流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

氷菓 12話 を語る

2012-07-10 23:10:31 | <氷菓>


ススキの創りだす雰囲気が新鮮なアバンだったな、と。
季節の変化とカンヤ祭を前にした古典部の前日の姿を千反田を中心に見てて、
古典部の抱える問題っていうのを意識させられる作りだったかなと。
珍しく千反田が描写の中心になってくる回だったので、こういう描写だったのかもなとか。
アバンでの髪をまとめた千反田がまた可愛くてグッときたかなと。

車が通りすぎていくところでちょっと立ち止まってる描写を入れたりとか、
氷菓5話、三好回リスペクトしてるのかなーとか、
そういう部分を読み取れそうな感じがまた楽しかったり。
今回の演出・作監さんはお二人とも初演出・初作監なので、
どういうカラーを見せてくれるのか楽しみだったので、
アバンでの仕掛けはちょっとワクワクさせられました。



登校。
氷菓は大きな章の始めは折木の登校シーンと里志とのやり取り、
っていうのがセットになってくるみたいですね。相変わらずの導入というか。
その中で折木以外の目線を強調した、里志の主観で見せる伊原を強調したりとか、
折木以外の視点っていうのを扱おうっていうが引っかかる感じだったかな。
これが折木がやらかしちゃったからこその古典部のあり方なのかなと。
しかし伊原がやらかしてしまっても全員でカバーしてる辺り、
やっぱ愚者後っていうのを意識させられる始まりだったのかなと思います。



部室。
今回は文化祭っていうことで古典部も文集を売る関係で机の位置ずらしたりしてて、
そういういつもと変わった席で見せる古典部のやり取りっていうのを意識させる構図使ってて、
それがいつもと違う演出の方の回っていう型にもハマる感じで、
こういった変化を感じるようなところが新鮮でした。
まあ文化祭っていうイベント自体がいつもとは違うし、
文化祭の雰囲気っていう勢いもあって良かったかなと。



一瞬のショットでまた遊んでたりとか。
この里志と千反田のツーショットが実現しなかった、
というところに繋がる感じでもあるし、新鮮だったかなと。



今回は色々と動くキャラだった里志。
土星を被って部室に入るところだったりとか、
この辺の芝居だとか、何かとリアクションも大きて楽しかったな。
頭に繋がってるリード線の描写とか、横顔のタイツの描写だとか、
キャプのところでの指の指し方を強調するタメツメだとか、
何かと目が行くキャラクターだったなと。
しかし千反田が文集に手を向けるところで手の勢い強調したりしてたし、
割と原画の方の色気が残るシーンだったかな。



モブがいっぱい。
里志たちはコスプレ?してるから既にお祭り感が出てるけど、
折木周辺からお祭り感が消えててちょっと引っかかる感じ。
折木の後ろのメガネの子とか好みかも。



ブレイクダンス、でいいのだろうか。
フォルムなんかを見るとやっぱ石立さんかな。
石立さんは3話で演出やって今回初演出の小川さんが補佐で入ってたので、
面倒見るような形で入ってたのかなとか。



千反田放浪記。
この辺、光の加減で廊下の色を見せてたりとちょっと新鮮だったな。
アバンでも月の光に照らされて反射する道が印象的だったけど、
小川さんってばそういうところ萌えな方なのかしら。



笑ってる表情で頬の肉というかを見せてる辺り、
久々に京アニのリアル系作画きてるねという感じに。
けいおん!なんかだと映画でもイギリス人の描写とか、
割りとフォルムとかデフォルメで見せてる印象が強かったので、
久々にこういう一撃を喰らったような感があったかなと。



放り投げる奉太郎。
今回はペンやら札やら何かと投げつけられたり投げたりしてた感。
これが姉弟的な描写というやつなのだろうか。
カット割らずに投げた状態っていうのを見せ続ける雰囲気とか、
本当に札に何の意味も持たせないような投げやり感は新鮮だったなと。
こういうところが演出の照れなのかなー、とか思ったり。



千反田可愛い。
撮影会とかイベントをフルに活用してこういうのを見せてくる辺りサービスしすぎだろうと。
メダル?ぽいのを首から下げてる辺りとか、
髪がマフラーを巻いた時のように遊んで膨らみができてたりとか、
ああいう描写も可愛らしくて良かったな。
髪のフォルムも内藤さんなんかは結構手を入れてそうな感があるかなー。



手前のモブのキャラに琴吹紬+天海春香みたいな印象が。
途中で頭にローソク乗せてた子とかいたし、モブを見るのも楽しかったな。

脚本:村元克彦
絵コンテ・演出:小川太一
作画監督:内藤直

小川さんもだいぶ若い方ですよね。
今回は同ポなんかも多用しながら省略しつつも派手な回になってて楽しかったな。
伊原が漫研に入るところの望遠だったり、ちょっと引っかかるような構図もありで、
そういうの見るのも新鮮だったかも。
内藤さんの千反田も可愛くてグッときますね。
アバンでの伊原の部屋にかけてある服だとか、
伊原のコスプレなんかも良かったな、と。
今回のモブはどれくらい西屋さんデザインだったんだろ。
割りと各回のモブは作監に寄るところが大きいみたいな話もあった気がしたけどはてさて。

今回は折木の時間から切り離した古典部のキャラを追うのが楽しい回でしたが、
このエピソードがどのように収束していくのかまた楽しみです。






絵コンテ・演出:武本康弘
作画監督:西屋太志

新ED。
ホームズに追われる折木って何かの皮肉ですかという気も。
里志の表情が凄く悪い顔しててグッときたなぁ、と。
新OPもあるっぽい?のでそちらも楽しみです。


氷菓 11話 を語る

2012-07-03 21:44:45 | <氷菓>


愚者のエンドロール。
里志って制服の裾捲ってるスタイルだったけ、
と引きの絵に引っかかり。





明るい里志と暗い折木。
年表描写を見ると里志が過去側、未来側が折木に思える。
過去の事実が未来を歩こうとした折木に影を落とす。
明るい未来のためには過去とのしがらみがどのような形でも付きまとう。
というようなことをちょっと考えてしまうシーン。



今回は明暗を強くはっきり見せることを意識してたみたいだけど、
一部影が影でない何か、のように見える不自然さもあったかな、と。
千反田さん何かタイツ的なもんでも着てるのですか、みたい感じ。
立体の影というよりは明暗の暗に囚われている影で、
それが異常をきたしてはなかったかなー、と思わずにはいられなかったな。



傀儡。
折木が何かを間違えている。
しかし何を間違えたのかっていうシーンでコレか、と。
折木は探偵役を引き受けたが、映画に出る探偵役ではない。
ステージで名推理を披露するような人形ではなかったはず。
折木自身が操り人形ではなかったか、
という自らの思考をまだ見抜き切れていない有様のイメージなのか、
伏線というよりは早すぎるネタバレ描写ではなかったのか。
そういうのがちょっと引っかかる一連だったかな、と。



木漏れ日。
折木が3人の話を聞いて孤独に座り込んでるところでも木漏れ日。
あのシーンで、折木は薄々は気づいていたのではないか、
という匂わせているのかなぁ、という引っ掛かり。



本当の解決編。
映画繋がりか、スクリーンの光を意識させるようなフレームの発光とか、
こういう手の込み方が楽しかったかな。
本郷先輩ができた映像見ているであろう回想のシーンとか。



イリス先輩の頭光ってる!
じゃなくて、光によるゴーストを描いている点が非常に引っかかるワンショット。
イリス先輩の頭上には強烈な光源があるよっていう描写ってことになるのかな。



真相。
8話で光を浴びる先輩に目が行ったけど、
完璧にソレに合わせにきてて見てて少しゾクッときたな。
影のあたり方の変化とかは妙に角ばってるし、
やっぱ影はちょっとイマイチに映ったかなぁ。

しかし最初からここまでイリス先輩の一人芝居だったことを突きつけられるこの一連は、
8話からの流れから、その身勝手さから正に女帝だったなと思わされました。
氷菓 8話 を語る

また10話で折木に光があったけど、ここではイリスに当たる。
折木はイリスの方にいって、そして見事に影を落とす結果になった、と。
過去が未来に影を落とす。
氷菓ってそういう作品なのかな、とふとそんなふうに思えたり。

今回の折木の描写の引っ掛かりを思うと、
折木は自分が特別である、という言葉を捨てられなかったのではないか、
という見せ方をされていたように思うんだけど、
それを捨てるに至ったのは自分がタロットで言う力だったから、
という理由で在りそうなのがちょっと興味深い。
女性に弱いという面を捨て去ろう、という一面。
つまりは、里志につけられた自分のあり方を否定している、
ということなのかな。

まあこの辺はそういう意識はあってもはっきりとそういう強い描写をしているわけでもないので、
結局どうでもいい話。



本郷がどういうキャラだったのか、
っていうのは関谷純と同じく謎のままだけど、
そのどちらも千反田えるに帰属するキャラっていうのはなんなのかな、とか。
今回は千反田のアップを並べてたけど、
その一定の距離感の中で見せる表情がどこか印象的でした。

どうでもいいけど、折木の語る本郷脚本版がとても同じ映画には見えなかったので、
折木はそれなりの映像作家になれるんじゃないでしょうか。
嫌味はさておき、本郷の脚本は物語であった、
ということを匂わせる描き方をしていて、
端的に直前のイリスのやり取りを意識させる解説の仕方かなと思った。
あれを折木の語りの映像ではなく、問題編の映像のように作られたら、
それはそれはチープだったんじゃないでしょうか。

脚本:西岡麻衣子
絵コンテ・演出:河浪栄作
作画監督:引山佳代
作画監督補佐:池田和美

河浪さん演出回。
氷菓になって目立つ回バンバンやってますね。
引山さんは初作監ですね。今後が楽しみ。
今回はハルヒ-エンドレスエイトの米田回をちょっと思い出したなぁ。

涼宮ハルヒの憂鬱 エンドレスエイト を語る
何が似ているか?と言えば各話のイメージを総括するような演出。
例えば氷菓 5話なんかは三好さんの力技で持っていったようなところがあるし、
氷菓も個々の演出家の持ち味を出す方向できていたけど、
この回は過去のイメージを踏まえて演出されてる。
ここがやっぱ共通している部分であるし、
監督が武本康弘さんっていうのが大きく影響している部分でもあるんだろうな、と思います。

どういう事かといえば、
新米演出家が武本監督作品では作品をまとめさせるような回を振られているという話。
例えばらき☆すたでも、
当時演出に上がったばかりの高雄統子さんが匂わせていた部分に触れる重要な回をやっていたり。
らき☆すた 22話 を語る
こういうのも京アニの風物詩なのかな、
とそういう部分も見えてくる感じがしてちょっと面白いかな、と。

新番も始まって色々目移りしてしまいますが、
変わらずのカラーで色々とまた魅せつけてくれたらいいな。
自分探し的なとこは少々退屈になってきたけど、
次回も楽しみです。


氷菓 10話 を語る

2012-06-26 21:57:05 | <氷菓>


イリス先輩の謀略。
この空間の部外者が古典部、
と考えるとこれもイリス先輩との部活なのかなとか思う。
まあ千反田との改まった話し合いもお茶してたし、その対比なのかもなとか。

正直、君は特別だ、
程度で舞い上がってしまうキャラクターの話とかなんだかなぁ、とは思う。
女の子、かっこいい先輩にそんなことを言われたらっていうことなのかもしれないが、
折木の心情もその程度のことで揺れてしまうのか、という風にしか思えなかったな。
まあこれはどうでもいい話。

折木のナメでイリス先輩を見せてるショット、
徐々に距離感を変えてきていたりとかしてて、
今回はそういう連続で寄っていくようなシーンが印象深かった感じ。
主にイリス先輩絡みのシーンだけど。



鏡面の自分。
折木が決断した時、鏡面の自分は消えている。
それは自分を見失った瞬間なのかなとか。

イリス先輩の中にいる折木、
千反田える以外の瞳に入る折木、
と古典部の外の存在にその身を奪われていく感じ、
っていうのが古典部の外の話をやるのかなという雰囲気を出しつつ、
それが折木の失敗に繋がっていく事を考えると、
古典部という場を考えることが第一になるけど、
今のところそこにはあんま興味が持てない感じ。
あるとすれば、イリス先輩はどの程度折木に興味があるのかという点。





里志の暗さが際立つけど光の中を歩いているのは里志だという。
里志の中のものと歩む道はまた別のものだということかもなーとか。
この嫉妬がどう引っ張られるのかはちょっと気になる。
そういえばここも1話と同じ通りか。
同じ道を歩んできたはずなのに、っていうのがあるのかなぁ、とか。



イリス先輩は座り方を意識しているっぽいのが気になる。
お茶してるところでも正座してる足を直したりしていたし、
その姿勢のあり方が引っかかりなのかなと。
その姿勢を取ろうとするところ、のが近い気がするけどどうでもいい話かな。



画面のアスペクト比をこうして作り出して、
そこから映像の世界に落としこんでいく推理とかも面白かったかな。
決して映されることのなかった入り口へと回りこんでいくカメラが印象的。



この辺の寄り方とか。
後ろの空間を開けて、後ろ髪を引かれる感じで、
それを振り払うように言葉を重ねていく折木を連続ポン寄り。
アップに持って行く事でその不安感を払っていこうとする感じが、
折木の内面と視聴者への今後の伏線を匂わすことを兼ねているような感じがいいなと。



サボテン。
花が置かれてないだけマシな感じなのかなとか。
折木へのカウンターが決まる引きが気になる感じ。
千反田たちがいない間の折木の落ち度。
結局、古典部というものが、千反田が折木にとってどういうキャラなのか、
っていうのを再認させるような感じになるのかな。
伊原との距離感のがこそばゆい感じはするかなぁ、とか。

脚本:賀東招二
絵コンテ・演出:坂本一也
作画監督:高橋博行

坂本回。冒頭の折木の辺りとか目立ってたかなと。
なんというか、ここまでキャラクターを見立てて見てると、
少し億劫な感じになるかなと。

タロットとか前回の血の演出の差異とかまだ姿を見せない脚本家とかエバ先輩とか、
まだ触れてないところもあるし、その辺が気になる感じかな。

しかしいつものEDで原画クレジットにスペース開いてるとレアな感じするな。
助っ人的な感じだったのだろうか。
演出陣、作監陣も人増えてきてるしこの辺の動向も気になるかな。


氷菓 9話 を語る

2012-06-19 23:17:20 | <氷菓>


始まり方が異色で引っかかる回でしたね。
普通はOPが無い代わりに本編にクレジット差し込みますけど、
今話だとクレジットもCMで切って流すという、
正にアニメの放送形態におけるお約束事をぶった切ってて衝撃を受けました。

今回は腕を画面に突き出すような画が結構あったように思ったけど、
やっぱ山田さんが狙ってるのかな。



伊原さんはリアクション王だなぁ。
こういう呆れ返ったリアクションをそのまんましてしまうところがグッと来るなと。



このリアル感が京アニ作画だよなという気がする。
手の甲に描かれる途切れ途切れの線による指の表現とか、
こうしたはっきりとはせず、しかしそこにある意識を強調するこのリアル感。
個人的にはアニメとしては少し苦手。



今回はイメージ映像も結構あったけど、
やっぱ京アニも今の画面に飽きてきてる部分っていうのがあるのかなぁとちょっと思う。
CMという形でそれが出てきてるならちょっと面白い。
まあ飽きる、という発想は受け売りなんであしからず。
むしろなんじゃこりゃ、と驚かしてくれるのが京アニだったはずだし。



迫りくる背景の圧迫感。
背景は映画製作の小道具などからその軌跡を読み取れるけど、
あくまで背景であって、目の前のキャラクターたちがその中の住人として描かれているかというと、
そうとも言い切れない雰囲気があって気になる感じ。



また豚か。
山田さん豚好きですね。
しかしセーラー服でスカーフつけないとか邪道もいいところだなと思うけど、
自分の経験だとむしろしない方が正解っぽい感じだったので、
清潔感っていうのはやっぱアニメやアイドルなどしか味わえないものなのかなという思いも。
今更そんな話ししてもアレなのでまあどうでもいい話か。



ここぞっていうところで窓からの横顔になる探偵たち。
あさっての方向へ向かっていくミステリー。



眠る千反田えるが可愛い。
この辺は植野さんの味が出てるのかな。
けいおん!でも作監回の髪の描写とか好みでしたし。
今回は多弁な伊原の表情や手の描写とか、
手が入ってそうなところは結構印象的だったかも。



そして千反田を置いて背景に溶け込む3人と。
3人の探偵があさっての方向を向いていたのに対し、
古典部は確実に映画製作の場へと足を進めていたということなのかな。
くつろぐ3人が見事にハマってて、
あの異質さを払拭させてるのにどこかさわやかなイメージすら感じる。



それぞれのキャラクターが顔を付け合せるところに、
表情を共有し合うところにまとまった雰囲気が生まれていたので、
こうして里志の表情を読ませないとそれだけで断絶のイメージが出てくる。
そして映画の続きを提示することなく、
折木は里志の代わりに却下して帰路につく。



この話数の奇妙なところは氷菓 第1話と被るようなネタを仕入れているという点と、
冒頭のようにクレジットをぶった切る、言わばアバンタイトルという様式を無視した作り方。
第1話と被る、というのは1話も始めは密室の秘密を暴くというところにある。
そこで始まったのは千反田えるを中心にした、
言わば千反田に振り回される物語として始まったわけだけど、
今回は千反田ではなくエバ先輩と脚本家の問題であり、
それを印象付けるように帰り道で待ち構える先輩で〆と、
1話との繋がりを意識させられる展開を用意していたように思う。

またアバンの思いっきった編集の仕方は作品の様式を壊す、
一種の破壊活動でもあるわけで、そういうのを山田さんがやっているところが興味深い。
あと1話で山田さんだったらこうするんじゃないかな、という適当な話ししたので、
まさかそれと対比させるような部分を持つ話数にくるとはなと少し驚いてる部分も。

さらに付け加えるなら今回の話数が脚本家、
言わば原作者の意図とは違った絵作りをしたことが仄めかされますが、
これは完結していない原作をアニメ化する制作会社としては、
自己言及を余儀なくされる回でもあったように思う。
脚本家が意図した血の量とは明らかに違う量の血が流れる本編。
よく原作愛を感じる描写として取り上げられるシーンがアニメだとありますが、
果たしてそれは原作の綻びを埋めるものなのかどうか、
っというのは終わってみないとわからない。
言わば極度の愛が作品にいらぬ枷をはめ込んでしまう場合もあるだろうし。

今回は助監督の暴走のようにしてカタがつくように思えるけど、
この指摘は原作ありきのアニメ化をする京アニにとって最大のジレンマでもあるように思う。
例えば「けいおん!」という作品は本当にあのような絵作りや、
1期の成長、2期の卒業のように忍び寄る背景によって描かれていく作品だったのだろうか、
という思いもあるわけで。
原作通りという名の原作クラッシュ、
言わばイメージの差異による事故が原作と映像作品の対立を呼ぶわけで、
そういうのを改めて意識させる回を、まあやっぱ山田さんがやっている、
というところが個人的には面白いところだなぁと。

脚本:賀東招二
絵コンテ・演出:山田尚子
作画監督:植野千世子

というわけで山田回。
今回は三好回でも下敷きにしてるのか細かい反応を早いカット割でやったりしてて、
じっくりやりたいところもとりあえず見せたい絵を見せていこうとしてるような印象がしたかな。
アバンも尺の関係でこういう形になったも思えるし、そういうことなのかなー、とか。
今回は奇天烈な推理とかことの真相とかにますます興味が湧いてきたので、
解決編が楽しみです。


氷菓 8話 を語る

2012-06-12 21:49:41 | <氷菓>


チャットのデザインっていうかが懐かしい。
これが時代性を帯びてくるっていうところに新鮮さがあるのかな。
キャラクターがまるで出てこない不穏さもあるし。
一体このチャットメンバーは誰なんだろうっていう謎掛けが早くも始まってるし、
ミステリーの導入としてはちょっとドキドキさせられますね。
ただ画面の文字を自発的に追っていかなければらないという億劫さもあり。
参加型であるアニメっていう意識がこういうところで強く出てしまってるのかなと思ったり。
まあどうでもいい話。

こういうのをやらせるならやっぱ北之原さんなんかなぁ。
ハルヒでもヤマカンコンテの処理やってたりしたし。



日常の時もそうだけど、やっぱ北之原さんチャレンジャーだなぁ。
折木たちの歩みと合わせて背景ズームしてますっていうのが如何にもアニメ、
っていうのをバラしてしまってる感じがするんだけど、
今回の自主映画とハルヒの自主映画とを掛けているのか、
映像に対する考え方を意識してしまう話数だったわけで、
何かしらあるのかなーとも思うけどうーん。



ディテールの細かさと細いケースを見せる幅広さ。
なんでDVD出すのをこんな強調するかなと少し引っかかり。
まあ映画がディスク1枚に入ってしまうというところに時代性を感じればいいのか。
そういえばハルヒなんかはカメラは意識させられたけど、
その保存媒体まではそこまで意識を向けてはいなかったような感はあるか。
長井さんが8ミリ意識してるのもその辺からかしら、とどうでもいい話でした。



なんつーかズームが早すぎてゲームみたいな意識になっちゃうなと。
全体的にウィザードリィ+ホラーゲームって感じがしたけど、
ゲームの古典っていうネタだったりするんだろうか。

しかし七つの大罪といい今回のノックスの十戒といい、
日常の中にルールにを持ち込んで意図的に推理を導き出すのがこの作品なのかなと思ったり。
ではこの作品のルールとは?っというのを見つめなおす鏡でもあるのかなーとも。
各キャラクターの与えられている役割をまた確認している導入のように思えたけど、
今後はどうなっていくのかな。

全然関係ないんだけど今回の見てて、
男がちゃんと男役、女が女役っていうのをしっかり区別しているアニメ、
っていうのがどれだけあるのかふと気になった。



折木を惚れさせるワードを口にする先輩方。
なんつーか先輩の指のポーズを意識させるカメラ位置が引っかかる。
演技をだれに見せるのかっていう意識というか。
先輩が一人光を浴びて語りだす古典部との線引きを意識したやり取りはやっぱ引っかかりますね。
フレームのように先輩を切り取る光を見ると、先輩の舞台を見ている古典部、
という風にも思えるけどどうなんだろうな。
氷菓の時は解がわかっていた分端々に目が行ったけど、
こう色々投げかけられるとどれがヒントだったり伏線だったりすのかわからなくなってしまうな、と。
横断幕も冒頭で違和感作りながら見せてきてたし。
うーん、今回はそれを見るのがメインになりそうな。
3巻以降はちゃんと読んでおこう。
あーしかし謎の先輩のミステリアスでいいねぇ。



神社をバックにしてるのがどことなく不気味。
和的なミステリーというか雰囲気を神社とかに向けるそのオカルト感が。

しかし先輩とは違う先輩が迎えに来るのかとか、
探偵役3人との絡みはどうなるのか全く予想できないんで、
この辺を味わいながら次回見れるといいな。

脚本:西岡芽衣子
絵コンテ・演出:北之原孝將
作画監督:丸木宣明

ということで北之原回。
流石に日常の頃の輝きは垣間見れなかったけど、
不穏さが印象に残る回でこの辺は自分の中の北之原回だなぁ、
って感じで楽しかったです。
しかしやっぱ必然的にハルヒ0話を意識してしまいますね。
あの回と比較したような分析記事とか読みたいかなーみたいな。


氷菓 7話 を語る

2012-06-05 21:12:19 | <氷菓>


てんとう虫。
なんこうやって小さい虫の動きを追うところというか、
友人の一部分をガン見するようなところはハルヒの孤島症候群思い出しますね。
温泉に行くっていう旅行っていう部分に掛けていたのかな。



この辺の時間のジャンプは米田さん的かもな、とか。
今回は温泉回ということもあり、
フルメタの武本コンテヤマカン演出回を思い出すような隠し方とか、
男の肉感とか異性的な視点を感じさせる部分とか、
花を印象的に使うようなところとか、
どこか京アニ演出陣がそれぞれ持ってる味を複合させてきたかのような話数だったかな、と。
チャンネルを変えるように色々引き出しを開けて見るように、というか。
まあどうでもいい話か。



ホータローエロいよー。
背中から肋の骨が見えるとかそういう男の肉体に寄っていく新鮮さはあったかな。
こういうところをやるあたり山田さんより変態チックな感じを臭わせるな、と。
タオルを離して地面に落ちていくような柔らかなイメージとか、
ちょっと狙いすぎてはいませんかという気分に。

まあやっぱホータローが女の子の出す音に反応しちゃうとか、
肌に触られてるドキドキ感みたいのは京アニ的な部分というか、
皆が言っている触られてる感、みたいなのがあるんだけど、
今回はあくまで折木の反応を楽しむようなカメラワークで、
こういうところは女の子との触れ合いを求めてる男性視聴者、
折木の反応を楽しむ女性視聴者たちにとっては、
事故を起こしたようなシーン捉えられないかなとちょっと心配に。
個人的には別にキャラと触れ合いたいと思ってないので、
こういうシーンには結構違和感あるっていうか、反感があるかな。
まあソレもどうでもいい話。



伊原のサスペンダーがエロいな。
やっぱ腰の反りみたいのを強調されてる感じっていうか。
そういえば伊原は脱がなかったなー。
その点はガッカリといえばそうかもだけど、
他の3人と違ったアプローチでエロス出しててそういうのが良かったかも。



9人目が急死したってオヤジギャグですかって気がしたのでこの話はデマだと思う。
何気に戸を閉める折木はなんとやら。



同じポーズ。
風呂に行くところでも足並みを揃えているところとか見せたりとかもあったりして、
ちょっと見逃すと色々と置いて行かれる話しだったかもなとも思ったり。
カット数も多い感じだったしオフセリフでシーン切ったりして、
忙しなく進行していった印象が強かったかな、と。



今回は首から上を見せる場面が多くて気になった。
まあアップが多いってわけでもないと思うんだけど、
千反田を手前に置いてのアオリとか、
首から上を意識させる絵作りが多かったような気がしたかな、と。



やっぱ首の描き方が特徴有り気って感じでしたね。
特に折木や里志のアゴから胸までのV字ラインを強調して肉感出したりとか、
男性の体に寄って行くところがやっぱ強烈なイメージになっていたかなと。
この場面は横顔なんですがまあ斜線で首のライン見せてますよね。
この辺の強調具合が気になったかなーと。
ここは里志の表情を作る肩を入れるような動作というかそれによる首の動きというか、
そういうところに目が行くかなーと。
中盤に折木が頬杖ついてるところも隠れてる首に意識が行くようなポーズかなーとか。
まあそういうとこが目が行ったという話。



幽霊の正体見たり枯れ尾花。
千反田が姉弟欲しいとか折木と一緒に推理と千反田への理解を深めていく運び方が印象的だったけど、
千反田が何をやりたかったのか、っていうのが明快でない分ちょっと消化不良だった。
まあ今までの話数で千反田の私気になりますが決め言葉で、
折木との距離を見せるのに千反田を理解していくような面を見せていく、
っていう流れを汲んだ話だということもわかるんだけど、
折木と同じようなことをするとか、折木の推理する姿を見守るような姿勢を見せたりとか、
見せてくるイメージがあまり符合しないような感じで散漫というか、
受け止め切れない感じがあったかな、というか。
千反田の姉妹関係をめぐる推測もどこかズレがあるように思える部分もあるし。
それは純情の行き過ぎからくるものとも思えるけど、うーん。

脚本:芦田杉彦
絵コンテ・演出:内海紘子
作画監督:門脇未来

というわけで内海&門脇回。
この2人が色気出すような印象があまりなかったので結構インパクトあったかな。
キャラクターのやってることを大きく見せたいのかなっていうのもあるし。
特に折木が車酔いしてからの一連とか。
狭い車内で折木主観で足元を広く見せてる感じとかインパクトあったな、と。
このペアが次回どう攻めてくるか楽しみだなぁ。


氷菓 6話 を語る

2012-05-29 20:32:18 | <氷菓>


千反田は激怒した、じゃないけど。
アバンで折木がシャーペンの芯を口の方から入れようとしたりとか、
こういうあるなぁっていうところを意識したような見せ方が石原さんっぽいなと思った。
里志が赤点とってイヤイヤをするように左右にブラブラしたりとか、
細かい芝居に日常的な砕け方があって、そういうところにちょっと好感触。

しかしこうした不自然な長回しを決めてるところに京アニの不安定感というか、
普通のアニメとは違うなっていうズレを感じてしまうかな。
こういうところがやっぱ個人的に京アニがアニメのメインストリートになり得ない、
っていう感触っていうのを抱いてしまうかなと。
まあどうでもいい話。



お菓子で釣られるのは軽音部だけという皮肉か。
この辺のキャラクター間のやり取りは引っかかったかな。
折木はこの混乱を前にして1人1人と合図や言葉を交えながらやり取りしているのに対し、
千反田は3人を同時に相手にするようなところを構図で見せてきていたり、
痴話喧嘩の中で伊原はあくまで里志に噛み付くことを強調したりと、
一人一人が古典部でどういう繋がりを持っているのか、
っていうのを強調して見せられてる感があったなぁ、と。
個人的には以心伝心な関係も好きだけど、
今は伊原みたいなのと言い合いしたい気分だったので伊原寄り。

なんだろう、やっぱり前回までが4人が顔をあわせて推理してるから、
4人揃っての日常っていうのが見えづらかったので、
ここでそれをやってるのかなっていう感じがする。
推理に入った辺りからはそれぞれの役割を演じるような立ち位置になっちゃうし。
怒るっていうことをテーマに各キャラの繋がりをフォーカスする、
っていうところが如何にも最初の大きな波を突破した後の回だな、と思ったり。



私、怒っちゃったんです。
そのセリフを印象づけるカット割りにレイアウト。
回想を見せるシーンでも最後は背景白なんで呼応するような位置づけでもあるのかな。
折木が回答を示すようなところとかを机から接写するようなアオリで見せたりとか、
印象的な画を持ってきたりしてて、そういう話の転換点に引っかかりがあって楽しかったかなと。



鬼の先生。
この辺の不気味さはどこか米たにチックっていうかベターマン思い出すかな。
まあ人形や仮面にキャラや感情を代替させる意味合いっていうのはなんだろうと思ったけど、
それだけ感情やキャラを記号的に千反田えるは捉えているっていうことかもと思ったけど、
作品のもつ推理性、感情の発露を読み解くのにそのようにしてるのかなと思ったり。
まあ意味わからん千反田の疑問を不気味に演出している、とも言えるしどうでもいい話か。

この鬼の面なんかは京アニじゃあんま見かけない影とかハイライトの付け方してて面白いですね。
小物の反射とかはもっと細かく指定して撮影でさらにそれを処理して、
っていうのが京アニだと思うんですけど、
作画でざっくりカクイハイライト載せるような濃い感じの顔っていうのはあまり意識したことなかったんで、
こういうのは新鮮だったな、と。ゴツいフォルムも含め。



どうでもいいけど女の子このポーズし過ぎじゃないだろうか。
正直エロすぎて、ちょっと狙いすぎてますね感があるんだけど、
今回はさらに机に伏せって下からの目線を入れてるのが凄くあざとい感じだなぁ、と。
そういうの好きだけど、ちょっと気にかかる。

しかし改めて古典部の部室見せてたけど色々処理が細かいなと。
今回って部室だけで話が終わってしまうので絵作り的結構苦労してそうな気がするけどどうだろ。
まあだから色々狙ってくるんだろうと思うけど。
地球儀の処理とか当たり前に置いてるけどこの質感とか緻密さとかやるなぁって思ったりとか。
自分自身京アニ作品ほど他作品をよく見ていないということに最近気づいたので、
感心するところが違うのかなっていう判断が最近つかないんですが、
そういうところいいかな、と。



奥面、校舎外のキャラ動かして見せてる辺りもうなんなんだろうなと思えてくる。
そういう風景に憧憬の念がないわけじゃないし、
そういう学校生活の中での古典部っていうのを見せたいのかもとも思うけど、
うーんなんなんだ、っていう気持ちもある。
まあ他のアニメでもやってそうだけど、ちょっと引っかかったので。



白髪ハイライトって言ったら怒られそうだけど。
今回は割りとカット単位シーン単位で絵が結構変わってたんで、
そういうところを見るのも楽しかったかな。
里志の手の芝居や伊原の目の表情なんかは毎回強調してるんでわかりやすいところですよね。
そういうのを追うのも楽しかったかなと。



このアニメも大罪とか言い出すのかとか思ったり。
あまり大罪については引っかかりはなかったけど、今後どこかで振れていくのかな。
今回はやっぱりキャラクター間の立ち位置なんかの再確認と、
キャラの掘り下げを意識した回だったので、
こういった回が今後作品を見返した時にどう作用していたかを見るのがまた楽しみですね。

しかしなんか米たにさん思い出すなっていう回だったな、個人的に。
画面分割程度云々、っていうのもあるからあくまで個人的になんだけど。

脚本:西岡麻衣子
絵コンテ・演出:坂本一也
演出補佐:太田理香
作画監督:高橋博行

というわけで坂本回。
坂本さんの回は泣きとか空とか雨っていうテーマをここんとこよく使ってるんで、
そういうのからちょっと離れたところが新鮮でしたね。
終わり方も外を見せるのではなく校舎内を見せる感じでしたし。
やはり部室内の話がテーマっていう感じなんでしょうかね。
太田さんは今後ローテに食い込んでくることはあるのかな?期待。


氷菓 5話 を語る

2012-05-22 21:25:13 | <氷菓>


三好演出堀口作監というkanon以来のペアで原作氷菓クライマックス。
アバンからキメにきてて凄かったなぁ。
自転車のこの地カメラで見せてるのとかやっぱカッコイイ絵が見れたし、
折木と里志のやりとりをより情感的に見せててくれてて良かったなと。
前回の自転車のシーンとの対比にもなるのかな。



光が指して。
OPが不要なのは尺の関係だけでなく、
OPの折木の見る景色を物語の中に落とし込んだからからだと思えるシーンでしたね。
何も面白いと思えない、というところで水たまり、虚構の中の折木を見せるその狙いすますような画。
誰でもない誰か姿で質問を投げかける里志。
そしてフードをあけて里志として光の中の折木を追いかけていく。
OPの折木は何を見ていたのか。
折木の保留していた答えを見せていたという意味でも非常に印象的なでした。



養子先生の生い立ち。
時間を遡っていきながら先生の人生を追っていくのは地味にこってましたね。
この辺は堀口さんが全部キャラ表とか作ってたのかなぁ。楽しそう。
娘さんっぽいのが可愛かったし、流石だなぁ、と。

電話機とるところで腕で体重支えて腰回すような感じとか、
部室での伊原のポーズというか畳んだ短い詰まったような腕使いとか、
里志の背筋をエビぞりにするようなポーズとか、
折木がバッグを持ち替える動作とか、ああいうところがいちいち良かったなぁ。



こういうメガネ描写が新鮮だったなぁ。
先生がメガネかけながら物をよく見ようとする動作が多いのがちょっと引っかかる。
歳相応とかそういうのもあるのかもだけど、ちょっと気になるかなー、と。



回想。
こういう前かがみになるようなポーズというか、
そういうのが今回結構散見されたかなー、と。
先生がキャンプファイヤーで奇声をあげたって言ってるけど、
この回想ではイメージが合致しないのが引っかかりどころかな。
古典部としての活動もあまり語られていないし。
先生の中の罪かそれとも事実かはわからないけど、
そういう声を上げている一端に関わってしまったんだなというニュアンスでしょうかね。

背景と同一化しようとしない、風景、映像としての学校。
自分がその映像を見ている登場人物のような過去の先生の立ち位置は、
先生の心象心理そのものなのかな。
自分はその中にいて、入らず、距離を起き、他人ごととしながら、
先輩のことは思いやっていたという。
それと語り口の食い違いが人間の持つズレとして出てきているのかと思うと興味深いですね。

記憶より記録が優先されるっていうことなのかもしれないなぁ。
時効云々とかと絡めると。
記憶は感情的、記録は客観的、みたいな。



流しは右手方向って決まってるんだろうか。
ざっくりした千反田の影の入れ方とか。
先生のメガネ手いじりや切り返しての千反田アップとか。



今回は手の芝居がやっぱ引っかかるところ多かったかな。
里志の氷菓の意味を噛み締めるようなポーズとか、
こういうのがやっぱ新鮮だったなぁ、と。
伊原はちょっと煮えない感じだったけど。



トリッキーな見せ方は良かったですね。
ウサギっていうところが非常にグッと来る感じ。
過去に囚われている千反田っていう感じのブラインダーの影とか、
ああいう芸が細かい。
こういう文字とかはどう処理されてるんだろうなってやっぱ撮影班かな。
壁、画面いっぱいに展開されていくっていうのはどこか爽快さもあり、
その広がりで埋め尽くされていく恐怖っていうのが、
解がわかったカタルシスにもなってて入り込んだシーンだなと思ったり。
いやー目をつぶるウサギちゃんたち可愛いって言ったら違うか。

折木のいらつきをナメで見せてる辺りとかは室内のごちゃついた雰囲気から、
折木をピックアップしててカッコイイ画面になってたかなと。



そしてこの折木。
この腕を強調するポーズっていうがけいおんで見られなかった堀口さんで、
やっぱけいおん!ですら堀口さんの良さって100%出てなかったんじゃないの、
っていう気がしてきます。
CLANNAD after 3話とかいいんですよね。
http://yaplog.jp/lucyman/archive/1418



時効っていうか、やっぱ今なんだっていうのが千反田えるだったんだな、と。
この辺はやっぱ京アニ作品としては近年共通してあるものなのかと思いますがどうなんだろ。

折木の薔薇色っていうのはおじの叫びにもならない犠牲を払って手に入れていたものがいる、
そういうところに折木の憤りがあるのかもしれないけど、
それが折木が薔薇色から遠ざかる理由の一つにしていそうな感じがするかな、と。

アバンでのやり取りから終盤のやり取り見ると、
折木は薔薇色とは何かっていうものに保留してる感があるし。
でもきっかけはできたし、これからこれがどう振れていくのか、
個人的に楽しみかな。折木のセリフ、あの砕けた感じが妙に響きますね。
手紙書いてる折木可愛い。

脚本:賀東招二
絵コンテ・演出:三好一郎
作画監督:堀口悠紀子

いやーいい回でした。
何より今までの積み重ねが活きる回でもあって良かったなと。
堀口さんもいちいちポーズに拘ってくれてて、
そうそうこれなんですよー!って思えたし、
三好さんもやっぱカッコイイ画持ってきてて期待通りの回だったなと。
氷菓、まだ始まったばかりだしこれからも楽しみ。
原作は一応2巻以降も読もうかな。


氷菓 4話 を語る

2012-05-15 21:00:23 | <氷菓>


時効。
千反田のなかに響くその言葉を印象付けるなびきが印象的だったな。
自分の中で開かせないものを曲げてでも行うその姿勢、そして風景としての千反田。
木漏れ日の光やら、印象的な見せ方が光ってましたね。
くしゃみを接写して見せて場面の切り替え強調したりとか、
似たようなのが今話では結構使われてたような、とか。



薔薇色の話。
軽快に自転車に乗る2人が浮きすぎてて何のパートだろうなと思ったり。
ギアチェンジやチェーンの描写とか好きだけど好みではないかな。
里志が自転車こぎながら楽しそうに語ってるところに水をさしてくる折木、
という感じが引っかかるかな、と。
里志の語りを折木の領域に引きこむ、折木の薔薇色で語ろうとするその不躾さ、
そういうものを感じ取るような漕ぐのをやめた里志の冷めた態度が気にかかるというか。
こういう見せ方が個人的にはグッときたかなという感じ。
里志が折木のスピードに合わせていくようなところだったりとか。

この辺マルチで流れる風景見せてるのが印象的でしたが、
望遠で見せてるビニールハウスだったりとか、
絵的にうーんと思っちゃったり、
やっぱCG距離感だそうとすると作り物臭いっていうか、
心象世界かと思ってしまうような奇天烈感があるかなとか。
この辺はまあずっとあるポイントかもだけど。

後今回は話を詰め込んでるせいか、
やや早めのカット割りとかが目について、
ここはもう少し見せて欲しいなっていう部分もあって、
その辺も少し違和感あったかな。



里志の質問に考えこむ伊原さん可愛い。
伊原や里志は表情がコロコロ変わるというか、
眉間をよく動かすようなところが京アニのキャラだと新鮮だな、と。
ジト目は武本さん的な部分かもなー。
伊原は見下ろすような目線からのショットが多いので、
そういう場面でのキツメの目の印象が個人的には好みかな。
縁側でのやりとりはそれがよく出ててGOOD。

まあしかし千反田のおじを慕うのがよくわかる英雄像の語り、
それを暴力という説で別の道へとそらす伊原と、
そういうふうな語り口、見せ方が気になるかな。
千反田も可愛いけど、個人的には庵原の方が好みかな~。



バリパンチかと一瞬期待したけど。
各人が持ち込んだ資料の見せ方も凝ってて面白かったですね。
メタモルフォーゼとかあの辺どうやってたのとか、
この辺のキャラの処理の仕方とかフォントとか。
アイディアも面白いしテンポも軽快でこういうのは良かったかなと。



きっかけ。
折木がまた面倒臭がって千反田の問題を放り投げようとするが、踏みとどまる。
折木の態度を見ると、この探偵ごっこが、この集合、このやりとりがもう薔薇色だ、
そういう看破の仕方をしてるんだろうなっていうのが面白いかな、と。
その中で千反田の必死さを垣間見て折れるっていうのは、
それは薔薇色ではなくなんなんだろうなと少し思う。
その辺がアニメでは焦点になっていくのかな、と。

1話で折木は千反田に慣れていない、
っていう話から前回の喫茶店のやりとり、本来のカップの持ち方で千反田の前にいる折木は、
もう1話の折木とは千反田に対して本来の自分を見せることができたが、
それを告白で動かされてしまうっていうのがあったけど、
そこを改めて反復してるのかな、という感じ。



冒頭の千反田の靡きも印象的でしたが、トイレでの折木の靡きも不自然。
靡きはやっぱり、自分の中で折れなかったものを折った瞬間、
という共通点をもたせているのかな。
お互いのやり取りの中でお互いの譲れないものを折らせていく、
っという描写を流れを作るような風の描写に載せてる感じだけど、
そういう相互やりとりで先を進んでいくっていう成長譚でもあったりして、
そういう話の進め方が青春なのかなとちょっと思ってみたり。
まあどうでもいい話。
この辺の時計の描写とか好みですねぇ。



シャーペンで書き込んだりとか、
こういう処理も当たり前にやってきてて気持ちいいですねぇ。
手紙なんかもそうでしたけど、
手書きの文字とかが結構飛び交う作品っぽいので、
こういうところも大事にしていく方向なのかな。
筆記っていうところに重点を置かれている新鮮さがあるかな、と。



そして雨。
雨をどのように見せてくるのかっていうのはやっぱキーポイントだと思うので次回が楽しみ。
しかし折木に渡した傘、色トレスでの処理だったけど、
真っ白な傘ってかんじなのかな。
ビニールとはまた違うっぽいし、と。
ああいうところで千反田の純白さを見せるような感じはちょっとエロいかもな、と思ってみたり。
まあどうでもいい話。

脚本:江上美幸
絵コンテ・演出:河浪栄作
作画監督:池田和美
作画監督補佐:引山佳代

江上さんも動画から脚本って形になるのかな。
今回はそれぞれのキャラの説明の前に間を置いたりするオリジナル展開入れてて、
ちょっと違和感あったけどまあ原作読みだからかなと思ったり。
河浪さんは日常に続いて2回目の演出回ですかね。
凝りに凝った回で楽しかったので今後にまた期待。
池田さんの作監回はやっぱ安心して見れる部分があるなと。
伊原も良かったし。やっぱ池田さんが各話に入るとテンション違うなぁ、と。
引山さんも今後作監やられるのかな。


氷菓 3話 を語る

2012-05-08 18:53:42 | <氷菓>


アバン。
告白タイム。
時計の振り子が醸し出す雰囲気や全体の色合いが印象深かったですね。
折木たちを外からの目線で追いながら、
魔法が解けたら折木視点での店内のショット入れたりとか、
妄想と現実のあり方を印象付けるような見せ方も引っかかる感じ。
刻まれていく時間、という引き方も好印象だったかな。

千反田の髪とか振り子の光の反射とか、
エフェクトっぽいところも面白かったな、と。



飛び出す絵本。
GOSICKでの印象が強かったし角川繋がりか、とも。
ページめくるところでのカット割りも印象的だったし、
新聞で邦人行方不明という記事を見せて煽ってみたりしてt、
なんだ最近だとこのシンフォギア1話的なーみたいなどうでもいいことを思ったり。



テーブルナメのアオリ。
石立さんきてるなーとニヤニヤさせられる。
仰角での俯瞰連発とか、ナメとか内フレームやらなにやら、
レイアウトも凝ってるし、やっぱ石立さんってこうだよなーと思わされるシーンだったなと。
喫茶店でのシーンは折木と千反田、
それぞれの主張の見せ方を対比させるように似たような構図使ってて気になる感じ。



イマジナリーライン超え。引いていくカメラ。
千反田の申し出を拒否する折木。
ここで雰囲気変えたり、折木が両手でカップを持っているのを見ると、
これがやはり折木というキャラクターなんだなと思わされます。
今まで千反田の頼みになし崩しに付き合ってきたけど、という。
カップの演出は前回から続いてる感じがしてGOOD。
まあそういう意図が働いているか否かっていうのはまだ先を見ないと断定できませんが。
そういうどうでもいい話。
そんな中での千反田の言葉が正に告白そのもので、
折木は動かされてしまう、と。



いたずらに掘り返していく千反田のイメージ。
あの手紙と重ねるような折木。
カップを鳴らす、キッカケをああいった形で見せてくれるのは刺激的だし、
千反田の緊張、あえていうなら呪縛、を解く音であったりもして、
そういう雰囲気を作れている部分でもありで良かったな。



長回しでで手間から奥への横断。
こういうのも石立さんっぽいかな。
けいおん!の男の真似をする唯は印象的だったな。



石立回で扇風機か、と。
けいおん!! 11話 を語る
ももへの手紙見てて、あー扇風機で紙バタバタやるのとかあんま見かけないな、
と思ったらそれをやってきてるタイムリーさにニヤニヤしてしまう。
しかし赤外線見つけったところでの校舎外からのショットだったり、
先輩が切れてる辺りとか、印象的な見せ方させてたし、
特に先輩のトコは京アニ的な部分かなと見てて思ったり。
対比としての折木の表情の隠し具合だとかも楽しかったかな。



折木と伊原。
絡み方が男同士のそれでその距離感が良かったなと。
折木が仄めかしながら伊原がタバコと回答するあたり、
ああした芝居がかった見せ方が面白いし、
時を遡って先輩の行動を2人で追っていくのもトリッキーで良かったですね。
先輩の目の前に立ってみせる折木も、
その笑顔を見てる辺りなんかは先輩の滑稽への一瞥のようであり刺激的。
この辺はシャフトっぽい色使いかな~と思ったけど、どうだろ。



2人だけの世界。
今回のテーマは女子2人とのそれぞれの共有する時間のあり方にあったのかなと思う。
千反田は現在進行形で2人の中を見せている。
伊原は時間を遡るような描写の中で繋がりというか、
仲のあり方を描いていたな、と。
そういう身を置く時間の距離感の対比が面白いところだったかなー、と。

連続PANが校内を見回しながら一周して文集に着地するような感じ、
徐々にその文字をクローズアップしていく雰囲気とか良かったな。



目のクロースアップ。
かつて輝かせていた目に影。丸い目も細く。
思いつめる千反田の心情が見え隠れしてていいなと。

そして2人だけの秘密、世界を描きながら過去を目指す2人にとっての希望が、
過去を踏まえてきたような伊原の一声で潰えると。
いやー、いい引きでしたね。

脚本:村元克彦
絵コンテ・演出:石立太一
演出補佐:小川太一
作画監督:秋竹斉一

というわけで石立回。
最初は違う方の演出回だと勘違いしててほとばしる石立臭さに驚いたんですが、
まあ本人の回だったという。
演出補佐で小川さんが入ってきてますね。
また演出の方が増えるのかなー?期待。
しかし三好コンテ回の演出回が京アニ演出の登竜門的な感じだったけど、
最近はそうでもないんだろか。

久々に過去好きだった記事とか見返したり。
フルメタルパニックTSRから涼宮ハルヒへ ~京アニはエヴァを越えて~
今でもワクワクしちゃう。