流星、夜を切り裂いて ~FLY HIGH~ ver.2

米たにヨシトモファン 京アニに興味あり アニメ語りメイン

ヴァイオレット・エヴァーガーデン 8話 を語る

2018-03-02 20:10:59 | <ヴァイオレット・エヴァーガーデン>


息遣いに合わせての伸縮。
興奮状態にあるヴァイオレットの正常でない部分、
っていうのを体の伸縮で表現しているのが印象的かなと。
ブーツの編み目の部分の変化など、細かな変化が目を引きますし。
ヴァイオレットの表情をあまり見せず、ほとんどオフセリフで進行するので、
こういった部分が特に印象的に映るっていうのもあるかな。
息遣いの分かる芝居っていうのは棒立ち気味になるアニメの芝居の中では、
生きているっていうのが伝わる描写なのかなぁ、という気がするけども、どうなんだろう。





武器は武器だな。
大佐の前で鬼気迫る表情をしているのが、
普段無表情なヴァイオレットからすれば印象的ですね。
決定的シーン、少佐が未帰還であることを問う場面では、
狼狽したように言葉がしぼんでいくところで表情がまた読めなくなるのも含め。

あと負傷した兵士にヴァイオレットというシーンを、
大佐はこれまでにも見てきたのだろうな、
というのも見返すとちょっと意識してしまうシーンかも。
ヴァイオレットを武器となぞらえるにはそれだけの理由がやはりあるのだろうなと思うので。





少佐はご無事です!
目のクロースアップでのぶれ線なんかは流麗な画面の今作では目を引くカットでしたね。
青空をバックに影を落とした立ち姿も前回の呆然とした姿をリフレインさせられて印象的。
少佐の死というのはヴァイオレットをこのような孤独の下に置く、
と意識させられるような画でまた印象的。



悲しいはずが無いだろう。
ひとしきり言い終わった後の表情を意図的に読ませず、
大佐の言葉で伝えてくるのみっていうのもまたヴァイオレットの表情を意識させられるかな。
PANの後ろ姿から大佐へという向けられた意識、表情を意識させられるというか。

ただ今までもアンニュイな表情とかさせていたし、
前回の終盤の絵だったりも印象的で、
セリフも表現が豊かなのでヴァイオレットの表情にそこまで関心を集められるか、
というとちょっと弱い気もする。

それだけヴァイオレットが成長してきている、
大佐にそんなことを言われる筋合いは無いというほどに、
と視聴者がヴァイオレットにくみするシーンという意味合いで、
あえてそこを読ませない感じだったのかな。

肩を揺らすその息遣いへの共感というか。
生きていく中で起こる感情の荒波への共感というか。







電車へ乗って何処へ。
外の景色を見るでもない、ブローチを握りしめるヴァイオレット。
ヴァイオレットが見ていないであろう星空から朝へと変わる風景。
ヴァイオレットの遠くを見つめる視点の喪失を意識してしまうかな。



俯瞰のレールからヴァイオレットがIN。
やや引っ掛かりの強い1カットですね。
アップの絵でのINがインパクト強いからですかね。



PANアップで見せるレールの先と巨大な建物。
世界観とヴァイオレットの道を描いている点で印象的。
ヴァイオレットは今回表情をだいぶ意識して隠して見せてますね。



雪原の中のお屋敷。
ヴァイオレットの向かった先かと思いきや過去の回想。
今ヴァイオレットが向かっているのはこの屋敷なのかな、
と予感させるカット割りで入り組んだ回という印象ですね。



ここの少佐の目のアップ、
普段正面からの目のアップが多いので、
ナナメから見せられる目が印象的っていうのもあるけど、
なんかズームしてみせたような絵という印象があって不思議な感じがしたな。
なぜここで目なんだろうという引っ掛かりも含め。

右目を打たれるので、失われた右目、右目の代わりとしてのエメラルド、
普段強調されるのは左目とか色々意識してしまいますね。

屋敷の中で幼いヴァイオレットが少佐を探し回って、
結局少佐が開けた扉から少佐が出てくるという感じで、
ヴァイオレットのいる部屋の扉を開けるものが少佐だ、
という風に受け取れる感じ。
今までの回だとルクリアなんかが扉を開ける役を担っている印象でしたが、
元々それは少佐の役割だったという描き方なのかなとか。
後半の突入のシーンでも少佐が扉を破る役という徹底ぶり。



戦場に捨ててくればいい。
ペンを投げ捨てる辺り悪意のある芝居だなという感じですが、
そう言った悪意丸出しの表情をあまり突き付けてこない。
表情を見せない回という印象にする話数でしたが、
ここも投げ捨てられたペンに託すのみので、
人の悪意というのに色んな意味で敏感な感じがするかな。
悪意のある人、というのを描写するのを嫌っている風なのが気になるというか。



炎。
火傷をリフレインさせられる。
後の戦闘の火の海の中に立つヴァイオレット的なのを含め。

少佐の手合図からヴァイオレット突入っていうのは、
どんだけヴァイオレットは少佐の犬なんだよみたいな印象が強いかな。
忠犬的というか。
犬のイメージっていうのは確かにあるかもしれないと思わされる。





タイムラプス。
少佐の家どんだけ奥深いところにあるんだよという感じ。
猛るような雲の動きを見せるのが今回の空に合っていてグッときますね。
回想シーンを含め、いくつもの空を超えて再び同じ地に立つ、
というイメージでもあるのかな。





少佐に教えてもらった言葉で、文字で、少佐の死を突きつけられるヴァイオレット。
墓というのが残された人のものっていうのを意識させられるシーンでもあったかな。
喪失のイメージに包まれたヴァイオレットなんか見ると、
まだ青空の下に立っていて姿には希望があったのかなと思わされる。
見開かれた目に呆然とした表情と、
表情を溜める回だったが故に強調されるべきカットいう感じがして印象的ですね。





少佐の瞳は、出会った時から、美しいです。
恋人たちや男女を強調する通行人たち。
その中の少佐とヴァイオレットのやり取りは正に、みたいなシーンだったな。
やっぱ少佐この辺でヴァイオレットに射抜かれてたのかなー。



今回はアクション回というのもあって、
戦闘シーンが多いのも目を引きますね。





悪意とは。
少佐の死を知った時、少佐を撃った人がアップになるということは。
人を殺すときの顔っていうのを見せる意図もあって引っかかるかな。
さて次回のヴァイオレットは如何に。

脚本:吉田玲子
絵コンテ・演出:澤真平
作画監督:岡村公平



コメントを投稿