紅白のボケの花が満開・・・
走りながら、タクシーを予約して指定の場所に待機してもらった。
Hさんの農作業用の家から本道路までは、狭い農道なので車は入らない。
両脇をSさんと、夫に支えられながら、ヨロヨロと本道路まで歩いてきた。
タクシーの運転手さんが手助けをして、やっとのことで車に乗せられたHさんは
あいかわらず痛みが激しいのか無言、顔色は土色のまま。
「T病院へお願いします」
「はいッ!」
タクシーの中で、そうだ電話を入れておいた方がいい!
慣れたT病院、携帯で
「いまから、怪我人をタクシーで連れていきますので、よろしくお願いします!!」
『怪我の状態は?』
「屋根から落ちて足の痛みがつよく、手にも血が流れています・・・」
「ハイ!わかりました」
「着きましたよHさん、病院ですよ」 私。
「・・・うん・・・」
待機した医師と看護師、 Hさんは車椅子に乗せられて救急室へ
あ~これで一安心、Sさんと私は待合室の椅子にグッタリと腰をおろした。
汗、汗・・・
待つこと1時間余
車椅子にのせられたHさんが返ってきた。
左手には厚い包帯がまかれていたが、顔色はよくなり笑顔がみられた。
「はぁ、すんまっせんでっす・・・」
医師から説明があった。
『レントゲンとCT 検査の結果、骨折はありませんでした。
足首と腰を少し痛めてありますが、入院の必要はありませんから・・・
今晩は痛みがでると思いますので、痛み止めを処方しています。
もう家に帰ってもいいですよ』
笑顔を見せたHさん、ホッ!としたSさんと私。
正直のところどうなるのかと、えらい心配した待合室での長い1時間だった。(完)