hokutoのきまぐれ散歩

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コイル切手

2014-11-09 05:00:12 | 日記

切手シリーズ その36。切手を収集した経験のある人ならば大概耳にしたことがある『コイル切手』を取り上げる。
コイル切手とは目打ち(切手の周りのミシン目)が縦か横の二方がない切手のことで、自動販売機に対応したものとして開発された。
世界で初めてコイル切手を発売したのはアメリカで20世紀初めに切手の自動貼付機の開発がされた際にダイレクトメール業者の要望を聞いて開発されたもので、1906年に初めて登場した。

日本でも1933年に東京中央局に切手の自動販売機が設置され、そのために新大正毛紙切手の1 1/2銭と3銭切手が発売されたのが最初。日本の普通切手は縦型が多く、そのため、目打ちは両横がない。

次いで1937年に昭和白紙の3銭、1938年に乃木希典図案の2銭のほか3種類が戦前に発行されたが、大きな郵便局(集配局)に機械が置かれた程度であまり普及しなかった。


戦後は1959年の第二次動植物国宝切手の5円のオシドリと10円の法隆寺壁画の2種が最初で、1961年の五重塔航空切手30円、ソメイヨシノの10円、建長寺の30円と発行された。


小生も子供の頃、同じ普通切手でも『コイル切手』は高いと記憶しているが、それは今も変わらない。例えば五重塔航空30円は通常の切手はカタログ価格800円に対し、コイル切手は8000円もする。同じくソメイヨシノの10円も通常切手は70円に対しコイル切手は1000円する。これは発行枚数と販売郵便局が少なかったせいでもあり、その後のコイル切手販売の際に人気があったのも頷ける。

その後も1968年の15円菊と100円タンチョウ、郵便番号宣伝15円の3種類。1972年の20円松、1979年10円のシカ、1976年の50円の弥勒菩薩、1989年の41円のヒオウギガイと62円のオオイトカケガイ、1994年の60円メジロ、80円ヤマセミ、1998年10円コアオハナムグリと発行された。


さらに1997年4月に同じ台紙の切手に異なる額面を印字する画期的な自動販売機が開発され、50円、80円、90円、130円の4種類が発行できる機械だった。
1997年12月に『定形外郵便50グラムまで』の郵便料金が130円から120円に引き下げられたため、130円の発行枚数が少なく、今も高い。(異なる台紙で270円切手も発行された。)この当時、ますますコイル切手が発行されると思っていたが、あっと言う間に、全く発行されなくなり、郵便局の片隅にあった切手の自動販売機も姿を消した。

これは切手を24時間営業のコンビニで買うことができ、さらに、郵便局も時間外窓口を整備させたため、自動販売機のニーズが無くなったと判断したものである。そのため、2007年7月をもって自動販売機は全廃してしまった。

これは収集家としては何とも寂しい話で何とかまた復活させて貰いたいものだ。