェットは自然学校の子どもたちが寝起きしている場所から少し離れた森の入口にテントを張って暮らしているので、ちょっと油断をするとご飯が食べられなくなります。 今朝も早起きはしたのですが、ボヤボヤしているうちに時間が過ぎてしまい、いつもよりちょっと早めに始まった朝ごはんにありつけませんでした。薪も湿って火もつけられず、お湯も沸かせずに大好きなインスタントコーヒーも飲めません。まあ、たいして空腹感もなかったので、外に出て雨で弛んだテントの張綱を直しをすることにしました。ところが体を動かしてみると....、なんと力が出ないのです。昨日のお昼から何も食べていなかったからです。仕方がないのでマリンバに助けを求めに行くことにしました。
マリンバの家の扉を開けると、なにやら異様な空気が漂っていました。どうも騒動が起こっていたらしい。
マリンバは息を切らせながらジェットに先がガムテープでふさがれた携帯掃除機を差し出したのでした!