真っ赤な夕日に・・・
「オ~イ、オ~イ・・・」
「私は、オ~イではありません、名前で呼んでください」
「・・・」
こんな呼び方をする時は、夫が自信を取り戻して、ご機嫌なときだ。
「さ○ちゃ~ん」と、呼ばれる時
「今日は、ちょっと痛かたい・・・」
「滅多な事では、「痛い・・・」とは言わない夫が
やはり「オ~イ、オ~イ・・・」と、呼んでいてくれた時が、よかった・・・
奥様は目頭ををハンカチでおさえられた。
http://blog.goo.ne.jp/himawari_008_may/e/7453450244e92a2d5132d1bba15a13c1
夫の親友だったS君の初盆に、少し、ゆっくりされてからがいいよねと思い
昨日、2人でお参りに・・・
最後にS君に会ってから、1週間後に亡くなられて、もう初盆を。
きりりとした目元、うすいブルーのTシャツ、白いハンチングがよく似合う、
元気だったころのS君の姿が、額に入れてあり、手をあわせた・・・
目をやると、剣道、囲碁の段位認定書の額、ゴルフ優勝トロフィなどなどが・・・
山登りも好きだったそうで、「一部を K山に散骨にいきます、あとしばらくしたら」と
奥様がしずかに口を開かれた。
いま、膝を痛められいて、失礼しますといって小さなイスに腰をかけられたが
そのイスがわたしには、大きく見えて、やはり 「力を落とされたなぁ・・・」
と思えて仕方がなかった。
「わたしのどこを、見て結婚しょうと、思ったのですか?」
「・・・ 健康そうだなと、思うて・・・」
「それだけ?」
「・・・」
「後は、言わんでもよかろう?・・・」と、S君は思ったにちがいない。
でも、女心には言ってもらいたい一言があるの。
私なら、さだめし恨めしく思ったことだろう。
額のなかのS君に
「ほんとにいい奥様をもらったよね」 話しかけた。
元、看護師だった奥様の看護で、亡くなるまでいつも一緒だったお二人。
「わたしたちも、もう結婚45年、杏子さん達とおなじ、 サファイヤ婚よ」
ちょっぴり、はずかしそうに笑って・・・
「あぁ~、やっと笑顔がみられたね。そうよ、そうよ ねっ 買っていいよね、S君
」
S君の遺影にむかって 私がおおきな声でいったら、
横で 夫が「うん、うん」と笑っていた。
~~~を忘れて、話こんでしまった。
「今日は、これくらいにしとかんね」と が腰をあげた。
「あらら、もう2時間も、また 変になるもんね」
2人の子供さん達が、お母さんに、なにか楽しい事をと
パソコンの手ほどきをされて、
ときどきコメントも来るようになり、わたしも交換の約束もできたし、
にっこり笑顔で をしました。