今回見ていて、やっぱらき☆すたの監督は山本寛なのではないかと思った。
脚本:山本寛 絵コンテ・演出:石立太一 作画監督:高橋博行
今までの話数から今回の話に関連してるところを抜き出してみると、今回は見所の多い重要な回だったのではないかなぁ、と思いました。こなたの母親についての描写とか。母親の話というと、ヤマカンが待田さんと組んだ週間ストーリーランドの父親が死んでしまった結婚式の回などを思い出します。他にも家族を失った話があったと思うので、らき☆すたも恐らくそういう方向性を狙っていると思われます。とりあえずそっちを。
以前のヤマカン脚本、石立演出回での仏壇カットの印象付けなどから見て、恐らくヤマカンは母親について何らかのドラマを作りたいのではないかなぁ、と思うんですよね。まあ、推測の域を出ない話ですが。ただ今まで母親についてスルーだったのにヤマカン回で母親に関するエピソードが続くとそういう風に思えてくるんですよね。上に書いた脚本家繋がりもありますし、その辺気をつけてみるのもいいかもしれません。
今回のかがみについての描写も拘ってると思う。かがみの携帯電話の話だったり流れ星の話を否定的に捉えているところを踏まえて『らっきー☆ちゃんねる』を見てほしいですね。特に携帯の話は意味深な感じで、携帯電話使うのはこなた相手、という描写がなされています。これはこなたをある意味『彼氏並存在』つまり『親友』という位置に見ているのではないかなぁ、と思いました。こなたの家にわざわざ電話をかけるシーンを用意してるのはそういう意図があったりすんではないかなぁ、と。それにゲームをしているところのコントローラーの持ち方とかかがみらしさを出してますよね。らっきーちゃんねるは今までもある程度キャラ紹介をする回はそのキャラよりの話になっていたと思うんですが、今回のらっきーちゃんねるはキャラを『ツンデレ』の一言でカテゴライズされることに対して疑問を作品中で示してくるという異色な構成になっています。そんな『ツンデレ』という単語一言でキャラを語るな、という声が聞こえてきそう。次回予告でかがみが長々としゃべってることについてもそう。かがみについて積極的にアプローチしてる。自称かがみ萌えな方は今回の問いかけにどう反応するか見物ですな(笑)
まあ、制作側がキャラ萌えについての話を持ち出していいのか?というのはあるものの、視聴者に対しても挑戦的な姿勢がある意味面白いと言えるかも。かがみだけでなく他のキャラも同様ですが、今回はかがみについてということなんでかがみについて考えてみたらいいかと。
あと今回はアニメ的ケレン味が結構見られたなぁ、と思った。
冒頭の音符とか文字とか☆飛ばしとか。この辺は石立さんらしい感じでした。
そして今回はなんと言ってもアニメ店長ですね。京アニの暴れる作画を見るのは久しぶりです。
・アニメ店長の元ネタはガイナックス制作
http://www.youtube.com/watch?v=nJ5PcrekxIE
・それを踏まえて今回のアニメ店長
http://www.youtube.com/watch?v=W5nO-ypKHIM&NR=1
・今までのヤマカン担当回
1話:
http://yaplog.jp/lucyman/archive/871
2話:
http://yaplog.jp/lucyman/archive/878
4話:
http://yaplog.jp/lucyman/archive/895
・この間の金田光回
8話:
http://yaplog.jp/lucyman/archive/929
ついでに7話:
http://yaplog.jp/lucyman/archive/920
これを見ると、どこかしらガイナックスを意識してるのかなぁ、と思えてくるんですよねぇ。2話でのトップネタから今回へ、金田光から今回へと何かしら伏線になるものを置いてきてるのが引っかかるんですよね。思えばあの回も父親関連(家族関連)で、島本和彦っぽい濃さが出てたような。私はヤマカンは今石さんはあまり好みのタイプではないだろうなと思ってるんですが、今回の京アニ的な作画はそういう今のガイナに対して何か思うところがあるんじゃないかなぁ、と思うんですよね。対抗意識と見ればいいのかリスペクトと見ればいいのかはわかりませんが。カレカノなどをどう見てたのかなぁ。そういえば暴走作画の方向性はまるで違ってるな、ヤマカンと今石さんって。まあ、今回は脚本だけなんであんまりヤマカンを持ち出したらいけないのだけれども。
とにかく店長は凄かった。ジャンプしながらCGの背動。背動でCG使うのはもう京アニのお決まりみたいなもんですね。店長回転しながら叫ぶ直前のエフェクトがケレン味たっぷりそんでよっていくカメラワーク。空中での動きはもうワケワカメですよ。着地の際のエフェクトが京アニらしく枚数使ってて臨場感を出したいのかなぁと思いました。こうブワッと広がっていく感じが個人的には良かったかなぁ。実線っぽい感じがまた目を引くところ。大げさな煙はアドリブではなくコンテで指定されてそう。
なんかすごいことになってる(笑)
雷撃エフェクトなんか結構カッコよかったです。
背景が宇宙になってるのは例に習ってまた演出の好みでしょうか(笑)
らみかのところのキラキラ光らせてるエフェクトもまた演出さんの好みでしょうね。
らみかを綺麗に見せたいのも京アニらしい感じ。最後のアップで薔薇が出てくるのが印象的。これは7話でおしとやかな子、上品な子には薔薇が出るというのを伏線にしていると捉えてみるのも面白いと思います(7話のはマリみてのパロ)。薔薇が開くとこも細かくて豪華ですね。んでガイナ版の方はもっと暑苦しくなってますね。私はどっちも好きですがあえていうならガイナの方が好みかなぁ。ちなみに持ってるのは『涼宮ハルヒ5巻 限定版&通常版』。これは昨年の発売時期が11月だったので、その前後らへんという時系列とかけてるんでしょうね。そういう細かい所を考えてる点は流石だなぁ(笑)
見てて色彩がハーモニーっぽい感じでそういうところで濃さを狙っていたのかなぁ、と思ったんですが出来が良かったかといえばどうなんだろう、と首を捻る。ただ、こういうアプローチの仕方をするんだなぁ、と見てて楽しかったのが大きかったです。どうでもいいですが、『A』がいるなら『B』もいるのでしょうか。もしかしたら今度は父親が来て・・・、というネタ等が隠されているのかと妄想してしまいます。
今回、今まで出てきたパロが伏線として繋がってくるようで、ヤマカンが全体の構成を練っているのではないかと思えてしまったほど綺麗に収まるのでちょっとビックリです。母親の話などもそう。今後もヤマカン脚本回でこういった繋がりが見られるかもしれません。まあ、ここまでは脚本が既に上がっていたと見るべきなのかもしれませんが。まあ、なんだかんだで監督を降りてもヤマカンがもたらしている影響力は思った以上に大きいのだと思いました。もしかしたら最終回とか力の入った回でのヤマカン演出が見られるかもしれません。山本寛演出回があったら祭りの合図だと見ていいかな、と思います。
追記:そういえば濃い顔と言えば武本演出回で頭文字Dのパロがありましたね。あの辺から考えるとやっぱ武本監督の方がパロ狙ってるのかなぁ。うーん、どうなんだろう。ただ今回の話全体は今までのらき☆すたの脚本&演出が混ざりこんでいた感じだったとは思う。ケロロもそうだし。ヤマカン脚本&石立演出回はらき☆すたでも注意深く見る必要がありそうです。あと武本回。
まあ、憶測ですが(笑)