ソラリスで見てきました。
小さい箱で不安でしたが客入りもよく年齢層も多様でちょっと意外な感じ。
藤田春香監督ということで楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。
最初始まって船のシーン。
空に手を伸ばす、というのが印象的に描かれていて、今作はそこが焦点になってくる感じだったな。
途中でTVシリーズのようにサブタイトルが入る感じで前編後編という形が印象的でしたね。
ヴァイオレットが依頼人のところへ行くところ、密着マルチで奥行きを見せてるのが目を引かれたな。
大きく見せたい一瞬のシーンという扱い方で、
3D美術とかやってきた京アニ作品で一瞬のこういう絵っていうのをやるのかという感。
そういえばイザベラの友人の顔を見せないようにしている一瞬の振り向きなど、
前半は一瞬を切り取る印象がちょっとあったかな。
前編はヴァイオレットで描いてきたこと、京アニで描いてきたことがつぶさに見て取れて、
割とヴァイオレットの本編にも寄り添う画作りという印象がちょっとあったかな。
キャラクターと同じ方向を向いた人形とか日の当たり方とか、
髪を結い合うのとか、自分が喜んじゃう要素が多くてたまらんなぁと思いながら見ていました。
個人的に印象的だったのがロウソクの扱い。
イザベラがヴァイオレットに心を開いたのは、
自分もヴァイオレットと同じ孤児だったというのを知ってから。
イザベラの部屋の証明はロウソクによるものになっていますが、
イザベラ、ヴァイオレット、それぞれを見せるときに1本のロウソクが同じく画面に入っている。
そして画面に一緒に入る際に、また1本のロウソクが画面に入っている。
互いが小さな火であった、そして同じ火であったことが描かれる、
その小さな火にグッと来る感じ。
また別れが近づきロウソクが次第に溶けていき、最後にはロウソクが尽きてしまう。
共にある印としての灯火、
そしてイザベラの過去で描かれる掛け替えのない灯火とも掛け合わされるロウソクの火が、
これまた印象的でした。
後編では電気が普及しロウソクの火という描写もなくなっているので、
貧しかったあの頃、
そして同じ時を過去に過ごしたあの頃を象徴する火という扱いになっている感じがして、
そういう戦後の文明とも対比するような感じがしたかな。
イザベラとヴァイオレットの描写は繋がりを意識した画が多かった印象。
光の中へ手を伸ばすようにヴァイオレットと手を取り合って、
それが最後は学友との描写へと繋がっていく。
そしてイザベラが空へ向ける手は緑に阻まれ、気持ちとは裏腹に内へとと誘われる。
それはイザベラが妹との思い出、そしてイザベラの願いを妹へと託したことに繋がる。
自由に空を飛ぶ二羽の鳥で描かれるように、二人が同じものを共有していることにグッと来るなと。
この姉が身を引いて妹へ託す感じ、ちょっとリズと青い鳥を思い出す感。
瞳が揺れる表現は完全に京アニに定着した感ありますね。
イザベラ、テイラーのアップを含め印象的画が多かったです。
三編みを作る描写や髪を触る描写は古くはAIR、涼宮ハルヒを思い出す感じで、
藤田さんもそういうの好きなのかなとか思えたり。
女の子同士、姉妹が仲良くするという京アニの中の文脈になりつつあるのかも、みたいな戯言。
ぬいぐるみはTVシリーズから印象的に描いていたので、
その反射として姉妹を扱っていたのかなという感。
窓から見る風景、というのもぬいぐるみと関連付けて見せていた印象かなと。
今回鏡面的な絵もちょいちょい見かけましたが、
TVシリーズのような虚構の中のものを見る、というのとはまた違った趣でそこが気になったかな。
すでに忘れかけているので次回期にしたい感。
イザベラとヴァイオレットの友人関係にはグッとくるものがあり、
ワルツを踊るシーンやイザベラのヴァイオレットと対比するように、
赤い宝石をつけていたりするのにグッと来たかな。
お風呂で裸の付き合いっていうのもヴァイオレットの腕をマジマジと見た人物として、
イザベラは確かに他のキャラからは一歩先を行ってる感あったかも。
ただ今まで出会ってきたキャラは友達じゃなかったのヴァイオレットちゃん!ともなったかな。
後編は姉イザベラから妹テイラーへ。
TVシリーズではあまり目立った出番のなかった配達人ベネディクトがメインで、
外伝感のあるエピソードになっていたのが印象的だったなと。
手紙を書く人も大事だけど手紙を届ける人もまた大事。
ベネディクトがつまらない仕事だと腐している分、
テイラーとのかかわり合いでの変化の扱いが印象的だったなと。
後半は前半に比べると絵的な文脈は抑え気味になり、
テイラーの子供ながらに必死に配達人になろうとする姿を描いて、
最初コンテは別の方かもしれないとも思いましたが、
監督のコンテで、前半と後半でだいぶ画作りに対する考え方が違うなという印象を受けたな。
一本の作品として関連付けるような作品の中でこの変化はちょっと意外な感じ。
その中で姉妹が空に手を伸ばす描写が繋がってくるのがGOODだったな。
イザベラの回想では決して出ない、テイラーだからこその視点が光る感じで。
テイラーの歯を見せて笑う感じが愛らしいのと、
ベネディクトに手紙の配達を頼むアップ、イザベラの姿を草陰から見守るシーン、
どれもテイラーの表情が大事にされていてそのきめ細かさに惹かれる感じ。
もうどんなイザベラとどんな生活をしていたかも忘れていたテイラーが、
自身の手紙を受け取ったイザベラの姿を見て喚起される過去の記憶、
その尊さにグッとくるというか。
姉がいたという事実から実感に変わっていくうちに湧き出てくる涙に共感を覚える感じ。
ベネディクトがもらい泣きしてるのをテイラーがからかうのも楽しいかったし、
ベネディクトがテイラーのクサイセリフを自身の中で消化して受け取るような返しも、
身に染みる描写となっていて良かったなと。
こういうのをTVシリーズでやれなかったのは勿体なかったなぁとも思ったかな。
見終わってパンフ買おうとしたら既に売り切れで、
パンフ片手に記憶を辿ろうと思っていただけに宛が外れてやや残念。
ただ多くの色んな方が今作を見ているんだなと知れたのはよかったかな。
ヴァイオレットの新作はまだやってくださるようで嬉しい限り。
今作を見てだいぶ期待感が高まったので、新作劇場版を見るのが楽しみです。
小さい箱で不安でしたが客入りもよく年齢層も多様でちょっと意外な感じ。
藤田春香監督ということで楽しみな一作でした。
以下ネタバレ感想。
最初始まって船のシーン。
空に手を伸ばす、というのが印象的に描かれていて、今作はそこが焦点になってくる感じだったな。
途中でTVシリーズのようにサブタイトルが入る感じで前編後編という形が印象的でしたね。
ヴァイオレットが依頼人のところへ行くところ、密着マルチで奥行きを見せてるのが目を引かれたな。
大きく見せたい一瞬のシーンという扱い方で、
3D美術とかやってきた京アニ作品で一瞬のこういう絵っていうのをやるのかという感。
そういえばイザベラの友人の顔を見せないようにしている一瞬の振り向きなど、
前半は一瞬を切り取る印象がちょっとあったかな。
前編はヴァイオレットで描いてきたこと、京アニで描いてきたことがつぶさに見て取れて、
割とヴァイオレットの本編にも寄り添う画作りという印象がちょっとあったかな。
キャラクターと同じ方向を向いた人形とか日の当たり方とか、
髪を結い合うのとか、自分が喜んじゃう要素が多くてたまらんなぁと思いながら見ていました。
個人的に印象的だったのがロウソクの扱い。
イザベラがヴァイオレットに心を開いたのは、
自分もヴァイオレットと同じ孤児だったというのを知ってから。
イザベラの部屋の証明はロウソクによるものになっていますが、
イザベラ、ヴァイオレット、それぞれを見せるときに1本のロウソクが同じく画面に入っている。
そして画面に一緒に入る際に、また1本のロウソクが画面に入っている。
互いが小さな火であった、そして同じ火であったことが描かれる、
その小さな火にグッと来る感じ。
また別れが近づきロウソクが次第に溶けていき、最後にはロウソクが尽きてしまう。
共にある印としての灯火、
そしてイザベラの過去で描かれる掛け替えのない灯火とも掛け合わされるロウソクの火が、
これまた印象的でした。
後編では電気が普及しロウソクの火という描写もなくなっているので、
貧しかったあの頃、
そして同じ時を過去に過ごしたあの頃を象徴する火という扱いになっている感じがして、
そういう戦後の文明とも対比するような感じがしたかな。
イザベラとヴァイオレットの描写は繋がりを意識した画が多かった印象。
光の中へ手を伸ばすようにヴァイオレットと手を取り合って、
それが最後は学友との描写へと繋がっていく。
そしてイザベラが空へ向ける手は緑に阻まれ、気持ちとは裏腹に内へとと誘われる。
それはイザベラが妹との思い出、そしてイザベラの願いを妹へと託したことに繋がる。
自由に空を飛ぶ二羽の鳥で描かれるように、二人が同じものを共有していることにグッと来るなと。
この姉が身を引いて妹へ託す感じ、ちょっとリズと青い鳥を思い出す感。
瞳が揺れる表現は完全に京アニに定着した感ありますね。
イザベラ、テイラーのアップを含め印象的画が多かったです。
三編みを作る描写や髪を触る描写は古くはAIR、涼宮ハルヒを思い出す感じで、
藤田さんもそういうの好きなのかなとか思えたり。
女の子同士、姉妹が仲良くするという京アニの中の文脈になりつつあるのかも、みたいな戯言。
ぬいぐるみはTVシリーズから印象的に描いていたので、
その反射として姉妹を扱っていたのかなという感。
窓から見る風景、というのもぬいぐるみと関連付けて見せていた印象かなと。
今回鏡面的な絵もちょいちょい見かけましたが、
TVシリーズのような虚構の中のものを見る、というのとはまた違った趣でそこが気になったかな。
すでに忘れかけているので次回期にしたい感。
イザベラとヴァイオレットの友人関係にはグッとくるものがあり、
ワルツを踊るシーンやイザベラのヴァイオレットと対比するように、
赤い宝石をつけていたりするのにグッと来たかな。
お風呂で裸の付き合いっていうのもヴァイオレットの腕をマジマジと見た人物として、
イザベラは確かに他のキャラからは一歩先を行ってる感あったかも。
ただ今まで出会ってきたキャラは友達じゃなかったのヴァイオレットちゃん!ともなったかな。
後編は姉イザベラから妹テイラーへ。
TVシリーズではあまり目立った出番のなかった配達人ベネディクトがメインで、
外伝感のあるエピソードになっていたのが印象的だったなと。
手紙を書く人も大事だけど手紙を届ける人もまた大事。
ベネディクトがつまらない仕事だと腐している分、
テイラーとのかかわり合いでの変化の扱いが印象的だったなと。
後半は前半に比べると絵的な文脈は抑え気味になり、
テイラーの子供ながらに必死に配達人になろうとする姿を描いて、
最初コンテは別の方かもしれないとも思いましたが、
監督のコンテで、前半と後半でだいぶ画作りに対する考え方が違うなという印象を受けたな。
一本の作品として関連付けるような作品の中でこの変化はちょっと意外な感じ。
その中で姉妹が空に手を伸ばす描写が繋がってくるのがGOODだったな。
イザベラの回想では決して出ない、テイラーだからこその視点が光る感じで。
テイラーの歯を見せて笑う感じが愛らしいのと、
ベネディクトに手紙の配達を頼むアップ、イザベラの姿を草陰から見守るシーン、
どれもテイラーの表情が大事にされていてそのきめ細かさに惹かれる感じ。
もうどんなイザベラとどんな生活をしていたかも忘れていたテイラーが、
自身の手紙を受け取ったイザベラの姿を見て喚起される過去の記憶、
その尊さにグッとくるというか。
姉がいたという事実から実感に変わっていくうちに湧き出てくる涙に共感を覚える感じ。
ベネディクトがもらい泣きしてるのをテイラーがからかうのも楽しいかったし、
ベネディクトがテイラーのクサイセリフを自身の中で消化して受け取るような返しも、
身に染みる描写となっていて良かったなと。
こういうのをTVシリーズでやれなかったのは勿体なかったなぁとも思ったかな。
見終わってパンフ買おうとしたら既に売り切れで、
パンフ片手に記憶を辿ろうと思っていただけに宛が外れてやや残念。
ただ多くの色んな方が今作を見ているんだなと知れたのはよかったかな。
ヴァイオレットの新作はまだやってくださるようで嬉しい限り。
今作を見てだいぶ期待感が高まったので、新作劇場版を見るのが楽しみです。
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